ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
786 / 2,518

第786話 問題発生

しおりを挟む
 する事が無くて、鍛錬を始めて2週間ほどが経過した。

 前にも話したが、俺が気分で執務室や庁舎に足を運ぶと、邪魔だと言われて追い出されるのだ。仕事のできない上司が、現場から放り投げ出される感じだろうか?

 仕事ができないと邪魔という事もあるが、グリエルとガリアがトップで頑張っているのだ。俺への対応で不備があれば、物理的に首が飛ぶかもしれないとまで、脅しているとか聞いた事があるから、俺が行くと手が止まって邪魔なんだろう。

 学校行っても、子どもたちが俺に群がってきて、なかなか勉強にならないから、あまり来ないでほしいとか言われたしな。他にも、畑エリアに行けば、手が止まるか領主の俺にはさせられない、といった形になる。

 極めつけに、塩や海産物の加工場では衛生管理のため、清潔にしなきゃいけないエリアに、製塩では汗をかく上におばちゃんたちが多いので、恥ずかしいから近付かないでと怒られてしまった。

 一応、俺って領主なんだけどね! 堅苦しく接せられるよりは、親しみがあっていいよね! それに、偉い人に会う事のないディストピアでは、いちいちそこら辺を気にして話さなくてもいいから楽だよね。あっ! でも、一応俺は偉いんだぞ?

 っと、午前中の訓練が終わって食堂に戻ってくると、グリエルたちの遣いが慌てて俺の家に馬で来ていた。どうやら、妻やシルキーたちに説明が終わっているようで、俺の護衛の準備もできていた。

 俺……おなか減ってるんだけどな~と思っていたら、ピーチが「スカーレット様から、昼食を預かっています。向こうでお食べください、との事ですよ」

 さすがスカーレット! 説明を聞いて、俺がここで飯を食えないと分かって準備してくれていたんだな。

「シュウ様、グリエル様とガリア様より至急報告したい事があるので、執務室まで来ていただきたいとの事です」

「了解。すぐ準備して向かうわ」

「私は、先に帰って報告しておきます」

 使いは、報告するために慌てて帰って行った。

「ん~結構、大変な事態になっているのかな? かなりの慌てようだったけど……まぁいいや、準備はできてる?」

「全部準備できております。一応、簡単な概要を聞いて、私たち全員も出向く事になると判断して、そこら辺の準備もできています」

 ん? ディストピアの外に出ないといけない感じか? 今聞いても、妻たちも詳しく知らないから、さっさとグリエルの所に行くか。

「何が起きてるか分からないから、さっさと行って事情を聞こうか」

 護衛と言う名の監視は、妻たちのリーダーでもあるピーチとシュリ、後は姉御組の3人だ。移動はいつも通り歩きのつもりだったのだが、急ぎなんだからと怒られて、準備されていたウォーホースに乗って街の中央へ向かう。

 冒険者ギルド、学校を通り過ぎて、庁舎のグリエルの執務室へ向かう。

「おぉ、シュウ様、わざわざお越しくださりありがとうございます。トラブルがありまして、どういった対応を取ろうかと悩んでおりました」

「内容を聞かないと分からないから、説明してもらっていいか? 後、飯を食べずに出てきたから、食いながら聞いていいか?」

「食事をしてからでも問題ありませんので、先に食事をされてはどうですか?」

「いや、呼び出すくらいは緊急なんだろ? 飯食いながらがあれなら、先に聞くよ」

「では、食べながらでも問題ありませんが、ちょっと食事がまずく感じる内容なので、注意してください。では、先ほど入った情報なのですが……」

 そう言って話し始めたグリエル。その横でホワイトボードに必要な情報を書き込んでいくガリア。

 グリエルが報告してくれた内容は、ディストピアに所属している冒険者が、ゴーストタウンでクエストを受けて、小国群への商隊護衛で行った帰りに、寄った都市で拘束されたらしい。

 ゴーストタウンで、その商隊にやとわれた4人パーティーが3つで、その内1つがディストピアの冒険者パーティーだったらしい。道中に意気投合して帰りは他の商隊の護衛任務について、その都市に着いたのだが、着いて早々にディストピアの冒険者だけが拘束されたらしい。

「これが簡単な概要ですね。そして、マップ先生からの追加情報で、どうやら毒を盛られて拘束されてからすぐに、右手以外の手足の指を切り落とされたらしい。部位欠損と毒状態になっているとの情報があります。

 そして、呼び出した最大の理由は、シュウ様が覚えているか分からないですが、ゴーストタウンで暴れた王族を憶えていますか? 釈放して追放した屑ですね。その王族の国の王都で捕まって、今王城の地下にいるようです。体力の減り具合を見ると、拷問をされているのではないかと思います」

 それを聞いた瞬間に、俺は過去の記憶がよみがえってきた。そして、俺が見逃したせいで今回、冒険者たちが捕まった可能性がある……

「グリエル。ゴーストタウンの冒険者ギルドには、問い合わせをしたか?」

「もちろんです。そして分かった情報は、シュウ様の考えている通りだと思います」

 グリエルの発言で俺の考えが間違っていない事が証明されてしまった。つまり、ディストピアの冒険者と接触するためにゴーストタウンで冒険者をやっていて、今回のクエストで接触されたのか。そして、まんまとあの国に誘導された……と。

「シュウ様、落ち着いてください! シュウ様の所為ではないです! すべてはあの屑がいけないんです!」

「気を遣わなくてもいいよ。俺が釈放したから被害にあった可能性は否めないんだ。助けに行こう。そしてその国を潰すか? でも国民は悪くないからな、立地条件ってどうだったっけ?」

「少々お待ちください。えっと、盆地で周りが山で囲まれていて、道は3ヵ所しかありませんね。それ以外は魔物の跋扈する山と森を越えないといけないと思います。

 そして、王都に10万、3ヵ所の道にある検問所を兼ねた街に4万ずつ、比較的安全な土地に複数の村があってその合計が8万、全部で30万位の国ですね」

「大国に比べれば小さいですが、小国にしては豊かに見えますね。前に調べた時には感じませんでしたが、魔物のレベルに比べて、兵士のレベルが高い気がします。小国の平均から比べても高い気がしますね」

「そんな事はどうでもいい! 皇帝に連絡をとって、権限の強い騎士団を派遣してもらってくれ。移動に関しては、竜騎士を動員させる。俺は、従魔のバッハとワイバーンを連れて王都を強襲する。さすがに俺だけだと王城の掌握はできないから、連れていける人員はいないか?」

「少し時間をいただけるなら、鬼人がいますがどういたしますか?」

「少しとはどの位かかる?」

「1時間もあれば、100人程は集まると思います」

「今から1時間後に集まれるだけでいい、集めてくれ。誰か綾乃の所に行って、今稼働できる人造ゴーレムを全部持ってくるようにお願いしてくれ。スケルトンには街の警戒をさせろ!

 バザールに連絡して、スケルトンの指揮はとってもらえ。後、スプリガンのみんなに、緊急警戒態勢を発令してくれ。移動用に野営コンテナを組み立ててくっつけるぞ。俺は、バッハを呼んでくる。広場で待機していてくれ!」

 指示を飛ばして、準備を開始する。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...