安全第一異世界生活

文字の大きさ
9 / 244
転移と出会いとコルドナ街

9 この街に 蔓延る何かを 考察だ!前編

しおりを挟む
クロトさんに頼んで紙とペンを借りて、テーブルの上の紙に質問を書いていく。
「冒険者見習いの登録料はいくらですか?」
「銅貨3枚」
クロトさんの言葉を聞き、アルマ君は立ち上がった。
「見習いってなんですか?•••••••••はじめて知った••••••」

茫然と立ち尽くすアルマ君を置いて、次の質問を行う。

「冒険者登録には?銀貨が3枚ですか?」
そうだと言うようにクロトさんは頷いた。
「冒険者見習いになれば、1日どのくらい稼げますか?」
クロトさんは顎に手を添え、
「・・・仕事にもよるし、達成したって言うのが条件だが、大体銅貨5枚位から銀貨3枚って所だな。
見習いの期間は街中のクエストしか受けれない。」
私は頷き、質問の横に返答を書き込み、次の質問をする。
「冒険者になれば、1日どのくらい稼げますか?」
「これも仕事によるし、達成が条件でだが、
街の外の依頼が主になる。なので、銀貨3枚からだな。難しければそれだけ高額になる。もちろん見習いの街中クエストを引き続き受けてもらっても良い」
「どうやったら見習いから冒険者になれますか?」
「まず依頼によってポイントがある。例として、
 「お使い」という依頼の場合ポイントは1、依頼料は銅貨5枚。
 「用水路の掃除」という依頼の場合、ポイントは5、依頼料は銀貨3枚。
極端に言うと、これだけ違う。そしてそのポイントを100貯めたら、街の外の依頼も受けることができる」
私は頷き、次はアルマに質問をする。
「孤児たちがしている日雇いの種類と金額を教えて?」
「・・・俺は主に下ごしらえ・掃除・洗濯が多い。厨房の芋剥きを箱1杯分やって銅貨2枚。トイレ掃除・洗濯をやって銅貨1枚。荷運びはあまり重いものが持てなくて、前回は銅貨5枚の約束だったけど役に立たないと殴られて銅貨1枚だけ投げ渡された。体が痛くて動けなくて、そのせいで食えなくて・・・ごめん」
クロトさんはアルマの言葉に目を見開き、私の顔をみて静かに聞いてきた。
「カナメ、お前の相談とはこういう話か・・・」
私は頷き、
「行方不明の子供たちのためにも、早急な対応をお願いします」
クロトさんは目を瞑り、頭をガシガシ掻き毟ると、
「俺だけじゃ力不足だ。ギルマス呼んでくる。待ってろ」
クロトさんは席を立ち、急いで部屋を出ていく。
それを目で追っていたアルマは、ストンと席に着き目に涙をため、拳をおでこに当てた•••アルマの眼からはポロリポロリと涙が溢れてくる。
「大人が俺の話を聞いてくれた・・・」
ずっ••••ずっと鼻を鳴らしながら、ポツポツとアルマ君は話し出した。
「孤児院の先生に友達が居なくなったって言ったんだ」
私はアルマ君の手を握り頷いた。
「うん」
「次の日、恐い兄ちゃんがやってきて殴られた」
アルマ君の手には力が入って震えている。
アルマ君の手を握り、もう片方の手で背中をさすり声をかける。
「恐かったね」
アルマ君は涙が止まらずしゃくり上げながら、
コクコクと頷く。
「殺される•••かと•••思った」ヒックヒック。

クロトさんが静かに扉を開け入ってきた。
後ろにイケオジギルマスと、
青髪メガネ男子。
そして神官?的な格好をした女性が入ってきた。
4人は泣きながら話すアルマ君の声を邪魔せずに聞いていた。

「何人も何人も友達が消えて恐くて、
だから教会のシスターにも…怖かったけど…言ったんだ。
大人が暴力を振るってくるのも言った••••
でもシスターは口に指を当てて静かに、辛抱しろ・我慢しろとしか言わなかった。でないと次消えるのは僕かもしれないと•••だからこの事は、他のシスターには言ってはダメだと•••••••恐かった」
アルマ君の手を握りながら私は相槌を続けた。
「お使いなんて毎日何軒もしてた。仕事をやってるんだからお使い位しろって蹴ってくるから•••だから、お使いの給金は貰った事なんかない・・・」
アルマ君はぼろぼろに泣きながら唇を噛んだ。そんなアルマ君の手を握って、アルマ君にだけに聞こえる声でつぶやいた
「大丈夫。いっぱい頑張ったね。偉かった。カナメに任せて良い子で待ってて」
アルマ君は不安そうに私と目を合わせて、それでもコクっと頷いた。

私は席を立ち皆さんに向き直り、頭を下げた。

「コルドナの子供達のためにお集まりいただき感謝します。先ほど聞いて頂いた通りです。現在の孤児を取り囲むこの現状を皆さんに知ってもらい、お力添えをお願いいたします。クロトさんにお話しした内容はここに書いてあります」
顔を上げた私に、イケオジギルマスはニヤニヤしながら、
「なんだ、もう猫を被るのはやめたのか?」

はぁ?(怒)子供が、恐かった、死ぬかと思ったと泣いてるのよ。
この••••腹黒••••今どんな状況なのか!!

1番理解しないといけない大人が!!

見た目5歳の私を煽りたいらしい!!!ふざけんな(怒)!!!

私は、口だけはニッコリ笑って、目を細め、
「そうですね。此処にきて1日しか経っていない私が気づく事が出来た違和感に、何年その地位に居るのか存じ上げませんが、おなかを空かせた子供たちが搾取されている現実に気づかず、のうのうと歳を重ねただけの大人に取る体裁はございません」

イケオジギルマスは肩を震わせ、わはっははと大笑いした。

神官らしい女性は、眉間にしわを寄せ私を睨みながら、
「年配者を敬う気も無いこの娘の話を私が聞く必要があるのですか、スパイク•••••••クロト•••••••」
「5歳の小娘が言いよる。はっはは・・・くっくくく・・・まぁまぁ、そういうなって、ハインツ。あぁ、嬢ちゃんに紹介しとく。こいつはハインツ。今は首都の方で司教をしている。んで実家は貴族だ。たまたまこちらに来ていたのでな。何やらキナ臭そうなんで巻き込んでやった。」
「スパイクは相変わらず豪気ですね。ふぅ」
ハインツさんはギルマスを見て眉を八の字にして溜息を吐き、私の方に向き直った。
「初めまして、ハインツさん。年配者ね・・・そうですね。
こういう話をするのにそういった礼儀を重んじるのですね。
仕方ありません。
信じる信じないは皆様次第ですが、私、こんな姿をしておりますが孫が居る年齢です。ギルマスと同世代位なのではないかしら?っということは、ご配慮いただけるのかしら?」

クロトさんは口を開け固まった。

ハインツさんは何言ってんだとばかりに眉を寄せギルマスに顔を向けた。

「20年前召喚された聖女様の同郷の者と言えば信じますか?」
私はにやりと口角を上げ笑った。

イケオジギルマスと青髪眼鏡男子は顔を見合わせてからこちらに向き直った。
「信じよう」「信じます」

二人からの言葉にクロトさんは目を見開いた。
「ギルマス!!子供の言葉ですよ!」
ギルマスの言葉に、ハインツさんは
声を荒らげ抗議をした。しかしギルマスは肩をすくめ、
「この嬢ちゃん、ステータスに聖女様と同じ解読不能文字があるんだよ」
その場が凍った。
私も凍った。

解読不能文字ってなんだ??
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

【完結】魔法大戦 〜失われた古代魔法で無双する!〜

加瀬 一葉
ファンタジー
 王立魔法学校。高等部に編入してきた冴えない生徒ラフィト。エリートが集うこの学校で、辺境出身のラフィトは落ちこぼれの劣等生なのだが……。  実は彼は、失われたはずの古代魔法を操る一族の末裔。魔族の脅威が増す時代に、ラフィトは人類を救うことができるのか?  過去と現在が交錯する、魔法ファンタジー。

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

落ちこぼれの【無属性】魔術師、実は属性そのものを定義する「概念魔法」の創始者だった

風船色
ファンタジー
「魔法とは才能(血筋)ではなく、記述されるべき論理(ロジック)である」 王立魔導学院で「万年最下位」の烙印を押された少年、アリスティア・レイロード。属性至上主義のこの世界で、火すら出せない彼は「無属性のゴミ」と蔑まれ、ついに卒業試験で不合格となり国外追放を言い渡される。 しかし、彼を嘲笑う者たちは知らなかった。アリスティアが、既存の属性魔法など比較にならないほど高次の真理――世界の現象を数式として捉え、前提条件から書き換える『概念魔法(コンセプト・マジック)』の使い手であることを。 追放の道中、彼は石ころに「硬度:無限」の概念を付与し、デコピン一つで武装集団を粉砕。呪われた最果ての森を「快適な居住空間」へと再定義し、封印されていた銀嶺竜の少女・ルナを助手にして、悠々自適な研究生活をスタートさせる。 一方、彼を捨てた王国は、属性魔法が通用しない未知の兵器を操る帝国の侵攻に直面していた。「助けてくれ」と膝をつくかつての同級生や国王たちに対し、アリスティアは冷淡に告げる。 「君たちの誇りは、僕の昼寝より価値があるのか?」 これは、感情に流されない徹底した合理主義者が、己の知的好奇心のために世界の理を再構築していく、痛快な魔導ファンタジー。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

処理中です...