ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第364話 従魔たちの人気に嫉妬

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 俺はクロとギンをわしゃわしゃと洗いながら、お風呂に浮かんでいるスライムたちをながめていた。あいつらってただ浮いてるだけじゃなくて、急にお湯の中に潜ったりするんだよね。勢いをつけて潜っているわけでもないのに、どうやってるか謎だ。

 しかも、何匹かスライムが潜ったまま上がってこなくて首をかしげていたら、急にニコが浮き上がって体が全部出たかと思ったら、下から潜っていた他のスライムたちが現れて、さらに持ち上がって……スライムトーテムポールが出来上がって、普通に笑ってしまった。

 俺が笑うと『やったぜ!』と言っているような雰囲気で、スライム全員が高速でプルプルしだした。そしたら三角波のようになって、お風呂の湯だけなのに三メートルくらいの三角波が出来上がってしまったのだ。そしたら何匹かが俺の足元に流れ着いた。

 かけ流しなので垂れ流している部分はあるけど、遊んでお湯をこぼすのはよろしくないな。という事で近くにきたスライムを蹴飛ばしたり、投げたりして水風呂に突っ込んで暴れるなと命令しておいた。

 そうすると大人しくなったうえに、お湯につかっていたスライムたちも水風呂に行って反省している感じだった……と思っていた俺が甘かった。

 今度はファ〇ナルファ〇タジーシリーズのリバイアサンが使う魔法の、タイダルウェーブ的なビジュアルで、その波にスライムたちが全員そろって波乗りをしてきた。

 もちろん俺を含めクロとギンにハクにも水がかかるよね。水流で一気に体を冷やされたので、たまり始めていたお湯につかることにした。あいつらは怒っても効果がないな。

 そのまま湯船の中で櫛を通してクロの毛の処理をしてあげると、気持ちよさそうな声をあげてとろりとした目をして、湯船の縁に顎を乗せていた。

 それをうらやましく思ったギンが早くしろと急かすので、交代してやるとクロがもっととおねだりしてくるので、わがまま言うならやめるというと、ニ匹大人しくなったので順番に櫛を通してやった。

 長風呂しすぎてヘロヘロになった俺とクロとギンは、脱衣室で扇風機で涼んでいた。俺たちより長く入っていたスライムたちと、ちゃっかりしているハクは元気に飛び跳ねて遊んでいた。スライムの中で遊んでいるドラゴン、こうやってみるとシュールだな!

 のんびりと過ごしているとごはんの時間になり、本日も美味しいごはんをいただいたなり! そのまま何もせずにベッドに飛び込んでブッ君で本を読もうとしたら、読む前に寝てしまった。疲れていないと思っていたが、思ってた以上に疲れていたんだろうな。

 妻たちは気遣ってくれたのか、俺が喜ぶであろう腕枕をしてくれていたのだ。腕枕というか目覚めたら気持ちいい物が顔に当たっているんだから、嫌がる男は少ないよね。もちろん寝て起きた時は気持ちよかったよ!

 今日はのんびりする予定なので特に予定を立てずに、ディストピアをプラプラする予定だ。しばらくディストピアを見回っていない気がするので、色々見て回るつもりなのだ。

 グリエルの情報では人口が一万人を超えたとの事だ。多いのか? ここを作った時は、俺たちしかいなかったから、そう考えれば一万人は多いか。それに色々審査を通ったものや奴隷でも、敵対しないであろう人材しか住人にしてないからな!

 フレデリクが四万とかそこらだったっけ? そう考えるとかなりのハイペースで増えてることになる。他国のスパイやどうしようもない人間も多いが、ディストピアの住人になりたいものは多い様だ。

 ゴーストタウンですら、かなりの人数が住人になれてないので、ディストピアはどれだけの倍率をくぐりぬけて住人になったんだろうな? ほとんどが俺繋がりとか聞いた覚えがあるけど。

 今日のお供は、従魔たちのみだった。珍しく全員予定があるとの事で、ディストピアの外に出ないのであれば、自由にしてもいいと許可をもらえたのだ。主従関係が逆転してるんじゃないかと思う今日この頃だ。

 久々にクロやギンに騎乗して、街中を探検してみよう! まず始めは、ギンに騎乗して街を進んでいく。俺の前にハク+ソウとコウがいるが、スライムたちは全員、クロの背中に積みあがっている。

「あ! シュウ様だ! 久しぶりに見た! みんな! シュウ様だよ!」

 一人の少年が大きな声で俺を見つけた報告をすると、わらわらと子供たちが集まってきた。子供たちは俺と出会うとお菓子をもらえる事を知っているので、見つけるとみんなで報告しあうようになっているのだ。

 お菓子をもらって食べた後は俺じゃなくて、従魔たちに飛びついて遊んでいる。女の子に人気があるのはモフモフ系のハク・クロ・ギン・ソウ・コウで、男の子に人気があるのがスライムだった。男の子ってオオカミとかカッコいいって思わないのかな?

 しばらく見ていて気付いたのだが、男の子たちにスライムが人気な理由がよくわかった。

 血の気の多いというには語弊があるが、冒険者を目指している子が多いためか、冒険者ごっこで敵役をしてくれるために人気があるようだ。姿形も変えられるのでいろんな役になってもらえるようで、楽しんでいる姿が印象的だったな。

 しばらく従魔たちが子供たちと遊んだ後、その場を後にすると、名残惜しそうに『またね!』と涙ぐんでお別れしている子たちがいた。

 こいつら、家にいない時ってこうやって、色んな所に顔を出してるのかな?

 今度はクロに騎乗して街を歩いていると、不意にクロが道を変えたような気がした。あっち側は確か、商店街がある所じゃなかったっけ?

 少し人が多くなってきた所で、声をかけてくる人が増えてきた。でも初めに俺じゃなくて、クロとギンに気付いて話しかけてるんだよね。背中にちょこんと座って見辛いせいか『あ! シュウ様おられたんですね』っていうのは止めてくれ!

 そのまま進んでいくと、いくつかあるお店の前で止まってお座りをした。

「あらあら、クロちゃんにギンちゃん、それにハクちゃん、いらっしゃい。あらあら? 今日はニコちゃんたちスライムちゃんも一緒に来たのね。今日は何を出してあげようかしら? おとーさん、今日って骨あった? シュウ様の従魔ちゃんたちが来てるわよ!」

 店の奥から『本当か!? 今骨持ってくぞ! 周りのお店の連中にも声をかけてやれ!』と聞こえてきた。やり取りをした後に近くのお店に入っていき、おっちゃんをたくさん連れて戻って来た。

「今日は、スライムたにもおったのか? こいつらは何を食うんだろうな?」

 店の奥から出てきたおっちゃんがそんなことを言うと、スライムたちがシンクロして触手を伸ばし体の前にバッテンを作った。なんだかかっこよく見えてしまうのが悔しい!

「そうか、いらないのか? じゃぁクロとギンにハクよ、今日出たばっかの新鮮な骨をあげるぞこっちに来るよなぁあああ!? シュウ様じゃないですかえ! おっかさんや、何でシュウ様がいること黙ってたんだ?」

「ええぇぇぇ! シュウ様もいたんですか?」

 おい、俺より従魔たちがいいのか! 確かにこいつらに比べれば存在感無いけどさ、可愛がられてる従魔たちをながめて癒されよう。しばらくすると、赤ちゃんを連れてお母さま方が来られる。

 赤ちゃんが来るとスライムたちがあわただしく動き出して、体の中心をへこまして赤ちゃんを受け取って、プヨプヨしてあやしていた。俺は何もできてないな、頑張れ従魔たち!
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