136 / 244
イルグリット王国 魔道具編
135話 下水道での新たな出会い
しおりを挟む
ぷかぷかと浮かぶ下水のスライムたち。うむ。可愛い。……これが下水の汚れた水の中でなければ…
はい。カナメは体調万全!!無事回復してからトーさん達のお話にあった、下水道に魔力遮断効果のあるオーバーオールとポンチョを着せられやってまいりました。
元は隔離病棟!みたいな恰好で笑ってしまった。もちろんシンさんのも、私と同じ仕様に変えましたよ。ダサいもの。そして休み休み隅々まで鑑定をしていっています。
違和感を見つけるとそこを調査。
魔力を上の道まで届ける術式を面倒ですが消していっています。地下でこうゴソゴソ工作してると、まるで映画のレジスタンスになった気分。ふふふ。楽しい。
「ウハハ!」
「あった?今行くね」
見つけた術式に近寄ると、ウハハが私の頭に飛び乗り結界を張る。トーさんから渡された黒い綿菓子みたいなふわふわを置きます。一歩離れると数秒であ~ら不思議。術式がパチパチ線香花火みたいに弾けて消えた。
「うふふ花火してるみたい。面白い」
「ヴ、ン!」
ウハハのなれない言葉が可愛い。うふふ、聞くたびに成長したって感動する。
私とウハハは術式が目視的に消えたのを確認して、鑑定で確認。そして次を探す。
以前奥の部屋にあった大きな魔石を消すと、恐ろしいくらい幾重にも術式が書き込まれていたという。まるで人間の血管の様にそこから魔力の通り道を作り、スライムに流していたみたい。魔石を除けた事でその血管の様な管は役には立たないけれど、新たに魔石を置かれては面倒。そういう意味で術式を消していく流れとなった。メインの部屋の術式はすでにトーさんが消していて、残った末端の術式を消している。
本日これで20個目。どんだけいっぱい設置したのやら…あと3日で祭りが始まる。さっさとすべて消し終えたい。
トーさんとシンさんはそれぞれ四方の道の先に術式撤去に行っているんだけど、まだシンさんの親御さんの事は解決していない。シンさんにも通信の魔道具を渡し、常にグループ通話状態にしているため個々で動いて居る。
『こっちはもう下水と壁につながってるのは終わった。皆の所はどうだ?』
『こっちはもうあたしじゃわからないニャ。とりあえず25個は消したニャ』
「こっちも20個撤去完了」
あらら…ホント一杯設置されていたのね。
『了解。いったん中央で集まるぞ。気を付けて動くぞ』
『「了解」』
この作業に入って三日。光るスライムも、もう魔石の魔力が抜けて元の色に戻っている。お祭りが始まる前には光るスライムが居なくなるでしょう。
コツコツコツ
下水道の石の通路に足音が響いている。規則的に自分の足音が響いていたそこに、ふいに雑音が混じった。
「ウハハすぐにヘルメットになって頭の上に」小声で指示すると、すぐにウハハは私の上に乗ってからヘルメットに変化し結界を張ってくれた。隠れるところのない石の通路…見つかるのは避けたいが…トーさん達と合流した方が良いのは判る。
足音が響かないようにそっと中央に移動する。聞き耳スキルで神経をとがらせ音を聞き進む。人の話し声が聞こえてきた。ちょうど曲がり角の所に若干の窪みを見つけソコに入り込み聞き耳を立てる。
「なんであの魔石が消えている!!!」
「なんだ⁉どうして術式までも消えているんだ!!あの術式の設置に2カ月要したんだぞ!!」
「それよりも魔石だろ!!あの規模の魔石はもう国にも無いんだぞ!!」
「ねぇ、術式ってそうそう消せる物なの?」
「あんたにはわかんねーだろうけど、消えないよ!!書いた術者の何倍もの魔力で打ち消さないと消えないもんだ!!この国に先生より魔力量の多い人間なんてそうそう居ないだろ!!」
「へーそうなんだ。…ん?あっちで今魔力が弾けた気配がしたけど?」
話し声からして3人?女の人と、男の人、少年みたいな声の人かな?…あっちってどこをさしてるの?そう思い窪みからそっと顔を出して固まった。
そこには栗色の髪の毛の長髪の少年。彼と目が合った…
「あれ~、女の子だ。何?君、迷子なの?」
「…あ」
少年の背後には、背の高いがっちりとした40代ぐらいの黒髪の男の人と、釣り目にメガネの灰色の髪の女性がそこにいた。
「何その変な格好のガキ…なんでここに入って来てるの?閣下のやつ人払いは任せておけなんて言っておきながら、こんなガキが迷い込むなんて…、仕事しなさいよね。日頃、偉そうなくせに使えないわね」
灰髪の女性は口が悪かった。黙ってれば知的美人に見えるのに…残念だ。そう思ってると、私を見ていた少年が、ニコニコしながら
「ねぇ、おばさんてさ、不敬って言われない?」
そう言いながら少年は刀を触ったと思ったら目の前でパンッ!!と大きな音がして。気が付くと刀を振り切った少年と目が合った。
え?………今、私斬られた?
「へぇー結界?君凄いね♡僕の初手跳ね返せるとか結構稀だよ。結界師とかかな?面白いなぁ~。あぁ結構前にそんなアニメあったよね」
栗色の髪の少年は目を細め、口角を上げ微笑んだ。
「僕、桃李 司(トウリ ツカサ)」
「は?」
「君とは仲良くなれそう。名前教えてよ」
この子何いってるの?今私を殺そうとしたのに、なんで笑って名前が聞けるの?…この子の名前って…まさか…まさか…
はい。カナメは体調万全!!無事回復してからトーさん達のお話にあった、下水道に魔力遮断効果のあるオーバーオールとポンチョを着せられやってまいりました。
元は隔離病棟!みたいな恰好で笑ってしまった。もちろんシンさんのも、私と同じ仕様に変えましたよ。ダサいもの。そして休み休み隅々まで鑑定をしていっています。
違和感を見つけるとそこを調査。
魔力を上の道まで届ける術式を面倒ですが消していっています。地下でこうゴソゴソ工作してると、まるで映画のレジスタンスになった気分。ふふふ。楽しい。
「ウハハ!」
「あった?今行くね」
見つけた術式に近寄ると、ウハハが私の頭に飛び乗り結界を張る。トーさんから渡された黒い綿菓子みたいなふわふわを置きます。一歩離れると数秒であ~ら不思議。術式がパチパチ線香花火みたいに弾けて消えた。
「うふふ花火してるみたい。面白い」
「ヴ、ン!」
ウハハのなれない言葉が可愛い。うふふ、聞くたびに成長したって感動する。
私とウハハは術式が目視的に消えたのを確認して、鑑定で確認。そして次を探す。
以前奥の部屋にあった大きな魔石を消すと、恐ろしいくらい幾重にも術式が書き込まれていたという。まるで人間の血管の様にそこから魔力の通り道を作り、スライムに流していたみたい。魔石を除けた事でその血管の様な管は役には立たないけれど、新たに魔石を置かれては面倒。そういう意味で術式を消していく流れとなった。メインの部屋の術式はすでにトーさんが消していて、残った末端の術式を消している。
本日これで20個目。どんだけいっぱい設置したのやら…あと3日で祭りが始まる。さっさとすべて消し終えたい。
トーさんとシンさんはそれぞれ四方の道の先に術式撤去に行っているんだけど、まだシンさんの親御さんの事は解決していない。シンさんにも通信の魔道具を渡し、常にグループ通話状態にしているため個々で動いて居る。
『こっちはもう下水と壁につながってるのは終わった。皆の所はどうだ?』
『こっちはもうあたしじゃわからないニャ。とりあえず25個は消したニャ』
「こっちも20個撤去完了」
あらら…ホント一杯設置されていたのね。
『了解。いったん中央で集まるぞ。気を付けて動くぞ』
『「了解」』
この作業に入って三日。光るスライムも、もう魔石の魔力が抜けて元の色に戻っている。お祭りが始まる前には光るスライムが居なくなるでしょう。
コツコツコツ
下水道の石の通路に足音が響いている。規則的に自分の足音が響いていたそこに、ふいに雑音が混じった。
「ウハハすぐにヘルメットになって頭の上に」小声で指示すると、すぐにウハハは私の上に乗ってからヘルメットに変化し結界を張ってくれた。隠れるところのない石の通路…見つかるのは避けたいが…トーさん達と合流した方が良いのは判る。
足音が響かないようにそっと中央に移動する。聞き耳スキルで神経をとがらせ音を聞き進む。人の話し声が聞こえてきた。ちょうど曲がり角の所に若干の窪みを見つけソコに入り込み聞き耳を立てる。
「なんであの魔石が消えている!!!」
「なんだ⁉どうして術式までも消えているんだ!!あの術式の設置に2カ月要したんだぞ!!」
「それよりも魔石だろ!!あの規模の魔石はもう国にも無いんだぞ!!」
「ねぇ、術式ってそうそう消せる物なの?」
「あんたにはわかんねーだろうけど、消えないよ!!書いた術者の何倍もの魔力で打ち消さないと消えないもんだ!!この国に先生より魔力量の多い人間なんてそうそう居ないだろ!!」
「へーそうなんだ。…ん?あっちで今魔力が弾けた気配がしたけど?」
話し声からして3人?女の人と、男の人、少年みたいな声の人かな?…あっちってどこをさしてるの?そう思い窪みからそっと顔を出して固まった。
そこには栗色の髪の毛の長髪の少年。彼と目が合った…
「あれ~、女の子だ。何?君、迷子なの?」
「…あ」
少年の背後には、背の高いがっちりとした40代ぐらいの黒髪の男の人と、釣り目にメガネの灰色の髪の女性がそこにいた。
「何その変な格好のガキ…なんでここに入って来てるの?閣下のやつ人払いは任せておけなんて言っておきながら、こんなガキが迷い込むなんて…、仕事しなさいよね。日頃、偉そうなくせに使えないわね」
灰髪の女性は口が悪かった。黙ってれば知的美人に見えるのに…残念だ。そう思ってると、私を見ていた少年が、ニコニコしながら
「ねぇ、おばさんてさ、不敬って言われない?」
そう言いながら少年は刀を触ったと思ったら目の前でパンッ!!と大きな音がして。気が付くと刀を振り切った少年と目が合った。
え?………今、私斬られた?
「へぇー結界?君凄いね♡僕の初手跳ね返せるとか結構稀だよ。結界師とかかな?面白いなぁ~。あぁ結構前にそんなアニメあったよね」
栗色の髪の少年は目を細め、口角を上げ微笑んだ。
「僕、桃李 司(トウリ ツカサ)」
「は?」
「君とは仲良くなれそう。名前教えてよ」
この子何いってるの?今私を殺そうとしたのに、なんで笑って名前が聞けるの?…この子の名前って…まさか…まさか…
196
あなたにおすすめの小説
できない子に転生しましたが、家族と食卓があれば十分です ―人間不信だった私が、ゆっくり育つ異世界生活―
愛朱ひいろ
ファンタジー
人の顔色ばかり伺い、心を壊した26歳の会社員女性。
彼女は死後、異世界で「できない子」として転生する。
魔法は使えない。
体は不器用で、成長も人より遅い。
前世の記憶のせいで、人と関わることが少し怖い。
けれどこの世界には、
見守り支えてくれる両親と、
あたたかい食卓があった。
泣いて、つまずいて、できないことに落ち込みながら、
彼女は少しずつ「できないままでも、生きていていい」と知っていく。
これは、
最強でもチートでもない主人公が、
家族と食事に支えられながら、ゆっくり育ち直す
生活密着型・異世界転生×成長×グルメファンタジー。
……の、予定です。
毎日更新できるように執筆がんばります!
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~
杵築しゅん
ファンタジー
戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。
3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。
家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。
そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。
こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。
身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について
いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。
実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。
ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。
誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。
「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」
彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。
現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。
それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。
勇者召喚に失敗したと捨てられましたが、魔王の家政婦になりました。
藤 ゆみ子
ファンタジー
家政婦として働いていた百合はある日、会社の倒産により仕事を失った。
気が沈んだまま家に帰り、おばあちゃんの仏壇に手を合わせていると突然知らない場所にいた。
訳がわからないまま、目の前にいる神官に勇者の召喚に失敗したと魔王の棲む森へと捨てられてしまう。
そして魔物に襲われかけたとき、小汚い男性に助けられた。けれどその男性が魔王だった。
魔王は百合を敵だと認識し、拘束して魔王城へと連れていく。
連れて行かれた魔王城はボロボロで出されたご飯も不味く魔王の生活はひどいありさまだった。
それから百合は美味しいご飯を作り、城を綺麗にし、魔王と生活を共にすることに。
一方、神官たちは本物の勇者を召喚できずに焦っていた。それもそう、百合が勇者だったのだから。
本人も気づかないうちに勇者としての力を使い、魔王を、世界を、変えていく。
追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした。今さら戻れと言われても、もうスローライフ始めちゃったんで
ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。
家族も、家も、居場所もない。
そんな俺を拾ってくれたのは、
優しいSランク冒険者のパーティだった。
「荷物持ちでもいい、仲間になれ」
その言葉を信じて、
俺は必死に、置いていかれないようについていった。
自分には何もできないと思っていた。
それでも、少しでも役に立ちたくて、
誰にも迷惑をかけないようにと、
夜な夜な一人でダンジョンに潜り、力を磨いた。
仲間を護れるなら…
そう思って使った支援魔法や探知魔法も、
気づかれないよう、そっと重ねていただけだった。
だけどある日、告げられた。
『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』
それは、優しさからの判断だった。
俺も分かっていた。だから、何も言えなかった。
こうして俺は、静かにパーティを離れた。
これからは一人で、穏やかに生きていこう。
そう思っていたし、そのはずだった。
…だけど、ダンジョンの地下で古代竜の魂と出会って、
また少し、世界が騒がしくなってきたようです。
◇小説家になろう・カクヨムでも同時連載中です◇
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる