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第994話 略奪開始
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リリスの号令で進軍が開始される。
何という街か知らないが、街門に到着する。
「シュウ、門を壊さずに開けられるって言ってたけど問題ないの?」
「閂タイプの門みたいだから問題はないね。すぐに開けられるよ」
フレデリクもリーファスも、門は閂タイプだったけど、この世界では一般的なのかな? ちなみに、ディストピアを含む俺の影響下にある街は全部、門の内側に鉄格子を落とすタイプに変更している。開けるのに時間はかかるが、いざという時に落とすだけで封鎖ができるのでとても便利だ。
「それにしても、敵兵がほとんどいないですね。不気味なのですが、攻めても問題ないのでしょうか?」
リリスの近くにいたアントが、敵兵が門の防衛にほとんど参加していない状況が怖い様だ。俺はマップ先生で状況を知っているのだが、アントは知らないため本当に罠じゃないか心配している。
「心配するのはわかるけど、じゃぁ、罠を警戒して退路を確保しながら進むって事ならいいでしょ? シュウ、退路の確保をそちらでお願いしていいですか?」
俺たちの何人かが門に残り、確保をするという事で話が終わった。
「今から門を開ける! 例の合図があったら全軍退却する事を忘れるな! 馬車を使う奴らは、大通りを外れるなよ! 逃げれなくなる可能性が高いからね! シュウ、じゃぁお願い」
リリスにお願いされ、俺は門の前に立つ。普通なら鉄でできている閂を正面から切るなんて不可能である。が、この世界ではそれができてしまうのだ。まぁ、武器と技量とステータスがすべてそろって初めてできる技なのだけどね。
俺は門の中心に立ち、隙間は無いが門の開く所を凝視する。腰にある刀の鞘を左手で持ち、右手で刀を引き抜く!
キンッ!
門が少し甲高い音を立てた。多分切れたと思うけど……どうしようか悩んでいると、
「上にいる兵士たちに注意してこの門押すよ!」
リリスが号令をかけ、冒険者を使い門を押し始めるが、まったく開く気配を見せない。そりゃそうだよな、この世界の門は大体内側から外側へ向かって開くタイプだから閂を切ったとして、いくら押しても開くはずがないのだ。
「リリス、門は外からいくら押しても開かないぞ? 普段開ける事なんてないから覚えてないかもしれないけど、中から外に向かって開けるのが普通だから、外からだと引かないといけないんだぞ」
それを聞いたリリスたちは、ポカンっとした顔をしている。本当に知らなかったようだ。クエストを受け、門が開く前に並ぶこともあるはずなのに、その事を知らないなんてな。扉の開け方なんて、普通は気にしないか?
取っ手もないのにどうするか悩んでいたので助け舟を出す。シュリに銛のような物を出してもらい、木製で鉄の補強をしている扉に突き立ててもらう。俺は取り出した大槌で釘の要領で門に打ち込んでいく。
5回ほど叩くと貫通したようだ。半分程埋まっている所を見ると、門の厚さは50センチメートル程あるようだ。かなり分厚く作ってあるんだな。それに大きい……
高さは5メートル程もあり幅は8メートル程ある。片方の扉が、高さ5メートルの幅4メートルか……そのせいで門が横長の長方形に見えるんだよな。俺の中で門って言うと、縦長の長方形だったのにな。
銛から繋がっているロープを冒険者が引っ張るがなかなか開かない。そんなに重いのかこの門?
「隊長! 少しいいですか? おそらくですが、門の中心付近の下側にストッパーみたいなのがあると思うんですが」
名前も知らない冒険者が、扉に閂以外の扉を開けさせない工夫があるのでは? と言うことを指摘されて、なるほど! と手を叩いてしまった。ディストピアに関しては、アダマンタイトで補強されている門と閂に鉄格子を使っているので知らなかったが、他の街では他にもストッパーを用意するのが普通らしい。
そんな事を知っているあいつは何者なんだろうか? まぁいいか、俺は仕事をしよう。
さすがに地面すれすれじゃ、居あい抜きの要領で切ることはできないので、違う方法で切る事にした。出来る限り門には傷をつけたくなかったので、俺は大きなノコギリの刃にアダマンコーティングした物を取り出す。それを門の下に通して動かすと、中心付近で止まる。
おそらくここにストッパーがあるのだろう。本来はこんな使い方をするとノコギリが折れてしまうのだが、アダマンコーティングをされたノコギリは湾曲した状態で押し引きしても折れないのだ。なので、強引に動かしてストッパーを切った。
その後にロープを引くと問題なく開いてくれた。
「門は開いた! 突入! 近くにいる兵士を捕まえ兵士の集まる場所を聞き出せ! 喋らない可能性があるから、門の上からも見て探せ!」
リリスの指示で冒険者達が流れ込んでいく。状況を確認していたピーチが魔導無線で指示を出してきた。
『1班はご主人様の護衛、2班3班は門の上へ残りは各所に散らばり待機。自分たちでもマップ先生を確認して、冒険者が対象以外に手を出した場合は止めてください。警告で止まらなかったら、殺しても構いません』
同じ義勇軍なのに、俺たちは内部監査官のような役割だな。違反者を排除するって、まぁ誰かがしないと人の悪意は上限なく上がってくから、実力のある人間が抑止力にならないといけないんだけどな。
義勇軍が半分ほど中に入った所で、門の上から兵士がいそうな所の報告が大きな声でされていた。何か所か間違っている所はあるが問題ないだろう。後は……
「入ってから右手側、少し入った所に倉庫らしき建物があります」
門の上に行ったこの声はメルフィかな? メンバーからこれから入ろうとしている義勇軍に報告が入る。うん、まぁいいタイミングじゃないかな?
この街には軍の倉庫が3つある事が分かっている。その内1つが、この門の近くだったのだ。
俺は俺で仕事をしないとな。片側しか開いていなかった扉を両側ひらいて、街に一気に入れる人数を増やした。最後尾からジェノサイドキャラバンの馬車が近付いてきたので、
「倉庫の方に向かってくれ。そこに武器防具が大量にある」
マップ先生で調べて分かっていたのだが、武器防具はここと街の中央にある領主館の近くの倉庫に大量に保管されている。何でここにあるのかは分からないが、回収は早めにしておくべきだろう。
あちこちから悲鳴が聞こえてきているが、街の人間に手は出していないだろうか?
何という街か知らないが、街門に到着する。
「シュウ、門を壊さずに開けられるって言ってたけど問題ないの?」
「閂タイプの門みたいだから問題はないね。すぐに開けられるよ」
フレデリクもリーファスも、門は閂タイプだったけど、この世界では一般的なのかな? ちなみに、ディストピアを含む俺の影響下にある街は全部、門の内側に鉄格子を落とすタイプに変更している。開けるのに時間はかかるが、いざという時に落とすだけで封鎖ができるのでとても便利だ。
「それにしても、敵兵がほとんどいないですね。不気味なのですが、攻めても問題ないのでしょうか?」
リリスの近くにいたアントが、敵兵が門の防衛にほとんど参加していない状況が怖い様だ。俺はマップ先生で状況を知っているのだが、アントは知らないため本当に罠じゃないか心配している。
「心配するのはわかるけど、じゃぁ、罠を警戒して退路を確保しながら進むって事ならいいでしょ? シュウ、退路の確保をそちらでお願いしていいですか?」
俺たちの何人かが門に残り、確保をするという事で話が終わった。
「今から門を開ける! 例の合図があったら全軍退却する事を忘れるな! 馬車を使う奴らは、大通りを外れるなよ! 逃げれなくなる可能性が高いからね! シュウ、じゃぁお願い」
リリスにお願いされ、俺は門の前に立つ。普通なら鉄でできている閂を正面から切るなんて不可能である。が、この世界ではそれができてしまうのだ。まぁ、武器と技量とステータスがすべてそろって初めてできる技なのだけどね。
俺は門の中心に立ち、隙間は無いが門の開く所を凝視する。腰にある刀の鞘を左手で持ち、右手で刀を引き抜く!
キンッ!
門が少し甲高い音を立てた。多分切れたと思うけど……どうしようか悩んでいると、
「上にいる兵士たちに注意してこの門押すよ!」
リリスが号令をかけ、冒険者を使い門を押し始めるが、まったく開く気配を見せない。そりゃそうだよな、この世界の門は大体内側から外側へ向かって開くタイプだから閂を切ったとして、いくら押しても開くはずがないのだ。
「リリス、門は外からいくら押しても開かないぞ? 普段開ける事なんてないから覚えてないかもしれないけど、中から外に向かって開けるのが普通だから、外からだと引かないといけないんだぞ」
それを聞いたリリスたちは、ポカンっとした顔をしている。本当に知らなかったようだ。クエストを受け、門が開く前に並ぶこともあるはずなのに、その事を知らないなんてな。扉の開け方なんて、普通は気にしないか?
取っ手もないのにどうするか悩んでいたので助け舟を出す。シュリに銛のような物を出してもらい、木製で鉄の補強をしている扉に突き立ててもらう。俺は取り出した大槌で釘の要領で門に打ち込んでいく。
5回ほど叩くと貫通したようだ。半分程埋まっている所を見ると、門の厚さは50センチメートル程あるようだ。かなり分厚く作ってあるんだな。それに大きい……
高さは5メートル程もあり幅は8メートル程ある。片方の扉が、高さ5メートルの幅4メートルか……そのせいで門が横長の長方形に見えるんだよな。俺の中で門って言うと、縦長の長方形だったのにな。
銛から繋がっているロープを冒険者が引っ張るがなかなか開かない。そんなに重いのかこの門?
「隊長! 少しいいですか? おそらくですが、門の中心付近の下側にストッパーみたいなのがあると思うんですが」
名前も知らない冒険者が、扉に閂以外の扉を開けさせない工夫があるのでは? と言うことを指摘されて、なるほど! と手を叩いてしまった。ディストピアに関しては、アダマンタイトで補強されている門と閂に鉄格子を使っているので知らなかったが、他の街では他にもストッパーを用意するのが普通らしい。
そんな事を知っているあいつは何者なんだろうか? まぁいいか、俺は仕事をしよう。
さすがに地面すれすれじゃ、居あい抜きの要領で切ることはできないので、違う方法で切る事にした。出来る限り門には傷をつけたくなかったので、俺は大きなノコギリの刃にアダマンコーティングした物を取り出す。それを門の下に通して動かすと、中心付近で止まる。
おそらくここにストッパーがあるのだろう。本来はこんな使い方をするとノコギリが折れてしまうのだが、アダマンコーティングをされたノコギリは湾曲した状態で押し引きしても折れないのだ。なので、強引に動かしてストッパーを切った。
その後にロープを引くと問題なく開いてくれた。
「門は開いた! 突入! 近くにいる兵士を捕まえ兵士の集まる場所を聞き出せ! 喋らない可能性があるから、門の上からも見て探せ!」
リリスの指示で冒険者達が流れ込んでいく。状況を確認していたピーチが魔導無線で指示を出してきた。
『1班はご主人様の護衛、2班3班は門の上へ残りは各所に散らばり待機。自分たちでもマップ先生を確認して、冒険者が対象以外に手を出した場合は止めてください。警告で止まらなかったら、殺しても構いません』
同じ義勇軍なのに、俺たちは内部監査官のような役割だな。違反者を排除するって、まぁ誰かがしないと人の悪意は上限なく上がってくから、実力のある人間が抑止力にならないといけないんだけどな。
義勇軍が半分ほど中に入った所で、門の上から兵士がいそうな所の報告が大きな声でされていた。何か所か間違っている所はあるが問題ないだろう。後は……
「入ってから右手側、少し入った所に倉庫らしき建物があります」
門の上に行ったこの声はメルフィかな? メンバーからこれから入ろうとしている義勇軍に報告が入る。うん、まぁいいタイミングじゃないかな?
この街には軍の倉庫が3つある事が分かっている。その内1つが、この門の近くだったのだ。
俺は俺で仕事をしないとな。片側しか開いていなかった扉を両側ひらいて、街に一気に入れる人数を増やした。最後尾からジェノサイドキャラバンの馬車が近付いてきたので、
「倉庫の方に向かってくれ。そこに武器防具が大量にある」
マップ先生で調べて分かっていたのだが、武器防具はここと街の中央にある領主館の近くの倉庫に大量に保管されている。何でここにあるのかは分からないが、回収は早めにしておくべきだろう。
あちこちから悲鳴が聞こえてきているが、街の人間に手は出していないだろうか?
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