ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
114 / 2,518

第114話 光精霊と闇精霊

しおりを挟む
「あらあら、レムちゃんにシェイドちゃんですね。元気してたかしら?」

「あ! ウンディーネの姉御!」

「あらあら、口の悪い子ね。姉御じゃなくてお姉ちゃんでしょ?」

 アクアの言葉と行動が全く伴っていなかった。優しい言葉をかけているのに、闇精霊の頭がアクアの手によってキリキリとしめられていた。

 闇精霊は頭をつかまれて、いたーーーーいと足をバタバタさせている。ノーマン・ガルド・アクア・メイはあまりサイズは変わらないのだが、光精霊と闇精霊は一回り小さく見える。

 四大精霊たちは、成人した人間を1m程に圧縮した外見に、各属性の色の髪に衣をまとっているような感じだ。

 ノーマンは男性型で茶髪の坊主だ。硬そうな土色の衣服を着ている。

 ガルドは男性型で赤髪の短髪の逆毛だ。常に燃えている炎の服を着ている。

 アクアは女性型で水色のウェーブのかかった腰まで伸びている髪だ。水で出来た衣の水が常に流動している。

 メイは女性型で緑色のボーイッシュなボブカットだ。服は緑色の風が渦巻いている服だ。

 光精霊と闇精霊の見た目は、身長八十センチメートル位の五頭身の漫画チックな外見だ。

 光精霊は女性型で落ち着いた印象で、白いストーレートの髪だ。服は虹色の生地を何重にも重ねたような不思議な感じだ。

 闇精霊は男性型でいたずらっ子の様な印象で、オールバックのセミロングだ。服は黒色に黒いもやがかかった不思議な感じだ。

 キリキリ頭を絞められている闇精霊を救出して名前を付けることにした。光精霊はシルク、闇精霊はツィードに決めた。よく分からないが名前を付けてあげると、喜んで両側から抱き着かれた。何か子犬にじゃれつかれている感じがするな。とりあえず今回の主な目的は、奴隷の首輪についてなので聞いてみよう。

「ツィード君、早速で悪いんだけどこの首輪について何か分からないかな?」

「ん? 見せて見せて!」

 しばらく奴隷の首輪をこねくり回していると、気になったシルクちゃんも一緒になってみていた。

「うん、分かった! これって僕の技術を使った首輪だね。多分、着用者に命令を聞かせる感じの物だよね?」

「おぉ~流石だね。それで聞きたいのは、この首輪をつけている人間から強制的に外すことはできる?」

「ん~僕は拘束する系の術式を作るのは得意だけど、解除は得意じゃないんだよな。シルクちゃんなら解除系が得意じゃなかったっけ? 僕が術式教えたら解除できない?」

「術式が分かれば解除できると思いますよ? ツィード君、ちょっとどんなものか教えてもらってもいいかな?」

 奴隷の首輪を見せながら、そこに使われている魔導具の技術、術式を何やらゴニョゴニョと話し合っていた。

「なんだ、こんな簡単な術式を使ってたんだね。これならツィード君も解除できるんじゃない? それにこの部分を書き換えれば、生半可な技量じゃ解除できなくなるのにね。何でこんな解除しやすい術式使っているんだろうね?」

「シルクちゃん、ツィード君、もしかしたらそれを作った人間が、自分に着けられた時の事を考えたんじゃないかな? 自分でも解除できるように余白を残した可能性が考えられるわ。

 時間が経つにつれて術式が分かる人がいなくなって、現存する物をコピーして使ってるんじゃないかしら? 私は術式については全くわからないから、何とも言えないけど」

 ん~よくわからないが、魔法と魔導具の技術は全く違うのだろうか。そもそも術式術式っていうけど、意味が解らないな。確か娘たちに作らせた魔導具は、回路みたいなものを作って、そこに魔力を通すと魔導具としての効果を発揮するんだよな? あれ、これが術式って事か?

「さすがアクアの姉御! 確かにこの術式なら自分で解除でk・・・イダダダダ!!!」

「ツィード君の口は悪い子ですね」

 アクアがまた笑顔でツィード君の頭を鷲掴みにしていた。

「確かにアクアお姉ちゃんの言う通りかもしれませんね。基本的には命令を聞く事と命令がない限り他者を攻撃することができない様になってますが、解除する行為は命令より上位の許可が出てますね。てっきり他人が解除する時の物かと思ってましたが、この術式でしたら自分でも解除できる」

 問題なく奴隷の首輪は解除できるようだった。合わせて一部を書き換えるだけでさらに強力な奴隷の首輪になるといういい情報をゲットできた。

 シルクちゃんとツィード君を、アリスとライムの魔導具作成組に合流させたら、もっと性能のいいものが作れるんじゃないか?

「シルクちゃん、この前俺たちを襲撃してきた奴らから、奴隷の首輪を解除してほしいから付いてきてもらっていいかな? ツィード君には外した奴隷の首輪を、加工してもらいたいけど問題ないかな?」

「もちろん! でも、加工ってどんなことしたらいいんですか?」

「自分で解除できない様にと、命令にそむけない様にできるか?」

「ん~奴隷の魔導具では、そこまでは無理だよ。ペナルティーは与えられるけど、命令に従う従わないは本人の意思だもん。でも、命令を聞かせたいなら奴隷の首輪をつけた後に、一時的に魅了とかすればいいんじゃないのかな? 奴隷の首輪の効果を書き換えた後なら、情報は引き出せるはずですよ」

 ツィード君、意外に賢いな。アクアとの絡み的にみてポンコツかと思ってごめん。

「じゃぁ、シルクちゃんとツィード君、今から行くからお願いね。後ピーチ、シュリを連れてきてもらっていいか、あの牢屋の前で待ってるからよろしく」

 シルクちゃんとツィード君だけで行くつもりだったが、四大精霊も気になるようでみんなついてくるようだった。空腹で力なく俺の事をにらんでいる奴隷兵を見ながら、シュリの到着を待った。

「シュリ、忙しいところ呼びつけてごめんな。念のために来てもらったんだ。レイリーとピーチは、奥の2人をみといてくれ。シュリはこいつを抑えておいてくれるか、首の位置を見えるように抑えてほしい。じゃあシルクちゃん外してもらっていいかな?」

「了解です。こうやって……こうやって、こう! うん、完璧! じゃぁツィード君、後はよろしくね!」

 おぉ、もう解除が終わってる。そんな簡単に外せるもんなのか? 自分で外せるようにしてあるんだから当たり前か? おっと、奴隷の首輪を外された奴隷兵が、目をひんむいてこっち見てるな。

 そりゃ驚くか普通取ろうとしたら死んじゃうんだから、死なずにとられたら何が待ってるかなんて明白だもんな、南無。

 こんなことやってる間にツィード君の作業が終わったみたいだ。

「ほぃ、ご主人様。終わりました。ご主人様に着けてもらっていいですか?」

 頭を撫でながら奴隷の首輪を奴隷兵につけた。他の2人にも同じことをして作業を終了する。さて情報を引き出すとしますか。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

スキル【レベル転生】でダンジョン無双

世界るい
ファンタジー
 六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。  そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。  そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。 小説家になろう、カクヨムにて同時掲載 カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】 なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...