1,204 / 2,518
第1204話 意外な事実
しおりを挟む
夕方まで戦場をマップ先生と塔の上から見ながら、対応策を考えていた。
でも、徹夜して考えた事もあり、追加で策を考える事は出来なかった。さすがに策士でない俺が、そう簡単にポンポンといい案を出せるわけも無く、時間だけが経ってしまっている。
夜、夕食後にレイリーから報告を受けている。今いる場所は野戦病院という名の城では無く、戦争が始まる前から整備されていた門と一体化する形で作られた、場所で報告を受けている。原形を作ったのは、建物の建築にも慣れてきた土木組だ。
戦争の始まる前に原形を作ってから、ディストピアに帰っている。戦争に巻き込まれれば、戦い事は出来るだろうが、戦うために魔法を覚えたりレベルを上げたのではない。
レイリーもそこら辺は分かっているので、戦争に参加したいという土木組を説得するために、俺を話し合いの場に呼んで俺からも話している。
それで今日の報告は、
「聖国は、暗くなるまで断続的に攻めて来ています。1回の戦闘で動員されていたのは、大体6000人程でした。付かず離れずの距離で牽制攻撃の様に遠距離でチクチクとやられました。塹壕に入ってこないため、打って出るわけにもいかず塹壕に隠れながら弓で反撃しています」
予想通り6000人程で攻めてきているようだな。それに対して、塹壕に入ってきていないため2000人程で対応して、残りの4000人は待機休憩をしていたのだとか。こちらも休みをとれてはいるが、聖国程質の良い物ではなさそうだ。
聖国の休みの質が爆弾によって低いにもかかわらず、それ以下になっているのは、いつ戦闘になるか分からない緊張感の所為だろう。
夜になって攻勢が止んだかと思ったら、先程からまた攻めてきているのだとか。暗いのにどうやって攻めてきているのかと思ったら、こちらが敵の侵入を許すまいと準備した篝火を目安にして、そこから奥に矢を撃ち込んでいるのだとか。
「今はまだいいですが、疲労が抜けきらなくなる明後日頃には、準備してもらったポーションが必要になりそうです。準備してくださりありがとうございます」
「そこは気にしなくていいよ。可能な限り犠牲を減らして、負担を増やさない様にするのも俺の仕事だからね。もっといい作戦が思いつけばいいんだけど、俺の頭では限界があるからね。可能な限り協力させてもらうよ。それが俺の覚悟だ」
気になる事があったので、聞いてみる事にした。
「相手の矢って何処から調達しているか調べてるか?」
「詳しくは調べていないですが、放たれた矢を回収したところ、矢と呼ぶには拙い物でした。形だけ整えた即席の物だと思われます。狙って撃っているわけではなく、こちらを妨害するために撃たれている物だと思います。撃たれた矢には羽根がありませんでしたからね」
その後に、よくあんな矢が飛んでくるもんだ……と苦笑していた。後で見せてもらったが、矢と呼んでいいのか? ただの先がとがった棒だった。鏃の部分に石が括りつけられている。この重さで飛ばしたのだろう。正確に狙うのでなければこれで問題ないのだろう。
夜の対応についても今日の昼間から考えていたようで、問題なく対応は出来ているのだとか。
話が終わった後レイリーは、最前線に近い塹壕内に作られた休憩所兼指令室に戻っていった。俺的には、レイリーが過労で倒れないか心配になって来た。
俺への報告も嫌な顔をせずにしてくれる。その上、前線では指揮をとり、作戦を考え、後方の確認まで行っている。大丈夫なのだろうか? この前は自軍の被害を減らすために前に出て、ダブルの冒険者と攻防を繰り広げてただろ……心配だ。
まだ寝る時間になっていないので、孫のリリーに話を聞きに行った。
「お爺ちゃんなら大丈夫だよ。ご主人様は知らないかもしれないですが、ドラゴニュートの特徴だと思うのですが、3日位であれば睡眠が必要ないんです」
リリーからもたらされた情報を聞いて、どこかで聞いた覚えがあるような気がしたが……全く思い出せないので気のせいだと思う事にした。
それにしても寿命以外で違いが無いと思っていたが、寿命が違うのであれば体のつくりが違うのは当たり前か? そのおかげで睡眠については、人間よりは短くてもいいらしい。でも心配だ。
なので、リリーにはレイリーの監視というわけでは無いが、無理していないかを判断してもらうために、戦闘に巻き込まれない様に近くにいる様にお願いした。
ディストピアの兵士も大切ではあるけど、妻たちの方が大切なので護衛も付けている。元々は、バザールが召喚する事ができた、シャドウという闇に属する魔物を召喚して護衛に着けている。
シャドウは最近存在を知って、早く教えろよ! といってバザールを何度か蹴飛ばす程有能だった。
ダンジョンでは、影の中に隠れてただ奇襲するだけの弱い魔物なのだが、俺にかかればDPによるドーピングで影の中に潜む強力な魔物になる。影の中に隠れているという事は、見つかる事がないという事である。
俺の索敵でも発見できない、予想以上にステルス特化の魔物のようだ。Lvは600まで爆上げしたシャドウを5匹つけているので、逃げ出すのには十分な時間を稼いでくれるだろう。
というか、こいつらを100匹くらい同じレベルで準備すれば、聖国の軍を皆殺しにできるけどな。提案した所で、俺の力であって街の力ではないと言った内容で断られるだろうな。
意味の無い事に時間をかける訳にはいかないので、その考えを放棄する。
レイリーの予想では、しばらくは持久戦の様な状況が続くだろうとの事だ。そういう風に予想はしているが、不測の事態のために準備もしているあたり、レイリーの有能さがうかがえる。こんな有能な人間だから、元いた貴族や部下の人間にはめられて奴隷落ちしたのだろうか?
シュウはこれからも気付く事は無いが、レイリーは確かに有能だった。でも、今のレイリーと比べると別人と思う程に能力の差がある。レイリーは俺に買われてから、地球の知識をため込んで自らも訓練して鍛え直した事により、2回りも3回りも成長しているのだ。
それから1週間は、レイリーの予想通り遠距離からの牽制程度の衝突しかなかった。両軍の疲労度は、対峙を始めて2週間経たない内に限界に近付いていた。
でも、徹夜して考えた事もあり、追加で策を考える事は出来なかった。さすがに策士でない俺が、そう簡単にポンポンといい案を出せるわけも無く、時間だけが経ってしまっている。
夜、夕食後にレイリーから報告を受けている。今いる場所は野戦病院という名の城では無く、戦争が始まる前から整備されていた門と一体化する形で作られた、場所で報告を受けている。原形を作ったのは、建物の建築にも慣れてきた土木組だ。
戦争の始まる前に原形を作ってから、ディストピアに帰っている。戦争に巻き込まれれば、戦い事は出来るだろうが、戦うために魔法を覚えたりレベルを上げたのではない。
レイリーもそこら辺は分かっているので、戦争に参加したいという土木組を説得するために、俺を話し合いの場に呼んで俺からも話している。
それで今日の報告は、
「聖国は、暗くなるまで断続的に攻めて来ています。1回の戦闘で動員されていたのは、大体6000人程でした。付かず離れずの距離で牽制攻撃の様に遠距離でチクチクとやられました。塹壕に入ってこないため、打って出るわけにもいかず塹壕に隠れながら弓で反撃しています」
予想通り6000人程で攻めてきているようだな。それに対して、塹壕に入ってきていないため2000人程で対応して、残りの4000人は待機休憩をしていたのだとか。こちらも休みをとれてはいるが、聖国程質の良い物ではなさそうだ。
聖国の休みの質が爆弾によって低いにもかかわらず、それ以下になっているのは、いつ戦闘になるか分からない緊張感の所為だろう。
夜になって攻勢が止んだかと思ったら、先程からまた攻めてきているのだとか。暗いのにどうやって攻めてきているのかと思ったら、こちらが敵の侵入を許すまいと準備した篝火を目安にして、そこから奥に矢を撃ち込んでいるのだとか。
「今はまだいいですが、疲労が抜けきらなくなる明後日頃には、準備してもらったポーションが必要になりそうです。準備してくださりありがとうございます」
「そこは気にしなくていいよ。可能な限り犠牲を減らして、負担を増やさない様にするのも俺の仕事だからね。もっといい作戦が思いつけばいいんだけど、俺の頭では限界があるからね。可能な限り協力させてもらうよ。それが俺の覚悟だ」
気になる事があったので、聞いてみる事にした。
「相手の矢って何処から調達しているか調べてるか?」
「詳しくは調べていないですが、放たれた矢を回収したところ、矢と呼ぶには拙い物でした。形だけ整えた即席の物だと思われます。狙って撃っているわけではなく、こちらを妨害するために撃たれている物だと思います。撃たれた矢には羽根がありませんでしたからね」
その後に、よくあんな矢が飛んでくるもんだ……と苦笑していた。後で見せてもらったが、矢と呼んでいいのか? ただの先がとがった棒だった。鏃の部分に石が括りつけられている。この重さで飛ばしたのだろう。正確に狙うのでなければこれで問題ないのだろう。
夜の対応についても今日の昼間から考えていたようで、問題なく対応は出来ているのだとか。
話が終わった後レイリーは、最前線に近い塹壕内に作られた休憩所兼指令室に戻っていった。俺的には、レイリーが過労で倒れないか心配になって来た。
俺への報告も嫌な顔をせずにしてくれる。その上、前線では指揮をとり、作戦を考え、後方の確認まで行っている。大丈夫なのだろうか? この前は自軍の被害を減らすために前に出て、ダブルの冒険者と攻防を繰り広げてただろ……心配だ。
まだ寝る時間になっていないので、孫のリリーに話を聞きに行った。
「お爺ちゃんなら大丈夫だよ。ご主人様は知らないかもしれないですが、ドラゴニュートの特徴だと思うのですが、3日位であれば睡眠が必要ないんです」
リリーからもたらされた情報を聞いて、どこかで聞いた覚えがあるような気がしたが……全く思い出せないので気のせいだと思う事にした。
それにしても寿命以外で違いが無いと思っていたが、寿命が違うのであれば体のつくりが違うのは当たり前か? そのおかげで睡眠については、人間よりは短くてもいいらしい。でも心配だ。
なので、リリーにはレイリーの監視というわけでは無いが、無理していないかを判断してもらうために、戦闘に巻き込まれない様に近くにいる様にお願いした。
ディストピアの兵士も大切ではあるけど、妻たちの方が大切なので護衛も付けている。元々は、バザールが召喚する事ができた、シャドウという闇に属する魔物を召喚して護衛に着けている。
シャドウは最近存在を知って、早く教えろよ! といってバザールを何度か蹴飛ばす程有能だった。
ダンジョンでは、影の中に隠れてただ奇襲するだけの弱い魔物なのだが、俺にかかればDPによるドーピングで影の中に潜む強力な魔物になる。影の中に隠れているという事は、見つかる事がないという事である。
俺の索敵でも発見できない、予想以上にステルス特化の魔物のようだ。Lvは600まで爆上げしたシャドウを5匹つけているので、逃げ出すのには十分な時間を稼いでくれるだろう。
というか、こいつらを100匹くらい同じレベルで準備すれば、聖国の軍を皆殺しにできるけどな。提案した所で、俺の力であって街の力ではないと言った内容で断られるだろうな。
意味の無い事に時間をかける訳にはいかないので、その考えを放棄する。
レイリーの予想では、しばらくは持久戦の様な状況が続くだろうとの事だ。そういう風に予想はしているが、不測の事態のために準備もしているあたり、レイリーの有能さがうかがえる。こんな有能な人間だから、元いた貴族や部下の人間にはめられて奴隷落ちしたのだろうか?
シュウはこれからも気付く事は無いが、レイリーは確かに有能だった。でも、今のレイリーと比べると別人と思う程に能力の差がある。レイリーは俺に買われてから、地球の知識をため込んで自らも訓練して鍛え直した事により、2回りも3回りも成長しているのだ。
それから1週間は、レイリーの予想通り遠距離からの牽制程度の衝突しかなかった。両軍の疲労度は、対峙を始めて2週間経たない内に限界に近付いていた。
0
あなたにおすすめの小説
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
スキル【レベル転生】でダンジョン無双
世界るい
ファンタジー
六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。
そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。
そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。
小説家になろう、カクヨムにて同時掲載
カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】
なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる