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第1341話 刻一刻と
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相手側に動きが見えたのはメギドに来る前だったが、状況が変化したのはメギドに到着してから5日目の事だった。
到着して今日まで俺は、日中メギドかバレルの街へダマをお供にして足を運んでいた。
メギドでは、ディストピアから送られてくるカタパルト用のフレシェット弾の子弾を、綾乃とバザールが作った飛び散らせるための、コアになる部分に収納する作業の監督を行っていた。
このカタパルトの出来次第で相手側の戦闘要員最大で30000人の、どれだけ行動不能にできるか決まるのである。
戦闘要員が30000人であって後方支援というか、輜重部隊等を含めるとその規模は数倍に膨れ上がる。だけど、この後方部隊に関しては戦闘に参加する事は、まずないと考えている。
地球でもそうだが、戦闘を中心に訓練している人間と、支援を中心に訓練している人間では、その戦闘能力に大きな差が生まれる。
地球では、銃という武器を使って誰でも人を殺す事が出来るが、あくまで当たれば殺す事が出来るだけなのだ。多少訓練を受けた程度では、戦闘能力に差がありすぎて実戦では使い物にならないのが現状だ。
地球で当てられれば人を殺せる武器がある世界でも、訓練の有無で天と地ほどの差が生まれる。だけど、この世界はレベルに管理された越えられない壁が存在するのだ。そんな中で、訓練をした者とそうでない物の差は顕著に現れるだろう。
訓練をしているという事=ステータスが高くなると言っても過言ではない。
この世界ではレベルが上がるとステータスもあがる。それは常識なのだが、レベル以外にもステータスを上げる方法は存在する。
ほとんど習得されてはいないが、身体能力向上はレベルに関係なく、習得できれば効果は抜群だ。他にも、部分強化できるスキルも存在している。全体的に習得難度が高いのか、習得している人間は少ないけどね。
スキルとは別にというか、本来はこっちがメインだろう。
訓練によってステータスが上がるのだ。厳密にいうと違うのだが、筋トレをすれば力が上がり、相手の攻撃を受ける訓練をすれば体力が上がる。
数字で見ると100と110で10しか違わない能力だったとしても、実際に戦うと数字以上の違いがあるのだ。
他にも、スキルやステータスに表示されない隠されたステータス……経験のような物が、同じステータスでも歴然とした違いが出る事もある。
戦闘部隊と支援部隊では、残念ながら前者の方が圧倒的に強い。人数で言えば、倍程度後者の人間が多くても戦況が簡単にひっくり返ってしまう。戦術や戦略でひっくり返すのではなく、正面から力技でひっくり返す事が可能なのだ。
っと、話が逸れた。
戦闘部隊が全力を出せるのは、後方部隊がしっかりしている必要がある。だから、無駄な消耗は絶対にしてこない。だから、後方部隊が戦闘の矢面に立つ事は無いだろう。そういう状況になりそうなのであれば、撤退を支援するのが後方部隊の役目となる。
だから、戦闘部隊30000人の内、各国の戦闘要員4割程が戦闘継続不能に陥れば、撤退するだろう。
軍事的な意味合いで言えば、3割以上消耗すれば全滅と言うらしいが、毒によって行動不能になった人間が消耗に含まれるか分からないが、それが4割に達すれば引かざるを得ないだろう。
今回の俺たちの目的は、相手を皆殺しにする事ではなく、追い返す事なのだ。
帝国の街がいくつか支配されているとはいえ、俺たちには何の関係もないのだ。相手を殺すほどの手間をかける必要はないと考えている。だから、弱い毒を仕込んで行動不能にするのだ。そっちの方が早く戦闘が終わるしね。
下手に沢山殺すと歯止めが効かなくなって、さらに多くの血が流れる可能性があるのだ。そうすれば、こちらの軍にも被害が出てしまう。
帝国に攻めて来た相手なのに、俺たちが被害を受けて帝国が無傷のまま街を奪還とかなれば、やられ損になってしまうのだ。だから、追い払うが最適解だとレイリーが言っていた。
そのための武器である、カタパルト用フレシェット弾の作成を見守っている。
バレルの方は、無防備になりがちな間の森に接している壁の増築監督だ。
バレルの街の壁は、魔の森に接するように作っていた。魔の森は木を伐採しても、2ヶ月もすればまた伐採可能になる程樹木の成長が早い。成長が早いからと言って、木の中がスカスカという事もない。
なので、バレルでは炭窯を作り大量に炭を生産している。この街の主な収入源にもなっている。炭だけで街が回っているわけでは無いが、それでも炭が無くなればこの街が成り立たなくなるくらいには依存している状態だ。
木材を運ぶためにあまり距離があると大変なので、魔の森に沿って壁が作られているのである。
接しているという事は、魔の森から攻められた場合備えがないという事だ。前にも言ったが、森に紛れて攻められたら、兵士に視認する事は難しいのだ。
上級士官たちにはタブレットを渡しているので、相手がどこら辺にいるのか把握は出来るが、それを元に下級兵士に攻撃をさせる事は難しい。
だから、魔の森を100メートル程切り開いて、新しく壁を作る予定だ。おそらく偵察で壁が魔の森と接している事は相手も把握しているはず。ここから攻めてくるかは分からないが、もし攻められた時に壁の先に壁があれば、諦めてくれるかな? とか思っている。
そう言えば今回の戦争に、スナイパー用のクロスボウでは無いが、地球で手に入るクロスボウの数倍は飛距離のある物が導入されている。
飛距離は力に比例するので、地球の人より力が圧倒的に強いこちらの世界の人間であれば、反発力の強いクロスボウでも何とか引けてしまうのだ。問題は、金属の方だったのだが、ミスリルを混ぜる事によって柔軟性を確保したのだとか。
いつの間にか量産体制に入っていたクロスボウを、レイリーが持ち出してきたのだとか。その数3000個。よくこれだけ作ったもんだな。
カタパルトとクロスボウで問題なく対応できるだろう。
壁の方は、土木組がチャカチャカと作ってしまったので、工作兵たちが微妙な顔をしていたが、自分たちでは間に合わなかった可能性もあると分かっているので、土木組の補助を頑張っていたのが印象的だった。負けずに頑張ってくれ!
そんなこんなで、俺が到着して5日目の夕方に、もう少しで視認できる所まで敵国の軍隊が迫っていた。
戦争が始まる前に、朗報が1つもたらされた。
到着して今日まで俺は、日中メギドかバレルの街へダマをお供にして足を運んでいた。
メギドでは、ディストピアから送られてくるカタパルト用のフレシェット弾の子弾を、綾乃とバザールが作った飛び散らせるための、コアになる部分に収納する作業の監督を行っていた。
このカタパルトの出来次第で相手側の戦闘要員最大で30000人の、どれだけ行動不能にできるか決まるのである。
戦闘要員が30000人であって後方支援というか、輜重部隊等を含めるとその規模は数倍に膨れ上がる。だけど、この後方部隊に関しては戦闘に参加する事は、まずないと考えている。
地球でもそうだが、戦闘を中心に訓練している人間と、支援を中心に訓練している人間では、その戦闘能力に大きな差が生まれる。
地球では、銃という武器を使って誰でも人を殺す事が出来るが、あくまで当たれば殺す事が出来るだけなのだ。多少訓練を受けた程度では、戦闘能力に差がありすぎて実戦では使い物にならないのが現状だ。
地球で当てられれば人を殺せる武器がある世界でも、訓練の有無で天と地ほどの差が生まれる。だけど、この世界はレベルに管理された越えられない壁が存在するのだ。そんな中で、訓練をした者とそうでない物の差は顕著に現れるだろう。
訓練をしているという事=ステータスが高くなると言っても過言ではない。
この世界ではレベルが上がるとステータスもあがる。それは常識なのだが、レベル以外にもステータスを上げる方法は存在する。
ほとんど習得されてはいないが、身体能力向上はレベルに関係なく、習得できれば効果は抜群だ。他にも、部分強化できるスキルも存在している。全体的に習得難度が高いのか、習得している人間は少ないけどね。
スキルとは別にというか、本来はこっちがメインだろう。
訓練によってステータスが上がるのだ。厳密にいうと違うのだが、筋トレをすれば力が上がり、相手の攻撃を受ける訓練をすれば体力が上がる。
数字で見ると100と110で10しか違わない能力だったとしても、実際に戦うと数字以上の違いがあるのだ。
他にも、スキルやステータスに表示されない隠されたステータス……経験のような物が、同じステータスでも歴然とした違いが出る事もある。
戦闘部隊と支援部隊では、残念ながら前者の方が圧倒的に強い。人数で言えば、倍程度後者の人間が多くても戦況が簡単にひっくり返ってしまう。戦術や戦略でひっくり返すのではなく、正面から力技でひっくり返す事が可能なのだ。
っと、話が逸れた。
戦闘部隊が全力を出せるのは、後方部隊がしっかりしている必要がある。だから、無駄な消耗は絶対にしてこない。だから、後方部隊が戦闘の矢面に立つ事は無いだろう。そういう状況になりそうなのであれば、撤退を支援するのが後方部隊の役目となる。
だから、戦闘部隊30000人の内、各国の戦闘要員4割程が戦闘継続不能に陥れば、撤退するだろう。
軍事的な意味合いで言えば、3割以上消耗すれば全滅と言うらしいが、毒によって行動不能になった人間が消耗に含まれるか分からないが、それが4割に達すれば引かざるを得ないだろう。
今回の俺たちの目的は、相手を皆殺しにする事ではなく、追い返す事なのだ。
帝国の街がいくつか支配されているとはいえ、俺たちには何の関係もないのだ。相手を殺すほどの手間をかける必要はないと考えている。だから、弱い毒を仕込んで行動不能にするのだ。そっちの方が早く戦闘が終わるしね。
下手に沢山殺すと歯止めが効かなくなって、さらに多くの血が流れる可能性があるのだ。そうすれば、こちらの軍にも被害が出てしまう。
帝国に攻めて来た相手なのに、俺たちが被害を受けて帝国が無傷のまま街を奪還とかなれば、やられ損になってしまうのだ。だから、追い払うが最適解だとレイリーが言っていた。
そのための武器である、カタパルト用フレシェット弾の作成を見守っている。
バレルの方は、無防備になりがちな間の森に接している壁の増築監督だ。
バレルの街の壁は、魔の森に接するように作っていた。魔の森は木を伐採しても、2ヶ月もすればまた伐採可能になる程樹木の成長が早い。成長が早いからと言って、木の中がスカスカという事もない。
なので、バレルでは炭窯を作り大量に炭を生産している。この街の主な収入源にもなっている。炭だけで街が回っているわけでは無いが、それでも炭が無くなればこの街が成り立たなくなるくらいには依存している状態だ。
木材を運ぶためにあまり距離があると大変なので、魔の森に沿って壁が作られているのである。
接しているという事は、魔の森から攻められた場合備えがないという事だ。前にも言ったが、森に紛れて攻められたら、兵士に視認する事は難しいのだ。
上級士官たちにはタブレットを渡しているので、相手がどこら辺にいるのか把握は出来るが、それを元に下級兵士に攻撃をさせる事は難しい。
だから、魔の森を100メートル程切り開いて、新しく壁を作る予定だ。おそらく偵察で壁が魔の森と接している事は相手も把握しているはず。ここから攻めてくるかは分からないが、もし攻められた時に壁の先に壁があれば、諦めてくれるかな? とか思っている。
そう言えば今回の戦争に、スナイパー用のクロスボウでは無いが、地球で手に入るクロスボウの数倍は飛距離のある物が導入されている。
飛距離は力に比例するので、地球の人より力が圧倒的に強いこちらの世界の人間であれば、反発力の強いクロスボウでも何とか引けてしまうのだ。問題は、金属の方だったのだが、ミスリルを混ぜる事によって柔軟性を確保したのだとか。
いつの間にか量産体制に入っていたクロスボウを、レイリーが持ち出してきたのだとか。その数3000個。よくこれだけ作ったもんだな。
カタパルトとクロスボウで問題なく対応できるだろう。
壁の方は、土木組がチャカチャカと作ってしまったので、工作兵たちが微妙な顔をしていたが、自分たちでは間に合わなかった可能性もあると分かっているので、土木組の補助を頑張っていたのが印象的だった。負けずに頑張ってくれ!
そんなこんなで、俺が到着して5日目の夕方に、もう少しで視認できる所まで敵国の軍隊が迫っていた。
戦争が始まる前に、朗報が1つもたらされた。
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