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第524話 試験農場制圧
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試験農場に向かう途中、マルチプルサンダースネークを放ち距離を稼いでいると、
「ご主人様、遠目で見辛いですが、あの門壊れそうじゃないですか?」
妻の中で目のいいメアリーが、フレデリクの街の門の方を見て、俺に話しかけてくる。俺も目が悪いわけではないけど、さすがに遠すぎて見えないので、止まって望遠鏡を使い門の方を見てみる。
「門が歪んでるな。まだしばらくは大丈夫かもしれないけど、そのうち突破されるな。試験農場守り切っても、フレデリクの街が落ちたら意味がないから、応急処置位しておくか。みんなあの門に向かうよ、隊列組んでくれ。
あそこを応急処置したら、試験農場に向かうからね。壁は壊れてないみたいだけど、身体能力の高い魔物が何匹か、試験農場に入ったから対処しないとまずい。同じエリアに人はいないけど、隣のエリアまで来てるから、あまり時間がない、急ぐよ」
俺の指示を聞いて、みんなが流動的に隊形を変えて、歪んでいる門へ向かっていく。倒すことは考えておらず、吹っ飛ばしたり麻痺させたりと、行動不能にしている感じで進んでいく。門の二十五メートル前付近まで進んで、扉を埋めるようにアースウォールを使用して歪んだ門を隠す。
「これでしばらく耐えれるだろう、試験農場に向かうよ。もっかい雷魔法使って道をこじ開けるから、また突っ走るよ。多分これで魔力を大分使い切るから、俺の事はあてにしないでくれ。イリアは壁に着いたら穴をあけて、みんなが入ったら閉じてくれ。【マルチプルサンダースネーク】」
う~む、大量に魔力を吐き出したせいで少し気持ち悪い。戦術級の魔法を三度も使っているのだから、魔力が枯渇してもしょうがない。フレデリクの門は問題なさそうだから、試験農場に急がねば! 魔法は現状使うのはよろしくないので、収納の腕輪から武器を取り出して手に持つ。
今回出したのは、魔核内蔵型のゴーレムクロスボウだ。今、拠点で使っているドワーフ作のクロスボウの、数倍の威力のある代物だ。ついでに言うと、ボルトをセットするまでをオートで行ってくれる、優れものだ。後は引き金を引くだけで撃てるので便利だ!
ゴーレムクロスボウは、銃だとダメージ減算があるため威力が頭打ちになるが、クロスボウの形状なら減算がかからずに、クリエイトゴーレムと魔核の力で威力を高められるので、作ってみた代物だ。ボルトは十本入るカートリッジ方式を採用しており、元の世界では再現するのが困難なオーパーツかもしれない。
俺の活躍は試験農場の壁の中にはいってからだ。それまではみんなの邪魔にならないように、移動するだけだ。みんなのペースについていけているが、結構大変だったりするのを見てクロが俺の下に寄ってきて、乗るように促してきた。背中にはニコが乗っており上空にはハクが追従していた。
「クロ、助かる。ニコ、ちょっとクッションになってくれ」
クロの背中に乗っていたニコをクッションにして、クロの背中に乗る。そうすると、急にスピードを上げてピーチに並んだ。
「クロ、先にご主人様を連れて試験農場へ! ハクとギン、コウとソウ、ニコもご主人様の事頼みます」
ピーチに頭を撫でられたクロが一気に加速して、試験農場の壁までの距離を一気に潰し、壁を飛び越えた。何メートル程ジャンプしたのだろうか? 突然の事だったのでたまヒュン的な感覚に陥った。
でも俺を先に行かせたのは、魔物が人のいるエリアに近付く前に、殲滅しろってことだよな。ゴーレムクロスボウも取り出したことだし、俺は役目をはたそう。
「クロ、向こうに向かってくれ」
背中を叩いて移動する方向指示する。二枚目の壁を飛び越えてもらう。魔物が何匹か視界に入る。俺たちの存在に気付いたようで、こっちに向かってくる。エリアには四匹が入ってきているようだ。
クロを止めてクロスボウを構えて、眉間を狙ってボルトを放つ。上手く眉間にあたるわけはなかったが、右目から脳に貫通したようで、即死してドロップ品に変わった。続けて二射三射四射。場所は違うにしても、全部頭を貫通して命を刈り取っていた。
「予想以上に強いな。ボルトが重たい上に、スピードがあるから貫通してしまうのか? 下手な拳銃より命中性能も、攻撃力も上っぽいな。重たい事を除けば十分に使える」
自分で作った兵器に評価を淡々としていた自分に、若干頭が痛くなった。次のエリアの掃除に行く。大体一エリアに三匹くらいの魔物しかいなかったし、エリアの数も多くなかったので、すぐに掃除が終わった。
試験農場で人的被害がでなくてよかったよ。俺がクロに乗って近付いたもんだから、試験農場に住んでいる農民さんたちが、めっちゃビビってしまったから申し訳ない気持ちだ。でもすぐに俺だという事が分かったようで、色々話してくれた。
今の領主はゲスだな。試験農場は守らないのに、食料だけ買い占めようとして兵士を連れてきて、はした金で食料をもっていってしまったそうだ。
以前に俺が教えていたように、床に穴を掘って一時的に食料を隠せるようにした場所を、しっかりと作っていたようで、自分たちの分は問題なく確保できているとの事だ。
ゲス領主はどうせここで死ぬのだから、食糧はもらっていく! この金は慈悲みたいなものだ! とか言ったんじゃねえかな? どれだけの食料が盗まれたか分からないけど、後でその分のお金はしっかり回収して、試験農場のみんなに配ろう。
試験農場にいるみんなには、俺たちが守るから大丈夫だという事を伝えてある。念のためにできるだけ一つのエリアに集まってほしい事を伝えると、素直に集まってくれた。ここに集まっている間の食料は、俺が提供することにしたので、特に問題は無い。
ついでに休ませている畑の上に、臨時でゲルの様なテントを複数建てている。迎撃に出る会議をしていた所、男衆がせめて見張り位はやらせてくれとの事だったので、急遽櫓を建てて、そこで火を焚けるようにしてある。櫓で交代で番をしてくれるそうだ。みんな頼もしいな。
一応身を守るために、ドワーフ製のクロスボウを何個か渡しておく。傷つかないでくれよ。
俺が農民たちを相手にしている間に妻たちが到着して、外周の壁を修復&強化を行ってきたようだ。今夜は長くなりそうだな。
「ご主人様、遠目で見辛いですが、あの門壊れそうじゃないですか?」
妻の中で目のいいメアリーが、フレデリクの街の門の方を見て、俺に話しかけてくる。俺も目が悪いわけではないけど、さすがに遠すぎて見えないので、止まって望遠鏡を使い門の方を見てみる。
「門が歪んでるな。まだしばらくは大丈夫かもしれないけど、そのうち突破されるな。試験農場守り切っても、フレデリクの街が落ちたら意味がないから、応急処置位しておくか。みんなあの門に向かうよ、隊列組んでくれ。
あそこを応急処置したら、試験農場に向かうからね。壁は壊れてないみたいだけど、身体能力の高い魔物が何匹か、試験農場に入ったから対処しないとまずい。同じエリアに人はいないけど、隣のエリアまで来てるから、あまり時間がない、急ぐよ」
俺の指示を聞いて、みんなが流動的に隊形を変えて、歪んでいる門へ向かっていく。倒すことは考えておらず、吹っ飛ばしたり麻痺させたりと、行動不能にしている感じで進んでいく。門の二十五メートル前付近まで進んで、扉を埋めるようにアースウォールを使用して歪んだ門を隠す。
「これでしばらく耐えれるだろう、試験農場に向かうよ。もっかい雷魔法使って道をこじ開けるから、また突っ走るよ。多分これで魔力を大分使い切るから、俺の事はあてにしないでくれ。イリアは壁に着いたら穴をあけて、みんなが入ったら閉じてくれ。【マルチプルサンダースネーク】」
う~む、大量に魔力を吐き出したせいで少し気持ち悪い。戦術級の魔法を三度も使っているのだから、魔力が枯渇してもしょうがない。フレデリクの門は問題なさそうだから、試験農場に急がねば! 魔法は現状使うのはよろしくないので、収納の腕輪から武器を取り出して手に持つ。
今回出したのは、魔核内蔵型のゴーレムクロスボウだ。今、拠点で使っているドワーフ作のクロスボウの、数倍の威力のある代物だ。ついでに言うと、ボルトをセットするまでをオートで行ってくれる、優れものだ。後は引き金を引くだけで撃てるので便利だ!
ゴーレムクロスボウは、銃だとダメージ減算があるため威力が頭打ちになるが、クロスボウの形状なら減算がかからずに、クリエイトゴーレムと魔核の力で威力を高められるので、作ってみた代物だ。ボルトは十本入るカートリッジ方式を採用しており、元の世界では再現するのが困難なオーパーツかもしれない。
俺の活躍は試験農場の壁の中にはいってからだ。それまではみんなの邪魔にならないように、移動するだけだ。みんなのペースについていけているが、結構大変だったりするのを見てクロが俺の下に寄ってきて、乗るように促してきた。背中にはニコが乗っており上空にはハクが追従していた。
「クロ、助かる。ニコ、ちょっとクッションになってくれ」
クロの背中に乗っていたニコをクッションにして、クロの背中に乗る。そうすると、急にスピードを上げてピーチに並んだ。
「クロ、先にご主人様を連れて試験農場へ! ハクとギン、コウとソウ、ニコもご主人様の事頼みます」
ピーチに頭を撫でられたクロが一気に加速して、試験農場の壁までの距離を一気に潰し、壁を飛び越えた。何メートル程ジャンプしたのだろうか? 突然の事だったのでたまヒュン的な感覚に陥った。
でも俺を先に行かせたのは、魔物が人のいるエリアに近付く前に、殲滅しろってことだよな。ゴーレムクロスボウも取り出したことだし、俺は役目をはたそう。
「クロ、向こうに向かってくれ」
背中を叩いて移動する方向指示する。二枚目の壁を飛び越えてもらう。魔物が何匹か視界に入る。俺たちの存在に気付いたようで、こっちに向かってくる。エリアには四匹が入ってきているようだ。
クロを止めてクロスボウを構えて、眉間を狙ってボルトを放つ。上手く眉間にあたるわけはなかったが、右目から脳に貫通したようで、即死してドロップ品に変わった。続けて二射三射四射。場所は違うにしても、全部頭を貫通して命を刈り取っていた。
「予想以上に強いな。ボルトが重たい上に、スピードがあるから貫通してしまうのか? 下手な拳銃より命中性能も、攻撃力も上っぽいな。重たい事を除けば十分に使える」
自分で作った兵器に評価を淡々としていた自分に、若干頭が痛くなった。次のエリアの掃除に行く。大体一エリアに三匹くらいの魔物しかいなかったし、エリアの数も多くなかったので、すぐに掃除が終わった。
試験農場で人的被害がでなくてよかったよ。俺がクロに乗って近付いたもんだから、試験農場に住んでいる農民さんたちが、めっちゃビビってしまったから申し訳ない気持ちだ。でもすぐに俺だという事が分かったようで、色々話してくれた。
今の領主はゲスだな。試験農場は守らないのに、食料だけ買い占めようとして兵士を連れてきて、はした金で食料をもっていってしまったそうだ。
以前に俺が教えていたように、床に穴を掘って一時的に食料を隠せるようにした場所を、しっかりと作っていたようで、自分たちの分は問題なく確保できているとの事だ。
ゲス領主はどうせここで死ぬのだから、食糧はもらっていく! この金は慈悲みたいなものだ! とか言ったんじゃねえかな? どれだけの食料が盗まれたか分からないけど、後でその分のお金はしっかり回収して、試験農場のみんなに配ろう。
試験農場にいるみんなには、俺たちが守るから大丈夫だという事を伝えてある。念のためにできるだけ一つのエリアに集まってほしい事を伝えると、素直に集まってくれた。ここに集まっている間の食料は、俺が提供することにしたので、特に問題は無い。
ついでに休ませている畑の上に、臨時でゲルの様なテントを複数建てている。迎撃に出る会議をしていた所、男衆がせめて見張り位はやらせてくれとの事だったので、急遽櫓を建てて、そこで火を焚けるようにしてある。櫓で交代で番をしてくれるそうだ。みんな頼もしいな。
一応身を守るために、ドワーフ製のクロスボウを何個か渡しておく。傷つかないでくれよ。
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