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第2032話 朝にすること
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二日酔いから解放された俺は、
「おっしゃあああああああ、復活だああああああ」
最近サボり気味だった朝食の前のストレッチと訓練、模擬戦に参加する前に大きな声をあげた。そして、後ろから2つの衝撃を受ける。
俺の後ろでノリで真似をしているミーシャ、スミレ、ブルム、シンラがいて、この子たちに変なことを真似させないの! と、突っ込まれたのだ。
だってさ、これだけ清々しい朝なんだぜ! こんな声も出したくなるってもんだろう! っと、あまり変なことを考えていると、また叩かれるのでそろそろやめておこう。
ミーシャたちがいるのは半々のようだが、目が覚めている時は一緒に体を動かすそうだ。シンラは早寝早起きなので、この時間にはだいたい起きている。下の子たちは自分たちで動けるようになってからは、見張り役のケットシーと足役のスライムが一緒であれば、敷地内のどこにでも移動するようになった。
朝は3人でここに来るのが日課になっているみたいだな。プラムとシオンは俺の真似をしてくれないが、シンラは空気を読むので真似してくれるのだ。良く分かってるな! ウルも一緒に体を動かしているので、子どもたちは全員参加ということだな。
ラジオ体操のような動きでストレッチを始めると、妻たちも子どもたちも思い思いにストレッチを始めた。
シンラたちは……良く分からないが、スライムに座った状態で腕を左右に振り、体を捻っている。ただそれだけだ。でも、シンクロしているのでなんか可愛く見える。
シンラたちが自分の足で歩かないでスライムで移動しているのが気になって、脚の筋力が落ちないか心配していたのだが、この子たちの筋力は同年代の子たちよりも高いみたいだ。姉たちは、レベルを上げるまでは同年代の子たちとはあまり変わらなかったのに、不思議である。
スライムに乗っているせいか、最近は体感も良くなってきているのではないか? とブラウニーたちが言っていた。ふらふら歩くからそんなことないと思うのだが、子どもがふらふら歩くのは頭が大きく脚が短いため、どうしても左右にふらふらしてしまうそうだ。
だから、体感が良くなっているという話も、否定できる物ではない。スライムはバランスボールみたいだから、体感が鍛えられると可能性があるとは言うが、あれは自分でバランスをとるからで、シンラたちはスライムだからな……気にしても分からん!
ストレッチが終わると、綾乃が日々改良をしていると噂の人造ゴーレムが現れた。
こいつらは、人間より早い思考で俺たちより早く動くため、本当に苦戦させられる。最終的に負けないのは、スキルによる恩恵だと思っている。こいつらは、スキル無しで俺たちとほぼ互角にやりあうのだ。もし魔法生物のゴーレムと同じで、スキルを覚えたら……勝てないのだは無いだろうか?
魔法で作れる道具としては、最強の部類になるだろう。だけど、作れるからこそそこに限界があると考えている。今までの実験の結果、アダマンタイトで作って惜しげもなく魔石を使った人造ゴーレムが強いが、あれは欠陥品でもある。
とにかく重すぎて、使い物にならないということだ。地面が壊れない前提であれば人造ゴーレムの中で最強ではあるが、普通の地面と考えた場合、絶対に勝ち目が無くなる。早く動けても、地面を壊さないように動くとなると動きが遅くなり、早く動けば地面が壊れ転倒する。
ダンジョンの中でも、床や壁が多少壊れることを考えれば、使い方が限定された人造ゴーレムだな。
で、目の前にいるこの人造ゴーレムは、綾乃が調整を加え続けている、汎用型で一番効率よく動ける配分の体なのだ。
まけることもままあるが、今までの戦績は俺の方が勝ち越している……模擬戦はね。
シュリより早く動く人型……軽いけん制の拳でも空気を切り、蹴りになると空気を切り裂くというよりは、空気を叩き潰すような音がする。前者は、シュッ! に対し後者は、ドンッ! と言った感じだ。
何かを蹴ったわけでもないのに、ドンッ! と音が鳴るのは、音速の壁を超える時に聞こえる、空気を突き抜けた音だったりするのかな? それだったらもっと大きいか、ソニックブームってすごい音がするんだったな。
人間の骨格を模しているため、動きにはやはり限界があるな。どれだけ早くても、人間の様なズル賢さが無いので、攻撃が避けられる。そしてこちらの攻撃が当たる。普通に考えればおかしいのだが、何故かそうなってしまうのだ。
そう言う意味では、羽を使ったメチャクチャな近接戦をするハーピー型は、正直戦いたくない相手だよな。
10分ほど全力で組手をして、10勝4敗に終わった。一戦一戦が40秒ほどで決着がつく、高速バトルだったな。
ウルとミーシャたちも、子ども用にカスタマイズされた人造ゴーレムと体を動かしている。この子たちの身体能力に合わせていたとしても、スキルが上手く使えていなかったり、ズル賢さが無いので、勝利を掴むことは難しいみたいだな。
後、俺にもできないことは無いけど、シュリは何故か真正面から打ち合って勝つのだから、本当にすげえな。反射速度も力も早さも人造ゴーレムが上なのにな。痛い思いをしたくないので、攻撃はかわしながら攻める方がいい。
妻たちに付き合ってもらい、体の動きを意識しながら、ゆっくりとした組手を行う。決まった流れがあり、それに沿って2人の体の速度を合わせないと、演武からただの遊びになってしまう難しい組手だ。
一連の流れが終わり2週目に入ると、徐々にスピードを上げていき、最終的にはどちらかがミスをするまで速度が上がっていく。大体20週もすると終わるかな。このミスはどちらかが悪いという訳じゃない。合わせられないから2人のミスということになる。
慣れていても、2~3週目でミスすることがあり、そう言う場合は気が抜けているということで、しばらく戦闘訓練が激しくなる。
領主とその妻であるみんなが、ここまで戦闘訓練する必要は本来ないのだが、守るための力はどれだけ強くてもいいと思う。脅威に思われるかもしれないが、それが抑止力になるのであればそれでいいだろう。
その力で脅して、不当な搾取を行っているわけではないので、不正義な力ではないと考えている。
ん~、朝から色々考えたせいで、何か疲れた。今日は昨日の分まで仕事をしないといけないので、気合を入れないとな!
「おっしゃあああああああ、復活だああああああ」
最近サボり気味だった朝食の前のストレッチと訓練、模擬戦に参加する前に大きな声をあげた。そして、後ろから2つの衝撃を受ける。
俺の後ろでノリで真似をしているミーシャ、スミレ、ブルム、シンラがいて、この子たちに変なことを真似させないの! と、突っ込まれたのだ。
だってさ、これだけ清々しい朝なんだぜ! こんな声も出したくなるってもんだろう! っと、あまり変なことを考えていると、また叩かれるのでそろそろやめておこう。
ミーシャたちがいるのは半々のようだが、目が覚めている時は一緒に体を動かすそうだ。シンラは早寝早起きなので、この時間にはだいたい起きている。下の子たちは自分たちで動けるようになってからは、見張り役のケットシーと足役のスライムが一緒であれば、敷地内のどこにでも移動するようになった。
朝は3人でここに来るのが日課になっているみたいだな。プラムとシオンは俺の真似をしてくれないが、シンラは空気を読むので真似してくれるのだ。良く分かってるな! ウルも一緒に体を動かしているので、子どもたちは全員参加ということだな。
ラジオ体操のような動きでストレッチを始めると、妻たちも子どもたちも思い思いにストレッチを始めた。
シンラたちは……良く分からないが、スライムに座った状態で腕を左右に振り、体を捻っている。ただそれだけだ。でも、シンクロしているのでなんか可愛く見える。
シンラたちが自分の足で歩かないでスライムで移動しているのが気になって、脚の筋力が落ちないか心配していたのだが、この子たちの筋力は同年代の子たちよりも高いみたいだ。姉たちは、レベルを上げるまでは同年代の子たちとはあまり変わらなかったのに、不思議である。
スライムに乗っているせいか、最近は体感も良くなってきているのではないか? とブラウニーたちが言っていた。ふらふら歩くからそんなことないと思うのだが、子どもがふらふら歩くのは頭が大きく脚が短いため、どうしても左右にふらふらしてしまうそうだ。
だから、体感が良くなっているという話も、否定できる物ではない。スライムはバランスボールみたいだから、体感が鍛えられると可能性があるとは言うが、あれは自分でバランスをとるからで、シンラたちはスライムだからな……気にしても分からん!
ストレッチが終わると、綾乃が日々改良をしていると噂の人造ゴーレムが現れた。
こいつらは、人間より早い思考で俺たちより早く動くため、本当に苦戦させられる。最終的に負けないのは、スキルによる恩恵だと思っている。こいつらは、スキル無しで俺たちとほぼ互角にやりあうのだ。もし魔法生物のゴーレムと同じで、スキルを覚えたら……勝てないのだは無いだろうか?
魔法で作れる道具としては、最強の部類になるだろう。だけど、作れるからこそそこに限界があると考えている。今までの実験の結果、アダマンタイトで作って惜しげもなく魔石を使った人造ゴーレムが強いが、あれは欠陥品でもある。
とにかく重すぎて、使い物にならないということだ。地面が壊れない前提であれば人造ゴーレムの中で最強ではあるが、普通の地面と考えた場合、絶対に勝ち目が無くなる。早く動けても、地面を壊さないように動くとなると動きが遅くなり、早く動けば地面が壊れ転倒する。
ダンジョンの中でも、床や壁が多少壊れることを考えれば、使い方が限定された人造ゴーレムだな。
で、目の前にいるこの人造ゴーレムは、綾乃が調整を加え続けている、汎用型で一番効率よく動ける配分の体なのだ。
まけることもままあるが、今までの戦績は俺の方が勝ち越している……模擬戦はね。
シュリより早く動く人型……軽いけん制の拳でも空気を切り、蹴りになると空気を切り裂くというよりは、空気を叩き潰すような音がする。前者は、シュッ! に対し後者は、ドンッ! と言った感じだ。
何かを蹴ったわけでもないのに、ドンッ! と音が鳴るのは、音速の壁を超える時に聞こえる、空気を突き抜けた音だったりするのかな? それだったらもっと大きいか、ソニックブームってすごい音がするんだったな。
人間の骨格を模しているため、動きにはやはり限界があるな。どれだけ早くても、人間の様なズル賢さが無いので、攻撃が避けられる。そしてこちらの攻撃が当たる。普通に考えればおかしいのだが、何故かそうなってしまうのだ。
そう言う意味では、羽を使ったメチャクチャな近接戦をするハーピー型は、正直戦いたくない相手だよな。
10分ほど全力で組手をして、10勝4敗に終わった。一戦一戦が40秒ほどで決着がつく、高速バトルだったな。
ウルとミーシャたちも、子ども用にカスタマイズされた人造ゴーレムと体を動かしている。この子たちの身体能力に合わせていたとしても、スキルが上手く使えていなかったり、ズル賢さが無いので、勝利を掴むことは難しいみたいだな。
後、俺にもできないことは無いけど、シュリは何故か真正面から打ち合って勝つのだから、本当にすげえな。反射速度も力も早さも人造ゴーレムが上なのにな。痛い思いをしたくないので、攻撃はかわしながら攻める方がいい。
妻たちに付き合ってもらい、体の動きを意識しながら、ゆっくりとした組手を行う。決まった流れがあり、それに沿って2人の体の速度を合わせないと、演武からただの遊びになってしまう難しい組手だ。
一連の流れが終わり2週目に入ると、徐々にスピードを上げていき、最終的にはどちらかがミスをするまで速度が上がっていく。大体20週もすると終わるかな。このミスはどちらかが悪いという訳じゃない。合わせられないから2人のミスということになる。
慣れていても、2~3週目でミスすることがあり、そう言う場合は気が抜けているということで、しばらく戦闘訓練が激しくなる。
領主とその妻であるみんなが、ここまで戦闘訓練する必要は本来ないのだが、守るための力はどれだけ強くてもいいと思う。脅威に思われるかもしれないが、それが抑止力になるのであればそれでいいだろう。
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