1,591 / 2,518
第1591話 あっけなく
しおりを挟む
「いろいろ試してみたけど、結構手詰まり感が強いわね」
よく考えると、このサイズになると亀の天敵っていないっぽいんだよね。やるとすれば、亀以上の戦闘力のある魔物をぶつけるしかなさそうな気がする。
「いっそのこと、3式に装備できるパイルバンカーを作ってみるのはどうっすか?」
「パイルバンカーを使えるようにって、床や壁に押し込んでから使ったとしても、体が固定できないから無理じゃないか?」
「アームで抱え込んでも、力が足りなくて無理でしょ?」
「多分そうでござるな。アームは頑丈に作っているでござるが、抱え込むような力はあるか微妙でござるな」
「えっと、何で抱え込むとか押し付けるというのが前提なんですか? あのゲームはそんなことしてないっすよね?」
「あれはゲームだからな。それに重い機体が地上で使ってるからな、踏ん張りもあるしな。今回は水の中で浮力もあるし、踏ん張りも全くきかないからパイルバンカーは厳しいんじゃないか?」
「それなんすけど、パイルバンカーを固定する器具も合わせて作るのはどうっすか?」
「んあ? どういうことだ」
「あのゲームのパイルバンカーは、殴りつけたり重さでなんとかしてると思うっすけど、今回はイメージ的にっすけど、工事現場的な感じでパイルバンカーを固定する専用の器具を、合わせて作るのはどうっすか?」
言われていることの意味が分からなかったので、絵に書き起こしてもらってやっと理解することができた。
爪のような道具で対象を固定して、そこにパイルバンカーを打ち込むという形だ。上手い表現ができないが、鉤爪でパイルバンカーの本体を固定して、体の重さなどは関係なく鉤爪で対象を捕まえれば確実に杭を叩き込める。
「なるほどな、でもアームで無理だから鉤爪って言ってもな、いけるのか?」
「そこは、ラチェット機構を使ってみてはどうっすか? あれなら、特定の動作をしないと一度ロックしてしまえば、機構が壊れでもしない限り外れないっすよ」
ラチェット機構というものが分からなかったので説明を聞いた。工具とかでよく見かける、一定方向に回し続ける奴に使われている機構とのことだ。
確かにあれなら、一度捕まえてしまえば何とかなるかもしれないな、捕まえられればな。
「そこは、何人もS級スケルトンがいるっすから、連携してやるしかないんじゃないっすか? 他に方法があるのなら、それの方がいいと思うっすけど」
「ん~、取れる選択肢が少ないんだよな。この亀、異常に硬すぎんだよ。それにパイルバンカーでこの甲羅って貫けるのか?」
「そこは、何度も同じ場所に打ち込めるんですから、大丈夫じゃないっすか? 捕まえられればっすけど」
「結局、そこだよな。それに、パイルバンカー自体は簡単に小型化できるけど、問題は小型化したからと言って、ラチェット機構をつけて亀を捕らえられるだけのサイズにすると、体と同じくらいにでかくなるんじゃないか?」
「そうでござるな。鉤爪をどうするかにもよるでござるが、小型化しすぎると威力が出ないでござる」
使えるか使えないかはともかく、バックアームも使って保持するような形にしてみた。パイルバンカー自体がかなり重くなってしまったので、バックアームを広げて地面に突き立てないと歩行ができないくらいにバランスが悪くなった。
「作ってみてあれだけど、これって使えるのか?」
「亀には悪いでござるが、実験するでござる」
試作品ができたのは、ダンジョンバトルが始まって1日半が経過した頃だった。朝の9時頃から始まったので、今は大体夜の9時くらいだ。
「その前に飯にしよう。腹減った。健司、飯の時に今までのダンジョンバトルの簡単な流れを説明してくれ」
「了解っす」
ブラウニーたちが準備してくれていた食事をモリモリと食べながら、健司が今までの流れを説明してくれた。
昨日の夜の段階で、2人のダンジョンマスターが試合の棄権を申し出ていたようだ。俺が攻めてこないと感じた残りのダンジョンマスターたちは、無理に攻めるようなことはせず力を蓄えているのではないだろうか?
ダンジョンバトルの最中でも、普通にダンジョンの運営はできるし魔物のレベルはあげられるからな。
今日は朝から今まで特に目立った戦闘は無い。
以上報告終了、早すぎんだろ!
「あの、ここまで準備しておいてどうかと思うっすが、亀の対策を立てるよりダンジョンを攻略してしまった方が早いんじゃないっすか?」
「そういえば、売り言葉に買い言葉、みたいな感じになったでござるが、煽られて向こうの思惑に乗るのが嫌で時間をかけて戦おうとしてたござるな」
「そうだな。なんでかすぐに終わらせたら負け、みたいな感じになったから攻めてないんだったよな。よし、健司の意見を採用だ。パイルバンカーを作っておいてなんだが、あれは使い物にならんだろ? 硬い岩盤を打ち抜くくらいにしか使えんだろうし、今回は放置だ!」
「その硬い岩盤も、それなりにレベルの高い人間が頑丈なツルハシを振るえば、簡単に岩盤を壊せるんだけどね」
「それは言わない約束だ。ご飯を食べたら、一気に攻勢に出よう。予備に置いておいたS級スケルトンも全部出す勢いで、一気に侵攻するぞ!」
急いでいるような雰囲気を出したのだが、飯が美味かったのでのんびりと食事をしてから移動した。
そこからは、神たちが期待するような娯楽としてのダンジョンバトルではなく、チビ神が喜びそうなダンジョンバトルの流れとなった。
閉じこもって侵攻してこないと踏んだダンジョンマスターたちは、慌てたことだろう。いきなり自分のダンジョンにSランク相当のスケルトンたちが1ダース単位で侵攻してきたのだ。
武器はまともなものが無かったので、召喚したアダマンタイトの棒を持たせて侵攻させている。あれだけ硬くて重ければ立派な武器だ。
面白いほど簡単に敵のダンジョンを蹂躙して進んでいく。
他のダンジョンマスターと組んでいる可能性があると思っていた奴だけは、他の奴らに比べて多少強かったと思う程度だった。
最後までランカーが誰なのか分からず、ダンジョンバトルに幕が下りた。
よく考えると、このサイズになると亀の天敵っていないっぽいんだよね。やるとすれば、亀以上の戦闘力のある魔物をぶつけるしかなさそうな気がする。
「いっそのこと、3式に装備できるパイルバンカーを作ってみるのはどうっすか?」
「パイルバンカーを使えるようにって、床や壁に押し込んでから使ったとしても、体が固定できないから無理じゃないか?」
「アームで抱え込んでも、力が足りなくて無理でしょ?」
「多分そうでござるな。アームは頑丈に作っているでござるが、抱え込むような力はあるか微妙でござるな」
「えっと、何で抱え込むとか押し付けるというのが前提なんですか? あのゲームはそんなことしてないっすよね?」
「あれはゲームだからな。それに重い機体が地上で使ってるからな、踏ん張りもあるしな。今回は水の中で浮力もあるし、踏ん張りも全くきかないからパイルバンカーは厳しいんじゃないか?」
「それなんすけど、パイルバンカーを固定する器具も合わせて作るのはどうっすか?」
「んあ? どういうことだ」
「あのゲームのパイルバンカーは、殴りつけたり重さでなんとかしてると思うっすけど、今回はイメージ的にっすけど、工事現場的な感じでパイルバンカーを固定する専用の器具を、合わせて作るのはどうっすか?」
言われていることの意味が分からなかったので、絵に書き起こしてもらってやっと理解することができた。
爪のような道具で対象を固定して、そこにパイルバンカーを打ち込むという形だ。上手い表現ができないが、鉤爪でパイルバンカーの本体を固定して、体の重さなどは関係なく鉤爪で対象を捕まえれば確実に杭を叩き込める。
「なるほどな、でもアームで無理だから鉤爪って言ってもな、いけるのか?」
「そこは、ラチェット機構を使ってみてはどうっすか? あれなら、特定の動作をしないと一度ロックしてしまえば、機構が壊れでもしない限り外れないっすよ」
ラチェット機構というものが分からなかったので説明を聞いた。工具とかでよく見かける、一定方向に回し続ける奴に使われている機構とのことだ。
確かにあれなら、一度捕まえてしまえば何とかなるかもしれないな、捕まえられればな。
「そこは、何人もS級スケルトンがいるっすから、連携してやるしかないんじゃないっすか? 他に方法があるのなら、それの方がいいと思うっすけど」
「ん~、取れる選択肢が少ないんだよな。この亀、異常に硬すぎんだよ。それにパイルバンカーでこの甲羅って貫けるのか?」
「そこは、何度も同じ場所に打ち込めるんですから、大丈夫じゃないっすか? 捕まえられればっすけど」
「結局、そこだよな。それに、パイルバンカー自体は簡単に小型化できるけど、問題は小型化したからと言って、ラチェット機構をつけて亀を捕らえられるだけのサイズにすると、体と同じくらいにでかくなるんじゃないか?」
「そうでござるな。鉤爪をどうするかにもよるでござるが、小型化しすぎると威力が出ないでござる」
使えるか使えないかはともかく、バックアームも使って保持するような形にしてみた。パイルバンカー自体がかなり重くなってしまったので、バックアームを広げて地面に突き立てないと歩行ができないくらいにバランスが悪くなった。
「作ってみてあれだけど、これって使えるのか?」
「亀には悪いでござるが、実験するでござる」
試作品ができたのは、ダンジョンバトルが始まって1日半が経過した頃だった。朝の9時頃から始まったので、今は大体夜の9時くらいだ。
「その前に飯にしよう。腹減った。健司、飯の時に今までのダンジョンバトルの簡単な流れを説明してくれ」
「了解っす」
ブラウニーたちが準備してくれていた食事をモリモリと食べながら、健司が今までの流れを説明してくれた。
昨日の夜の段階で、2人のダンジョンマスターが試合の棄権を申し出ていたようだ。俺が攻めてこないと感じた残りのダンジョンマスターたちは、無理に攻めるようなことはせず力を蓄えているのではないだろうか?
ダンジョンバトルの最中でも、普通にダンジョンの運営はできるし魔物のレベルはあげられるからな。
今日は朝から今まで特に目立った戦闘は無い。
以上報告終了、早すぎんだろ!
「あの、ここまで準備しておいてどうかと思うっすが、亀の対策を立てるよりダンジョンを攻略してしまった方が早いんじゃないっすか?」
「そういえば、売り言葉に買い言葉、みたいな感じになったでござるが、煽られて向こうの思惑に乗るのが嫌で時間をかけて戦おうとしてたござるな」
「そうだな。なんでかすぐに終わらせたら負け、みたいな感じになったから攻めてないんだったよな。よし、健司の意見を採用だ。パイルバンカーを作っておいてなんだが、あれは使い物にならんだろ? 硬い岩盤を打ち抜くくらいにしか使えんだろうし、今回は放置だ!」
「その硬い岩盤も、それなりにレベルの高い人間が頑丈なツルハシを振るえば、簡単に岩盤を壊せるんだけどね」
「それは言わない約束だ。ご飯を食べたら、一気に攻勢に出よう。予備に置いておいたS級スケルトンも全部出す勢いで、一気に侵攻するぞ!」
急いでいるような雰囲気を出したのだが、飯が美味かったのでのんびりと食事をしてから移動した。
そこからは、神たちが期待するような娯楽としてのダンジョンバトルではなく、チビ神が喜びそうなダンジョンバトルの流れとなった。
閉じこもって侵攻してこないと踏んだダンジョンマスターたちは、慌てたことだろう。いきなり自分のダンジョンにSランク相当のスケルトンたちが1ダース単位で侵攻してきたのだ。
武器はまともなものが無かったので、召喚したアダマンタイトの棒を持たせて侵攻させている。あれだけ硬くて重ければ立派な武器だ。
面白いほど簡単に敵のダンジョンを蹂躙して進んでいく。
他のダンジョンマスターと組んでいる可能性があると思っていた奴だけは、他の奴らに比べて多少強かったと思う程度だった。
最後までランカーが誰なのか分からず、ダンジョンバトルに幕が下りた。
0
あなたにおすすめの小説
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
スキル【レベル転生】でダンジョン無双
世界るい
ファンタジー
六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。
そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。
そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。
小説家になろう、カクヨムにて同時掲載
カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】
なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる