ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1067話 魔改造

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 明日から他の工房の人間が来て、みじん切り器の話が始まるという事で、急ピッチで工房の改装を行っている。そして今回は、情報漏洩をさせないためにも、クリエイトゴーレムを解禁して工房の改装を行った。

「やっぱりクリエイトゴーレムは、インチキでござるな。鉱物や木材が思いのままに操れるでござるな。自分たちで物作りを始めたから分かる、便利な魔法でござる」

「確かにチートだよな。でも、まともに使えるのって、地球から来た俺たちだけなんだよな。後は例外的に、長年武器を作り続けてきたドワーフたちが、その形を作る事に成功しているけど、どう見ても手作業の武器の劣化品しかできてないんだよな」

「そうでござるな。何でござるかね。想像力が魔法になると言っても不思議でござるな。最近は、奥方たちも地球に染まってきているのに、実用的なモノは難しいでござるからな。土木系の魔法は上手く使えているのに、不思議でござるな」

「何が違うんだろうな? 土木魔法や通常の魔法は、ある程度この世界のシステムのアシストがあるから、使いやすいとかかな? クリエイトゴーレムは、アシストがない分全部自分で演算する? みたいな」

「…………」

 バザールが黙って、骸骨のまま何やら悩んでいる様子だ。あれ? いつの間に骸骨フォームになっていたんだ? 俺はその様子に首をかしげていた。

「おそらく、それでござるな。この世界にはレベルやスキルと言う、よくわからないシステムが存在しているでござる。スキルはこの世界では、アシストをしてくれるでござる。それがほとんどない魔法でござるから、自由度が高い。そう考えると、間違っていないように思えるでござる」

 ふと思いついた事を口に出した所、バザールがそれしかないのでは? みたいな事を言っている。俺たちは意識していないかもしれないが、ある程度の知識を持っている。

 鉄鉱石から鉄を精錬して、鉄に炭素を混ぜて鋼鉄を作る。とか、真鍮は銅と錫の合金とか、結構当たり前に知っている事を無意識化で演算しているのかもしれないな。詳しいことが分からなくても、知っているという事実が、世界に登録されている情報を勝手に引き出しているのかもしれない。

 ドワーフたちは長年、精錬や鍛冶に携わってきたから、知識ではなく感覚で分かっているのかもしれない。

 と言う事になった。

 正直、分かったからなんだ? と言う事になったので、放置する事にした。

「そんな事考えている場合では無いでござるな。ブラウニー殿、後はどこをやればいいでござるか?」

 ブラウニーの指示を聞きながら、俺たちの工房を魔改造していく。防犯のためクリエイトゴーレムによる防犯も、ヤバいことになっている。

 と言うか、俺たちの工房だけの改造予定だったが、工房に直結しているバザールと綾乃の部屋も、一緒に改造の対象になっていた。一括りの建物だったため、普通に改造してしまったのだ。

 出入り口が1つしかなくて不便だけど、大丈夫かと思ったら、ブラウニー的には、綾乃が暴走した時に止めやすいので問題ない! と言いきっていた。綾乃の監視がきつくなっているようだ。どんまい!

 丸一日かけて改造が終わった。

「これだけ厳重だと、何かがあるって思われて、反対に大変な事にならないかな?」

「大丈夫でござろう。工房の外側はドワーフの指示に従って、外見は大きな住宅のような形にしてあるでござるから問題ないでござる!」

 途中でいなくなっていたのは、外側をこいつがいじっていたのか。しかもただいじるだけじゃなく、普通に生活できる様にしているというのだ。この建物の中に入らないと、工房があるなんて思いもよらないだろう。

 特にこっちの工房には、炉などは置いていないので、そこまで天井が高い空間ではないため鈍感な人なら、気付けないレベルで偽装されているのだからビックリだ。

 そもそも大きい建物が突然できたら不自然だと思ったが、いつの間にかこの工房は半分地下に埋まっていたので、外見的にはあまり高さは変わっていない。それにこの工房の周りは大半が商会の持ち物で、この建物の上側もドワーフや商会の人たちに貸し出される事になっているらしい。

 いつの間にそんなに話が進んだのだろう? 外に出て建物の外見を見てビックリした。

 そこには今までの工房と高さはあまり変わらなくても、建物の規模が3~4倍になっていたのだ。これだけ大きければ、確かに気付かない人もいるかもしれないな。しかも工房の近くは倉庫や食堂、キッチンなどに使われているため、更に気付きにくくなっている。

 極めつけは、ブラウニーのスペースもそこにあるので、管理体制も完璧だという事だ。あと、工房の出入り口になる場所には、初めて見る魔物が鎮座していた。いや、座ってはいないな。

 工房に入るまでに扉が2枚あるのだが、その1枚が魔物なのだ。フェイクドアという魔物らしく、扉型なのだ。魔物で知能が高いため、許可のないものが入るためには、ブラウニーや俺たちと一緒に入る以外に方法はないようだ。

 俺たちがいなくても、普通に入れるのだが入った先は、フェイクドアの腹の中らしい。食虫植物みたいに待ちの姿勢で狩りをするタイプの魔物のようだ。しかも無駄にLvを上げているため、王国の近衛騎士では突破は難しいだろう。

 帝国のやつらなら、もしかしたらいけるやつがいるかもしれないかな? というレベルの凶悪なトラップである。

「見事に魔改造したな。1つ目の扉を突破できてもまさか、2つ目の扉がフェイクドア、知らなかったら、普通の扉にしか見えないよな。よくこんな魔物を見つけたな」

「あ~それは、アンデッドでござるよ。発生の原因は分からないでござるが、怨念が扉に宿って産まれた魔物でござるよ」

 こいつって、見た目が鉄っぽかったから、ゴーレムの様な魔法生物かと思ったら、アンデッドだったらしい。バザールは、アンデッド限定ならほぼすべての魔物を召喚できるらしいからな。俺の知らない魔物も召喚できるのだろう。

 これで工房周りの防諜対策は完璧だろう。明日からの受け入れに何の問題もなさそうだ。
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