1,421 / 2,518
第1421話 圧倒的
しおりを挟む
今日の話し合いはすぐに終わった。相手が相手だけに、俺は戦線離脱。俺が嫌だから、妻たちにも戦ってほしくない。なら、従魔たちか人造ゴーレムしかない。
最初は、クロやギンが鼻息を荒くしていたが、出てきた中ボスの姿形を聞いて、あからさまにやる気が萎えていた。俺の知識や記憶をある程度受け継いでいる、召喚された従魔たちは少なからず俺の影響を受ける傾向にある。
戦うことに忌避を覚えるわけではないが、戦った後、俺にどう思われるかを察してヤル気が萎えたようだ。だって、あんな奴らを相手にした爪や牙には、しばらく触りたくないだろ? 毛皮にだってつくかもしれないし、ブラッシングもしばらくは無理だな。
それなら! と、ニコたちスライムがアピールしてきたが、お前たちって攻撃手段あるの? って聞いたら、体当たりと触手の鞭、魔法、溶解液、体内で溶かす、と言ってきたので、却下した。
じゃぁ聖獣の3匹はどうするか聞いたら、ブラッシングが無くなるなら戦わないと、胸を張って応えてきた。
戦いたくない理由ではなく、戦った後の理由で戦闘を回避するおかしな感じになってしまった。これって、勝つ事前提で話が進んでいる証拠である。
なので、白羽の矢が立ったのは、シリウスである。こいつは基本的に俺じゃなくて、娘たちや年少組のメンバーに可愛がってもらえれば気にしないらしい。俺の従魔なのにな! 本当にこういうやつが多くて困る。
シリウスが水魔法でどうにもできなかったら、人造ゴーレム部隊。人造ゴーレム部隊で時間がかかるようなら、シリウスが元の大きさに戻って奴らを飲み込むと言う話になった。
ウミムシを魚が食う事だってあるだろうし、シリウスが海の魔物なので気にする必要は無いと思うが、正直あんなにデカい虫を食べたらお腹が痛くならないか心配である。
シリウスには悪いが、帰ったら娘たちに褒めてあげるようにお願いしておくから、よろしく頼む。
シリウスからしたら、俺たちがなんでこんなことに悩んでいるのか全く分かっていないが、お願いされたからには全力を尽くして、褒めてもらおうとヤル気をみなぎらせている。
次の日、朝一番でシリウスが行動を起こす。
「GURUAAAAA」
小さい体からどれだけ大きな音を出すのかと、ビビったしまった。
そして、リバイアサンが水を司る神と言ってもいい光景を目の当たりにする。
シリウスの周りに、こぶし大の水が数十個と現れる。その全てから、レーザーと見間違うような直線でウミムシたちに殺到する。
戦闘が始まって3秒……沈没船の甲板の上で動いているのは、シリウスだけだった。
「ちょっと、強すぎねえか?」
「さすがに、水魔法であの威力は、おかしいと思います。どんな使い方をしたのでしょうか?」
そう、魔法の威力がおかしかったのだ。ウミムシとはいえ、Lv800の魔物に貫通してダンジョンの一部を削っているのだ。俺もライムもその光景に混乱していた。
その混乱を感じ取ったのか、シェリルたちを通してどんな魔法を使ったのか教えてくれた。
その内容は、水深80000メートルの圧力をかけ撃ち出したらしい。うん、よく分からん。凄い圧力だということしかわからん。
マッスルスーツの元ネタになった漫画の、超古代文明の思考型プログラムが作り出したマシンが、確か水深8000メートルで筋肉スーツを撃ち抜いていたから、それの10倍? ってどれだけの威力なの?
わからんわ!
「お兄ちゃん、混乱している場合じゃないです。早く進まないと!」
ネルが混乱している俺に、現実に戻ってくるように声をかけてきた。確かに、混乱している場合じゃない。
「みんな、移動する準備を開始するぞ!」
ブラウニーたちに移動してもらって、船を出してもらわないとな。そうしないと、移動もできない。ブラウニーたちもさすがにこんなに早く終わると思っていなかったのか、ちょっとくつろいでいる様子が見られたので、慌てて準備をしてもらっている。
シリウスには、51階からずっと海中の中を調べてもらっているからな……かなり無理をさせている気がするんだけど、シリウスを見ても疲れている様子が無いんだよな。なんなのだろうか?
撫でられているシリウスにステーキを与えておこう。こいつは、ある程度食べれば満足するのだが、元の姿があれなのでいくらでも食べることができる。胃の中はあの巨体に繋がっているのだろう。
勢いよく食べるのは良いけど、シェリルたちに汁を飛ばすなよ?
準備ができたので、みんなで乗り込んでいく。これからのコースの確認をしながら、船を進める。そして、今日の2つ目の問題なのが、到達予想地だ。
今までは夜営地として使える沈没船があったのだが、今日はどう考えても無理な状況だった。いや、1階上の階段を降りたあたりにはあるのだが、その地点まで移動しようとすれば3時間強はかかるだろう。強引に進む場合は、2時間は先になってしまう。
そんな理由もあり、今日は船で寝泊まりすることになっている。
昼が過ぎ俺は、次のことを考えていた。
「75階があれだったってことは、100階は……うげえ、気分が悪くなるな」
先程シリウスが戦った巨大ウミムシを思い出して、げんなりしてしまった。だって、パターン的に25階がブラッドリーレイス、50階がデッドリーレイスで種族が同じだった。それを考えると、75階が巨大ウミムシ、100階は超巨大ウミムシの可能性が……
とりあえず、このダンジョンが102階までしかないことは確認できているのだ。神のダンジョンを考えると、100階で中ボス、101階でラスボス、102階にコアルームということになるはずなのだ。
降りていくのが憂鬱になるが、娘たちからの期待の眼差しを毎日受けている身としては、行かないという選択肢はあり得ない。嫌でも頑張らないと「とーたん、ウソつき! 嫌い!」とか言われかねん。
シリウス、次も任せるかもしれないが、よろしく頼む。
最初は、クロやギンが鼻息を荒くしていたが、出てきた中ボスの姿形を聞いて、あからさまにやる気が萎えていた。俺の知識や記憶をある程度受け継いでいる、召喚された従魔たちは少なからず俺の影響を受ける傾向にある。
戦うことに忌避を覚えるわけではないが、戦った後、俺にどう思われるかを察してヤル気が萎えたようだ。だって、あんな奴らを相手にした爪や牙には、しばらく触りたくないだろ? 毛皮にだってつくかもしれないし、ブラッシングもしばらくは無理だな。
それなら! と、ニコたちスライムがアピールしてきたが、お前たちって攻撃手段あるの? って聞いたら、体当たりと触手の鞭、魔法、溶解液、体内で溶かす、と言ってきたので、却下した。
じゃぁ聖獣の3匹はどうするか聞いたら、ブラッシングが無くなるなら戦わないと、胸を張って応えてきた。
戦いたくない理由ではなく、戦った後の理由で戦闘を回避するおかしな感じになってしまった。これって、勝つ事前提で話が進んでいる証拠である。
なので、白羽の矢が立ったのは、シリウスである。こいつは基本的に俺じゃなくて、娘たちや年少組のメンバーに可愛がってもらえれば気にしないらしい。俺の従魔なのにな! 本当にこういうやつが多くて困る。
シリウスが水魔法でどうにもできなかったら、人造ゴーレム部隊。人造ゴーレム部隊で時間がかかるようなら、シリウスが元の大きさに戻って奴らを飲み込むと言う話になった。
ウミムシを魚が食う事だってあるだろうし、シリウスが海の魔物なので気にする必要は無いと思うが、正直あんなにデカい虫を食べたらお腹が痛くならないか心配である。
シリウスには悪いが、帰ったら娘たちに褒めてあげるようにお願いしておくから、よろしく頼む。
シリウスからしたら、俺たちがなんでこんなことに悩んでいるのか全く分かっていないが、お願いされたからには全力を尽くして、褒めてもらおうとヤル気をみなぎらせている。
次の日、朝一番でシリウスが行動を起こす。
「GURUAAAAA」
小さい体からどれだけ大きな音を出すのかと、ビビったしまった。
そして、リバイアサンが水を司る神と言ってもいい光景を目の当たりにする。
シリウスの周りに、こぶし大の水が数十個と現れる。その全てから、レーザーと見間違うような直線でウミムシたちに殺到する。
戦闘が始まって3秒……沈没船の甲板の上で動いているのは、シリウスだけだった。
「ちょっと、強すぎねえか?」
「さすがに、水魔法であの威力は、おかしいと思います。どんな使い方をしたのでしょうか?」
そう、魔法の威力がおかしかったのだ。ウミムシとはいえ、Lv800の魔物に貫通してダンジョンの一部を削っているのだ。俺もライムもその光景に混乱していた。
その混乱を感じ取ったのか、シェリルたちを通してどんな魔法を使ったのか教えてくれた。
その内容は、水深80000メートルの圧力をかけ撃ち出したらしい。うん、よく分からん。凄い圧力だということしかわからん。
マッスルスーツの元ネタになった漫画の、超古代文明の思考型プログラムが作り出したマシンが、確か水深8000メートルで筋肉スーツを撃ち抜いていたから、それの10倍? ってどれだけの威力なの?
わからんわ!
「お兄ちゃん、混乱している場合じゃないです。早く進まないと!」
ネルが混乱している俺に、現実に戻ってくるように声をかけてきた。確かに、混乱している場合じゃない。
「みんな、移動する準備を開始するぞ!」
ブラウニーたちに移動してもらって、船を出してもらわないとな。そうしないと、移動もできない。ブラウニーたちもさすがにこんなに早く終わると思っていなかったのか、ちょっとくつろいでいる様子が見られたので、慌てて準備をしてもらっている。
シリウスには、51階からずっと海中の中を調べてもらっているからな……かなり無理をさせている気がするんだけど、シリウスを見ても疲れている様子が無いんだよな。なんなのだろうか?
撫でられているシリウスにステーキを与えておこう。こいつは、ある程度食べれば満足するのだが、元の姿があれなのでいくらでも食べることができる。胃の中はあの巨体に繋がっているのだろう。
勢いよく食べるのは良いけど、シェリルたちに汁を飛ばすなよ?
準備ができたので、みんなで乗り込んでいく。これからのコースの確認をしながら、船を進める。そして、今日の2つ目の問題なのが、到達予想地だ。
今までは夜営地として使える沈没船があったのだが、今日はどう考えても無理な状況だった。いや、1階上の階段を降りたあたりにはあるのだが、その地点まで移動しようとすれば3時間強はかかるだろう。強引に進む場合は、2時間は先になってしまう。
そんな理由もあり、今日は船で寝泊まりすることになっている。
昼が過ぎ俺は、次のことを考えていた。
「75階があれだったってことは、100階は……うげえ、気分が悪くなるな」
先程シリウスが戦った巨大ウミムシを思い出して、げんなりしてしまった。だって、パターン的に25階がブラッドリーレイス、50階がデッドリーレイスで種族が同じだった。それを考えると、75階が巨大ウミムシ、100階は超巨大ウミムシの可能性が……
とりあえず、このダンジョンが102階までしかないことは確認できているのだ。神のダンジョンを考えると、100階で中ボス、101階でラスボス、102階にコアルームということになるはずなのだ。
降りていくのが憂鬱になるが、娘たちからの期待の眼差しを毎日受けている身としては、行かないという選択肢はあり得ない。嫌でも頑張らないと「とーたん、ウソつき! 嫌い!」とか言われかねん。
シリウス、次も任せるかもしれないが、よろしく頼む。
0
あなたにおすすめの小説
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる