ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
715 / 2,518

第715話 違和感

しおりを挟む
 126階から129階まで、魔物の種類はバフォメット・アークデーモン・ハイデビルの3匹1組は変わらなかった。気持ち強くなっていたような気もするが、ここまで強い魔物だと、Lv1や2の誤差は大した違いを感じられないのだろう。

「130階は、いつもの10階毎のダメージフロアと一緒で、効果も健在っぽいね。魔物もいるみたいだから持続回復の魔導具に、しっかりと魔力を込めておくように。念のため、収納の腕輪の中にマナポーションがあるか確認してくれ」

 そう言うとみんなが収納の腕輪の中身を確認し始める。0本だったメンバーはいないが、1本や2本しかないメンバーが何人かいた。魔法組やヒーラーには特に多めに渡しているので、少なくなってきていたが問題はなかった。前衛組は魔法を使う機会が多かったのか、残りが少なくなってきていたようだ。

 なので、ここで少し時間をとって、魔力回復ポーションを召喚して補充する事にした。ただ短時間でたくさん飲むと中毒を起こして、反対に魔力が体内から放出されてしまうので、注意するように再度伝えておいた。

 準備も終わり130階に突入する。今回は1つの戦闘毎に、持続回復の魔導具に魔力を充填する事にしたので、間違っても効果が切れて倒せるという事はないだろう。

 130階に入った感じだと、回復量の方が勝っているので問題ないと思われる……が、やはりブラウニーたちは、このダメージフロアの持続ダメージがくすぐったいようで、爆笑しているのは変わらない。少なくとも2~3時間は笑い続けるんだから、失神しないか心配になるレベル。

 130階を進んでいくと、やはり魔物の種類は変わっていなかった。相変わらず通路でもたもたしていると走って通路に入ってくるので、そうされる前に移動をして戦闘を開始している。

 130階に入って2戦したところで違和感を覚えた。

「みんな、動きながらでいいんだけど聞いてくれ。この階の魔物を倒すペースって上の階より早い感じがするんだけど気のせいだと思うか?」

 俺がそう聞くと、みんなも感じていたようで「やっぱり気の所為じゃなかったんだ」と話し始めた。みんなも感じていたので、おそらく間違いじゃない。でもその原因って何だろうな? 答えが出ないまま、また魔物と遭遇して倒している。

 今回は、早く倒せているのが特に分かりやすかったのだ。人造ゴーレムが相手にしていたハイデビルをみていて分かった。今までは、人造ゴーレムが時間を稼いで、俺たちやスケルトンの援護を受けて倒していたのだが、様子を見ていたら人造ゴーレムだけで、ハイデビルの腕や尻尾を切り落としていたのだ。

「明らかに弱くなってる気がするんだけど、今まで下の階層に潜って魔物が弱くなったことなんてあったっけ?」

 持続回復の魔導具に魔力を充填しながら聞いてみるが、みんな揃って首を振っていた。

「って事は……考えられるのは、このフロアの特性である持続ダメージが、魔物にも有効だったってことか? そうでもしないと理由の見当がつかん。考察する事に意味はないかもしれないが、違和感が残ったままなのはスッキリしないからな。

 とりあえず、持続ダメージが魔物にも有効で、上の階で魔物がいなかったフロアは、持続ダメージで死んでいたという事にしておこう。とはいえ油断は禁物だから、正面は人造ゴーレムに任せて、俺たちは後ろや横からダメージを与えていこう」

 今までと変わらないという結論に至ったが、ちょっとすっきりしたので良しとしよう。

 5戦位すると、俺たちが攻撃すれば簡単に倒せることが判明したので、多少強引にでも倒すことにした。

 俺は武器を持ち換えており、刀を持っている。試しに神歩からの抜刀術で、腕が切り落とせないかを試した見たのだが、簡単に切り落とせてしまったのだ。刀と言うか、神歩からの抜刀術がここに来て、思ったより強力だったという事が判明した。

 127階で試した時は、腕に傷をつけれたが切り落とすことまではできなかった。攻撃スキルに頼らない攻撃としては、一番強い部類だと考えている。

 そこで、攻撃スキルを使わずにハイデビルの腕を切り落とすことができたのだ。シュリの攻撃力でも、攻撃スキルを使わずに腕を切り落とす事は出来ていなかったので、その異常さが際立ってしまった。

 ちなみに、抜刀術は攻撃スキルではなく、パッシブスキルみたいなもので、抜刀した際の攻撃力に補正があるというものなのだ。

 神歩からの抜刀術と人造ゴーレムでも腕が切り落とせるという事で、一つの仮説がうまれた。

「ダメージの総量でどの位変化するかまでは分からないが、魔物はダメージを蓄積する事によって、自身の防御力が低下していく可能性が生まれたな。体を削ると体力の総量が減るという説よりは、ダメージの蓄積量で防御力が変化するっていうのは分からなくもないが、全部がこれに当てはまるのだろうか?」

「ご主人様、今はそんなこと考えても分からないので、後日実験すればいいんじゃないでしょうか?」

 ピーチに横から突っ込まれて納得する。確かに今考えて答えを出すのは難しいから、今は棚上げしておこう。

「ピーチ、ありがと。今考える事じゃなかったな。よし、気を取り直して進んでいこうか。できるだけこの階ははやく降りておきたいから、急ごうか」

 130階を進んでいくスピードを上げる。今まではある程度様子見で、俺たちは手をあんまりだしていなかったが、これからは全力で手を出していく事になった。スケルトンや人造ゴーレムが気を引いている間に、俺たちはスキルリンクも使って一気に排除していく。

 同じ敵ばかりだったので、大した苦労をすることもなく進んでいく事ができた。Sランクに近い個体を相手に実に有利に立ち回っている。この世界の人間に言わせたら、おそらく口をそろえて『理不尽だ!』とでも言われそうだ。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...