ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2336話 欲が少ない人にプレゼントは困る

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 ビックリした従魔たちを笑うと、驚かした本人なのに、何ワロてんねん! みたいな空気が周囲を満たした。

 俺にも悪気はないんだから、そんな空気になるなよ。俺だって驚いて起きているようなものだから、みんな仲間ってことだろ? 新手のホラーかと思って俺も結構ビビってたけど、お前たちがビクッとしたのが微笑ましかったんだよ。

 で、なんで俺は起こされたんだっけ?

 起こしてくれたブラウニーに確認をとると、そろそろおやつになるので、起きておいてください、とのことだ。

 今日は時間が過ぎるのが早いな。午前中なんて一瞬だったし、お昼からおやつも、よくわからない夢だかなんだかを楽しんでたから、時間がたつのが早かった気がする?

 寝てるのに、時間が過ぎるのが早いってなんぞや?

 自分の意味不明な思考に、思わず突っ込んでしまった。

 おやつは何かな~

 いつも、色々な工夫をしてくれるから、本当に感謝してるんだよね。一人ひとりに合わせておやつを出してくれたりもするから、本当にありがとう!

 なんだか急にお礼を言いたくなったので、おやつを運んできてくれた時に、そこにいたブラウニーたちにはお礼を言っておいた。

 残りのブラウニーたちには、後でお礼を言っておこう。シルキーたちにも言わないとな。何かご褒美をあげたいところだが、必要な時に必要な物をもらっているから、褒美はいらないと言われるんだよな。

 ブラウニーやシルキーたちにとって必要なものってことは、俺たちにもかかわってくるので、ご褒美にはならないんだけどな。それを分かってくれないんだよね。自分たちが欲しいものなので、ご主人様たちには関係ない、って言われるんだよな。

 おねだりされるほとんどが、食事や掃除に関わる物なので、俺たちの生活の質をあげてくれているのに、お礼しかできない状況が歯がゆかったりもする。

 包丁なんかは、ドワーフたちが打ったものを複数準備しているし、調理器具はクリエイトゴーレムをして、さらに使いやすくしているんだよな。必要になる物は、先んじて準備をしているつもりだけど、細かいものが漏れたりしているから、時々お願いをされてしまうのだ。

 そのお願いが、ご褒美と同義みたいな話で、本当に困っている。

 何か欲しいものがないかと聞けば、仕事と答えるワーカホリックなブラウニーとシルキーたちには、どう報いたらいいのだろうか? 休みをあげるというと、反対に家事をさせてくださいとお願いをされるし、どうしろってんだよ!

 仲間内で集まってゲームをする時なんかは、先に行える準備を全部してから、みんなで遊んだりするんだけど、その時間を俺が作ってあげようとすると、

「家事の合間にどうやって他の事を楽しむかが大切なのです! 与えられた休みに遊ぶのは、私たちの存在意義からすると、無意味というより冒涜なのです!」

 とか、言われた覚えがある。

 家事をしながら、どうやって楽しむかが大切なようで、家事を休んでまで遊ぶのは邪道なんだとか。時間のやりくりも楽しい時間の一部なので、無駄に取るのはやめてほしいんだとさ。

 そんなブラウニーたちでも、仕事をせずに寝ていることがあったりする。隊長などが悪くなった時は、回復魔法を使わずに自然治癒に任せるため、その時は大人しく寝ている。

 健康管理もブラウニーたちの仕事の1つなので、自分が感染経路の主にならないように、魔法で治すことはしないそうだ。

 魔法で治すと病気自体は治るのだが、病原菌タイプの物だと原因菌自体は死なないので、感染拡大を起こしてしまうかもしれない。だから魔法で治さずに、安静にしたりすることで、無駄に感染拡大させることは無いのだとか。

 まだミーシャたちも生まれていないころに、魔法で治していた時期があり、その時に何故か連鎖して体調を崩すことがあったので、調べたことがあったんだよな。懐かしいな。

 病気になっても魔法でなおるからいいや、みたいな感じだったのだが、一度感染症のようなモノが発祥すると、連鎖して体調を崩すブラウニーが多く、たまに俺や妻たちも体調を崩すことがあったので、何かおかしいってことになったんだっけ?

 調べるきっかけは……ミリーたちが妊娠したからだったか? いつ頃からやり始めたかは忘れたが、子どもたちにまで感染したら困るので、原因を突き止めたような気がする。

 あまり菌のいない所で生活すると、免疫機能が育たないと聞いたから、家とかは綺麗にするけどむやみやたらに滅菌したりはしていない。庭の芝生の上を裸足で歩かせていたのも、刺激を得るための1つでなんかの本に良いって書いてあったからだ。

 本当に検証された結果なのかは知らないが、元気に育ってほしいという親心で、色々したっけな?

 気付いたら出されたおやつ、今日は水ようかんと水まんじゅうという、あんこ尽くしのおやつだった。

 水まんじゅうにあんこを入れていたけど、皮が透明だから中身が見えてて不思議な感じだったな。そういえば、あんこはあんこでも水ようかんに入っていたのは、ウグイス餡だった。きれいな黄緑色をしていて、水ようかんの中に入っていると、なんだか宝石みたいだったな。

 何してたんだっけ?

 あ~そうだ。ブラウニーやシルキーたちへのお礼の事を考えていたら、わき道を逸れに逸れてしまっていたんだったな。

 お礼の言葉だけじゃなくて、何かあげられるものは無いだろうか?

 形に残らないお礼はお礼でするべきではあるが、形に残る物としても渡しておきたい気持ちはあるんだよな。ブラウニーたちは、アクセサリー類は一切つけないからプレゼントしても意味がないんだよな。

 俺にセンスがないのは分かっているけど、受け取ってもらえないものが多すぎて何をあげればいいか何て、俺には分からないんだよ! 1度喜んでもらったものはあるけど、それも使い捨てというわけではないし、制服として着るメイド服なので、喜んでもらってからは支給しているんだよな。

 個人でカスタムするのは自由だし、制限なく破れたりしなくても交換したければいくらでも支給される物になっている。あまりにもたくさんメイド服を持つブラウニーたちがいたので、シルキーたちが制限をかけたくらいだ。それでも1人10着なので、十分多いと思う。

 カスタマイズすると、10着でも少ないんだとさ。俺には違いが分からないが、個人個人でこだわりがあるとか言っていた気がする。

 ん~、さっぱり思いつかん。妻たちにも相談してみるか。
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