ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1919話 よくある日常

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 俺が目を覚ましたのは、12時を過ぎていた。寝た記憶が無いので、魔法で眠らされたか力尽きて気絶したか……どちらかだろう。俺には良く分からないのだが妻たち曰く、俺は意識がない状態でも体は喜んでくれている……というのだ。

 だからって、俺が寝ている間も搾り取るのはいかがなもんかと思う。一番の問題は、チビ神の付けた性欲増大(妻限定)のスキルだろう。このスキルが、いたす際に勝手に発動するので、寝ていても関係ないと言うところだろう。マジで勘弁して。

 だるい体を無理に起こしながら、誰かを呼ぶ。

 入ってきたのは、ブラウニーだった。挨拶をされた後は、全自動で食事が運び込まれ、しっかり食べてくださいね! と釘を刺された。お腹が空いているから食べるけどさ、やっぱり精力のつく食事なのね。

 ふう、本当に困ったもんだ。まぁ、いつもより5割増しくらいで量が多いけど、全部食うよ。

 1時間かけて、運ばれてきた食事を全部食べた……

「ケップ……おっと、汚かったな。腹がはちきれそうだわ。今日の仕事ってどうなってんだ?」

 緊急の呼び出しがないか確認するが、特にそんなことは無かった。いつも通りなんだろうな。確認する書類もそう多くなさそうだし、おやつ位まで休んだら庁舎に行って仕事するかな。

 ブラウニーを呼んで、食器などを片付けてもらっている間に、軽くシャワーを浴びた。さっぱりさっぱり。

 2時間くらいしたら起こしてほしいと伝えて、ベッドに潜り込む。その際に近くにいたライを拉致して、抱き枕としてモフモフしながら寝ることにした。お腹に顔を埋めて、夢の中へ。


 頭を叩かれる感覚があり、目が覚める。誰が叩いているのかと思えば、テトだった。ライも叩こうとしていたみたいだが、お腹に顔を埋められているので、上手く叩けずに手が空を切っている。なんか可愛い仕草をしているぞ。

 何で起こされたかと思えば、もう15時を過ぎていた。なるほど、ブラウニーに起こすように言われて、俺を起こしてくれたんだな。ありがとさん。ちょっとだけ子どもたちの様子を見たら、庁舎へ向かうぞ!

 食堂で美味そうにおやつを食べている子どもたちを見て、ほっこりしてから庁舎へ向かう。

 移動時間がもったいないが、ゲートは緊急時だけにしたいので……ラン、俺を背中に乗せて走ってくれ。体がデカいから、俺を乗せても平気なんだよね。しっかりとしがみ付いて、危なくない速度で走ってもらう。毛がクッションになって、乗り心地がいい。

 歩いて20~30分かかるところを、5分ほどで到着する。サンキュー!

 おや? 子どもたちの下校の時間かな? 階段を上っていくと、子どもたちが階段を下りてきたのだ。テトたち猫3匹は子どもたちに捕まり、わちゃわちゃされている。ん~、どうすっか。

「みんな、あまり長くこいつらのことかまって、帰りが遅くならないようにするんだぞ!」

 俺は、こいつらを放置する選択肢を選んだ。テトたちは、裏切ったな! みたいな顔をするけど、あんたらそれでも楽しんでるからいいやん。俺には仕事があるんだから、子どもたちと遊んどけ。

 庁舎で働いている人たちと挨拶をして、執務室へ向かう。今日は、グリエルはもう帰ったみたいだな。特に仕事もなかったし、早く帰れたようだな。

 俺の机の上に置かれていた書類に目を通していく。

 特に何もなさそうだな。いつも通りと言ったら変だけど、問題はないみたいだ。ミーシャたちの報告書という名の日記にも、気になる点は特にない。いや、1つだけ気になるところがあった。美味い串焼き屋があったみたいだ。人気で行列ができるらしい。

 今度、足を運んでみるか。露店の場所まで細かく書かれているし、どんな串焼きなのか想像しただけで、涎が垂れそうだ。

 鼻歌交じりに報告書を読んでいると、テトたちが子どもたちから解放されたのか、執務室へ入ってきた音がする。あいつらは器用だから、自分で扉の開け閉めをするんだよな。ここの扉は、元々丸い取っ手タイプだったのだが、あいつらのためにL字にしたのだ。

 丸い取っ手でも開けることは開けていたのだが、面倒な感じだったので取り換えたんだよな。うむ、お帰りなのだ。嫌がった表情をしていたのに、こいつらときたら満足そうな表情をして、毛繕いを始めた。

 猫って、かまわれすぎると嫌がるけど、こいつらは猫は猫でも魔物だから関係ないみたいなんだよな。人懐っこいと言うか、撫でてほしい願望が強い感じだ。スキンシップが好きなのは、おそらく俺の影響なんだろうな。

 ちょっと恥ずかしい気もするが、家猫たちみたいに気まぐれすぎると、構えないから嬉しいと言えば嬉しい。ちょっとだけポッチャリしたお腹……モフッとすると、最高なのだよ。

 今度、フブキとランに挟んでもらって、モフモフの中で寝てもいいな……昔やった、フブキの香箱座りの下で寝るあれ、めっちゃ気持ちよかったもんな。むむむ、夢が広がる!

 仕事が終わったが、時間はまだ17時になってないな。集中して1時間30分くらいで仕事が終わったかな? テトを捕まえて膝の上に乗せて、肉球をいじる。爪は……問題なさそうだな。

 こいつらは、倒木や家猫たちが使っている爪とぎでは、一方的に壊れてしまうので、専用のやすりを爪とぎとして準備しているのだ。猫部屋の一角に、ランが乗っても問題ないサイズのやすりエリアがある。そこで自分で調整しているみたいだな。

 綺麗に丸くとげているので、子どもたちが触っても安全だな。これが戦闘になると、何故か爪が尖って凶器になるんだから、魔物って不思議だよな。

 ライとランの肉球も堪能してから、家に帰ることにした。

「お前らの肉球って、外とか出歩いているのに綺麗だよな。大型の猫科みたいに硬くないし、触り心地が良いんだよな」

 にゃ~ご、と自慢げに鳴いた。子どもたちも肉球が好きで、良く触っているもんな。娘たちに嫌われないためにも、しっかり手入れしているのかね?

 体は疲れていたけど、特に何もない平和な1日で良かった。
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