1,293 / 2,518
第1293話 面倒事?
しおりを挟む
次の日の朝、マップ先生を確認すると、ドッペルが拉致された大陸……いちいちこの名称も面倒だな。何番目に上陸したんだっけ? 確か5番目? じゃあ、ファイブでいいか。
ファイブ大陸に着いたドッペルたちは、拠点でくつろいでいた。ドッペル自身には自我がなく、写し取った者の影響を強く受けるらしい。だけど、ダンジョンで魔物として出てくるドッペルは、ダンジョンの意味に会わせて侵入者に攻撃を仕掛けるようにできている。
そのドッペルたちの行動だが、俺のドッペルには、ダンジョンマスターの力の一部を付与していたためか、自分で拠点を改造してゲームを召喚して遊んでいた。
制限をかけるのを忘れていたので、基本的に行動が自由になっていたようだ。DPは有り余っているので、それくらいは問題ないからいいんだけどな。だけどさ、対戦ゲームでヒューマンと獣人の俺がガチバトルしているのには、笑ってしまったな。
後は、年長組のドッペルにも、制限をかけていなかったので個々に行動をとっているのが面白かったな。
特に分かりやすかったのは、英雄症候群のシュリのドッペルだろう。呪いとも言えるこの体質のせいで、食事量が多いのだ。その影響を受けシュリのドッペルも、大食いだった。
ドッペルの性質なのか、魔物の性質なのか分からないが、どれだけ食べても体型が変わらないらしく、俺のシュリを除く妻たちに嫉妬の視線を向けられている。魔物に突っかかるなよ!
っと、ドッペル観察をしている場合じゃないな。時間は有限! 急いでやることをやってしまおう。
アリス・ライラ・マリーの年長組の獣人3人を呼び、妻たちを拉致した国の人間を送り届けた獣人の国に向かう事にした。
って、おい! シリウス、お前ってそんな風に寝るのか?
獣人タイプのドッペルに意識を移して、シリウスを探していたら、蛇のようにとぐろを巻いていた。元からいたリバイアサンと同様に、体のサイズを変えられるようで、体を小さくして柔らかいクッションの上にいたのだ。
起こしたら、餌を要求してきたので、しまった! 飯を準備していなかった。と思ったらピーチのドッペルが準備してくれていた。
妻の中で一番、奉仕精神が強いんだよな。何て言うか、俺の事を中心に考えるのがピーチなんだよね。夜の営みでも、ピーチが……ゲフンゲフン。
ピーチのドッペルが作ってくれた食事をシリウスにあげると、元気いっぱいになったようだ。めんどくさそうではあるが、この後の予定について尋ねて来た。
予定しているのは、獣人の国に行くだけなのだが、行ってから仕事が増えるかもしれないけどな。人間の国が聖国以上に下種な事をしていたからな。他の国が同じじゃないとは言い切れないよな。特に種族間の争いが激しいって話だからな。
さて、どうやって獣人の国まで行くか? やはり、シリウスに頼んで送った奴らと同じように行くのが信用されるかな?
シリウスにお願いして、奴らを送った川を使って移動を開始する。
おぉ! 川を高速で移動するとこんなに怖いんだな。海の上だとどれだけ早く動いても、あまり気にならなかったけど、これはヤバい! 氷の上を滑り落ちるボブスレーもこんな感じなんだろうか?
そろそろ獣人の国に入るはずだけど、見張っている獣人はいなそうだな。
ここを使って攻めてこようなんて、俺みたいに水棲の高ランク魔物を従魔にしているか、自身が高ランクの水魔法使いでもなければ、いい的にしかならないか。
シリウスの移動でだが、しばらく進んでいくと、大きな街にたどり着いた。
人間の街は森から離れた場所に作られているが、獣人の街は比較的自然の多い地域に多いな。魔物の危険があるのにどうしてなんだろう? この大陸にはこの大陸のルールみたいなのがあるのだろう。
「お前ら何者だ! 止まれ!」
おっと、やっと見張りが現れた。
「少し前に隣の国の人間をこの川を使って送り届けた者だ。一緒に手紙を乗せていたと思うが読んでいただけていないか?」
念のために一緒に届けた手紙の事を伝えてみる。あいつらを送った理由と、近々挨拶に行く事を書いていたので、誰かが呼んでいると思うのだが、
「確認してくる。少し待て!」
現場の人間には伝わっていない? 少し嫌な予感がするのは気のせいだろうか?
しばらくすると聞きに戻っていった見張りが戻って来た。
「確認が取れた。ついて来ていただきたいが問題ないだろうか?」
「了解した。そちらに行こうと思うので、少し離れて頂いていいだろうか?」
そう言って、飛び乗るための場所をあけてもらう。その裏でアリスが、シリウスに小さくなって服の中に潜り込むように命令していた。
俺たちは、開けてもらった場所に飛んで移動し、見張りに案内をしてもらう。
マップ先生で調べて王のいる街に川を繋げたのだから、王城に向かっているのは不思議では無いが、王城にしては小さい気がするのは気のせいだろうか?
城に入って登る階段ではなく、下る階段を進んでいく……どういう事だろう?
しばらく進むと、城が小さかった事の理由が分かった。
獣人の国の城は、地下にある部分の方が大きかったのだ。地下にあるとは思えないような作りの建物だった。簡単に言うと、小規模なゴーストタウンのような物だ。
ゴーストタウンはダンジョンなので問題ないのだが、ここはダンジョンではなく、人間が掘って作った空間に建物を建てているので、少し無茶なつくりな気がする。
松明を使っている地下空間、日常的にたかれているのであれば、空気の流れなどは問題ないのだろう。
それなりに豪華な部屋に通された。そこには、偉そうな獣人たちが半円形に並べられた机に座り、集まっていた。後ろに優秀な兵士を並べて、
何となく、査問会みたいな、取り調べられるイメージだ。
「本当にこの者たちが、人間の国王や貴族を送って来たのか? 信じられんな」
「ですが、手紙の事を知っているのは、国の人間でも極わずかだ。知っているのは、送ってきた本人だという事だろう」
獣人の国のお偉方も、俺たちが本物かどうか……という事を論議している段階だった。なぜ話し合っている場に呼んだし! せめて、身内の話が終わるで何処かに逗留って形でもよかったんじゃないか?
ファイブ大陸に着いたドッペルたちは、拠点でくつろいでいた。ドッペル自身には自我がなく、写し取った者の影響を強く受けるらしい。だけど、ダンジョンで魔物として出てくるドッペルは、ダンジョンの意味に会わせて侵入者に攻撃を仕掛けるようにできている。
そのドッペルたちの行動だが、俺のドッペルには、ダンジョンマスターの力の一部を付与していたためか、自分で拠点を改造してゲームを召喚して遊んでいた。
制限をかけるのを忘れていたので、基本的に行動が自由になっていたようだ。DPは有り余っているので、それくらいは問題ないからいいんだけどな。だけどさ、対戦ゲームでヒューマンと獣人の俺がガチバトルしているのには、笑ってしまったな。
後は、年長組のドッペルにも、制限をかけていなかったので個々に行動をとっているのが面白かったな。
特に分かりやすかったのは、英雄症候群のシュリのドッペルだろう。呪いとも言えるこの体質のせいで、食事量が多いのだ。その影響を受けシュリのドッペルも、大食いだった。
ドッペルの性質なのか、魔物の性質なのか分からないが、どれだけ食べても体型が変わらないらしく、俺のシュリを除く妻たちに嫉妬の視線を向けられている。魔物に突っかかるなよ!
っと、ドッペル観察をしている場合じゃないな。時間は有限! 急いでやることをやってしまおう。
アリス・ライラ・マリーの年長組の獣人3人を呼び、妻たちを拉致した国の人間を送り届けた獣人の国に向かう事にした。
って、おい! シリウス、お前ってそんな風に寝るのか?
獣人タイプのドッペルに意識を移して、シリウスを探していたら、蛇のようにとぐろを巻いていた。元からいたリバイアサンと同様に、体のサイズを変えられるようで、体を小さくして柔らかいクッションの上にいたのだ。
起こしたら、餌を要求してきたので、しまった! 飯を準備していなかった。と思ったらピーチのドッペルが準備してくれていた。
妻の中で一番、奉仕精神が強いんだよな。何て言うか、俺の事を中心に考えるのがピーチなんだよね。夜の営みでも、ピーチが……ゲフンゲフン。
ピーチのドッペルが作ってくれた食事をシリウスにあげると、元気いっぱいになったようだ。めんどくさそうではあるが、この後の予定について尋ねて来た。
予定しているのは、獣人の国に行くだけなのだが、行ってから仕事が増えるかもしれないけどな。人間の国が聖国以上に下種な事をしていたからな。他の国が同じじゃないとは言い切れないよな。特に種族間の争いが激しいって話だからな。
さて、どうやって獣人の国まで行くか? やはり、シリウスに頼んで送った奴らと同じように行くのが信用されるかな?
シリウスにお願いして、奴らを送った川を使って移動を開始する。
おぉ! 川を高速で移動するとこんなに怖いんだな。海の上だとどれだけ早く動いても、あまり気にならなかったけど、これはヤバい! 氷の上を滑り落ちるボブスレーもこんな感じなんだろうか?
そろそろ獣人の国に入るはずだけど、見張っている獣人はいなそうだな。
ここを使って攻めてこようなんて、俺みたいに水棲の高ランク魔物を従魔にしているか、自身が高ランクの水魔法使いでもなければ、いい的にしかならないか。
シリウスの移動でだが、しばらく進んでいくと、大きな街にたどり着いた。
人間の街は森から離れた場所に作られているが、獣人の街は比較的自然の多い地域に多いな。魔物の危険があるのにどうしてなんだろう? この大陸にはこの大陸のルールみたいなのがあるのだろう。
「お前ら何者だ! 止まれ!」
おっと、やっと見張りが現れた。
「少し前に隣の国の人間をこの川を使って送り届けた者だ。一緒に手紙を乗せていたと思うが読んでいただけていないか?」
念のために一緒に届けた手紙の事を伝えてみる。あいつらを送った理由と、近々挨拶に行く事を書いていたので、誰かが呼んでいると思うのだが、
「確認してくる。少し待て!」
現場の人間には伝わっていない? 少し嫌な予感がするのは気のせいだろうか?
しばらくすると聞きに戻っていった見張りが戻って来た。
「確認が取れた。ついて来ていただきたいが問題ないだろうか?」
「了解した。そちらに行こうと思うので、少し離れて頂いていいだろうか?」
そう言って、飛び乗るための場所をあけてもらう。その裏でアリスが、シリウスに小さくなって服の中に潜り込むように命令していた。
俺たちは、開けてもらった場所に飛んで移動し、見張りに案内をしてもらう。
マップ先生で調べて王のいる街に川を繋げたのだから、王城に向かっているのは不思議では無いが、王城にしては小さい気がするのは気のせいだろうか?
城に入って登る階段ではなく、下る階段を進んでいく……どういう事だろう?
しばらく進むと、城が小さかった事の理由が分かった。
獣人の国の城は、地下にある部分の方が大きかったのだ。地下にあるとは思えないような作りの建物だった。簡単に言うと、小規模なゴーストタウンのような物だ。
ゴーストタウンはダンジョンなので問題ないのだが、ここはダンジョンではなく、人間が掘って作った空間に建物を建てているので、少し無茶なつくりな気がする。
松明を使っている地下空間、日常的にたかれているのであれば、空気の流れなどは問題ないのだろう。
それなりに豪華な部屋に通された。そこには、偉そうな獣人たちが半円形に並べられた机に座り、集まっていた。後ろに優秀な兵士を並べて、
何となく、査問会みたいな、取り調べられるイメージだ。
「本当にこの者たちが、人間の国王や貴族を送って来たのか? 信じられんな」
「ですが、手紙の事を知っているのは、国の人間でも極わずかだ。知っているのは、送ってきた本人だという事だろう」
獣人の国のお偉方も、俺たちが本物かどうか……という事を論議している段階だった。なぜ話し合っている場に呼んだし! せめて、身内の話が終わるで何処かに逗留って形でもよかったんじゃないか?
0
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?
嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】
ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。
見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。
大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!
神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。
「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」
異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件
おおりく
ファンタジー
高校生の桜木 悠人は、不慮の事故で命を落とすが、神のミスにより異世界『テラ・ルクス』で第二の生を得る。彼に与えられたスキルは、他者の能力を模倣する『コピーキャット』。
最初は最弱だった悠人だが、光・闇・炎・氷の属性と、防御・知識・物理の能力を次々とコピーし、誰も成し得なかった多重複合スキルを使いこなす究極のチートへと進化する!
しかし、その異常な強さは、悠人を巡る三人の美少女たちの激しい争奪戦を引き起こすことになる。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる