ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,703 / 2,518

第1703話 準備が進む

しおりを挟む
 グリエルたちが戻ってくるのを待っていると、違う人物が執務室へやってきた。

「シュウ様、軍を動かす準備が終わりました。いつでも出発が可能です」

「出発? もしかして、レイリーたちが援軍で行くのか? 準備が終わるの早くね? 事後処理の方は……冒険者と副官に任せたんだっけ?」

「私たちは、シュウ様に連絡がいくのと同時位に、いつでも軍を動かせるようにと連絡が来ていましたので、そこまで早くはないと思います。副官の1人は、今も向こうで頑張ってますよ。何ヶ国目かはわかりませんが、よくやってくれています」

「なるほど……で、レイリーたちが行くのか?」

「一応行く予定ですが、私たちはディストピアの軍なので、領主の許可が無ければ出動できないので許可をいただきに来ました」

「そういうことか。えっと、グリエルたちは準備するように言ったんだよな? じゃぁ、許可するけど、死ぬことだけは許さんからな。絶対に全員で生きて帰って来いよ。目の前で助けられる命があっても、自分たちが優先だ。そこだけは間違うなよ」

「了解いたしました。これからディストピア軍は、フレデリクへ向かい可能な範囲で、難民や可能な限り人命を救ってまいります」

 レイリーらしい宣言だな。

 助けるのが俺たちの街の人間じゃないから、死んでも助けろなんて命令は出すつもりも無いしな。いや、街の人間でも自分たちの命を天秤にかけて助けろとは言わないな。

 本当の軍隊なら、上官の命令次第では自分の命を捨てても助ける必要があるんだけどね。

 確か何かのテレビで見たことあるけど、軍隊ではどんなに間違った命令でも従う必要があるのだとか。抗命権はあるらしいのだが、軍法会議に送られるだけなのだとか。

 戦争は普通ならありえない殺人を肯定する軍事行動なのだ。殺人をするということは、常人には計り知れないストレスとなり、それを軽減するための命令であったりするのだが、間違った命令を下す上司が信用できないのであれば、自分が上に行き間違った命令を兵士が受ける必要がない状況を作れ!とか、言ってたお偉方がいたっけな?

 俺の管理している軍以外では、命令順守なんだろうなって、俺の軍も命令順守ではあるが、生きて帰れ! とか、自分が優先であるからノーカンだな。

 レイリーはすぐに行動へ移し、魔導列車でフレデリクへ出発する様だ。

 おっと、輜重兵、兵糧とかは大丈夫なのか? フレデリクの食糧生産は多少落ちていたけど、過剰な食糧はどの位あるんだ? グリエルたちに確認するよりは、直接確認する方がいいか。

 フレデリクの領主代行に連絡をすると、支援として売り出しているので、現状ではそこまで余裕はないそうだ。となると、こちらから運んでいく必要があるな。レイリーたちはもう出発してしまったみたいだが、食料はもって行ってるのだろうか?

 収納系の時間が止まるアイテムを使うなら、大量にあっても問題は無いよな。追加で食料を送り出すことにしよう。

 こういう時に連絡を取るのは、年少組の妻たちだな。色々な所で頑張っている彼女たちなら、食料の把握をしているからな。後、同時にダンジョン農園を管理しているブラウニーたちにも連絡を入れる。

 シェリルの話だと、野菜は余剰分はほとんどが輸出されているため、ほとんど在庫は無いのだとか。もうすぐ収穫の野菜はあるが、早採りになってしまうのと収穫量が多少減ってしまうので、野菜系は難しいと言われてしまった。

 次にソフィーの話だが、海産物系はかなり余裕があるらしい。もともと加工する前に生け簀などに魚を入れて置き、そこから取り上げて新鮮な物を捌いて加工するので、生け簀に入っている魚がたくさんあると言っていた。

 でも、魚はそのままより加工品の方が助かるので、どの位持っていく事が可能か聞いてみると、予想以上に備蓄があってびっくりした。

 魚の加工品は、ディストピアとゴーストタウンでしか基本的に消費されないので、加工済みの魚介類が収納アイテムの中に保存されているのだとか。もともと長持ちさせるための干物などの加工品だが、収納アイテムに大量に保管しているので、腐る心配なく保存できているみたいだな。

 DPで収納アイテムが出せなかったら、どう考えてもあり得ない使い方だよな。

 ダンジョン農園は、いつもの通り過剰分は収納アイテムに保管しており、結構な量が保管されているのだとか。

 とりあえず、出動した軍の兵士が、約500人? あれ、兵士の数増えてね? そんなに多くなかった気がするんだけど、住人も増えたから兵士の数も増えたのかな?

 給料なども問題なく払えているからいいけど、まだまだ増えるのかな?

 一先ず、500人が半年分くらい活動できる食料を準備しておくか。おそらく、保護する難民等に食事を提供することもあるだろうから、こんなもんだろう。足りなくなる前に連絡をしてくれれば、いつでも送り出せるからな。最悪ゲートで持ってけばいいし、大丈夫だろう。

 そんな事をしていると、グリエルたちが戻ってきた。

 自分たちが手配しようとしていた食料がすでに手配済みといわれて、慌てて俺に確認に来たようだ。

 自分たちもそこまで時間をかけて連絡をしたわけでは無いのに、どうやって手配したのかを聞かれてしまった。

 少し話を聞いて分かったが、グリエルたちは予算を気にして、担当者に確認して手配という流れになるのに対して、俺は直接管理している場所へ連絡を入れて食料を確保するため、圧倒的に俺の方が早いということだ。

 しかも俺なら、予算を気にすることなく物資を動かせる所にも差が出る原因がある。暴君かよ! って思うけど、この街の大半の食材は俺の管理下にあるため可能な流れなのだ。

 そう言われて気付いたが、俺ってお金を気にせずに物資をガンガン動かしてたな。もう少し考える必要があるか? いや、動かした分は現物やお金で補てんしているからセーフだよな?

 グリエルたちからすれば、予算を気にせずに早く動かせるのは助かるのだが、裏方のようなことを領主の俺に、やらせてしまったことを申し訳なく何度も謝られた。

 この程度だったらどんどん回してもらってもいいんだけど、グリエルたちに言わせればよろしくないんだとさ。だったら、前線に出て指揮をすると言ったら、妻を呼ぶと言われたので大人しくすることにした。

 前線に出れないんだから、裏方の仕事位はするのにな。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

スキル【レベル転生】でダンジョン無双

世界るい
ファンタジー
 六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。  そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。  そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。 小説家になろう、カクヨムにて同時掲載 カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】 なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...