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第1742話 最凶の選択
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「お前たちに次は無い!」
「あぁ!? 何だお前? コスプレでもしてんのか? だっさい鎧着て何がしたいんだ? まぁいい。こっちはイライラしてんだ、八つ当たりに俺にぶっ殺されろ!」
「救いようのないバカって本当にいるんだな。お前らって、強くなるまでに人と戦った事ないだろ? いつも勇者補正の付く魔物としか戦ってなくて、ステータスが高くなってから補正の無い人間と戦ったんじゃないか? いや、もしかしたらまともに人間と戦ったことがないのかもな、哀れだ」
「ふかしてんじゃねーぞ! 人間なら今までに何人も殺してきた。クソみたいな貴族やそいつらに仕えている騎士たちを山のようにな! お前みたいなコスプレ野郎、ひとひねりだっつーの!」
「お前らが貴族が嫌いなのは分かった。だから質問しよう。悪い貴族や騎士を排除した後、お前らはその街や領地をどうしたんだ? そもそも何のために貴族や騎士を排除したんだ?」
「どうもしねえよ。そこに住む人間たちのしたいようにすればいい。俺たちは、そこに住む人たちのために、悪政をしている貴族と騎士を殺したに過ぎない」
「度し難いバカだな。殺した後に統治するものがいなければ、一番迷惑を被るのはそのに住む住人たちなのにな。よりにもよってすべて丸投げとは、悪政をしている貴族たちより質が悪い」
「ふざけた事ぬかしてると、殺すぞ!」
「お前の言動は、いちいちアホくさいな。どこのチンピラだよ。ふざけた事を言おうが言うまいが、俺の事を殺そうとしているくせにな……
統治していた貴族や領主が街からいなくなったとしよう。その街を守るのは誰だ? 悪政をしていたとしても、守っていたのは貴族や領主、騎士たちだぞ。その者たちがいなくなれば、街は犯罪だらけになるだろうな。取り締まる人間がいないんだからな。
この時考えられる結末は、3つかな? 1つ目は、犯罪組織などが街を牛耳る。2つ目は、街が滅びる。3つ目は、第三者の介入、近くの貴族や領主が新たに統治する。ぱっと思いつくのはこんなもんだな。
どれになっても、一番迷惑するのはそこに住んでいる人たちだ。お前たちの行った行為は、住んでいる人のためと言っても、結局は自分たちが暴れたかっただけだろ? 自分たちが正義だと信じて、悪政から解放した自分たちに酔ってるだけだろ?
本当にクズだな、お前ら。
お前らの罪を教えてやるよ。それは無知だ。無知と言っても、それ自体が罪じゃない。無知を自覚していないのが罪なんだよ! 自覚しているのなら学べる可能性はあるが、お前らのように無知を無知として自覚していない。そんな存在こそが罪なんだ」
「言いたいことはそれだけか? そろそろ死んでくれや、コスプレ野郎」
なんか冷静に見えるが、怒りが一周して表情がなくなった感じだな。コスプレじゃないんだけどな。
「ここに来た時点でお前らは負けてるんだよ。それを理解できないのは、格下としか戦っていないんだろうな。俺が目の前に現れているのに、負ける戦をするわけがないだろう」
「1人とチビ飛び蛇が1匹だけだろ、ふかしてんじゃね~よ。お前らもこいつ、殺していいと思うよな?」
仲間の勇者たちに声をかけて同意を得ると、武器を抜いた。
正直、敵同士なのに相対して武器を抜いていない時点で甘々である。俺も武器をかまえていないように見えるが、俺の装備している強化外骨格3式のバックアームは既に起動しているからな。いつでも攻撃を仕掛けられるぞ。
「だからお前らはバカなんだよ。相対しているのに敵の強さが分からないのか? 感覚で強さを感じないから、自分たちより弱いと判断するのは愚か者だぞ。お前らの目の前にいる、飛び蛇といったこいつだけどな、この世界の最強の一角だぞ」
「ぶはぁっ! そんなチビ助が世界最強の一角だと? 寝言は寝てから言え。そいつが世界最強だというなら、俺たちは天変地異を起こせるだろうな! さて、くだらないはな「おい! 喋ってないで、その蛇を殺せ!」……あぁ? 何言ってんだよ、ただの飛び蛇だろ!」
「お仲間さんは気付いたようだな。シリウス、本来の姿に戻っていいぞ。ダゴンたち、シリウスと俺の補助を頼むぞ」
俺がそういうと、シリウス君が本来の姿に戻る。どれだけデカいのか分からないが、体当たりされて壁に押し付けられたら、ペシャンコになりそうだな。実際には耐久度次第では原形を保つが、壁がえぐれるだろう。
勇者たちの顔が驚愕に染まる。
「俺の部下の腕をよくも切り飛ばしてくれたな。生かして返すつもりはないから覚悟しろよ。蛇だ蛇だと言っていたこいつだが、海の王者リヴァイアサンだ。水の中では無類の強さを発揮する。この意味が分かるか? では始めようか……鏖殺だ」
何かをしようとしている勇者たちを無視して、シリウス君とダゴンにこの部屋を水で満たすように指示を出す。
俺専用に改良している強化外骨格3式に酸素ボンベはついていないが、体と強化外骨格の間にある隙間を利用して、呼吸のできる空気に変換する魔核が埋め込まれている。これによって俺は、水中での長時間の活動が可能になる。
さて、この部屋がすべて水で埋め尽くされた。
俺は魔法で水を振動させて、勇者たち9人に声を伝える。普通なら不可能だが、魔法ってすごいよね。自ら骨に振動を与えて声を伝えられるんだよね。骨伝導って奴を水を介して出来るんだから、驚きである。
『かつて、俺が弱かった時に殺されかけた奴は、レベル700程だった。そいつでも、10分しか持たなかったリヴァイアサンに、どれだけ耐えてくれるかな? 君たちの方がレベルは高いけど、頑張ってくれたまえ』
ふむ、相手の魔法使い、思ったより出来るな。とっさに水魔法を使い、自分たちの周りの水流をコントロールしている。
だけど、それだけじゃ寿命が縮んでいくだけだぞ。
風魔法では空気を生み出せない。土や火や水は生み出せるのに、なぜか風だけは空気を生み出せないのだ。じゃぁ。雷魔法で水を電気分解すれば、と思うかもしれないが、体を包む空気を確保できても、その中で呼吸を続ければ死に至るだろう。
そもそも、水を電気分解した空気だけで生きていけるか分からないが、時間が経てば二酸化炭素が増えていき、濃度が高くなるにつれて体に影響が出始める。そしていずれ死に至る。
本当に命の軽い世界だな。今まで数えきれないくらい人を殺してきている俺が言うのも変だが、本当に腐った世界だと思うよ。神がそれを煽ってるんだから救いようがない。
そんな事はどうでもいいか。目の前の敵は殺す。それだけだな。
君たちは、苦しんで死ぬのと、苦しまずに死ぬ、どちらが好みなのでしょうかね?
「あぁ!? 何だお前? コスプレでもしてんのか? だっさい鎧着て何がしたいんだ? まぁいい。こっちはイライラしてんだ、八つ当たりに俺にぶっ殺されろ!」
「救いようのないバカって本当にいるんだな。お前らって、強くなるまでに人と戦った事ないだろ? いつも勇者補正の付く魔物としか戦ってなくて、ステータスが高くなってから補正の無い人間と戦ったんじゃないか? いや、もしかしたらまともに人間と戦ったことがないのかもな、哀れだ」
「ふかしてんじゃねーぞ! 人間なら今までに何人も殺してきた。クソみたいな貴族やそいつらに仕えている騎士たちを山のようにな! お前みたいなコスプレ野郎、ひとひねりだっつーの!」
「お前らが貴族が嫌いなのは分かった。だから質問しよう。悪い貴族や騎士を排除した後、お前らはその街や領地をどうしたんだ? そもそも何のために貴族や騎士を排除したんだ?」
「どうもしねえよ。そこに住む人間たちのしたいようにすればいい。俺たちは、そこに住む人たちのために、悪政をしている貴族と騎士を殺したに過ぎない」
「度し難いバカだな。殺した後に統治するものがいなければ、一番迷惑を被るのはそのに住む住人たちなのにな。よりにもよってすべて丸投げとは、悪政をしている貴族たちより質が悪い」
「ふざけた事ぬかしてると、殺すぞ!」
「お前の言動は、いちいちアホくさいな。どこのチンピラだよ。ふざけた事を言おうが言うまいが、俺の事を殺そうとしているくせにな……
統治していた貴族や領主が街からいなくなったとしよう。その街を守るのは誰だ? 悪政をしていたとしても、守っていたのは貴族や領主、騎士たちだぞ。その者たちがいなくなれば、街は犯罪だらけになるだろうな。取り締まる人間がいないんだからな。
この時考えられる結末は、3つかな? 1つ目は、犯罪組織などが街を牛耳る。2つ目は、街が滅びる。3つ目は、第三者の介入、近くの貴族や領主が新たに統治する。ぱっと思いつくのはこんなもんだな。
どれになっても、一番迷惑するのはそこに住んでいる人たちだ。お前たちの行った行為は、住んでいる人のためと言っても、結局は自分たちが暴れたかっただけだろ? 自分たちが正義だと信じて、悪政から解放した自分たちに酔ってるだけだろ?
本当にクズだな、お前ら。
お前らの罪を教えてやるよ。それは無知だ。無知と言っても、それ自体が罪じゃない。無知を自覚していないのが罪なんだよ! 自覚しているのなら学べる可能性はあるが、お前らのように無知を無知として自覚していない。そんな存在こそが罪なんだ」
「言いたいことはそれだけか? そろそろ死んでくれや、コスプレ野郎」
なんか冷静に見えるが、怒りが一周して表情がなくなった感じだな。コスプレじゃないんだけどな。
「ここに来た時点でお前らは負けてるんだよ。それを理解できないのは、格下としか戦っていないんだろうな。俺が目の前に現れているのに、負ける戦をするわけがないだろう」
「1人とチビ飛び蛇が1匹だけだろ、ふかしてんじゃね~よ。お前らもこいつ、殺していいと思うよな?」
仲間の勇者たちに声をかけて同意を得ると、武器を抜いた。
正直、敵同士なのに相対して武器を抜いていない時点で甘々である。俺も武器をかまえていないように見えるが、俺の装備している強化外骨格3式のバックアームは既に起動しているからな。いつでも攻撃を仕掛けられるぞ。
「だからお前らはバカなんだよ。相対しているのに敵の強さが分からないのか? 感覚で強さを感じないから、自分たちより弱いと判断するのは愚か者だぞ。お前らの目の前にいる、飛び蛇といったこいつだけどな、この世界の最強の一角だぞ」
「ぶはぁっ! そんなチビ助が世界最強の一角だと? 寝言は寝てから言え。そいつが世界最強だというなら、俺たちは天変地異を起こせるだろうな! さて、くだらないはな「おい! 喋ってないで、その蛇を殺せ!」……あぁ? 何言ってんだよ、ただの飛び蛇だろ!」
「お仲間さんは気付いたようだな。シリウス、本来の姿に戻っていいぞ。ダゴンたち、シリウスと俺の補助を頼むぞ」
俺がそういうと、シリウス君が本来の姿に戻る。どれだけデカいのか分からないが、体当たりされて壁に押し付けられたら、ペシャンコになりそうだな。実際には耐久度次第では原形を保つが、壁がえぐれるだろう。
勇者たちの顔が驚愕に染まる。
「俺の部下の腕をよくも切り飛ばしてくれたな。生かして返すつもりはないから覚悟しろよ。蛇だ蛇だと言っていたこいつだが、海の王者リヴァイアサンだ。水の中では無類の強さを発揮する。この意味が分かるか? では始めようか……鏖殺だ」
何かをしようとしている勇者たちを無視して、シリウス君とダゴンにこの部屋を水で満たすように指示を出す。
俺専用に改良している強化外骨格3式に酸素ボンベはついていないが、体と強化外骨格の間にある隙間を利用して、呼吸のできる空気に変換する魔核が埋め込まれている。これによって俺は、水中での長時間の活動が可能になる。
さて、この部屋がすべて水で埋め尽くされた。
俺は魔法で水を振動させて、勇者たち9人に声を伝える。普通なら不可能だが、魔法ってすごいよね。自ら骨に振動を与えて声を伝えられるんだよね。骨伝導って奴を水を介して出来るんだから、驚きである。
『かつて、俺が弱かった時に殺されかけた奴は、レベル700程だった。そいつでも、10分しか持たなかったリヴァイアサンに、どれだけ耐えてくれるかな? 君たちの方がレベルは高いけど、頑張ってくれたまえ』
ふむ、相手の魔法使い、思ったより出来るな。とっさに水魔法を使い、自分たちの周りの水流をコントロールしている。
だけど、それだけじゃ寿命が縮んでいくだけだぞ。
風魔法では空気を生み出せない。土や火や水は生み出せるのに、なぜか風だけは空気を生み出せないのだ。じゃぁ。雷魔法で水を電気分解すれば、と思うかもしれないが、体を包む空気を確保できても、その中で呼吸を続ければ死に至るだろう。
そもそも、水を電気分解した空気だけで生きていけるか分からないが、時間が経てば二酸化炭素が増えていき、濃度が高くなるにつれて体に影響が出始める。そしていずれ死に至る。
本当に命の軽い世界だな。今まで数えきれないくらい人を殺してきている俺が言うのも変だが、本当に腐った世界だと思うよ。神がそれを煽ってるんだから救いようがない。
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