ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2204話 準備が終わり動き出す

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 良く分からないうちに、元凶に対する大まかなガイドラインが決まった。

 ・避難民たちの街の対応が終わったら、元凶の排除を行う。

 ・元凶の排除は、帝国と友好関係のある国と協力して行う。

 ・元凶を排除したら、友好国にすべての権利を譲渡する。

 ・帝国も俺たちも、友好国が落ち着くまで全力で支援をおこなう。特に俺たちは、お金や物資方面。

 ・帝国の協力を強くするために、帝国内の問題に協力解決をする。

 ・支援物資やお金とは別に、俺の商会を友好国内に建設する。

 大まかに決まったのはこのくらいだな。元凶が間違っていたとしても、下の2つは協力してもらう対価としてこちらが提示したモノなので、すぐに対策に取り掛かることになる。

 俺がするのは、ゼニスに支援物資の追加の指示と、新しい街に商会を作るのでその準備をお願いする。次に、暇をしている竜騎士たちへ、ワイバーン一家を連れて帝都に移動するように指示を出す。

 ワイバーンたちの食料の問題があるので、ブラウニーたちにお願いして、倉庫の中の肉類を放出してもらうことが決まった。ダンジョン農園にある倉庫……状態変化が起きないようになっているため、入るだけ腐らずに置いておける倉庫だ。

 あそこの肉は、俺たちでは食べきれないが、俺たち家族のために品種改良されている家畜たちの物なんだよな。在庫が多くなりすぎたり、品種改良が成功したら、下位互換のお肉はディストピアやゴーストタウンに放出されるが、今回は関係なく量が必要だったので、解放をお願いしている。

 ダンジョンから採れる肉を全部買い取ることも出来るが、そうすると街の肉が一時的に無くなってしまうので、今回は余っている分をギルドからも買い取っている。

 ワイバーンの食料を準備してすぐに飛び立つよう指示をしたのだが、

『ワイバーン一家はどの程度連れていけばいいでしょうか?』

 訳の分からないことを聞かれて、思わず「はぁ?」と言ってしまった。どうやらワイバーン一家は、5匹ではなく現在は20匹を超える大所帯となっているようだ。そのため、どの程度と聞いて来たみたいだな。

 とくにパパワイバーンは、バハムートには及ばないが、1対1ならレッドドラゴンを凌駕するほど強いらしい。

 ワイバーンって亜竜とか偽竜みたいに言われることがあるけど、龍と正面から戦って勝てるとか、もう別のカテゴリーが必要になりそうだな。

 連れていく人数は、パパワイバーンに聞いて問題ない数だけ連れてってくれ、と指示を出しておいた。

 出発前の最終報告では、パパワイバーンが10匹を引き連れていくことになったようだ。山頂に住むワイバーン一家は、人間の言葉を理解できるようになっており、しっかりと報酬の約束をすれば、協力してくれる存在である。

 俺の従魔だと思われがちなワイバーン一家だが、実は俺の従魔ではなくどちらかというとミリーの従魔に近い形だ。だけど、契約を結んでいるわけではなく、協力してほしい時に相談している。

 ミリーの従魔のワイバーンもいるのだが、そいつらは基本的に自由に過ごしているし、ワイバーンの中でのヒエラルキーはパパワイバーンが一番上なので、何かを頼む時はやっぱりパパワイバーンが一番なのだ。

 あの一家が一番報酬でほしがるものは、ダンジョン農園の家畜類で、特に品種改良され魔物と掛け合わせた牛が一番の好みらしく、よく丸焼きを報酬に入れていることが多いんだよな。

 品種改良された牛は、通常の牛よりかなりデカいので、丸焼きにするにも時間がかかり、道具も専用に作っている特注品なんだよね。俺的には、切り分けたモノを焼いて食べたりする方が好きなのだが、ワイバーンたちは何故か丸焼きにこだわるんだよな。

 丸焼きには俺に話分からない魅力があるのだろう。

 俺のするべきことは終わったが、他の面々は……

 グリエルは皇帝に連絡を入れており、ワイバーンが付き次第すぐに作戦を開始できる準備をしておくように話を通したらしい。

 ゼニスは、近くの街の支店から友好国への調査へ行くように指示を出しており、多少お金を使ってもいいがしっかりとした土地を買うように、命令も出ているようだ。友好国に情報が伝わるのは、まだ先の話になるのだが、一足先に選定を済ませるために人を向かわせたみたいだな。

 避難民たちの受け入れも1陣が終わったので、帰っても問題ないのだが……妻たちが変える様子が無いので、しばらくはここにいる形になるのだろうか?

 一応妻たちのまとめ役であるミリーに話を聞いてみた。

「あ~、帰るつもりでいるんだけど、全員で帰るわけじゃないの。別にいなくても問題は無いのだろうけど、交代でここに何人か詰めておくべきじゃないかって話が合ってね、もうちょっとだけ話し合う時間が欲しいのよ」

 どうやら妻たちは、全てお任せするのはどうなんだろう? と考えたようで、無理のない範囲で妻たちの誰かがここに残るようにと考えているようだ。

 しばらく経って、移動時にゲートを使わせてもらえないか相談があった。

 個人的には妻たちに使ってもらっても問題ないんだけど、グリエルやガリアがどう判断するか何だよな。そこら辺を相談するために連絡を入れると、シュウ様の思う通りにすればいいのでは? と言われた。

 可能な限り使うつもりは無いとか言って、バンバン使っている俺が言うのもなんだけど、あんたらも出来るなら使用を控えた方がいいって言ってなかったか?

『確かに言いましたが、一番問題にしていたのは、移動や物流の事であって、シュウ様や奥様方が使う分には制限をかける必要が無いと、考え直しましたからね。移動や物流にゲートを使われると、その仕事についている人たちが困るからであって、シュウ様たちが移動するだけなら、何の問題もありませんよ』

 ん? そういえば、前にも同じような事言われた気がするな。

 俺たち以外が使うことが問題であって、俺たち個人が使う分には問題ないということだな。

 グリエルたちから許可が出たというか……俺たちなら誰が使っても問題ないから、交代にゲートを使ってもいいよ。でも、使う時は、移動先と用途をしっかりと報告してね。

 実質フリーパスで使えるのは、俺だけってことだな。

 大体の話は終わったな。

 暇潰しに呪詛をくらった奴らの動向を見てみると……全員トイレの上に光点があるね。大変だろうな……ドンマイ!
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