1,757 / 2,518
第1757話 カエデとリンドの好物
しおりを挟む
いつもと変わらない日々を過ごしていたある日、朝起きると部屋の前にカエデとリンドが待っていた。
この2人が一緒にいるはよく見るが、朝早くに一緒にいるのは珍しいな。趣味というか鍛冶や物作りが2人の共通点だが……何の用だろうか?
「シュウ、そろそろいいと思うの!」
「いや、何が?」
「私たち我慢できない! そろそろ解禁して!」
「はぁ? 何の話だよ!」
「そろそろ、私たちのお酒造りを解禁してほしいの!」
「……?」
「シュウは、私たちに酒造りをさせてくれないじゃない? 今お酒造りはシルキーたちが主導してるでしょ? 私たちも、そろそろ自分たちのお酒を造りたいの!」
「……好きなことしていいって言ってるのに、何でわざわざ俺に聞く必要があるんだ? 作りたいなら作ればいいんじゃないか? 原料が足りないとか? 給料代わりのDPでいくらでも出してもらえるだろ?」
「え? お酒作っていいの? てっきりここではシルキーたちが作ってるから、私たちが作ってはいけないものだと思ってたわ。聖域みたいな扱いで、作ってはいけないものだと」
「そんなことないだろ。確かにディストピアの街では、シルキーたちが指導してブラウニーたちが中心に作業していたりするけど、ここじゃない……ゴーストタウンではバザールが作ってるし、他の街でも酒造りは禁止してないだろ?」
2人は沈黙して、お互い見つめ合っていた。
「2人が作りたいというなら、酒造りをするか! 明日からな!」
「「なんで今日じゃないの!?」」
「実はさ、明日からしばらく休みなんだよね。グリエルやガリアに、庁舎の職員たちも休暇を取っただろ? なら、俺も休みを取るべきだと言われてな、1週間ほど休んでくれと強制されている」
2人とも知らなかったという表情だ。妻たちには伝えていたはずなのだが……
「じゃぁ私は、ドワーフの爺様方に伝えてくるよ。明日はお祭りだね!」
リンドは足早に去っていった。朝食食べなくてもいいのか?
「これで、隠して育てていたブドウが無駄にならずにすんだわ!」
酒は造れないのに、ワインの原料のブドウは作ってたんかい! そういえば忘れがちだけど、カエデってハーフドワーフだったな。リンドもロリドワーフだから、すっかり忘れてたわ。ドワーフたちのお酒への執念を……
明日からの予定がなかったので、キャンプでもいいかなと思ってたが、娘たちも連れて物作り体験でもしようかな?
食堂へ行くと、子どもたちが一生懸命自分で、食事を食べている様子を見て、ちょっとほっこりした。
みんなに話してみると、上の子たちは新しいイベントとか遊びみたいに捉えて喜んでいた。下の子たちは、姉たちが喜んでいるのを見て一緒にテンションをあげている形だった。シンラたちにはまだわからんよな。
さて、明日から遊ぶために今日も一日頑張ろう。
明日から休みということで、多少仕事量が多かったが問題なく時間内に終わった。まぁ俺は街のトップであるので、もしグリエルたちで対応できなければ俺が出張らないといけないんだよね。
上位者は、いついかなる時も責務から逃げてはいけないと思うので、遠慮なく連絡をするように言いつけてある。俺にはゲートという手段があるので、秒で駆けつけることが可能であるのでどこにでも行けるけどな。
家に帰ると、子どもたちに出迎えられ、明日のことについて色々聞かれたが、カエデとリンドの好物を作りに行くんだよと、濁しておいた。
ルンルン気分の子どもたちは、夜も離れずに俺と一緒に寝ることとなった。
次の日、いつも以上に元気な子どもたちより、更に元気なのはカエデとリンド……と、後ろに大量に並んでいる、ビア樽ドワーフたちだ。うむ、お前たちを見ていると、ドワーフって感じがして安心するわ。
それにしても、結構大量に集まったな。この街のドワーフが全部集まってるんじゃねえか? おや? 見覚えのある老ドワーフたちにまじって、ゴーストタウンの領主代行までいるぞ!
となると、ここに集まったのは、ディストピアだけじゃなくゴーストタウンからも集まったってことだろうな。
理由はカエデたちと同じで、酒は自分たちで勝手に造ってはいけないと考えていたようだ。
酒への情熱がすごいね。飲むのも作るのも好きなんだな。
俺の周りで子どもたちが、頑張るぞーと声をあげている姿が微笑ましいな。
今日はワイン造りがメインらしい。まず移動したのが、畑エリアだ。200人以上の移動なので、街の人たちも何事かと見に来ていたが、大半がドワーフということで察してすぐに興味を失っていた。
さて、到着したのはいいが……
「広すぎねえか?」
前に孤児院の子たちと来たときより、かなり広がっていた。カエデたちは禁止されていたと勘違いしていたが、孤児院の子たちは職業訓練みたいなことで、ワイン作りをしていたっけ?
それにしてもあれだな、写真やテレビで見るようなブドウ畑が広がっている。しかも近くに小屋があるのが気になる。収穫の前に確認すると、頭が痛くなるほどの量のブドウが収納の箱に入っていた。この畑の何回分の収穫があるのだろう?
だと言うのに、目の前の畑は実りに実っている。ワームとドリアード、土精霊たちのドーピングで何度も収穫したのだろう。そして、酒造りの許可がもらえた時のために育てていたのだと分かった。
ただ、子どもたちには色々体験してもらいたいので、収穫からはじめることになった。
子どもたちは、母親に手伝ってもらいながら、ブドウの収穫を始めた。プラムたちも、抱っこをされながら取るブドウへ手を伸ばしてもらって掴むが、ちぎることが出来なくてブンブンふっていたのが印象的だ。
ふ~、ブドウって1房1房が結構重いんだな。水分を大量に含んでいる果物だけあるな。
子どもたちは20房ほど収穫して、満足した様子になっていた。
さて、次はどうするんだ?
大きな桶が運ばれてきて、カエデとリンドがホットパンツの理由が分かった、ブドウの破砕の段階を踏むという昔ながらの行程でやるようだ。
だけど、ちょっと待て、
「おい、死にぞこないの爺共、何てめーらも短パンになってるんだ?」
「死にぞこないは、あのハゲだけじゃ!」
「「「「「死にぞこないのハゲは、お前じゃ!」」」」」
「うっさいぞ! お前たち、全員ハゲで死にぞこないだろ! それより、短パンになった理由を簡潔に教えてくれ」
「決まってるじゃろが、ブドウを踏んで汁を出すんじゃよ」
そう言ってブドウの入った桶に近付いていくので、頭を鷲掴みにして後方へ放り投げる。少々乱暴だが、この爺共は戦闘鉱員もしていたので、無駄に体が頑丈なのだ。これくらいやらないと、簡単に止まらないのでこういう扱いをしている。
爺共が怒ってきたが、
「一つだけ聞く、それに反論できるなら話し合いに応じよう。じゃあ聞くぞ、お前たちはどこの誰だか分からないおっさんが踏んで作ったお酒なんて飲みたいか? 例えば……ゴーストタウンの冒険者のおっさんとかが踏んで作った酒を飲みたいと思うか?
俺は、そのおっさんのも、お前さんたちビア樽爺さんたちの踏んで作ったワインより、女性……今日なら、俺の妻たちが踏んで作った酒の方が絶対にいい! 爺様方の踏んだ酒なんて死んでも飲みたくねえぞ」
俺がそう言うと、爺様たちはお互いを見あって、その視線が足元へ向く。
何を感じていたか分からないが、1分ほど顔と足を行ったり来たり……
「「「「「「すまんかった! わしらが間違っていた!」」」」」」
俺の言いたいことが通じたようだ。
この2人が一緒にいるはよく見るが、朝早くに一緒にいるのは珍しいな。趣味というか鍛冶や物作りが2人の共通点だが……何の用だろうか?
「シュウ、そろそろいいと思うの!」
「いや、何が?」
「私たち我慢できない! そろそろ解禁して!」
「はぁ? 何の話だよ!」
「そろそろ、私たちのお酒造りを解禁してほしいの!」
「……?」
「シュウは、私たちに酒造りをさせてくれないじゃない? 今お酒造りはシルキーたちが主導してるでしょ? 私たちも、そろそろ自分たちのお酒を造りたいの!」
「……好きなことしていいって言ってるのに、何でわざわざ俺に聞く必要があるんだ? 作りたいなら作ればいいんじゃないか? 原料が足りないとか? 給料代わりのDPでいくらでも出してもらえるだろ?」
「え? お酒作っていいの? てっきりここではシルキーたちが作ってるから、私たちが作ってはいけないものだと思ってたわ。聖域みたいな扱いで、作ってはいけないものだと」
「そんなことないだろ。確かにディストピアの街では、シルキーたちが指導してブラウニーたちが中心に作業していたりするけど、ここじゃない……ゴーストタウンではバザールが作ってるし、他の街でも酒造りは禁止してないだろ?」
2人は沈黙して、お互い見つめ合っていた。
「2人が作りたいというなら、酒造りをするか! 明日からな!」
「「なんで今日じゃないの!?」」
「実はさ、明日からしばらく休みなんだよね。グリエルやガリアに、庁舎の職員たちも休暇を取っただろ? なら、俺も休みを取るべきだと言われてな、1週間ほど休んでくれと強制されている」
2人とも知らなかったという表情だ。妻たちには伝えていたはずなのだが……
「じゃぁ私は、ドワーフの爺様方に伝えてくるよ。明日はお祭りだね!」
リンドは足早に去っていった。朝食食べなくてもいいのか?
「これで、隠して育てていたブドウが無駄にならずにすんだわ!」
酒は造れないのに、ワインの原料のブドウは作ってたんかい! そういえば忘れがちだけど、カエデってハーフドワーフだったな。リンドもロリドワーフだから、すっかり忘れてたわ。ドワーフたちのお酒への執念を……
明日からの予定がなかったので、キャンプでもいいかなと思ってたが、娘たちも連れて物作り体験でもしようかな?
食堂へ行くと、子どもたちが一生懸命自分で、食事を食べている様子を見て、ちょっとほっこりした。
みんなに話してみると、上の子たちは新しいイベントとか遊びみたいに捉えて喜んでいた。下の子たちは、姉たちが喜んでいるのを見て一緒にテンションをあげている形だった。シンラたちにはまだわからんよな。
さて、明日から遊ぶために今日も一日頑張ろう。
明日から休みということで、多少仕事量が多かったが問題なく時間内に終わった。まぁ俺は街のトップであるので、もしグリエルたちで対応できなければ俺が出張らないといけないんだよね。
上位者は、いついかなる時も責務から逃げてはいけないと思うので、遠慮なく連絡をするように言いつけてある。俺にはゲートという手段があるので、秒で駆けつけることが可能であるのでどこにでも行けるけどな。
家に帰ると、子どもたちに出迎えられ、明日のことについて色々聞かれたが、カエデとリンドの好物を作りに行くんだよと、濁しておいた。
ルンルン気分の子どもたちは、夜も離れずに俺と一緒に寝ることとなった。
次の日、いつも以上に元気な子どもたちより、更に元気なのはカエデとリンド……と、後ろに大量に並んでいる、ビア樽ドワーフたちだ。うむ、お前たちを見ていると、ドワーフって感じがして安心するわ。
それにしても、結構大量に集まったな。この街のドワーフが全部集まってるんじゃねえか? おや? 見覚えのある老ドワーフたちにまじって、ゴーストタウンの領主代行までいるぞ!
となると、ここに集まったのは、ディストピアだけじゃなくゴーストタウンからも集まったってことだろうな。
理由はカエデたちと同じで、酒は自分たちで勝手に造ってはいけないと考えていたようだ。
酒への情熱がすごいね。飲むのも作るのも好きなんだな。
俺の周りで子どもたちが、頑張るぞーと声をあげている姿が微笑ましいな。
今日はワイン造りがメインらしい。まず移動したのが、畑エリアだ。200人以上の移動なので、街の人たちも何事かと見に来ていたが、大半がドワーフということで察してすぐに興味を失っていた。
さて、到着したのはいいが……
「広すぎねえか?」
前に孤児院の子たちと来たときより、かなり広がっていた。カエデたちは禁止されていたと勘違いしていたが、孤児院の子たちは職業訓練みたいなことで、ワイン作りをしていたっけ?
それにしてもあれだな、写真やテレビで見るようなブドウ畑が広がっている。しかも近くに小屋があるのが気になる。収穫の前に確認すると、頭が痛くなるほどの量のブドウが収納の箱に入っていた。この畑の何回分の収穫があるのだろう?
だと言うのに、目の前の畑は実りに実っている。ワームとドリアード、土精霊たちのドーピングで何度も収穫したのだろう。そして、酒造りの許可がもらえた時のために育てていたのだと分かった。
ただ、子どもたちには色々体験してもらいたいので、収穫からはじめることになった。
子どもたちは、母親に手伝ってもらいながら、ブドウの収穫を始めた。プラムたちも、抱っこをされながら取るブドウへ手を伸ばしてもらって掴むが、ちぎることが出来なくてブンブンふっていたのが印象的だ。
ふ~、ブドウって1房1房が結構重いんだな。水分を大量に含んでいる果物だけあるな。
子どもたちは20房ほど収穫して、満足した様子になっていた。
さて、次はどうするんだ?
大きな桶が運ばれてきて、カエデとリンドがホットパンツの理由が分かった、ブドウの破砕の段階を踏むという昔ながらの行程でやるようだ。
だけど、ちょっと待て、
「おい、死にぞこないの爺共、何てめーらも短パンになってるんだ?」
「死にぞこないは、あのハゲだけじゃ!」
「「「「「死にぞこないのハゲは、お前じゃ!」」」」」
「うっさいぞ! お前たち、全員ハゲで死にぞこないだろ! それより、短パンになった理由を簡潔に教えてくれ」
「決まってるじゃろが、ブドウを踏んで汁を出すんじゃよ」
そう言ってブドウの入った桶に近付いていくので、頭を鷲掴みにして後方へ放り投げる。少々乱暴だが、この爺共は戦闘鉱員もしていたので、無駄に体が頑丈なのだ。これくらいやらないと、簡単に止まらないのでこういう扱いをしている。
爺共が怒ってきたが、
「一つだけ聞く、それに反論できるなら話し合いに応じよう。じゃあ聞くぞ、お前たちはどこの誰だか分からないおっさんが踏んで作ったお酒なんて飲みたいか? 例えば……ゴーストタウンの冒険者のおっさんとかが踏んで作った酒を飲みたいと思うか?
俺は、そのおっさんのも、お前さんたちビア樽爺さんたちの踏んで作ったワインより、女性……今日なら、俺の妻たちが踏んで作った酒の方が絶対にいい! 爺様方の踏んだ酒なんて死んでも飲みたくねえぞ」
俺がそう言うと、爺様たちはお互いを見あって、その視線が足元へ向く。
何を感じていたか分からないが、1分ほど顔と足を行ったり来たり……
「「「「「「すまんかった! わしらが間違っていた!」」」」」」
俺の言いたいことが通じたようだ。
0
あなたにおすすめの小説
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
ダンジョン作成から始まる最強クラン
山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。
そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。
極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。
そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。
ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。
ただそのダンジョンは特別性であった。
ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。
ダンジョン学園サブカル同好会の日常
くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。
まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。
しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。
一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる