ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第270話 学校は美味い飯を食べる所

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 三日三晩の飲めや食えやの大宴会が終わった。

 普段の宴会で飲む酒の二十倍近くを三日間で飲みつくしたそうだ。ドワーフ恐るべし! というかあれだけ飲んで酔わないのか? 二日酔い? にもなった様子は無いし、あのアルコールはどこに消えたのやら?食事に関しても酒と同じで普段の二十倍以上を消費したらしい。底なしの胃袋だな。

 それにしても、死人が出なくてよかった。でもいずれ俺の行為の結果で仲間に死人が出るんだろうな。その時に俺は罪悪感に潰れないだろうか? いくら強くても心までは強くならないからな。初めての戦闘でゴブリンにやられかけたのは、心が弱かったからだしな。あの時は大変だったもんな。

 戦争終結から一週間が経った。兵力の減ったギャロップはグレッグに対して、損害賠償と街の明け渡しを要求してきたが、今回は明らかにギャロップに非があり、戦争にも負けたので言い分は一切無視された。調停役はいなかったが、戦争自体は俺たちの勝ちなので一切文句は言わせずに、金を巻き上げたそうだ。

 この後、ギャロップの領主は変わるだろうとの事だ。今戦争を他の街から仕掛けられても、勝てる要素が全くないのだ。それに隠していたダンジョンのおかげで強かったため、周りの街に横暴な態度をとっていたのだ。

 兵力が落ちた事がばれれば、報復されるのは当然な流れだよな。俺たちには関係ない事だけどな。

 だけど早めにダンジョンだけは潰しておきたいな。領主が交代すればいずれダンジョンの存在がばれるよな、自分たちが強くなれば増長する、そうすればまたグレッグが狙われる。悪循環が起こるから潰しておきたいんだよな。

 一応ギャロップのダンジョンは発見している。ハリアーの証言から位置を特定して、ダンジョンの入口のあった建物を掌握して、一応封鎖してある。これで高レベルの人間が量産されることはないだろう。

 封鎖したんだからその内でもいいか、ダンジョン攻略時のダンマススキルのボーナスには、興味あるけど焦る必要なんてないからな。うむ、そうしよう!

 明日はのんびりするのだ、スライムベッドで怠惰に過ごすのもいいよな。地球にあった人をダメにするクッションよりやばい。実際比べてみたけど、スライムベッドは俺の気持ちを汲んでくれるから、色々と最高なんだよな。

 あのベッドで本を読むのとか至福の一時なんだよ、くつろいでれば飲み物も持ってきてくれるから、本当に最高な環境だぜ。しかもあのベッドを昼間から使ってると、どこからともなくニャンコたちが集まってきて、さらに幸せな気分になれるんだよな。ハクもクロもギンも来るから、もふもふパラダイスだぜ!

 そういえば、俺が猫好きだから家に猫しかいないんだよな。犬も飼ってもいいけど、基本的にブラウニー任せになっちゃうからな。クロとギンはいるから問題ないか?

 ペットといえば、スライムたちだしな、基本的に手のかからない賢い奴らだ。俺的には今のままで十分だよな。たまに獣人娘の耳や尻尾をなでさせてもらってるから増やす必要もないか。

 そうだ! 今日は学校に行ってみよう。作ってから一回も行ったことないんだよな、どういう風になってるんだろうな。

 三幼女を連れて学校に向かってみる事にした。この娘たちも本当は学校に通わせて、同年代の子たちと仲良くしてもらいたいんだけどな。本人たちが望むなら通わせてあげよう。

 ただ勉強自体はこの学校で教えている範囲は、すでに終わってるんだよな。みんな真綿に水がしみこむように知識を吸収してくのだ。戦闘訓練もして勉強もして、俺のお世話もして他にも仕事して、働きすぎで倒れないといいな。休日を取ってもらおうとしているのに、なかなか休んでくれないんだよな。

 学校にやってきた。どうやら生徒の数は二〇〇人を超えていた。一クラス三十人位で勉強の進行具合で分けているようだ。読み書き計算を中心に、希望者に理科や簡単な医学等を教えている。他にも冒険者になるためのクラス、魔法使いになるクラス、農家や料理人いくつかのクラスが準備されているようだ。

 大人が空いた時間を利用して勉強をしに来ている。働いている者は、昼間授業ができないので夜、勉強しに来ているものも多い。中には子供だっているのに、勉強に来る親たちも少なくない。

 そういった人たちのために託児所のような場所もあるし、子供たちが体を動かしたり遊んだりできる場所も準備しているようだ。グリエルたちには頭が上がらんな。孤児で見込みのある子供たちには行政について勉強させているらしい。無理やりじゃないといいけどな。

 子供たちはみんなイキイキしてるな~

「シェリル、イリア、ネル、学校はどうだ?」

「みんな楽しそうだね!」

「みんな私たちみたいなの!」

「みんな仲良し!」

 三者三様の回答が戻ってきた。

「三人も学校に行ってみるか?」

 俺が三幼女に聞いてみると、頭の上にハテナマーク浮かべて『なんで?』と首をかしげていた。三人と同じ年代の子もいるし友達ができるかもと聞いても、三人で楽しいしお姉ちゃんたちもいるから、必要ないと言われてしまった。本当にそれでいいのかな? 今度年長組にも相談してみようかな。

 見た範囲でいやいやながら勉強している子がいなくてよかった。勉強できなくて困ることはこの世界にも沢山あるだろうからな。

 この街では問題ないけど、文字が読めなければ、計算ができなければ騙されることだってあるのだ。ずっとここにいるかわからないけど、もし外に出た時にそういった被害にあわないようにみんな学ぶんだぞ! 特に商人になりたいとおもっているクラスの子たちは特にね。

 教師をやってくれている人たちに話を聞いても、みんながみんな集中して色々学んでいるようだ。自分で自分の道を選べることの意味はよくわかっていないけど、親たちはその意味をしっかり理解しているようで、子どもたちに時間を作ってあげているようだ。

 本来ならお金持ちの家でなければ勉強なんて出来ないのだ、多少無理をしても子供を学校に通わせているのだ。それも安定した収入を得られているし、不作にもならないため可能なんだけどな。

 子供が手伝わなくても必要以上の収入があるから余裕があるのだ、何より学校の給食はタダだしうまいからな! みんな休まずに学校に来るんだよね。初めはご飯を食べにくるでもいいと思う、そこから勉強が好きになってくれればいいと思うんだ。

 何か問題があれば報告するようにお願いしておく。俺はいない事もあるので、上の階層にいるグリエルにでも伝えれば連絡が取れると話した。

 他の街の孤児はかなりの数をこの街に連れてきているけど、みんなは大丈夫なのかな? 家事に関してはブラウニーたちに一任してるから問題ないけど、大人の数は少ないんだよな。

 年配の方で力仕事なんかが難しい人に一緒に住んでもらってるんだけど、今の所なんの連絡もないし問題はないのかな? 夜にでも見に行ってみようかな?
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