ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
1,921 / 2,518

第1921話 意外な食材の人気

しおりを挟む
 全員の肉球マッサージを終えた。時刻は18時30分。ちょうど食事の始まる時間だな。

 パンッパンッ

 ウルが手を叩くと、くつろいでいた猫たちがもう1度ウルたちの前に集まって、列を作っている。先頭の猫は、座っているウルたちの膝に触れるほど近くでお座りをした。ウルたちが手を伸ばすと、後ろ足で立って両手をウルたちに捕まれる体勢になった。

 何をしているかと思えば、肉球の最終チェックだってさ。モニモニしてもらっている猫たちは、何やら気持ちよさそうだな。さっきまでマタタビを嗅いだ猫みたいに、半分トリップしてたのにまた様子が変わってる。

「なぁダマ、お前の肉球って、小さい時はモッチモチなのに、何で大きくなるとゴツゴツになるんだ? フブキやランの肉球は柔らかいのに、ダマは何で硬いんだろうな?」

 俺の前には誰も来てくれなかったので、しょうがなく来てくれたダマのお腹をモフモフしながら、疑問に思ったことを聞いてみた。

『分からないですね……自分が触るわけではないので、硬くても柔らかくてもあまり気になりませんので。ただ体が大きいのに柔らかいと、痛くないのかな? とは思いますが、どうなんでしょうかね? 小さければ、体も軽いので痛く感じないと思いますが……』

 そう言われるとそうだな。体が大きいまま肉球が柔らかいと、砂利道とか歩くと痛くないか? 地球のネコ科動物も、大きくなれば大体肉球は硬いもんな。そういえば、犬って大きくても小さくても、肉球が堅いイメージがあるけど、実際はどうなんだ?

「肉球に限った話じゃないが、レベルが上がると肉体の防御力が上がるよな。だけど、ステータスの値が同じでも、男と女では肌の触り心地って違うよな? 別に硬くなったわけじゃないのに、剣が刺さらなかったりとかさ。それが肉球にも影響するのかな?」

『そう言われると、不思議ですね。奥方たちは、女性らしく柔らかですが、あの肌にも安物の剣だと傷が付けられないんですよね。猫先輩たちのLvなら、剣山を歩いても平気なくらい強そうです』

 肉球の神秘! ではなく、ステータスの神秘だな。

 おっと、全員の肉球確認が終わったようだ。そのまま夕食に行くみたいだな。先頭をミーシャ、スミレ、ブルムの3人が歩き、姉たちに手を引っ張られ、下の子3人が歩いている。その後ろを、お尻や尻尾をフリフリしながら猫たちが並んで歩いている……可愛いな。その後ろを、ウルと並んで俺が歩いている。

 でもさ、尻尾をあげて歩いている猫たちよ、お尻の穴が見えてるぞ! 恥ずかしくないのか? って聞いても、恥ずかしいわけがないんだよな。猫同士はお尻のニオイを嗅ぐと、いろんなことが分かるらしいけど、人間でやったら……ただの変態だな。

 おや? 食堂について少し違和感があった。パッと見て、どこが変わったわけでもないのだが、何かが違うきがする。何が違うのか分からずに、モヤモヤする。何度見ても、やっぱりわからん。

 気にしすぎかね? 良く分からんのに、考えすぎちゃいけないよな。自分の席に座り、子どもたちが7人で猫たちの餌を運んでいるのを見る。下の子たちも手伝うようになったんだな。

 ん? いつもと同じ器だけど、入っている餌が違うな。少しだけ体を伸ばして覗いてみると、食堂に入って気になった違和感に気付くことができた。

 食堂の中の匂いが、いつもと少し違ったのだ。意識して嗅いでいるわけではないので、入った瞬間には気付けなかったのだが、猫たちの餌を見て気付けた。ちょっと高級な、猫缶をイメージして作られた猫たちの餌の匂いが、微かにしたので違和感があったのだ。

 今までにも嗅いだことはあるのだが、意識しているかしていないかの差は大きいのだろう。猫の日だから、餌も豪華にしているのだろう。普段の餌も美味しいと思うけど、スペシャルな餌はもっと美味しいのだろう。前に餌を並べられた猫たちが、若干ソワソワしているのが分かる。

 全員揃うまで食べられないので、餌と子どもたちに視線を行ったり来たりさせている。全員揃ったところでウルが挨拶をすると、すごい勢いで食べだした。いつもより量は多いが、月に1回の贅沢な日みたいな感じかね。

 あ~、ちょっとご飯に間に合わず帰ってきた時に、猫たちのご飯が食い終わっている日があったな。いつもなら、何匹かはまだ食べている時間なのに、その日だけは全員食事を終えて食堂にいなかった日が……それって、こういうことだったのか!

 俺たちも食事にしますかね。今日は珍しく、子どもたちに囲まれての食事だな。何か理由でもあんのかな?

 疑問に思っていると、魔導コンロが運ばれてきて俺の前にセットされる。あれ? 子どもたちの椅子が、普段と違うな。足掛けがあり、椅子の足が広がっていて、倒れにくくなっているタイプの椅子だ。ってことは、久々にあれが来るのか。

 目の前に運ばれてきた鍋には、チーズがトロトロに解けてたくさん入っている。鍋の周りにはいろんな食材が並べられており、子どもたちにもチーズフォンデュを食べる時に使う、刺す奴を渡していた。

 多分だけど、下の子たちは自分でやるのは今日が初めてじゃないか? 手伝わなくて大丈夫かと思ったが、遅れてやってきた、生みの親たちが隣に座った。シンラと離されたプラムとシオンは、若干不貞腐れているが気にしたら負けだろう。

 俺は初めに、プチトマトから! 少し温められていたのか、刺し心地がちょっと柔らかい。全体にまんべんなくチーズをつけて、口へ運ぶ……甘!? プチトマトが、驚くほど甘かったのだ。

 チーズの塩味を考慮しても、この甘さは不自然というか、色々とおかしい気がするのだが……どういうことなの、シルキー先生!

「シュウ様、それはフルーツトマトです。チーズをつけずに食べても、ものすごく甘いトマトです」

 フルーツトマト……確か、フルーツトマトという品種があるのではなく、普通のトマトで水をできる限り与えずに作ると、実が甘くなるとかいうあれだよな。めっちゃ甘い。シンラなんか、既に3つ目を口に運んでいる。それだけで、お腹いっぱいになるんじゃないか?

 アスパラ、ベーコン、ニンジン、ブロッコリー、ソーセージ、エビ、貝等々、色々な種類を食べ尽くした。

 プチトマトが一番先に品切れになりました。最後に食べようと取っておいたプチトマトは、シンラに奪われて俺のシメは、サクサクとしたパンにチーズをたっぷりつけて食べたよ!
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...