ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
550 / 2,518

第550話 やっと中に入れる

しおりを挟む
 しばらくすると、一番初めに俺がスタンさせた偉そうな奴らと、後衛の人間が目を覚ました。気絶している間に身動きが取れないように、ロープで縛っているけどな。魔法使いと思われる奴らには、ミスリルで作られている手錠をかけている。

「……んぁ、何だこれは!?」

 一番最初に騒ぎ出したのは、一番偉そうにしていた奴だった。

「やぁ、おはよう。盗賊に襲われたので、無力化して捕縛させてもらった。誰一人殺してはいない。この意味が分かるか?」

「? それよりこの縄を解け! 私たちにこんな事をして、タダで済むと思うなよ! ドーンボーンを敵に回す行為だぞ!」

「誰が好き好んで、盗賊の縄を解かねばならんのだ? それにドーンボーンの総意という事なら戦争だと言っただろ? 戦争とはお互いが同意して、戦う場所を指定した戦闘だ。今回は、違法行為を行ったドーンボーン側を攻め落とせば、すべての権利が俺に帰属することになるのをわかっての発言だろうな?」

「我々が何をしたというのだ? ドーンボーンの領地内にいた、武装勢力を捕まえようとしただけだ!」

「お前の言い分はどうでもいいわ。これから城壁の中にいる人間と、ここにいる盗賊の処理について話し合わねばならないからな。中の人間がお前らの事を、ドーンボーンの人間だと言ってくれるといいな。もしそうなったら、ドーンボーンの総意になるから、俺たちは容赦なく叩き潰すけどな」

「な! 貴様ふざけるなよ! この俺をだr、グハァッ!!」

 うるさかったのか、ダマが小さい体のまま走って体当たりして、黙らせていた。

「ダマ、グッジョブ!」

 親指をグッ立ててほめてやると、前足をあげてどうもどうもというジェスチャーをしている。こいつわかってるな。

「中の人間と交渉しますか……さてどうやって連絡をとろうかな? こいつらが出てきた所に向かえばいいか。ちょっと話の分かりそうな、兵士の隊長っぽい奴を起こしてくれ」

 誰が行くかと思ったら、クロに押されてダマが出てきた。クロ、いじめか? ダマは大きい姿に戻らずに小さい姿のまま、足首を加えて俺の前に引きずってきてくれた。クロがやったら、丸かじりみたいに見えたか?

「ひぃっ!!」

 まだ何もしてないのに悲鳴をあげられた。

「質問に答えてもらおうか。お前らが街から出てきた場所は何処だ? 城壁沿いに進んでいけば見つけられると思うけど、それであってるか?」

「は、はひ!」

「確認だけど、この武装している奴らのリーダーは、お前で間違いないか? あそこでうずくまっている偉そうな奴が、お前らのトップという事で間違いないか?」

 俺はあえて、兵士や文官という言葉を使わずに話している。聞き方によっては、盗賊の実力行使組のリーダーがお前で、あそこでうずくまっているのが盗賊の首領と言っているようにも聞こえるだろう。

「そうです! 私が兵士長であちらにいるのが、今回の領主代行になります」

「いやいや違うだろ? お前は盗賊の実行隊長で、あいつが盗賊の領主だろ? 間違えるなよ。お前の発言で、武力衝突になるかもしれないぞ?

 例えばだぞ? その武力衝突で勝てばいいけど、負けた場合ドーンボーンという街、国が俺の物になって、属国みたいな扱いになったら……今回の原因となった者たちの家族は、大変だろうな~」

 俺が遠回しに言っていることが通じていなかったので、結構直接的な例をあげて話すと、青白かった顔色が血の気が無くなり、真っ白になっていた。自分たちのしでかしたことの重大さが、やっとわかったようだ。

 盗賊として処理された場合でも、ここにいる人間は奴隷として処理されて、家族は盗賊の親類だという扱いになるかもしれないけどな。何度も引き返すチャンスをやったのに、アクセルを踏み込んでしまった、お前らが悪いんだけどな。

 出入口の大体の場所は、分かったので盗賊(仮)達を連れてその場所へ向かう。入り口が見えると、駆け出そうとした馬鹿がいたので、スタンボルトで気絶させた。

 鉄の扉があったので、ノッカーを使ってノックをする。

「お~い、今そこで盗賊に襲われて捕えたんだが、この街の兵士と名乗っている。きちんと確認したいから、領主かある程度権力のある人間に確認してもらいたい。後、間違っても軽率な発言をするような奴は、こちらに来ないようにしてほしい。俺は中立地域にある、ディストピアの領主であるシュウだ!」

 下っ端の兵士が何かを言おうとしていたが、状況を理解した門番の上の人間っぽい人が、蹴飛ばして発言を遮った。その後に大きな声で、『今から領主が来るまで一切の発言を禁止する』と聞こえてきた。

 一時間程待つと入るように促された。武装は解除しない状態で、五人までの入場が許されたので、最大戦力のシュリ、ヒーラーとしてキリエ、交渉役補佐としてミリーとリンドを連れていく事にした。街の外で待っていてもらうメンバーの統率はカエデ、ピーチは現場指揮のような形で待機をお願いしている。

「こっちは任せたよ。ちょっと行ってくるわ」

「みんな、シュウの事お願いね」

 カエデから過保護発言が! 俺ってそんなに危なっかしいのか? 普通に考えれば、俺は危なっかしくなるのかな? 思い付きで行動したり、国や街に喧嘩を売ったり危なっかしすぎるか?

 そしてついてくる四人の任せとけ的などや顔が半端ない。最近までこんなことなかったはずなのに、何で突然こんな感じになったんだ?

 気を取り直して、ドーンボーンの街の中に入っていく。さてどうなる事やら?
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...