ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1417話 まさか……

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 ブラッドリーレイスを倒してから5日が経ち、50階に到着した。

 この5日間は代わり映えのしない、船内の風景の続くダンジョンで飽きて来ていた。そんなことをミリーたちにいったら、怒られちゃったけどね。

 ダンジョンにいるのに気を抜くなってさ。そりゃそうだ、Lv5ずつ強くなっているのだから、気を抜かないように怒られてもしかたないか。

 現在50階。魔物の強さはLv345まであがっており、スキルレベルも2~6で2~6個のスキルを持っている。30階を越えたあたりから、かなり強くなっている気がする。それでも、俺たちの相手にはならない。

 そのせいで景色が変わらないから飽きてきてしまったのだ。

 気を引き締めないとな。50階は25階とおなじで、必ず通らなければいけない大部屋がある。おそらく、25階のブラッドリーレイスと同じようにボスらしき魔物がいると思う。

「さて、ちょっと中を覗くか」

 パタン。

 ブラッドリーレイスと同様に、思わず閉めてしまった。

「今回も、なにかいたんですか?」

「そうだね。名前は、デッドリーレイス。Lv700で、ブラッドリーレイスより強いと思う。ブラッドリーレイスが5匹取り巻きとしていたよ。しかも、こいつらはLv600だった。25階のブラッドリーレイスと同じLvだね」

 おそらく、俺ら以外にこいつらを倒せるやつは存在しないんじゃないか? いや、ダンジョンバトルの上位陣なら、倒せるやつらはいるか。アンデッドに有利な魔物を召喚できるやつとかなら、このダンジョンを制覇出来そうだな。

 でも、それならなんで、このダンジョンに来ていないんだ? あっ、海賊船だから海にいるのか! なら、危険を冒してまでこようとは思わないだろうな。今のままでも十分稼いでいて、自分の領域を持っているんだから、無理する必要はないわな。

「今回も、人造ゴーレムたちに戦わせましょう」

 アリスは俺が意見を言う前に、人造ゴーレムに戦闘させることが決まった。

 レイス系の魔物が出てくると考えていた俺たちは、この5日間で対策を進めていたのだ。

 人型人造ゴーレムだけじゃなく、異形型人造ゴーレムにもアストラルサイドの魔物にダメージを与えられるようにしている。

 ケンタウロスタイプとラミアタイプは、上半身が人型なので武器を持たせることで問題を解決した。重量を生かした重戦士タイプのケンタウロスは、大型のハルバートとタワーシールドを聖銀製に持ち替えさせた。ラミアタイプは両腕に聖銀製の籠手と短剣をもたせている。

 アラクネタイプも上半身が人型なのだが、魔法タイプであるため念のため聖銀製で作ったプレートメイルを上半身に装備させ、魔法発動媒体を光と聖属性に変更している。

 ハーピータイプは武器を使うタイプではなく、徒手格闘タイプなので手甲と脚甲を装備させている。正直、DPSダメージパーセコンド(秒間に与えられる平均ダメージ)が一番高いのは、ハーピータイプのこいつなんだよな。

 今回連れて来たのは4種5匹ずつなので、前回も戦っていた20体の人型人造ゴーレムに加えて、新たに20体が加わるのだ。正直、過剰戦力だ。

 戦力が整ったので、アリスが指示を出して人造ゴーレムたちを突入させる。

 異形型人造ゴーレム20体がデッドリーレイスに、人型人造ゴーレムが4体1組でブラッドリーレイスと戦い始めた。

 デッドリーレイスについては、正直見ているのがかわいそうになってきている。

 ケンタウロスタイプのハルバートによる攻撃と、タワーシールドの突撃攻撃を連続でくらい、ケンタウロスタイプの攻撃の合間にラミアタイプが接近して切り付ける。そしてアラクネタイプは、隙を見て魔法を撃ち込んでいる。

 ハーピータイプに関してはかなり特殊だ。5体が一定の距離を保ち、隙があれば攻撃を撃ち込んでいる。ケンタウロスタイプの突撃の間でも、かまわずに攻撃を続けている。本当にあいつだけは、特殊だよな。

 10分もかからずに終わってしまった。25階のブラッドリーレイスより悲惨な死にざまだったと思う。

 4種1体ずつがブラッドリーレイスたちと戦っている人造ゴーレムたちに援軍に行った。あーもう終わりだな。そこから耐えられたのは5分だった。

 中にいる魔物は強くなっているはずなのだが、どんまいだな。

 呆気なく終わってしまったな。だけど、本題はこの後……

 51階からは、ダンジョンのタイプが変わるのだ。フィールドタイプのダンジョンに変わると思われる。廊下や部屋が無くなり階層全てが繋がっており、大きな部屋のようになっている。

 今日はこの階で休憩をとる事になっているが、今日中に1度偵察に行く予定だ。

 メンバーは俺と妻たち全員で行く事になった。夜営地は従魔たちに任せて、俺たちは前に階段を降りていく。

「まさか、こんなフィールドだとはな。確かにフィールドタイプではあるのだが、これは予想外過ぎた。これじゃあ、進むことも困難じゃないか……」

 目の前に現れたのは、船の墓場とでも呼ぶ状態のフィールドだ。しかも、陸地の近くではなく海のど真ん中のような場所に突然現れた船の墓場だ。

 船同士が離れている場所もあり、海を移動しないといけない状態である。船を使わずにこの階をクリアできる状態ではなさそうだ。

 さすがに船は持ち込んでない。それにあまり大きい船だと、通れなさそうだ。

 1度来てしまえば、マップ先生で見た時にいびつな形をしていた理由もよく分かるってものだ。俺はてっきり岩山みたいなものだと思っていたのだが……

「戻って、一旦対策をたてないといけなそうだな」

「そうですね。さすがにこのまま進むのには無理があります。船を召喚して改造するほかないかもしれないですね」

 ブラウニーたちが食事を準備している部屋に戻っていく。
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