ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,213 / 2,518

第1213話 戦利品の回収

しおりを挟む
 1つ目の街についた。名前は……覚える必要もないから気にしてもしょうがないか。

 先に出発して勧告していた部隊はいたが、改めて街に攻め込む事を通告している所だった。もちろん聖国の街も無抵抗とはいかず徹底抗戦の構えであるが、先の戦闘に送り出した兵士がいないためおそらく相手にもならない。

 誰が襲ってくるか分からないので、武器を持っている者、襲い掛かってくる者、警告にしたがわない者は、殲滅対象になる事を通告している。兵士が隠れていたりした場合は、近くにいる人間も殲滅対象になるので注意するように! といった感じだ。

 この最後の通告文は、前にも使った覚えがあるな。街の人間……民間人に恐怖を与え、自分たちが殺されないようにするために、俺たちの敵……街の人間からしたら味方なのだが、それを差し出すように仕向ける作戦だ。

 前に使った時は、予想以上の効果を発揮していたから、今回もある程度の効果は期待できるだろう。だけど、警戒を緩める理由にはならないので、しっかりと警戒はするように!

 門に近付こうとすると、城壁の上から矢の雨が飛んでくるが、その中で1人だけ矢の雨を気にせずに突っ込んでいく影がある。小柄でスカルズの装備に似たような物を身に着けているのはライガだ。

 専用装備を受け取り、それを身に着けているライガには、あの程度の矢の雨では傷すらつけられない。ただでさえ強かったライガが、手に負えなくなっている気がするが大丈夫だろうか?

 そのまま門にぶつかり……弾かれた。さすがに一撃で壊せるほど軟な門では無かったようだ。ライガは普段使わない武器を取り出した。自分の背丈より大きなウォーハンマーだ。片方は槌の様に打撃面が平べったく、反対側がつるはしのように尖っている。

 何度も門に打ち込むと、門が耐えきれずボロボロになっていく。何度目の攻撃か分からないが、とうとう閂を壊し門が完全に開いた。

 ライガはそれで止まる事なく進んでいく……おぃ!

 それを追いかけるのはスカルズのメンバーだ。しばらくすると、城壁の上で戦闘が起きていた。それを見た兵士冒険者が一斉に門の中に雪崩れ込んでいった。

 門の近くには、軍事施設があるようでまずはそこの制圧が始まる。ここを抑えられれば、拠点にする事も可能だと思われるので戦いやすくなる。

 治療院の人は、かなりの数が野戦病院に残っていたが、ついて来ている人もいる。そこに護衛を割かないといけないので、護りやすい拠点になる場所が街の近く、この場合は街の中になるが……あると便利なのだとか。

 門が突破されると街の中にいたの大半の兵士は、どうやら投降したようだ。投降すると後が大変だからしないって話じゃなかったか?

 いつの間にか近くに来ていたレイリーに聞いてみた。

「それは、戦争に出て行った兵士の話です。今回に限っていえば、もし死ぬまで戦えと住人が言った場合には、その住人も戦闘を煽った者として殲滅対象になりますからね。それに、門まで壊されて兵士のほとんどが戦場で死んでしまったこの街で、これ以上戦えと言う人はほとんどいないでしょう」

 ん~初めに民間人には手を出さないって言ってるし、問題行動をとらなければ危害は加えられていない現状を見れば……言わないか? もしここで兵士が全員死ねば、俺たちが去った後の街の治安を守れる人がいなくなるから、拙いって分かってるのかな?

 戦場に行った奴らには、死んで来い。残っている人間には死なずに守れ……って感じか? 自分勝手な奴らだな。

 この街には軍事施設が4つあり、そこを全部制圧して、保管されていた武器防具を全部回収したようだ。

 中には、投降した後に隙を窺って指揮官を狙って不意打ちを仕掛けようとしている奴もいたが、指揮官の護衛を突破できるわけもなく、その場で処刑されていた。

 軍事施設が終わると、大店の商会へ兵士が向かっていく。どうやら、商会で雇っている専属の兵士がいるようで、勧告をしていた。

 俺も一緒に街の中に入っているので、兵士の後を追って街の中の様子を見ている。護衛として、妻たちが全員周りにいるので少し歩きにくいが、俺の命が優先順位のトップなのでこういう対応なのだとか。

 商会のトップは、戦えと叫んでいるようだが、専属の兵士だって命は惜しい。特に今回の勧告は悪辣だった。

 できる限り街での人殺しはしたくないので、その目的を達成するためにある勧告をしていた。

 要約すると、今回の戦争に関与していた商会を放置する事は出来ない。なので、商品や私財を差し押さえさせてもらう。邪魔をするのであれば、邪魔をした家族も同罪とみなし殲滅対象とする。

 と言った感じだ。

 本当に家族まで殺すつもりはないが、それはわざわざ言う必要はないだろう。専属の護衛を無力化するための方便だ。だけど、それを知らない相手から見れば、悪辣ともいえる一手だろう。

 自分だけでなく家族まで危険にさらされるのだ。心理的にこれ以上動けなくなる者が大半だろう。

 商会の一族は最後まで必死に抵抗していたが、すべて取り上げられた。殺すほど危険はなかったので、簀巻きにされ放置されている。他にあった3つの商会も同じ末路をたどった。

 領主館は、到着した時にはもぬけの殻だった。蓄えられていたお金もすべて持ち出されていた。

 街の外には出ていないと思われるが……マップ先生を見ると、街から1キロメートル程離れた場所を移動している一団がいた。領主が街を捨てて既に逃げ出していたのだ。

 しかも、各門にはこちらの兵士がいるので、門以外から外に出た事になる。どこからは、別に今はどうでもいいか。

 レイリーがウォーホースを使って追えと命令をすぐに出した。5分後には100騎の兵士が追いつき、街に戻る様に誘導していた。

 この街で回収するすべての物を回収したので、最後に逃げ出して守る事を放棄した領主一族を街の中心地で処刑して、街を後にする。

 次の街まで半分ほどの距離になると、空が暗くなってきたため野営の準備に入る。俺たちが始めた馬車を使った野営地の作成を真似て、馬車を並べテントの屋根になる布と革を張っていく。

 この方法だと、4つの馬車と中心にポールを使えば200人位を収容できる空間が簡単に作れるのだ。強い風には弱いが、今日は無風に近いので問題はないそうだ。

 次の日には、2つ目、3つ目の街も問題なく処理が終わり、次の日の4つ目の街で問題が発生した。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...