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入学式
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3月の初め、俺は小学校を卒業した。今までのクラスメイトとお別れ。ということはなく、ほとんどみんな、同じ地区にある中学校へ進学する。もちろん、県外に家の都合で、行く人もいたが、俺に限ってはそんなことはないのだ。
そして4月4日。入学式だ。制服に着替え、俺は妹と母親と共に早めに家を出て、歩いて7分ほどの距離にある第1中学校へと向かった。クラスは昇降口に張り出されていた。学校へ着き、昇降口の入り口に貼られているクラス名簿を見る。俺のクラスは1年2組。一クラス36人の4クラス学年の人数は144人。因みに、妹は妹4組だ。下駄箱を見ると、自分のクラスのシールが入ってすぐに見えるところに貼られており、その列を探していくと、自分の名前のシールが貼られているスペースを発見した。
「ここか。覚えとかんとだ。」
独り言を言いつつ、自分の履いてきた運動靴を下駄箱に入れ、持ってきた上履きに履き替える。履き替え終わったら、自分の教室ではを目指して歩き出す。廊下を歩いて、階段を上り、1年2組の教室を見つける。
「ここが、これから1年間過ごす教室。」
1年2組の教室は3階の奥から2つ目の教室。この学校には廊下が1階にしか無く、他の階にはベランダがある。ベランダから外を見るとすぐ下は普通の道路。その道路を挟んだ向こう側には民家が並んでいる。
「おおう。やっぱ中学校にも老化はほとんどないんだ。」
また独り言が漏れてしまう。
教室に入ると、中には女の先生がいた。おばさんで、年は50歳前後。学校に来て初めて会った人だ。
「おはようございます。」
先生に挨拶する。
「おはよう。早いね。9時40分に入場だからそれまで待っててね。席は名前貼ってあるからそこに座ってね。」
「はい。」
ちょっとだけ会話すると先生はそそくさと教室を出て行った。俺の席は教室の真ん中だった。端っこが良かったのだが、最初から決められているのなら仕方ない。時間が、まだ早かったので、校内を探索することにした。まずはじめに、同じ階にある同学年の教室を見てまわることにする。まず手始めに、同じ階にある1年の教室を見てまわる。やはり朝早いだけあって、他の教室もすきすきだった。1組、3組には誰もおらず、4組には妹のみ。次に、下の階、2年生の教室のある階に行って見る。この学校はこの字型になっており、1.2年の教室と3年の教室のある建物が2階にある廊下によって繋がっているような構造になっている。その廊下の真ん中には図書館もある。図書館の真下は下駄箱だ。図書館の前の廊下の窓からは中庭が見える。どの教室の窓からも中庭が見えるような構造にはなっているのだが、なんとも残念なことに、窓際には今日配られるであろうファイルなどが、所狭しと置かれており、窓の外が僕の身長では見えなくなっていた。図書館はまだ朝早いせいもあり、空いておらず、流石に3年生のいる階を見にいく気にもなれなかったので、仕方なく、昇降口に行く。昇降口には人がうすらうすらと入って来ており、教室に人が来たかもという期待がこみ上げて来た。急いで自分の教室に戻り、ドアを開ける。が、まだ人が誰もおらずがっかりと肩を落とす。広い教室に一人きりというのは少し寂しいのだ。誰もいなかったが、探検を続ける気にもなれなかったため、自分の席に座る。と、同時に後ろのドアが開く音が。振り向くと女子が2人立っていた。どちらも小学校の時からの友達だ。
「おはよっ!」
っと、明るい声で挨拶される。
「うんっ、おぅはよう。」
こちらも返す。声が少し引きつってしまい、変な挨拶になってしまう。
挨拶をして来たのは原 美智香さん。僕より背が高く、ちょっと怖い顔をしているが、本当は優しい、ということを知るのはもっと先のことである。この時の僕はただただ怖い、友達の双子の妹というイメージだった。
「おっはよー、そう。」
もう1人の女の子は北澤 雪。保育園からの知り合いで、中が特別良いわけではないが、友達と呼べる部類の立ち位置の女の子である。話しやすい子で、苦手意識とかはないが、時々反応に困る発言をする子ではある。
変な挨拶になってしまったのが気に食わなかったのか、原さんが、怖い顔で迫ってくる。俺は逃げるしかなかった。
原さんが怖くて、教室中を駆け回る。それを原さんが追いかける。側から見たらこいつら何やってんだ?ってなるだろうが、その時の俺は側からどう思われようがよく、自分の身を守るのが精一杯だった。怖くて、泣きそうになりながら、教室中を走っていると、雪におもいっきりつっこんでしまう。もちろん思いっきりぶつかったので、俺と雪は倒れる。それ見よがしに、原さんが距離を詰めてくる。俺は、はいはいで、雪のところまで行って、雪を座らせ、雪の後ろに隠れながら立たせてあげる。立ち上がった雪は、急に俺の方を向いて「そうたち仲良いね?付き合ってるの?」と、聞いて来た。急にそんなことを言われたものだから俺と原さんは顔を真っ赤にする。俺は怖すぎて無理だと一生懸命(この時ばかりは原さんのことを忘れてまくし立てながらそんなわけがないということをいう。)
原さんも多分同じことを言っていた。
「ま、そうだよね。2人に限ってそんなわけないよね。」
雪はその説得により、自分の言ったことがありえないということを理解し、
「そうは私と結婚するんだもんね。」と、そんなことをヘラヘラと言った。最初何を言われたかわからなくなり、無言で雪の顔を見つめる。雪は顔を斜めにし、ハッとしたような反応からの
「そうは私と結婚するんだもんね!」
今度はもうちょい大きな声で言った。
俺の頭はえ、そんな約束したことあるっけ?とか、とりあえずなんでこいつ人前で笑顔で、中学生にもなって、恥ずかしがらずにプロポーズできるの?とかいろんなハテナが頭の中をぐるぐる回る。逆にこっちが恥ずかしくなる。顔を真っ赤にしてしまう。
ガラガラ
また後ろのドアが開く音。そして、たくさんの生徒が入って来た。
「ん?原さんなんで固まってるの?北澤さんたちはなんで見つめあってるの?」
もっともな意見であった。
俺は急いで、顔を背け、赤い顔を隠しながら、自分の席へ向かう。
時間になり、先生が、ベランダに並びなさいと、生徒に向かって言う。それに従う俺たち。名簿順に並び、前の人から順に先生の後について行く。
入学式はただ、椅子に座って前に立つ人たちの話を聞くだけだった。はっきり言って、休んでもよかったレベル。まあ、入学式なんてこんなもんですよ。アニメや漫画みたいになんて、普通は起きないのだ。唯一、校長先生が、壇上に上がる際、躓いた程度のことは起こったか。まあ、事件でもなんでもないが。
教室に戻り、席に着くと早速入学式の時に紹介された担任の先生が黒板に名前を書き、自己紹介をする。
「宮下 勝己です。今日から君たちの担任になった。仲良くしよう。」
明るい先生で、話しやすそうな先生だった。他のクラスの先生は年配の先生で怖そうだったりで俺たちのクラスの先生が一番あたりぽかった。
先生の後は名簿番号1番の人から順に自己紹介をして行く。俺は自分の名前、好きな食べ物、好きな教科、嫌いな食べ物、嫌いな教科を言って席に座った。前の人たちの言った流れに合わせてのことだ。わざわざ目立つようなことをする必要はないのだ。クラスで目立たないように無難に日々を過ごしていれば中学校は卒業できる。問題を起こして、高校に行けなくなるよりはましだ。
クラス全員の自己紹介が終わると、下校になる。昇降口に行くと、入学式のために来ていた親たちが待っていて、自分の息子娘を見つけると並んで帰路につく。俺も例外ではなく、親を見つけ、妹と合流したところで歩いて家に帰って行くのだ。明日からは1人で登校。部活の仮入部も始まる。中学生活は始まったばかりなのだった。
そして4月4日。入学式だ。制服に着替え、俺は妹と母親と共に早めに家を出て、歩いて7分ほどの距離にある第1中学校へと向かった。クラスは昇降口に張り出されていた。学校へ着き、昇降口の入り口に貼られているクラス名簿を見る。俺のクラスは1年2組。一クラス36人の4クラス学年の人数は144人。因みに、妹は妹4組だ。下駄箱を見ると、自分のクラスのシールが入ってすぐに見えるところに貼られており、その列を探していくと、自分の名前のシールが貼られているスペースを発見した。
「ここか。覚えとかんとだ。」
独り言を言いつつ、自分の履いてきた運動靴を下駄箱に入れ、持ってきた上履きに履き替える。履き替え終わったら、自分の教室ではを目指して歩き出す。廊下を歩いて、階段を上り、1年2組の教室を見つける。
「ここが、これから1年間過ごす教室。」
1年2組の教室は3階の奥から2つ目の教室。この学校には廊下が1階にしか無く、他の階にはベランダがある。ベランダから外を見るとすぐ下は普通の道路。その道路を挟んだ向こう側には民家が並んでいる。
「おおう。やっぱ中学校にも老化はほとんどないんだ。」
また独り言が漏れてしまう。
教室に入ると、中には女の先生がいた。おばさんで、年は50歳前後。学校に来て初めて会った人だ。
「おはようございます。」
先生に挨拶する。
「おはよう。早いね。9時40分に入場だからそれまで待っててね。席は名前貼ってあるからそこに座ってね。」
「はい。」
ちょっとだけ会話すると先生はそそくさと教室を出て行った。俺の席は教室の真ん中だった。端っこが良かったのだが、最初から決められているのなら仕方ない。時間が、まだ早かったので、校内を探索することにした。まずはじめに、同じ階にある同学年の教室を見てまわることにする。まず手始めに、同じ階にある1年の教室を見てまわる。やはり朝早いだけあって、他の教室もすきすきだった。1組、3組には誰もおらず、4組には妹のみ。次に、下の階、2年生の教室のある階に行って見る。この学校はこの字型になっており、1.2年の教室と3年の教室のある建物が2階にある廊下によって繋がっているような構造になっている。その廊下の真ん中には図書館もある。図書館の真下は下駄箱だ。図書館の前の廊下の窓からは中庭が見える。どの教室の窓からも中庭が見えるような構造にはなっているのだが、なんとも残念なことに、窓際には今日配られるであろうファイルなどが、所狭しと置かれており、窓の外が僕の身長では見えなくなっていた。図書館はまだ朝早いせいもあり、空いておらず、流石に3年生のいる階を見にいく気にもなれなかったので、仕方なく、昇降口に行く。昇降口には人がうすらうすらと入って来ており、教室に人が来たかもという期待がこみ上げて来た。急いで自分の教室に戻り、ドアを開ける。が、まだ人が誰もおらずがっかりと肩を落とす。広い教室に一人きりというのは少し寂しいのだ。誰もいなかったが、探検を続ける気にもなれなかったため、自分の席に座る。と、同時に後ろのドアが開く音が。振り向くと女子が2人立っていた。どちらも小学校の時からの友達だ。
「おはよっ!」
っと、明るい声で挨拶される。
「うんっ、おぅはよう。」
こちらも返す。声が少し引きつってしまい、変な挨拶になってしまう。
挨拶をして来たのは原 美智香さん。僕より背が高く、ちょっと怖い顔をしているが、本当は優しい、ということを知るのはもっと先のことである。この時の僕はただただ怖い、友達の双子の妹というイメージだった。
「おっはよー、そう。」
もう1人の女の子は北澤 雪。保育園からの知り合いで、中が特別良いわけではないが、友達と呼べる部類の立ち位置の女の子である。話しやすい子で、苦手意識とかはないが、時々反応に困る発言をする子ではある。
変な挨拶になってしまったのが気に食わなかったのか、原さんが、怖い顔で迫ってくる。俺は逃げるしかなかった。
原さんが怖くて、教室中を駆け回る。それを原さんが追いかける。側から見たらこいつら何やってんだ?ってなるだろうが、その時の俺は側からどう思われようがよく、自分の身を守るのが精一杯だった。怖くて、泣きそうになりながら、教室中を走っていると、雪におもいっきりつっこんでしまう。もちろん思いっきりぶつかったので、俺と雪は倒れる。それ見よがしに、原さんが距離を詰めてくる。俺は、はいはいで、雪のところまで行って、雪を座らせ、雪の後ろに隠れながら立たせてあげる。立ち上がった雪は、急に俺の方を向いて「そうたち仲良いね?付き合ってるの?」と、聞いて来た。急にそんなことを言われたものだから俺と原さんは顔を真っ赤にする。俺は怖すぎて無理だと一生懸命(この時ばかりは原さんのことを忘れてまくし立てながらそんなわけがないということをいう。)
原さんも多分同じことを言っていた。
「ま、そうだよね。2人に限ってそんなわけないよね。」
雪はその説得により、自分の言ったことがありえないということを理解し、
「そうは私と結婚するんだもんね。」と、そんなことをヘラヘラと言った。最初何を言われたかわからなくなり、無言で雪の顔を見つめる。雪は顔を斜めにし、ハッとしたような反応からの
「そうは私と結婚するんだもんね!」
今度はもうちょい大きな声で言った。
俺の頭はえ、そんな約束したことあるっけ?とか、とりあえずなんでこいつ人前で笑顔で、中学生にもなって、恥ずかしがらずにプロポーズできるの?とかいろんなハテナが頭の中をぐるぐる回る。逆にこっちが恥ずかしくなる。顔を真っ赤にしてしまう。
ガラガラ
また後ろのドアが開く音。そして、たくさんの生徒が入って来た。
「ん?原さんなんで固まってるの?北澤さんたちはなんで見つめあってるの?」
もっともな意見であった。
俺は急いで、顔を背け、赤い顔を隠しながら、自分の席へ向かう。
時間になり、先生が、ベランダに並びなさいと、生徒に向かって言う。それに従う俺たち。名簿順に並び、前の人から順に先生の後について行く。
入学式はただ、椅子に座って前に立つ人たちの話を聞くだけだった。はっきり言って、休んでもよかったレベル。まあ、入学式なんてこんなもんですよ。アニメや漫画みたいになんて、普通は起きないのだ。唯一、校長先生が、壇上に上がる際、躓いた程度のことは起こったか。まあ、事件でもなんでもないが。
教室に戻り、席に着くと早速入学式の時に紹介された担任の先生が黒板に名前を書き、自己紹介をする。
「宮下 勝己です。今日から君たちの担任になった。仲良くしよう。」
明るい先生で、話しやすそうな先生だった。他のクラスの先生は年配の先生で怖そうだったりで俺たちのクラスの先生が一番あたりぽかった。
先生の後は名簿番号1番の人から順に自己紹介をして行く。俺は自分の名前、好きな食べ物、好きな教科、嫌いな食べ物、嫌いな教科を言って席に座った。前の人たちの言った流れに合わせてのことだ。わざわざ目立つようなことをする必要はないのだ。クラスで目立たないように無難に日々を過ごしていれば中学校は卒業できる。問題を起こして、高校に行けなくなるよりはましだ。
クラス全員の自己紹介が終わると、下校になる。昇降口に行くと、入学式のために来ていた親たちが待っていて、自分の息子娘を見つけると並んで帰路につく。俺も例外ではなく、親を見つけ、妹と合流したところで歩いて家に帰って行くのだ。明日からは1人で登校。部活の仮入部も始まる。中学生活は始まったばかりなのだった。
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