ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
2,428 / 2,518

第2429話 奴らが来るまで

しおりを挟む
 SSランク冒険者が移動を開始して2日目、この様子だと明日の夕方には門に到着して、何事もなければそのまま街へ移動して、街に泊まるかそのまま兵舎へ向かって話を聞いて移動するか、どちらかだろうな。

 やはり何度話を聞いても、サキュバスが引き出してくれた情報以上の物は出てこなかった。

 勇者の仲間も知らないってことは、やはり色々秘密にしていたんだろうな。秘密主義なのか、勇者の仲間だと思わせているだけなのか、とにかく情報がないので教えれることは増えなそうだな。

 大隊長・中隊長・小隊長が全員で拷問をしているので、この2日でなんとか全員の拷問が終わり、後は戦争が終わったら半分を引き渡すくらいだろうな。

 バザールもスケルトンの操作で疲れているようだな。こいつが疲れている姿を見るのは、久しぶりだな。

 それだけ数がいたし、途中で手伝ったとかいう話もあったから、今度ねぎらってやろう。

 拷問も終わったので、隊長たちは野営地へ戻して、念のためにSSランク冒険者たちの警戒をしてもらっている。俺も一応ダンジョンマスターだし、冒険者ギルドも俺がダンジョンマスターだと知っているだろうから、何かあるかもしれないと考えている。おそらくないけどな。

 次の日の昼に、レイリーから伝える情報の最終確認があったが、3日前と大して変わらない内容だった。追加で話せることはないし、仕方がないことだが……本当に情報が少ないな。

 おっと、レイリーにSSランク冒険者たちに渡す万能薬を忘れてたから、持って行ってくれ。昔スキルのLv上げをしていた頃に作った万能薬を15本渡しておいた。1本で6時間は効果が持続するから、1人5本なので、最大で30時間無効にできる数だ。

 もっと持っているが、これでも多いと思っているので、過剰に渡すのもよくないだろう。

 俺たちがお願いしたわけでもないが、状況を見る感じでは俺たちも冒険者ギルドに協力しているように見えるだろうな。

 ほかにも、協力しないと敵とみなされるかもしれないので、ある程度は協力しているように見せないとな。

 間違っても非協力的だと言われて、街に破壊工作をされるのが今一番困るシナリオなんだよな。勇者の仲間たちに破壊工作をされたくないと、色々対策を考えていたけどな。結果として街への被害の危険性が減ったのに、SSランク冒険者が敵になったら意味がないからな。

「シュウ殿、大分疲れているように見えるでござるが、大丈夫でござるか?」

「そんなことないけど、そんな風に見えるか?」

「そうね、骨も疲れているみたいだし、少し休憩をとったほうがいいと思うわ。私はあんたたちが頑張っている時でも、時間に余裕のある私は休ませてもらってたから、少しなら私が見ててもいいわよ。何かあったら関係なく呼び出すけどね」

 ん~、俺も疲れているように見えるらしい。そこまで疲れているとは思っていないが、見る人によっては疲れているように見えるんだな。

「そうだな……SSランク冒険者が出発したら、俺たちも休むか? 大丈夫だとは思うけど、やっぱり気になるからな」

「もし危なそうだったら、半強制的に寝るように言うからね」

 無理やり休ませるほど疲れているように見えないが、そのランクに格上げされる可能性はあるって感じか。

「本格的に休むのは、SSランク冒険者が出発したらにするけど、街に車で時間もあるし少し休憩するよ」

 バザールは残るようだが、俺は少し休憩させてもらうことにした。

 本当はディストピアに戻って、子どもたちにあって癒されたいけど、そのまま出てこれなくなりそうなので、家に戻らずにのんびりとしよう。

 というか、寝るか。

 ゆっくり寝ているつもりだけど、眠りが浅いのかすぐに目が覚めてしまっていたから、ちょっと寝ておこう。

 寝る場所は……マイワールドのキャンプエリアにするか。あそこに確か、ハンモックをこの前つくったから、のんびりとできるだろう。

 キャンプエリアに行く途中でブラウニーに遭遇したので、よく寝れそうな飲み物をお願いしておいた。

 ダンジョンマスターの能力を使って、昼間だった明るさを夕暮れくらいの明るさまで引き下げて、のんびりすることにした。

 ハンモックに揺られていると、俺のリクエストの飲み物をブラウニーが運んできてくれた。

 でもさ、このチョイスってどうなんだろうか? 少し甘くしたホットミルク……確かに眠くなるようになる気はするけど、こういう時はハーブティーかと思ってたんだよな。でも、落ち着くから、これで何の問題もなかった。

 なんかわからんけど、ホットミルクってほっとするんだよな……はっ! 駄洒落じゃないぞ! たまたまだからな!

 チビチビとやりながら全部飲み終わると、眠気が襲ってきたので、身をゆだねることにした。少しだけ休憩するつもりだったけど、これだとがっつり休んでるのと変わらん気がするけど、気にしなくてもいいか。

 なんとなく周りの音は聞こえているので、深い眠りではないが、邪魔するものもなくのんびりと眠りについた。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。 塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。 弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。 けれども違ったのだ。 この世の中、強い奴ほど才能がなかった。 これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。 見抜いて、育てる。 育てて、恩を売って、いい暮らしをする。 誰もが知らない才能を見抜け。 そしてこの世界を生き残れ。 なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。 更新不定期

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

処理中です...