ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
652 / 2,518

第652話 危機的状況

しおりを挟む
 朝食後にピーチが、一時間もしたら一回目の偵察に出る、というので俺は準備を始めている。調査とはいえ念のため装備を確認していく。俺がメンテナンスした鎧類は問題なさそうだ。

 カエデの所へ行き大薙刀を受け取り、自分でメンテナンスをした剣や鈍器、盾の確認をして腕輪に入れていく。最後に昨日の夜作った、総アダマンタイト製の刀も持っていく。

 シュウは忘れていたが、腕輪の中には後で渡そうと思っていた、万能薬と解毒ポーションが六十個近く入っている。エリクサーも、マナポーションも大量に入っていた。

 準備ができたので、ピーチたちが操るリビングドールに連れられて、一五一階に降りていく。リビングドールはそのまま進んでいき、柵が閉まるのを確認する。

「とりあえず、俺が前に作った刀を使ってみるか。武器に名前はないけど、性能だけで言えば結構業物だからな」

 老ドワーフの工房で作った刀に、アダマンコーティングを施した一級品の武器だ。柵から5m程離れた場所に立ち、それを左脇腹に構える。

 ダークナイトの時にも使った、一歩でトップスピードに乗る歩法を使い、五メートル先の柵を抜刀術で切り付ける。

「あいた~、手がジンジンす、あぁっ!? アダマンコーティングの中の、ミスリルとオリハルコン合金が折れてる。それでもアダマンタイトのコーティングは破れないのか? この世界のアダマンタイトって、不懐属性でもついてるのかな?」

 せっかく作った刀なので、治せないかと思いクリエイトゴーレムを使ってみる……と何とか元通りになった。せっかく使ったのに壊してしまってすまんな。

「前座はここまでっと、あの刀でも柵の半分までは刃が入ったから、壊せない柵ではないってことだよな。アダマンタイトで作った、超振動刀ならいけるかもしれないな。これができるなら撤退が可能になるな」

 先程の位置に立って、刀を構えて抜刀術を使い切り付ける。

 キィーンッ

 高く澄んだ金属音が鳴り響き柵を切る事が出来た。

「よしよし、もう一回すれば人がとおれる穴があけれるかな」

 再度刀を構えて柵を切り付ける。もちろん切り飛ばし柵を形作っていた棒が転がると同時に、背後で柵が閉まる音が聞こえた。振り返ると、

「マジか? これって閉じ込められたってことか?」

 閉まった柵も切り飛ばし扉に進んでいこうとするが、さらに先で閉まってしまった。

「先の柵を切っていけば、扉までたどり着けるか? 扉まで閉まってしまうのか? 再度柵を切るのは、最終手段だな。今回出てる魔物は、キマイラとマンティコア一匹ずつか……あれ? 今まで五体以上いたはずだけど、今回は俺を含めて三、可能性としたら俺の総レベルか?」

 自分の考えの甘さを、恨むしかなかった。

「みんな聞こえてるか? どうやら閉じ込められてしまったようだ。脱出方法は今の所ない。ただ柵は切る事に成功したけど、通路の扉側に再度柵が落ちてきて、脱出できなくなった。何ができるか分からないけど、完璧に準備して一五一階に来てくれ」

 状況は最悪だが、反対に良かった気がする気持ちもある。この魔物が出てくる時に、俺たちのレベルを調べて、魔物を出してくる気がする。そのタイミングが、一度目の柵が閉まった瞬間だと考えている。

 俺たちが全員で来たら、何匹のマンティコアが出てきたか分からない。良かったと考えて、戦うしかないな。

 俺はキマイラとマンティコアのいる、コロッセオの中心を見る。タンクがいないので大薙刀で立ち回るには、防御力が足りない。盾はいつも使っている物ではなく、レッドドラゴンの初ドロップの鱗を使った盾を取り出した。火を使う事は確認しているので、軽減できる防具としてこの盾は優秀だ。

 嫁たちが操っているリビングアーマーが、一体ずつキマイラとマンティコアを相手にしているので、俺は戦う準備を始める。

「今いるリビングアーマーは、出来るだけ長く援護してもらいたいから……まずはダメージの回復だな」

 回復用に調整している杖を取り出して、リビングアーマー二体に回復魔法をかけていく。

 この世界の回復魔法は、復元の様なニュアンスが強いので、アンデッドも回復することができる。それと同じで、無生物の魔物も回復することが可能なのだ。回復系のポーションは全く効果が無いのは、アンデッドと同じ……ちょっと違うか、アンデッドはダメージを受けるからな。

 しばらくは耐えれるはずなので、その間に強化魔法のバフをかけていく。全部かけ終わったところで、再度回復を行う。

 リビングアーマーの様子を見ていると、時間稼ぎをしてほしい事が分かっているのか、俺の思っているように無理をしない攻防を行っている。

 ダンマスのスキルを使って、思いつく範囲でスキルの宝珠を二つずつ出して、離れた所に一個ずつ投げ捨てていく。俺の腕輪の中にあった、ファイアナイトの鎧とダークナイトの鎧を宝珠の前に置き、俺の使っていた片手剣とメイスを置いて準備完了。

「キマイラを抑えている方のリビングアーマー、下がって俺と交代。宝珠を使う前に憑依を解いたら、準備した鎧に移る様に命令してくれ。鎧が変わったらまた憑依をして、宝珠を使ってスキルを覚えたら、もう一体と交代。二体とも終わったら、俺と交換してくれ」

 五分程で一体のリビングアーマーの換装が終わり、もう一体も五分程で終了した。火を使うキマイラをファイアナイトの鎧に対応させ、マンティコアをダークナイトの鎧に対応させている。

 俺は、後ろに下がり再度ダンマスのスキルを使って、二体のリビングアーマーのスキルのLvを全部十にして、底上げのためにLvを九九九まで上げている。DP錬金でちまちまと増やしていたDPから、四億ほど消費してカンストまで上げている。

「二ラウンド目を始めようか。空を飛ぶマンティコアは、後回しにしてキマイラを先にたたく!」

 ファイアナイトが壁をしているが、キマイラの火炎は範囲攻撃なので、倒すまではさすがにレッドドラゴンの鱗の盾を手放せない。武器は柵を切った超振動刀を持っている。持っている武器の中で一番攻撃力が高いので、こいつを使う予定だ。

 果してSランクの魔物二体を、一人とリビングアーマー二体で倒せるだろうか? カンストさせていてもDPによるLvアップなので、ステータスの恩恵が自力で上げたときより、低いのだ。それが影響するだろうか?
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...