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コルドナ辺境拍領
198話 魔王は突然降臨する【クロト視点】
ノンナは今更ながらになぜ領主さまと俺がこんなに親しいやり取りをしているのかと俺に質問してきた。今更か。
「領主さまとは昔なじみなんだよ」
俺がそう言うと苦笑しながら閣下も思い出すようにその問いに答える。
「そうだな、付き合いからして15年くらいか。」
「そうですね―――。あの時はロレンシオ閣下が、次期領主とか知らなかったから、くそ生意気な冒険者と思って魔物と一緒に討伐しそうになりましたね」
「いや、あれ俺のトラウマだからな。あの時周りに居るどの魔物よりもお前が恐ろしかった。伝承の魔王が現れたって死を覚悟したからな」
「魔王とか失礼ですよ」
と言いながらあながち間違ってないけれどなと心の奥で苦笑した。
「そうなんですか…」
どうにか一言返事をしたノンナだが、俺たちのポンポンとやり取りする会話にノンナも閣下の後ろで控えているペンツィネン氏も目に見えてびっくりしているのが分かった。そんな反応を見て閣下は豪快に笑いだした。
「ハハハハ、ノンナ嬢の反応が普通だ。早々領主と冒険者が友人には、なりえまい。
―――そう言えば調理隊に居たお前の娘は、偉く肝の据わった娘だったぞ。唐揚げのリクエストが、一晩で箱一杯になってな、もう一度メニューに入れたいと打診したんだが、他の料理人がすでに予定立てているから無理ですと言い放たれたわ。流石お前の娘だと感心したぞ」
その言葉に悪意は無いと分かっているが、俺の目はスッと座った。
「何カナメに無茶言ってるんですか」
俺の表情の変化に笑いながら「お前ホント娘が大切なんだな。良かったよかった」と、そう言ってとても嬉しそうにしていた。
そんな和やかな雑談中に応接室のドアが叩かれた。
トントントン。
音を聞き、外に向かって閣下が声を掛ける。
「なんだ?急ぎか?今来客中だが」
そう言った言葉に、扉の外から申し訳なさそうな声が返ってきた。
『申し訳ありません冒険者ギルドから至急の知らせが入りまして』
その言葉を聞いた途端、ペンツィネン氏が動き小さく扉を開けた。
「緊急とは、魔物か?盗賊か?」
ペンツィネン氏の言葉に外に居る家令は言いよどみ
「あ…いえ、お客様が…」
そう答えたが、その言葉を遮ったのは閣下だった。
「構わぬ、この者も冒険者だ。緊急を要する時、意の一番に動いてくれる」
閣下の言葉を聞き、ペンツィネン氏が小さく開けていた扉を大きく開けて、伝えに来た家令を部屋に入るよう促した。部屋に入ってきた家令は一礼した後、使者から伝えられた伝言を読み上げた。
「冒険者ギルドから、騎士団員の子女、子息数名で、未成年の冒険者連れ去り未遂が発覚。連れ去られそうになった孤児院の少年と、5歳の少女と連れの幼児は保護しましたとのことです。加害者はギルド長室で面談しているとの事。ご親族のお迎えをお願いしますとの事です」
家令の言葉を聞いた途端、部屋の空気は時が止まったような状態になった。
俺はその凍った空気をさらに重くする言葉を紡ぐ。
「被害者――冒険者ギルドに出入りする5歳の少女なんて…ほぼカナメだけだよな。しかも連れの幼児…コーだな。じゃあ孤児院の少年はアルマか…
ハッハハハ加害者の名前を全員教えろ。俺が始末をつける」
俺の言葉に、閣下が俺を制するように言う。
「いや、クロト落ち着け。今すぐ冒険者ギルドに人をやるから、お前の本気は子供達には一生の傷になるから!!」
その言葉に俺の身体から、熱とも冷気ともつかぬものが溢れ出し、全身を包み込む。
そのまま閣下に向き直ると、先ほどまで軽口を叩いていた友の顔が――一変していた。
鋭い視線がぶつかり合った刹那、空気が震え、殺気が走る。
次の瞬間、ノンナが青ざめた顔で俺の服を引き、叫ぶように声を上げた。
「シッ!師匠!!落ち着いてください!!詳細を聞きましょう!まずは経緯を聞かなくちゃカナメちゃんに叱られますよ!下手すると嫌われますよ!」
ノンナの言葉に溢れ出ていた何かがシュンと消え去り…
俺は力なくしゃがみ込んだ。
「ぐぅ…カナメに…嫌われるのは嫌…」
しゃがみ込んだ俺を皆が恐る恐る見入っていた。
少しして、ふらっと立ち上がった俺は部屋に居る全員に聞こえる声で断言した
「分かった詳細を聞く…冒険者ギルドに一緒に行くから立ち会わせろよ!」
そう言った俺の目には涙が溜まっていたのをその場に居た全員が目撃した。
しかし皆命が惜しいので誰も何も言わなかったそうだ。20年後に閣下が酒の席で愚痴っていたのを聞いたものが居るとかいないとか。
「領主さまとは昔なじみなんだよ」
俺がそう言うと苦笑しながら閣下も思い出すようにその問いに答える。
「そうだな、付き合いからして15年くらいか。」
「そうですね―――。あの時はロレンシオ閣下が、次期領主とか知らなかったから、くそ生意気な冒険者と思って魔物と一緒に討伐しそうになりましたね」
「いや、あれ俺のトラウマだからな。あの時周りに居るどの魔物よりもお前が恐ろしかった。伝承の魔王が現れたって死を覚悟したからな」
「魔王とか失礼ですよ」
と言いながらあながち間違ってないけれどなと心の奥で苦笑した。
「そうなんですか…」
どうにか一言返事をしたノンナだが、俺たちのポンポンとやり取りする会話にノンナも閣下の後ろで控えているペンツィネン氏も目に見えてびっくりしているのが分かった。そんな反応を見て閣下は豪快に笑いだした。
「ハハハハ、ノンナ嬢の反応が普通だ。早々領主と冒険者が友人には、なりえまい。
―――そう言えば調理隊に居たお前の娘は、偉く肝の据わった娘だったぞ。唐揚げのリクエストが、一晩で箱一杯になってな、もう一度メニューに入れたいと打診したんだが、他の料理人がすでに予定立てているから無理ですと言い放たれたわ。流石お前の娘だと感心したぞ」
その言葉に悪意は無いと分かっているが、俺の目はスッと座った。
「何カナメに無茶言ってるんですか」
俺の表情の変化に笑いながら「お前ホント娘が大切なんだな。良かったよかった」と、そう言ってとても嬉しそうにしていた。
そんな和やかな雑談中に応接室のドアが叩かれた。
トントントン。
音を聞き、外に向かって閣下が声を掛ける。
「なんだ?急ぎか?今来客中だが」
そう言った言葉に、扉の外から申し訳なさそうな声が返ってきた。
『申し訳ありません冒険者ギルドから至急の知らせが入りまして』
その言葉を聞いた途端、ペンツィネン氏が動き小さく扉を開けた。
「緊急とは、魔物か?盗賊か?」
ペンツィネン氏の言葉に外に居る家令は言いよどみ
「あ…いえ、お客様が…」
そう答えたが、その言葉を遮ったのは閣下だった。
「構わぬ、この者も冒険者だ。緊急を要する時、意の一番に動いてくれる」
閣下の言葉を聞き、ペンツィネン氏が小さく開けていた扉を大きく開けて、伝えに来た家令を部屋に入るよう促した。部屋に入ってきた家令は一礼した後、使者から伝えられた伝言を読み上げた。
「冒険者ギルドから、騎士団員の子女、子息数名で、未成年の冒険者連れ去り未遂が発覚。連れ去られそうになった孤児院の少年と、5歳の少女と連れの幼児は保護しましたとのことです。加害者はギルド長室で面談しているとの事。ご親族のお迎えをお願いしますとの事です」
家令の言葉を聞いた途端、部屋の空気は時が止まったような状態になった。
俺はその凍った空気をさらに重くする言葉を紡ぐ。
「被害者――冒険者ギルドに出入りする5歳の少女なんて…ほぼカナメだけだよな。しかも連れの幼児…コーだな。じゃあ孤児院の少年はアルマか…
ハッハハハ加害者の名前を全員教えろ。俺が始末をつける」
俺の言葉に、閣下が俺を制するように言う。
「いや、クロト落ち着け。今すぐ冒険者ギルドに人をやるから、お前の本気は子供達には一生の傷になるから!!」
その言葉に俺の身体から、熱とも冷気ともつかぬものが溢れ出し、全身を包み込む。
そのまま閣下に向き直ると、先ほどまで軽口を叩いていた友の顔が――一変していた。
鋭い視線がぶつかり合った刹那、空気が震え、殺気が走る。
次の瞬間、ノンナが青ざめた顔で俺の服を引き、叫ぶように声を上げた。
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ノンナの言葉に溢れ出ていた何かがシュンと消え去り…
俺は力なくしゃがみ込んだ。
「ぐぅ…カナメに…嫌われるのは嫌…」
しゃがみ込んだ俺を皆が恐る恐る見入っていた。
少しして、ふらっと立ち上がった俺は部屋に居る全員に聞こえる声で断言した
「分かった詳細を聞く…冒険者ギルドに一緒に行くから立ち会わせろよ!」
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