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第2202話 確認作業じゃ
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全員を一気に相手にするつもりは無く、100人ほどに分けて説明会を行っている。もちろん、割り振りは適当にこちらの兵が行ったように見せて、入ってくる前からおそらく工作員であろう人物はある程度まとめている。
何となく怪しい奴や、スキル的に工作員だと疑っている奴らは、最後の方で呼ぶつもりだ。一応この集団のトップとして選出された、難民たちの国の元領主だった人間に話を通し、こちらの指示に従うようにお願いしている。
まとめ役のこの人以外は、今のところ建物に入る権利は無いのだが、この人を先に通して安心して休める建物を、子どもがいる世帯を優先にして割り振らせるつもりだ。
俺たちへのヘイトを下げるための作戦ではあるが、子どもたちはクソみたいな大人どもの犠牲者に過ぎないので、優遇されるのは当たり前だろう。後は、外では厳しいと思われる老人がいる家族などが優先される予定だ。
工作員たちには、俺たちが作った建物には絶対に住ませないつもりだ。
ちなみに、工作員だと分かった理由として、チビ神が俺の呪詛を叶えてくれたことによる、体調不良によって大雑把に工作員たちが判明した。
これを聞いたときには爆笑したが、半日もトイレに籠る必要がある呪詛は恐ろしく強力で、説明会の時に漏らす可能性があるとして、順番を最後に回すいい理由となったのも好都合だった。
それに、トイレに籠る必要があるなら、部屋は必要ないだろうと勝手にこっちが準備した、ちょっと広めのトイレで生活してもらうことにしている。専用のトイレを貰えただけありがたいと思え!
そんなことを考えていたが、ミリーにこれって実質建物に住めるようにしてしまったのでは? とツッコまれて……何も返せなかった。
色々不備はあっても、こちらの思惑通りに進んでいるので、今回は問題ないということにしておこう!
本来は馬車の荷物などを確認するために作った広い空間を4つに区切って、100人ずつは入れる簡易的な部屋にしている。400人に同時に説明ができるようになっており、5回繰り返すことで全員への説明が終わる形だ。
一番初めに元領主を含む100人のグループが、今度は個室へ呼ばれて1家族ずつ、形だけの宣誓書を読ませる。これは避難民たちの側から見た感想で、実際は隠し部屋から俺たちが魔法を使って、真偽を確かめている。
宣誓書を読んでいるだけなのだが、噓発見魔法は結構優秀で、宣誓書に書いてある内容と考えが違った場合、反応が出るのだ。反応が出る場所で、工作員などを本来見分けるつもりだった。
先に呪詛が効いてしまったため、確認の意味を込めた作業となっている。後は、工作員じゃないけど危険分子をあぶりだすためだったりする。
「元領主って人は、本当に避難民たちのことを考えているみたいですね。所々反応はありましたが、避難民たちに不利益が及ばないか考えた結果の反応っぽかったです。不利益を与える避難民という部分には、感情的には積極的に排除したいといったような反応がありましたね」
ライムの報告を受け、確認した2人も同意見のようだ。
宣誓を行う4つの小部屋を監視できる位置にいて、そこで噓発見魔法を使っている。後同時に、感情を色で表すマップ先生の良く分からないスキルで、相手の考えていることを読み取っている。
というかね、俺が知らなかったマップ先生の機能を何で妻たちが知っていたのだろうか?
「シュウ、その機能は監視をしてくれているスプリガンが発見してくれたのよ。色々いじっていたら、何もしていないのに光点の色が変わるモードを発見して、調べた結果感情に反応しているということが分かって、今回の作戦に取り入れられたんだよ」
カエデが答えを教えてくれた。スプリガンの皆さん……ありがとうございます。で、それはいつ発見されたのかを聞いたら、結構初期の段階だったらしく、既に俺は知っている物だと思っていて、誰も報告しなかったため俺が驚いてしまったのだ。
知ってたからって、状況が激的に変化するような場面は無かっただろう。
例にあげるなら、俺らを都合よく使おうとして滅んだ国で、国のために頑張っていた将軍はこっちに不利なことをさせるつもりは無かったが、決定権がなく俺に頭を下げるしかできなかった時に使えたとしても、怒りの感情が反応していたのは分かっただろう。
だけど、その怒りがどこに向いているかまでは俺には分からない。無茶を言う俺たちに怒っていたのか、状況の分かっていない上層部の人間に怒っていたのか……判断する方法がないのだ。
そもそもあの時、俺たちは無茶を言ってたわけじゃないんだよな。金が払われないことや契約と話が違うことを突き付けて、正当な報酬を要求していただけで、無茶を言っていたわけではない。
聞く人間によっては無茶に聞こえるかもしれないが、そもそも契約に無い事をさせ、対価を望んだら決定権がないとか言い出したのが問題だったはずだよな? 対価が払われなければ、助けた国民を返さないとか言っただけだしな。
ああいったバカもいれば、真摯に避難民たちの事を考えているお偉いさんもいるんだな。
もし避難民の街が正式に傘下に入ることになったら、監査はつけるけど街を任せてもいいかもしれないな。この世界では珍しい、善性を持っている上流階級の人間だからな。
宣誓は進んでいき、500人を超えたあたりで、魔法を使っていたレミーが工作員らしき人物を発見したと合図がある。
こいつは呪詛で苦しんでいないし、範囲から漏れたのかね?
手の空いている全員で確認に入ると、全員がアウト判定を出した。
宣誓書の最後の文章に
『領地を貸してくださった領主様に、不利益が及ばないように行動することを誓います』
という文言がある。そこでダイレクトに反応したので、工作員かはさておき、危険人物と判定され特殊なマーカーをつけた。
マップ先生のタブレットすべてに反映される特殊なマーカーだ。本来なら、情報共有をしてマーカーの色を確認したりするのだが、今つけたマーカーは情報共有なしに強制的に反映させる、権限持ちの俺にしか使えない特殊な機能だ。
初めて使ったけど、思っていた以上に禍々しい色がついてびっくりしたわ。色は変えられないみたいだ。
黒と青と赤が斑に混ざって、混沌とした色合いの光点だ。
その後も、目をつけていた人間以外にも3人ほどマーカーをつけて、最後のグループでは42人に追加でマークをつける事となった。
ちょっと可哀そうだったのが、一緒に行動していただけで、工作員でも何でもない人間が呪詛にかかっていた……
何となく怪しい奴や、スキル的に工作員だと疑っている奴らは、最後の方で呼ぶつもりだ。一応この集団のトップとして選出された、難民たちの国の元領主だった人間に話を通し、こちらの指示に従うようにお願いしている。
まとめ役のこの人以外は、今のところ建物に入る権利は無いのだが、この人を先に通して安心して休める建物を、子どもがいる世帯を優先にして割り振らせるつもりだ。
俺たちへのヘイトを下げるための作戦ではあるが、子どもたちはクソみたいな大人どもの犠牲者に過ぎないので、優遇されるのは当たり前だろう。後は、外では厳しいと思われる老人がいる家族などが優先される予定だ。
工作員たちには、俺たちが作った建物には絶対に住ませないつもりだ。
ちなみに、工作員だと分かった理由として、チビ神が俺の呪詛を叶えてくれたことによる、体調不良によって大雑把に工作員たちが判明した。
これを聞いたときには爆笑したが、半日もトイレに籠る必要がある呪詛は恐ろしく強力で、説明会の時に漏らす可能性があるとして、順番を最後に回すいい理由となったのも好都合だった。
それに、トイレに籠る必要があるなら、部屋は必要ないだろうと勝手にこっちが準備した、ちょっと広めのトイレで生活してもらうことにしている。専用のトイレを貰えただけありがたいと思え!
そんなことを考えていたが、ミリーにこれって実質建物に住めるようにしてしまったのでは? とツッコまれて……何も返せなかった。
色々不備はあっても、こちらの思惑通りに進んでいるので、今回は問題ないということにしておこう!
本来は馬車の荷物などを確認するために作った広い空間を4つに区切って、100人ずつは入れる簡易的な部屋にしている。400人に同時に説明ができるようになっており、5回繰り返すことで全員への説明が終わる形だ。
一番初めに元領主を含む100人のグループが、今度は個室へ呼ばれて1家族ずつ、形だけの宣誓書を読ませる。これは避難民たちの側から見た感想で、実際は隠し部屋から俺たちが魔法を使って、真偽を確かめている。
宣誓書を読んでいるだけなのだが、噓発見魔法は結構優秀で、宣誓書に書いてある内容と考えが違った場合、反応が出るのだ。反応が出る場所で、工作員などを本来見分けるつもりだった。
先に呪詛が効いてしまったため、確認の意味を込めた作業となっている。後は、工作員じゃないけど危険分子をあぶりだすためだったりする。
「元領主って人は、本当に避難民たちのことを考えているみたいですね。所々反応はありましたが、避難民たちに不利益が及ばないか考えた結果の反応っぽかったです。不利益を与える避難民という部分には、感情的には積極的に排除したいといったような反応がありましたね」
ライムの報告を受け、確認した2人も同意見のようだ。
宣誓を行う4つの小部屋を監視できる位置にいて、そこで噓発見魔法を使っている。後同時に、感情を色で表すマップ先生の良く分からないスキルで、相手の考えていることを読み取っている。
というかね、俺が知らなかったマップ先生の機能を何で妻たちが知っていたのだろうか?
「シュウ、その機能は監視をしてくれているスプリガンが発見してくれたのよ。色々いじっていたら、何もしていないのに光点の色が変わるモードを発見して、調べた結果感情に反応しているということが分かって、今回の作戦に取り入れられたんだよ」
カエデが答えを教えてくれた。スプリガンの皆さん……ありがとうございます。で、それはいつ発見されたのかを聞いたら、結構初期の段階だったらしく、既に俺は知っている物だと思っていて、誰も報告しなかったため俺が驚いてしまったのだ。
知ってたからって、状況が激的に変化するような場面は無かっただろう。
例にあげるなら、俺らを都合よく使おうとして滅んだ国で、国のために頑張っていた将軍はこっちに不利なことをさせるつもりは無かったが、決定権がなく俺に頭を下げるしかできなかった時に使えたとしても、怒りの感情が反応していたのは分かっただろう。
だけど、その怒りがどこに向いているかまでは俺には分からない。無茶を言う俺たちに怒っていたのか、状況の分かっていない上層部の人間に怒っていたのか……判断する方法がないのだ。
そもそもあの時、俺たちは無茶を言ってたわけじゃないんだよな。金が払われないことや契約と話が違うことを突き付けて、正当な報酬を要求していただけで、無茶を言っていたわけではない。
聞く人間によっては無茶に聞こえるかもしれないが、そもそも契約に無い事をさせ、対価を望んだら決定権がないとか言い出したのが問題だったはずだよな? 対価が払われなければ、助けた国民を返さないとか言っただけだしな。
ああいったバカもいれば、真摯に避難民たちの事を考えているお偉いさんもいるんだな。
もし避難民の街が正式に傘下に入ることになったら、監査はつけるけど街を任せてもいいかもしれないな。この世界では珍しい、善性を持っている上流階級の人間だからな。
宣誓は進んでいき、500人を超えたあたりで、魔法を使っていたレミーが工作員らしき人物を発見したと合図がある。
こいつは呪詛で苦しんでいないし、範囲から漏れたのかね?
手の空いている全員で確認に入ると、全員がアウト判定を出した。
宣誓書の最後の文章に
『領地を貸してくださった領主様に、不利益が及ばないように行動することを誓います』
という文言がある。そこでダイレクトに反応したので、工作員かはさておき、危険人物と判定され特殊なマーカーをつけた。
マップ先生のタブレットすべてに反映される特殊なマーカーだ。本来なら、情報共有をしてマーカーの色を確認したりするのだが、今つけたマーカーは情報共有なしに強制的に反映させる、権限持ちの俺にしか使えない特殊な機能だ。
初めて使ったけど、思っていた以上に禍々しい色がついてびっくりしたわ。色は変えられないみたいだ。
黒と青と赤が斑に混ざって、混沌とした色合いの光点だ。
その後も、目をつけていた人間以外にも3人ほどマーカーをつけて、最後のグループでは42人に追加でマークをつける事となった。
ちょっと可哀そうだったのが、一緒に行動していただけで、工作員でも何でもない人間が呪詛にかかっていた……
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