SIX RULES

黒陽 光

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特典:『SIX RULES』設定資料集

設定資料集/10:登場車両紹介

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/車両

・スバル/インプレッサWRX-STi(GDB-F型)
 国産スポーツ四駆の名機、インプレッサの二代目モデル。2000年に登場したこの二代目の中でも、作中では鷹の眼のようなヘッド・ライトが特徴的な2005年式以降の後期型モデル(F型)の黒色がハリー・ムラサメの愛車として登場している。
 外見は殆どノーマルに準ずる仕様ではあるが、トランク上部の純正大型ウィング、及びリアガラス上端のルーフベーンだけは取り付けている。更にフロントバンパーは黄色フォグランプの付いた純正形状に近い格好の社外エアロへと交換されているといった具合だ。
 ありとあらゆる箇所に徹底的なチューン・アップが施されており、その速さは最早異次元の領域。更に偽造品ナンバープレートへの容易な交換を可能にする前後ナンバーステーの回転機構や、車内各部への隠しトランク、5.56mm×45弾クラスのライフル弾までを防ぐ防弾仕様など、実戦的な改造も多い。
 半ば装甲車のようなこのインプレッサは長らくハリーの仕事道具として活躍していたが、ウォードッグとクララ・ムラサメの二度目の襲撃に際し燃料タンクを破損。ガス欠の末に放棄され、最終的にはウォードッグのグレネード・ランチャーで爆発炎上し廃車となってしまった。

※改造内容

・東名パワード製パーツを実装し、クランクシャフトやピストン、エンジンブロックなどを強化品へと置き換え。更に排気量のボアアップを図り、純正の2.0リッターから2.2リッターへ拡張が施されている。

・ターボ・タービンはHKS製GTⅢタービンへと換装。それに併せてラジエータ/インタークーラーの大型化、オイルクーラーの増設と冷却系も強化してある。加えて、増大した過給圧に対応するようブローオフ・バルブも社外品へと交換済み。(=ブローオフ音の発生)

・排気系もエキゾースト・マニホールドから触媒、センターパイプ、エンドのマフラーまでトータルで交換済み。排気音は目立たないよう比較的ジェントルに抑えられてはいるものの、それはあくまでアイドリング~低回転域でのこと。中回転域からはチューニング・カーに相応しい獰猛なサウンドへと変貌する。

・足回りはサスペンションをオーリンズのフルカスタムメイド品、ブレーキはENDLESS社製の物(フロント6POD、リア4PODの対向キャリパー(通常ロゴ/赤色塗装)、ローターはEスリット入り大径品、ブレーキホース、DOT4ブレーキフルード)でトータルカスタマイズ。

・ボディ強化系はロールケージの類こそ入れていないものの、フロントストラット部分のタワーバー(STi製)の他、スタビライザーやアンダー強化などCUSCO社製の補強パーツで強化されている。

・ホイールはRAYS/VOLK-RACINGの定番品・TE37(ブロンズ色)、タイヤはブリジストン社のスポーツ・ラディアル、ポテンザS-001をチョイス。

・ステアリングはMOMO製の社外大径レーシング・ステアリングを装備。シートは運転席/助手席共にRECARO製の本革スポーツ・シートを装備している。(非六点式シートベルト)

・インパネ中央上部にDefi製の油温計/電圧計/ブースト計が三連メーターフードに覆われる形で取り付けられている。更に右側Aピラー部分には水温/油温/油圧の追加メーターが、こちらもそれぞれフードを被せて取り付けられている。

・ミッションはマニュアル仕様。ギアを強化しクラッチプレートを頑丈なORC製へと交換した程度で大したギア比変更などはしていない。シーケンシャル・シフトも組まれておらず、ポピュラーなH型フロア・シフトのままだ。

・特殊機構として、前後ナンバープレートの回転機構(偽造品へ、身元を割らせない為)と偽装封印/プレート換装機能がある。これはステアリング・コラム近くのスウィッチを押して切り替える。加えて後部座席を捲った下と、ダッシュボードの本来エアバッグがある位置にはそれぞれ隠しトランクがあり、非常時に備えて各種武器弾薬などが格納。




・スバル/WRX-STi(VAB型)
 前述の爆散した旧インプレッサに変わり、ハリーが手に入れた新たなマシーン。現行型で(C型までの初期型フェイス)、色は前任と同色の黒。カスタム内容は旧インプレッサとほぼ変わらないものの、エンジンは最初から東名パワード製のコンプリートエンジン、EJ22が組み込まれているなどの微妙な差異がある。
 レギュレーションの関係でランサー・エヴォリューション同様にWRC(世界ラリー選手権)には出られていないものの、国内での全日本ラリー選手権では猛威を振るっているこの名機は、間違いなくハリー・ムラサメの新しい相棒として相応しいだろう。




・ホンダ/NSR250R(MC18、1988年式)
 1980年代後半を代表する2ストローク・レーサー・レプリカのひとつ、それがこのNSR250Rだ。当時ヤマハのTZR250RやスズキのRGV250Γ(通称・ガンマ)などの2ストローク車と熾烈な戦いを繰り広げていたNSRでも、中でも作中に登場するのは二代目のMC18型、1988年式の通称"88NSR"だ。
 88NSRは当時の業界自主規制を無視した制御コンピュータにより、最大45馬力のところを実測60馬力ほど出ていたとも言われている。多少の簡単な改造で気の狂ったようなパワーを得られる88NSRは「じゃじゃ馬」と評されることもあったぐらいだ。
 とはいえそんな隠し機能がバレない筈もなく、当時バイクレースで競っていたヤマハ、スズキなどがこの1988年式を解析。レースのレギュレーション(規定)違反が発覚しクレームが付けられた結果、翌年1989年からのNSRはレギュレーションに合わせたマイルドな制御プログラムに変更されたという。
 NSRでも最強と噂されていたこの'88年式はかなり癖だらけのピーキーな機体であるが故、未熟なライダーの死亡事故も少なくなかった。初心者ではとても扱えるワケのないマシーンなのだが、しかし作中では僅か十八歳(購入当時は免許取り立ての十六歳)の園崎和葉が、紅白カウル(通称"赤テラ")の物を自在に乗りこなしている。これはひとえに彼女の類い希な神がかったライディング・センスが故のことだろう。




・TVR/サーブラウ・スピード6
 英国TVR社が1990年代後半~2000年代中頃まで製造していたスポーツ・クーペ、それがこのサーブラウだ。
 "サーブラウ"の名の由来はギリシャ神話のケルベロスから取られているとされており、一見すると2シーターに見えるスタイリングではあるものの、実のところは後部座席のある2ドア4シーターだったりもする。鋼管のチューブラー・フレームの上にFRP(強化プラスチック)製のボディを乗せると何処か前時代的な造りではあるものの、性能もスタイリングも悪くない。
 本来ならばエンジンはTVR社初の自社開発エンジン・AJP8(V8/SOHC・"スピードエイト")をFR駆動形式で搭載するのだが、作中で登場した物は"スピード6"と呼ばれる上位モデル。搭載するのは直列六気筒・排気量4.0リッターで350馬力近いパワーを叩き出す「Speed-Six」エンジンを乗せたモデルだ。
 1.1トンの軽量ボディで最高270km/h近くと気の狂ったパワーを弾き出すスピード6モデルは並大抵の人間に扱えるような代物でなく、じゃじゃ馬もいいところ。しかもABS(アンチロック・ブレーキ・システム=ブレーキのロック防止装置)やエアバッグを積まないなんて異様な仕様なものだから、本当に乗り手を選ぶ一台といえる。
 2000年式以降ではヘッド・ライトが妙な形をした三ツ目の仕様に変更されるのだが、作中で鷹橋冴子が愛車としていた物は1999年式、即ち一般的な車と同様の一つ目モデルだ。




・ジェネラル・モータース/ハマーH1
 現在でも米軍の軍用機動車両として第一線級で活躍するハンヴィー(HMMWV:ハイ・モビリティ・マルチパーパス・ウィールド・ビークル=高機動・多用途・装輪車両)。これをハリウッドの名優アーノルド・シュワルツェネッガーの要望で民間仕様として売り出した物が、このハマーH1だ。
 ボディやフレーム部分などの基本パーツにハンヴィーと同一の物を使用したハマーH1は基本となるディーゼル・エンジンの他、通常のガソリンを用いるエンジンやターボ・チャージャー付きディーゼルなど発動機の種類も多岐に渡る。そのどれもが排気量6リッター前後の化け物級の物であり、燃料のバカ食いっぷりも半端じゃない。よく走っても、リッター大体4キロぐらいといった所だろう。
 そんな燃料バカ食いのハマーH1が原油高の煽りを受けないわワケもなく、販売不振に陥った2006年に販売終了となってしまう。しかし後継モデルのH2やH3と異なりH1だけが軍用ハンヴィーほぼそのままの民生品ということもあり、その価値はまだまだ衰えていない。似非の、単なるSUVと化してしまった後継機とは違いビッグでタフな、それこそ筋肉隆々のシュワルツェネッガーを彷彿とさせるH1の価値はまるで色褪せてはいないのだ。
 作中では排気量5.7リッターのV8/ガソリン燃料モデルのエンジンを積んだハマーH1(強固な防弾改造済み)が、ミリィ・レイスの乗車として登場。彼女の私物であるかどうかは判明していないものの、教会の壁を突き破り豪快に飛び込んで来たこのハマーにハリーが窮地を救われたことに間違いは無い。
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みんなの感想(1件)

名誉ナゴヤニスタン人

80-90年代のハリウッドB級ライクなアクションものです。
物語のテンポが非常に良く、金曜ロードショーの映画を観ているノリで軽く読めちゃいます。
銃撃戦やカーチェイスの描写が鋭くオススメです。

解除

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