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第2011話 取り調べ開始
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「あ、そろそろ取り調べ始まるってさ」
綾乃がそう言って操作をすると、画面が切り替わり取調室が映し出される。取調室の中にいるのは、暗部の人間と人の姿に変身したバザールだった。何百年も生きているはずなのに、俺と同じくらいにしか見えないんだよな。
まぁ、あの姿を見るのが久々で、一瞬誰だっけ? みたいに思ったけど、気のせいだということにしておこう。種族として成長したのか、人間の体を再現できるようになった時は、結構な時間あの姿でいたのだが、俺の子どもたちに骨のおじちゃんいないね、と言われて以降あまりあの姿にならないんだよな。
バザールも子どもたちに認識されないと、きついのだろう……スキルの鑑定があったとしても、ここまで見た目が変われば、スキルを疑いたくなるレベルで見た目が違うからな。
『えっと、君は勇者でいいんだよな? あそこで作っていたのは何だ?』
暗部の人間が質問を始めた。バザールは死角になる場所にいるので、監視の役割だと思われてそうだな。
『勇者とは言われていましたが、変な工場に閉じ込められ、サプリメントのような物を作っていました。街の近くのダンジョンで、各種栄養素が抽出できる素材があったので、錬金術を持っている人間を集めて、量産をしていました』
『そのサプリメントというのは、これですね? 栄養素が抽出できると判断したのは、召喚された際に付与されたスキルの効果ですか?』
『…………』
『答えたくないなら構いませんが、答えておいた方が身のためだと思いますよ』
『なっ! お前らがこの世界に勝手に呼んだのに、金稼ぎの道具として扱き使った挙句、話さないと暴行を加えるって言うのか! ふざけんじゃねえぞ!』
『うるさいので怒鳴らないでください。分かっているかは知りませんが、呼んだのは私たちではなく、扱き使っていた奴らだ。同じ世界に住むからって、その罪をこの世界に住む全員に押し付けるのは止めていただきたいですね』
『知るかそんなもん! こんな世界に来たくて来たわけじゃねえんだよ! 元の世界に返せよ!』
なんか、急に興奮しだしたな。身の危険を感じたから、威勢のいいことを言っている感じかね?
『そうですね……あなたが私たちの質問に答えてくれるのであれば、こちらが知りえる情報を教えましょう。交換取引みたいなものですね。いやでしたら、黙っててもらって構いませんが、無理やり聞き出すことになるので、おすすめはしません』
『っ!!!』
何か大きな声を出そうとしているが、思いとどまった感じだ。こういう時に感情的になると、碌な結果にならないからな。不利な状況であれば、自分の首を絞めるだけだ。有利な状況だとすれば、暴走して自分の思い通りになるように話を進めて、ろくでもないことになるかもな。
しばらく沈黙が続き、
『この世界に来て、扱き使われた分として、先に情報が出してくれ』
『あの組織とは、まったく別の組織なので、扱き使われた分は自分で奴らに請求してください。こちらとしては、情報が得られればいいので、取引が終わったら話し合いの場を設けてもいいですよ』
『……情報が先だ』
『無理ですね。強引に情報を絞りだした後に、送り帰してもいいのですよ?』
『何をされても、絶対に吐かねえよ! それに送り帰したら、俺はここの情報を吐いて、向こうに有利になるように動くぜ。先に教えてくれるだけで、そっちに有利になるように立ち回ってやるよ』
『ふむ……ここの情報を伝えると言いましたが、あなたは私たちの事知りませんよね? 脅しているつもりでも、まったく効果がありませんよ。それに、もしこちらの動きが相手にバレても、力で叩き潰してもいいですしね。あなたのいた街であれば、簡単に制圧できますからね』
勇者は、若干ひきつった顔をする。まだ若いのだろうな。顔に出過ぎだぞ。俺も人のこと言えないが、俺でも分かるような表情の変化はダメだろう。
『話しそうにないですね……バザールさんどうしますか?』
『そうですね、面倒なので話し合いは止めましょうか?』
勇者の後ろでバザールがそう呟くと、ギョッとして後ろを振り向く。
『っ!? 日本人? あんた、日本人なんだろ? 俺と同じ日本人なんだから、助けてくれよ!』
『はぁ? メリットが無いのに助けるわけないでしょ。さっさと情報を吐くならともかく、先に情報を教えろだの、何様のつもりですか? 自分が有利になるように立ち回るのは分からなくもないですが、時と場合を選んだ方がいいですよ。そしてもう1つ言うと、同じ日本人でも敵対する陣営の人間ですよ』
バザールが人間……?
スパーンッ!
「どうでもいい事考えないの」
綾乃に間髪入れずにツッコまれた。嫁たちも呆れているな。
勇者がグダグダ何かを言っているが、ようやくバザールの正体に気付いたのか、表情が凍り付く。長い間、あそこに閉じ込められていた弊害か、バザールがダンジョンマスターだと気付かなかったんだな。
『お互いがどういう存在か分かったところで、最後の警告です。私たちが聞いたことに答えてくだされば、こちらの知りえている情報を教えます。もし話さないのでしたら、それ相応の覚悟をしてください。この世界は、回復魔法や魔法薬と言った便利なモノがあります。返事には、十分注意してくださいね』
勇者が黙り込んだ。何を考えているんだろうな?
それにしてもバザールがあの姿だと、違和感が半端ないけど、ござる口調じゃなくても気にならないな。骨の状態であんなく徴されたら……今なら爆笑しそうだわ。
そんなことを考えていたら、また頭を叩かれた。
「シュウ、どうなると思う?」
「どうなるも何も、拷問に耐えきる覚悟があるなら、あんなところに閉じ込められてないだろ。ある程度は耐えられるかもしれないけど、すぐに限界が来るさ」
「拷問されるって思っているのかしらね?」
「あ~、そこまで考えが及ばない可能性があるか……最悪、ツィード君に情報抜き出してもらうことになるだろうし、欲しい情報は手に入るからいいんじゃね?」
「そうよね。ツィード君が出てくるなら、その前に自白剤を試してもらいたいところね。囚人では実験してるけど、勇者では実験してないからね。きちんと効果が出るのか見ておきたいわね」
綾乃がマッドなことを言っているな……
綾乃がそう言って操作をすると、画面が切り替わり取調室が映し出される。取調室の中にいるのは、暗部の人間と人の姿に変身したバザールだった。何百年も生きているはずなのに、俺と同じくらいにしか見えないんだよな。
まぁ、あの姿を見るのが久々で、一瞬誰だっけ? みたいに思ったけど、気のせいだということにしておこう。種族として成長したのか、人間の体を再現できるようになった時は、結構な時間あの姿でいたのだが、俺の子どもたちに骨のおじちゃんいないね、と言われて以降あまりあの姿にならないんだよな。
バザールも子どもたちに認識されないと、きついのだろう……スキルの鑑定があったとしても、ここまで見た目が変われば、スキルを疑いたくなるレベルで見た目が違うからな。
『えっと、君は勇者でいいんだよな? あそこで作っていたのは何だ?』
暗部の人間が質問を始めた。バザールは死角になる場所にいるので、監視の役割だと思われてそうだな。
『勇者とは言われていましたが、変な工場に閉じ込められ、サプリメントのような物を作っていました。街の近くのダンジョンで、各種栄養素が抽出できる素材があったので、錬金術を持っている人間を集めて、量産をしていました』
『そのサプリメントというのは、これですね? 栄養素が抽出できると判断したのは、召喚された際に付与されたスキルの効果ですか?』
『…………』
『答えたくないなら構いませんが、答えておいた方が身のためだと思いますよ』
『なっ! お前らがこの世界に勝手に呼んだのに、金稼ぎの道具として扱き使った挙句、話さないと暴行を加えるって言うのか! ふざけんじゃねえぞ!』
『うるさいので怒鳴らないでください。分かっているかは知りませんが、呼んだのは私たちではなく、扱き使っていた奴らだ。同じ世界に住むからって、その罪をこの世界に住む全員に押し付けるのは止めていただきたいですね』
『知るかそんなもん! こんな世界に来たくて来たわけじゃねえんだよ! 元の世界に返せよ!』
なんか、急に興奮しだしたな。身の危険を感じたから、威勢のいいことを言っている感じかね?
『そうですね……あなたが私たちの質問に答えてくれるのであれば、こちらが知りえる情報を教えましょう。交換取引みたいなものですね。いやでしたら、黙っててもらって構いませんが、無理やり聞き出すことになるので、おすすめはしません』
『っ!!!』
何か大きな声を出そうとしているが、思いとどまった感じだ。こういう時に感情的になると、碌な結果にならないからな。不利な状況であれば、自分の首を絞めるだけだ。有利な状況だとすれば、暴走して自分の思い通りになるように話を進めて、ろくでもないことになるかもな。
しばらく沈黙が続き、
『この世界に来て、扱き使われた分として、先に情報が出してくれ』
『あの組織とは、まったく別の組織なので、扱き使われた分は自分で奴らに請求してください。こちらとしては、情報が得られればいいので、取引が終わったら話し合いの場を設けてもいいですよ』
『……情報が先だ』
『無理ですね。強引に情報を絞りだした後に、送り帰してもいいのですよ?』
『何をされても、絶対に吐かねえよ! それに送り帰したら、俺はここの情報を吐いて、向こうに有利になるように動くぜ。先に教えてくれるだけで、そっちに有利になるように立ち回ってやるよ』
『ふむ……ここの情報を伝えると言いましたが、あなたは私たちの事知りませんよね? 脅しているつもりでも、まったく効果がありませんよ。それに、もしこちらの動きが相手にバレても、力で叩き潰してもいいですしね。あなたのいた街であれば、簡単に制圧できますからね』
勇者は、若干ひきつった顔をする。まだ若いのだろうな。顔に出過ぎだぞ。俺も人のこと言えないが、俺でも分かるような表情の変化はダメだろう。
『話しそうにないですね……バザールさんどうしますか?』
『そうですね、面倒なので話し合いは止めましょうか?』
勇者の後ろでバザールがそう呟くと、ギョッとして後ろを振り向く。
『っ!? 日本人? あんた、日本人なんだろ? 俺と同じ日本人なんだから、助けてくれよ!』
『はぁ? メリットが無いのに助けるわけないでしょ。さっさと情報を吐くならともかく、先に情報を教えろだの、何様のつもりですか? 自分が有利になるように立ち回るのは分からなくもないですが、時と場合を選んだ方がいいですよ。そしてもう1つ言うと、同じ日本人でも敵対する陣営の人間ですよ』
バザールが人間……?
スパーンッ!
「どうでもいい事考えないの」
綾乃に間髪入れずにツッコまれた。嫁たちも呆れているな。
勇者がグダグダ何かを言っているが、ようやくバザールの正体に気付いたのか、表情が凍り付く。長い間、あそこに閉じ込められていた弊害か、バザールがダンジョンマスターだと気付かなかったんだな。
『お互いがどういう存在か分かったところで、最後の警告です。私たちが聞いたことに答えてくだされば、こちらの知りえている情報を教えます。もし話さないのでしたら、それ相応の覚悟をしてください。この世界は、回復魔法や魔法薬と言った便利なモノがあります。返事には、十分注意してくださいね』
勇者が黙り込んだ。何を考えているんだろうな?
それにしてもバザールがあの姿だと、違和感が半端ないけど、ござる口調じゃなくても気にならないな。骨の状態であんなく徴されたら……今なら爆笑しそうだわ。
そんなことを考えていたら、また頭を叩かれた。
「シュウ、どうなると思う?」
「どうなるも何も、拷問に耐えきる覚悟があるなら、あんなところに閉じ込められてないだろ。ある程度は耐えられるかもしれないけど、すぐに限界が来るさ」
「拷問されるって思っているのかしらね?」
「あ~、そこまで考えが及ばない可能性があるか……最悪、ツィード君に情報抜き出してもらうことになるだろうし、欲しい情報は手に入るからいいんじゃね?」
「そうよね。ツィード君が出てくるなら、その前に自白剤を試してもらいたいところね。囚人では実験してるけど、勇者では実験してないからね。きちんと効果が出るのか見ておきたいわね」
綾乃がマッドなことを言っているな……
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