ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
2,079 / 2,518

第2079話 俺の立場って……?

しおりを挟む
 綾乃の無駄に高性能な技術をお披露目され、主旨が混乱してしまったが、妻たちがゴーストタウンについて先に連絡がいき集まっていた兵士たちと合流しようとしている。

 いくら戦闘能力の高いシュリが中心になっていたとしても、上からの命令であったとしても、鍛えられた兵士たちが簡単に従うものなのだろうか? 勢いに飲まれて許可を出した気がするが……まぁ、あの程度の奴らなら、シュリが単独でも制圧できるから問題ないか。

「シュウ、シュリさんが単独で制圧できない集団がいたら、正直その存在はディストピアの関係者たちに取って、最大の敵になりえる存在だと思うんだけど……実際の所、何でもありの私たち以外では、シュリさんを止められないんじゃないの?」

「シュリさん? お前って、シュリの事『さん』付けしてたっけ?」

「主旨はそこじゃないと思うんだけど……」

「シュウ殿は、混乱しているでござるから、放置しておくでござるよ。綾乃殿にしても某にしても、単独でシュリ殿を止めることはきついでござるよ。シュウ殿に関しては、止める理由が無ければ敵に回る可能性の方が高いでござるからね」

「それは、私たちも一緒でしょ。理由がなく敵対するなんてありえないわよ。この前、少しずつ改造をしていた初期の人造ゴーレムを、素手でスクラップにされたわよ。シュウには、関節技とかや武器を使ってスクラップにされたことはあるけど、素手であの装甲を壊すとは思ってなかったわ」

 骸骨の状態でアングリと口をあけて、愕然としているのを表現しているであろうバザールがいる。確かに、俺も顎の骨が外れそうなほど、口をあけてしまっていると思う……

 魔法を込めた拳……魔拳を使えば何とか壊せるかもしれないけど、人造ゴーレムを打撃だけで壊すのはマジでしたくない。硬すぎて、嫌になるからな。そんな事に時間をかけるなら、梃子の原理でサクッと関節を破壊する方が簡単だしな。

 そんなくだらないことを話していると、シュリを先頭に兵士たちの駐屯地へ妻たちがはいっていった。

 …………

 えっと、俺が行った時もキレイな集団行動をとって挨拶をしてくれるのだが、シュリが兵士たちの視界に入るや否や、待機していた兵士たちが一斉に最敬礼をしている。

「いやいやいや、これっておかしくね? 俺が行った時でも、最敬礼することなんて無いのに、出動のかかっていない訓練中の兵士まで最敬礼しているんだけど……見間違いじゃないよな?」

 画面に映っている光景が理解できていない。

 だって、俺にもしたことがない最敬礼を、訓練中の離れた位置にいる兵士までもが妻たちに向かって
おこなっているのだが……

「仕方が無いでござるよ。シュリ殿は、レイリー様と一緒に兵士たちの訓練に良く参加されているでござるから、その御力をしっかりと認識している証拠でござる。シュウ殿は……威厳が少し足りないのかもしれないでござる」

「親しみやすいってことでしょ。変にかしこまられるのが好きじゃないシュウなら、それでいいんじゃないの? ちなみに言うと、シュリさんって、レイリーさんより兵士たちに恐れられているわよ。シュリさんが訓練に参加する日は、兵士たちの回復のために普段の倍は治療師が集められるからね」

 力による恐怖で兵士たちの意思を統一させているってことか? 確かに変にかしこまられるよりは、親しみやすい方がいいけど……今の光景は少しおかしいのではないかな?

 はっ! もしかして、俺が敬礼されるのって、シュリの威光を借りた何かみたいな感じになっているんじゃないか? 親の七光りではないけど、妻の七光り? そんな言葉があるかは知らないが、配偶者の力によって俺の威厳が維持されている可能性が、あるかもしれないか?

「君のような勘のいいガキは嫌いだよ……」

 某漫画の狂気の錬金術師のセリフを使うな! しかもガキってなんだよ、リスペクトやオマージュじゃなくて、まんま使ってるだけじゃねえか!

「落ち着くでござる、落ち着くでござる。シュウ殿は兵士たちに無駄にかしこまる必要はないと言っているでござるが、シュウ様の奥方やレイリー殿、それ以外にも偉い方々がそれを許さないでござるから、今の様な状態になったでござるよ」

「訓練に参加した事のある兵士なら、シュリさんを見て最敬礼しないなんてありえないわよね。戦闘に関していえば、誰よりも自分に厳しく鍛えていて、兵士たちもそれに巻き込まれているわけだからね……今度、シュリさんの訓練風景を見に行くといいわよ」

 確かにシュリはストイックだけど、他人にはそこまで厳しい事を強制することは無いんだけどな……街を守る兵士たちだから、厳しく訓練をしているのかな? シュリとの訓練は……確かに大変だけど、訓練だけで言えば年少組の妻たちと一緒に訓練する時のほうが、断然大変なんだけどな。

「……やっぱり、今度訓練を見に行った方がいいわよ。何しているかすぐに分かるからね。それより、移動が終わって兵士たちが突入準備をしているから、現実に戻ってきなさい」

 そう言われて、画面に目を移す。

 画面には、ゴーストタウンのお偉いさんが店主と一緒に店の外に出てきた。多分、泊まっていた客の一部も外に出されているように感じるな。でも、全員ではないのでは? 一般人がいる状況で、突入するのか?

 そんなことを考えていたら、グリエルがコッソリと教えてくれた。不自然に人が減りすぎると、敵に気付かれる恐れがあるので、お客様の安全を確保できる範囲で残して、後で店と一緒に賠償金を払うとのことだ。

 シュリは突入部隊だが、それ以外の妻たちは支援に回るみたいだな。それで安全を確保するのかな?

 敵は商人を含めて14人。その内戦闘に耐えられるのが12人。その12人の内10人は、俺たちの街以外の兵士に毛が生えた程度だな。装備は他の街の兵士に比べればいい物だが、残念ながらゴーストタウンでは2級品に届かないな。

 実力を見ても、装備を見ても、勝負にならない気がする。

 残りの2人はそこそこ強いが、強いと言ってもAランクに足を突っ込んだ程度だ。監視機能とマップ先生で確認しているので、身を隠す魔道具でもなければ、一瞬で片付きそうだな。

 シュリの合図の元、宿に突入していく。

 妻たちが対象の部屋の前後左右上下に配置され……結界を使ったみたいだな。逃げられないように、完璧に逃走経路を閉じたのか。

 出発準備を始めていたようで、敵の対応は早かったが、実力の差は否めずに次々と制圧されていく。

 敵が半数になった所で、敵を拘束しようとしていた兵士が不自然な動きをした……
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

スキル【レベル転生】でダンジョン無双

世界るい
ファンタジー
 六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。  そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。  そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。 小説家になろう、カクヨムにて同時掲載 カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】 なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...