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第741話 やっちまった
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第2ラウンドが始まって20分が経過した。堕天使の数が3匹まで減っている。残った堕天使はシュリたちが対応していた3体だ。倒したのは、残りのメンバーで対応していた、4体の方という事になる。
第2ラウンドが開始された時まで時間が戻る。
3体の方を任せ、俺たちは4体の方に攻撃を仕掛けていく。守りでいいと考えていたので、そこまで激しくいく必要はなく、余裕をもって対峙していた。
シュリたちの方は、ダマもつけているから問題ないだろう。そのダマも一撃で首をかみちぎってたからな、Sランクの魔物の面目躍如だろう。スケルトンもサポートしているのだ、問題があるわけない。
目の前の頭の潰れた4体の堕天使を前に、ゴーレムだったら体全体で相手を認識してるから、頭が無くても問題なく戦えるんだったっけ?
スライムも目が無いし、何より植物系の魔物にも目が無かったはずだ。上の階でも感じていたが、堕天使がその部類に属するなんてな。魔物の不思議な生態は人間には理解できんな。
人造ゴーレムの動きも悪くないし、防御に徹しているこの状況なら、これくらいの余裕があるのが普通だろう。頭が必要ないとはいえ、人型の魔物の頭が無いと違和感が半端ないな。
人造ゴーレムが攻撃を防いでいる後ろから、隙をついて攻撃を仕掛けてダメージを蓄積していく。防御に徹していいとはいえ、ダメージを与えれるなら与えるのが戦闘のセオリーだよな。
5分が過ぎたあたりで、アタッカーの堕天使の1体がおかしな挙動を始めたのだ。攻撃に参加しなくなり、剣を体の前で両手で持ち、騎士が式典でやるようなポーズをとったのだ。その隙をついて攻撃を仕掛けようとしたが、攻撃が阻まれてしまっている。
う~む、あれは危険だと思うんだよな。でも複数で絶え間なく攻撃しているのに、きっちりと防御をしてくる。護衛にあたっている堕天使の動きが、よくなってる気がするんだよな。今の状況でひくわけにはいかないよな。シュリたちのチームにターゲットがうつると困る。どうにかして止めないと……
「後衛のみんな、念のため攻撃をやめて、いつでも防御できるようにサポートにまわってくれ。前衛のみんなも、突発的な攻撃に備えてくれ。サポートのスケルトンも、何かあった時のために間に入って防御態勢!」
指示を飛ばすと、みんなが的確に状況を理解して行動を開始した。
戦闘開始から10分。アタッカーの堕天使が行動を止めてから5分、状況の変化が起きた。堕天使の体が光り動きを開始したのだ。上の階であった自爆とは違う挙動だが、危険だと判断できる状況の変化だった。俺が下がるように言う前に、人造ゴーレムを残してメンバーが一斉に飛びのいたのだ。次の瞬間、
ゴォッ!
空気を切り裂くような鋭い斬撃が、人造ゴーレムの1体を襲った。盾で完璧にガードをしたのだが、ガードが意味をなさず、盾ごと吹き飛ばされてしまっていた。壁まで行ってやっと止まったのだが、人造ゴーレムは動けなくなっていた。
盾を持っていた左腕は千切れて、盾もへこんでいた。アダマンタイトで出来ている盾がへこむのか。これはやばいな。それにあの堕天使から発する何かが、俺たちに物理的な圧力を加えているのが分かる。
『主殿! あれはヤバいです。一部の悪魔系の魔物が、同族を生贄にして自分の能力を向上させる『サクリファイス』という能力です! 3体を生贄にささげたとなると、1体につき5割程強くなるので、合計で見ると3倍近く能力が上昇するはずです!』
何とも悪魔らしい悪魔的な能力だ。5割程強くなるって言ったら、普通は2.5倍なんじゃないか? っとそういう事か、1.5倍の三乗なら約3倍ってことか。
そして俺たちが対峙していた残りの3体の堕天使が動かないのは、『サクリファイス』のスキルの影響ってことか。これなら正直、堕天使を6体相手にした方が楽かもしれないな。
「全員引いて、シュリたちの間に陣を! 俺があいつを止める!」
俺の体はチビ神によって作り変えている。本来の性能はシュリに匹敵するか、凌駕している可能性が高い。体を作り変えてからシュリと模擬戦をしたことが無いから、何とも言えないけどな。チビ神の話では相当な強化をされているはずだ。みんなを守るためにリスクを背負わないといけないか。
俺は自分本来の武器をかまえて、強化した堕天使と対峙する。だが、その前にリリーとシャルが俺と堕天使の間に入ってきた。
「「ご主人様は危険にさらさせない!」」
2人はタンクとして俺を守ろうとしてくれているのだが、さすがにあの状態の堕天使は拙い。凶刃が2人せまっている。俺との距離は約10メートル。今ならまだ間に合う! 間に合わせる! 全力で神歩を使い2人の前に出る。
「死にさらせ!!!」
振り上げた大薙刀で【メテオインパクト】を放ち、凶刃を弾き返すが、返す前にリリーとシャルの盾を堕天使の剣が叩いており、盾は砕け壁まで吹っ飛んでしまっていた。
関節も曲がってはいけない方向へ曲がり、盾を持っていた左腕の骨は折れて、内側から突き出していた。この瞬間に何かがはじけ、目の前が真っ赤に染まった。
「#$&=!=”$%」
謎の言葉で誰の声か判断できなかったが、真っ赤だった視界がクリアになり、冷静に怒っているという矛盾の中に俺はいた。それが理解できる状態だという事も謎だった。後で聞いた所、チビ神が妻たちに干渉して、こういう時のために、謎のおまじないを教えていたそうだ。
「ピーチ! キリエ! まかせたぞ」
2人に指示を出して、リリーとシャルをまかせた。
俺は大薙刀をかまえ、多分様子を見ている堕天使に向き合う。ステータスが3倍になった所で、動きや力が純粋に3倍になるわけじゃない! 俺には俺のやり方があるんだ!
まずはその足を刈り取ってやるわ! 冷静にキレているという不思議な状況で、体の底から力があふれているような気分だ。いや、実際に力が上がっていたと思う。
初めに取った行動は、神歩を使った強力な突き技の【椿】を、移動している堕天使の軸足にめがけて行う。ダメージはほとんどなさそうだったが、少し傷がついたのが分かり、堕天使はコントのように倒れてくれた。
無防備になっている右膝に向かって、上段からの強力な一撃【睡蓮】を放ちスキルリンクで三連撃の【蓮華】にスキルリンクをして、膝を8割程切り取った。
何とか立ち上がった堕天使の右膝に、無慈悲に上下左右からの高速の四連撃【月下美人】を使って切り飛ばす。かろうじてくっついていた膝は、完璧に切り離された。
片足を切り取られ、羽がついているのに飛べない堕天使は、なすすべもなく俺に命を刈り取られる。
第2ラウンドが開始された時まで時間が戻る。
3体の方を任せ、俺たちは4体の方に攻撃を仕掛けていく。守りでいいと考えていたので、そこまで激しくいく必要はなく、余裕をもって対峙していた。
シュリたちの方は、ダマもつけているから問題ないだろう。そのダマも一撃で首をかみちぎってたからな、Sランクの魔物の面目躍如だろう。スケルトンもサポートしているのだ、問題があるわけない。
目の前の頭の潰れた4体の堕天使を前に、ゴーレムだったら体全体で相手を認識してるから、頭が無くても問題なく戦えるんだったっけ?
スライムも目が無いし、何より植物系の魔物にも目が無かったはずだ。上の階でも感じていたが、堕天使がその部類に属するなんてな。魔物の不思議な生態は人間には理解できんな。
人造ゴーレムの動きも悪くないし、防御に徹しているこの状況なら、これくらいの余裕があるのが普通だろう。頭が必要ないとはいえ、人型の魔物の頭が無いと違和感が半端ないな。
人造ゴーレムが攻撃を防いでいる後ろから、隙をついて攻撃を仕掛けてダメージを蓄積していく。防御に徹していいとはいえ、ダメージを与えれるなら与えるのが戦闘のセオリーだよな。
5分が過ぎたあたりで、アタッカーの堕天使の1体がおかしな挙動を始めたのだ。攻撃に参加しなくなり、剣を体の前で両手で持ち、騎士が式典でやるようなポーズをとったのだ。その隙をついて攻撃を仕掛けようとしたが、攻撃が阻まれてしまっている。
う~む、あれは危険だと思うんだよな。でも複数で絶え間なく攻撃しているのに、きっちりと防御をしてくる。護衛にあたっている堕天使の動きが、よくなってる気がするんだよな。今の状況でひくわけにはいかないよな。シュリたちのチームにターゲットがうつると困る。どうにかして止めないと……
「後衛のみんな、念のため攻撃をやめて、いつでも防御できるようにサポートにまわってくれ。前衛のみんなも、突発的な攻撃に備えてくれ。サポートのスケルトンも、何かあった時のために間に入って防御態勢!」
指示を飛ばすと、みんなが的確に状況を理解して行動を開始した。
戦闘開始から10分。アタッカーの堕天使が行動を止めてから5分、状況の変化が起きた。堕天使の体が光り動きを開始したのだ。上の階であった自爆とは違う挙動だが、危険だと判断できる状況の変化だった。俺が下がるように言う前に、人造ゴーレムを残してメンバーが一斉に飛びのいたのだ。次の瞬間、
ゴォッ!
空気を切り裂くような鋭い斬撃が、人造ゴーレムの1体を襲った。盾で完璧にガードをしたのだが、ガードが意味をなさず、盾ごと吹き飛ばされてしまっていた。壁まで行ってやっと止まったのだが、人造ゴーレムは動けなくなっていた。
盾を持っていた左腕は千切れて、盾もへこんでいた。アダマンタイトで出来ている盾がへこむのか。これはやばいな。それにあの堕天使から発する何かが、俺たちに物理的な圧力を加えているのが分かる。
『主殿! あれはヤバいです。一部の悪魔系の魔物が、同族を生贄にして自分の能力を向上させる『サクリファイス』という能力です! 3体を生贄にささげたとなると、1体につき5割程強くなるので、合計で見ると3倍近く能力が上昇するはずです!』
何とも悪魔らしい悪魔的な能力だ。5割程強くなるって言ったら、普通は2.5倍なんじゃないか? っとそういう事か、1.5倍の三乗なら約3倍ってことか。
そして俺たちが対峙していた残りの3体の堕天使が動かないのは、『サクリファイス』のスキルの影響ってことか。これなら正直、堕天使を6体相手にした方が楽かもしれないな。
「全員引いて、シュリたちの間に陣を! 俺があいつを止める!」
俺の体はチビ神によって作り変えている。本来の性能はシュリに匹敵するか、凌駕している可能性が高い。体を作り変えてからシュリと模擬戦をしたことが無いから、何とも言えないけどな。チビ神の話では相当な強化をされているはずだ。みんなを守るためにリスクを背負わないといけないか。
俺は自分本来の武器をかまえて、強化した堕天使と対峙する。だが、その前にリリーとシャルが俺と堕天使の間に入ってきた。
「「ご主人様は危険にさらさせない!」」
2人はタンクとして俺を守ろうとしてくれているのだが、さすがにあの状態の堕天使は拙い。凶刃が2人せまっている。俺との距離は約10メートル。今ならまだ間に合う! 間に合わせる! 全力で神歩を使い2人の前に出る。
「死にさらせ!!!」
振り上げた大薙刀で【メテオインパクト】を放ち、凶刃を弾き返すが、返す前にリリーとシャルの盾を堕天使の剣が叩いており、盾は砕け壁まで吹っ飛んでしまっていた。
関節も曲がってはいけない方向へ曲がり、盾を持っていた左腕の骨は折れて、内側から突き出していた。この瞬間に何かがはじけ、目の前が真っ赤に染まった。
「#$&=!=”$%」
謎の言葉で誰の声か判断できなかったが、真っ赤だった視界がクリアになり、冷静に怒っているという矛盾の中に俺はいた。それが理解できる状態だという事も謎だった。後で聞いた所、チビ神が妻たちに干渉して、こういう時のために、謎のおまじないを教えていたそうだ。
「ピーチ! キリエ! まかせたぞ」
2人に指示を出して、リリーとシャルをまかせた。
俺は大薙刀をかまえ、多分様子を見ている堕天使に向き合う。ステータスが3倍になった所で、動きや力が純粋に3倍になるわけじゃない! 俺には俺のやり方があるんだ!
まずはその足を刈り取ってやるわ! 冷静にキレているという不思議な状況で、体の底から力があふれているような気分だ。いや、実際に力が上がっていたと思う。
初めに取った行動は、神歩を使った強力な突き技の【椿】を、移動している堕天使の軸足にめがけて行う。ダメージはほとんどなさそうだったが、少し傷がついたのが分かり、堕天使はコントのように倒れてくれた。
無防備になっている右膝に向かって、上段からの強力な一撃【睡蓮】を放ちスキルリンクで三連撃の【蓮華】にスキルリンクをして、膝を8割程切り取った。
何とか立ち上がった堕天使の右膝に、無慈悲に上下左右からの高速の四連撃【月下美人】を使って切り飛ばす。かろうじてくっついていた膝は、完璧に切り離された。
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