ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2081話 安らぎはないのだろうか?

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 妻たちが帰ってくるのを待って、拠点の予定地へ向かう。

 到着しても静かだったが、2階に上がるころには賑やかな声が聞こえてきた。シンラやプラム、シオンの声が聞こえていないから、あの3人は寝ているのだろう。あの子たちは、うるさくても関係なく眠るからな。

 正確に言えば、プラムとシオンはシンラがいて眠気があれば、どこでも寝るな。

 最近のシンラは、2人から逃げ切ることもあるが、やはり体力が途中で尽きて捕まるパターンが多いって話だ。体力だけで言うと、プラムとシオンの方が高いんだよな。まったく、大変な姉妹がいたもんだな。

「そんなプラムとシオンも、あなたの子どもでしょ。シンラだけが自分の子どもみたいな言い方しないでよ」

「そういう訳じゃないよ。男は、レイリーを除けば、俺とシンラだけだから女性に囲まれて、大変だなって思っていただけだよ。俺とシンラじゃ会話をまともにできていないけど、同性として思うことがあるわけさ」

「それは、私たちが大変ってこと?」

「大変というか……何度も言っているけど、俺の体は1つしかないし加護を貰っていても、物理的に物を出すから消耗していくわけよ。1対1でも勝てる気がしないのに、複数人が来るからさ……大変なわけさ。女性には分からない悩みだろうけどさ」

「シンちゃんは、そんな事してないのに何で思うことがあるの?」

 妻たちに突っ込まれて、苦笑いするしかなかった。だってさ、女性に迷惑……といっていいのか微妙だが、苦労させられているのは一緒だからな。強く生きるぞ息子よ!

「その話はもういいでしょ。シュウ、みんなも集まってきているから、情報共有をしましょう」

 リンドに促されて、お互いの情報の交換を始める。

 俺たちの方で起きたことに驚いてはいるが、俺や綾乃にバザールが、そこまで気にしていないことを知って落ち着いている。落ち着かせるために、簡単な対処法について説明したのも大きいだろう。

 俺がよく偵察と護衛に使っているシャドーなのだが、サイレントアサシンは攻撃寄りに近い性質なのだが、シャドーはどちらかというと防御に優れているタイプだったのだ。

 だったというのは、鑑定や召喚するときに細かい情報が表示されるわけではないので、いろんな実験をして能力を丸裸にしたつもりだったのだが、それでも把握しきれていなかった能力があったための表現だ。

 シャドーもサイレントアサシンも、アストラルサイドの魔物なので、正直なところ耐久力はかなり低い。その分物理ダメージは負わないので、魔法や魔道具、スキルなどを使って倒すのがセオリーだ。

 シャドーは特定の条件を満たした相手の影に入っていると、その相手がダメージを負うとダメージを肩代わりしてくれるという能力を持っていた。外部のHPタンクの様なものだな。

 で、この能力に気付いたのは結構最近で、訓練中にシャドーを影に入れたまま組手をしていたら、防御して負ったダメージを何回も肩代わりして、死んでしまったのだ。そこで判明したのが、身代わりの能力だったということだ。

 どんなに強い攻撃でも、一撃は確実に防ぐことができるので、慌てる必要は無いと言っておいた。身代わりになる時は、全てのダメージを抱え込んで死んでくれるので、助かる存在である。

 影に大量に突っ込んでおけば問題ないだろうと思っていたが、影にも容量があり、あまりに影が狭くなりすぎると、影の中で潰れて死んでしまうので、注意が必要である。

 防御に関しては問題ないけど、シュリでも攻めきれなかったのは問題ではないのか心配する妻もいたが、拙くとも全周囲に物理結界を張れば敵は追い出せることを教え、周りの事を考えなければ無差別に攻撃をしておけば勝手に相手がくたばると教えておいた。

 一先ずは安心しているので、これで問題はないだろう。兵士の方には、どうするか考えておかないといけないけどね。これはバザールたちの情報待ちになるだろう。

 こちらの建物については、ほぼ内観は整え終わり、シルキーたちを中心に家具を配置している状況なのだそうだ。これまで頑張ってきた残った妻たちと土木組は、休憩していたということだろう。

「治療師の人たちは、いつ来ても問題ない状態にしてあるから、到着し次第案内します。各街から向かってくるとの事なので、どのくらい時間がかかるか分かりませんが、問題ないと思います」

 報告してくれたのは、ピーチだ。プラムを産んでから、こういうことは人に任せることが多かったけど、今日は自分で報告してくれた。

 残りは、鍛冶スペースだな。あそこは、メインの建物が終わってから作ることにしていたので、土台までは終わっているが、それ以外は何もない状態だ。

 ごはん前にちょっとでも作業をしたかったけど、雨が降っていたのでやめることにした。

 浴室も問題ない状態にはなっていたが、戦闘組が多少汚れてしまったので、先にお風呂に入ることにした。

 お風呂に入ると聞こえたのか、シンラが目をバチッと開き連れていけと訴え始めた。両側にプラムとシオンがいるから動けず、助けを求めた形だな。

 シンラを抱きかかえる前に、プラムとシオンを妻たちに任せて、俺が抱きかかえてやろうとしたら、俺の近くにたまたまいたシュリに手を伸ばして、俺の事を拒否しやがった……

 どうせこんなことだろうとは思っていたよ。しょんぼりした姿を見たのか、ダマが俺の背中に飛びつき、シエルが足の甲をポンポンと叩き、グレンは俺の頭の上で一鳴き、レオンは体を上って来てチロチロと舌を出している。

 シエル以外の行動は、俺をけなしているように見えるのだが、その辺は気のせいなのだろうか?

 4匹の聖獣も連れてお風呂場へ向かった。

「ん~、悪くないけどなんか違うな」

 入る前に確認に来て一言声が出てしまった。

『主殿、どういうことですか』

「いやな、旅館風とまではいかないけど、スーパー銭湯くらいのクオリティーは欲しいかなってな。タイル張りもいいけど、この色ってどちらかというと狭い浴室に使うイメージが強くてね。もっと落ち着いたというか、暗めの色にしたいな……と」

 明るい色合いの浴室を見て、そう答えた。土魔法で作っているようなので、干渉して自分の好きな色に勝手に変えてから、報告しておく。事後報告と怒られはしたが、みんなも喜んでいるので、問題ないだろう。

 っと、俺も入ろうとしたが、土木組も入るようなので、俺は後で入るかな。俺は戦闘とかしていないしな。嫌な汗は描いたけどそれだけだし、なんの問題も無い。

 時間が来るまで、本でも読んでるかな。
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