王子様から逃げられない!

一寸光陰

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ルシファーが政務に向かった隙を狙ってステファニーに信号を送る。

“作戦失敗.また連絡する.”

すると突然ガチャリと扉が開いた。

「一体誰に連絡したのかな?魔力の波動を感じたけど。
ダニエル?エディス?それとも…ステファニー公爵令嬢?」 

俺はぎくりと大きく身を震わす。
ルシファーはフッと笑う。

「安心して。昨晩のことは大事にしないから。その方が私にとっても都合がいいからね。でも次はないよ。
あと、あまり他の人と仲良くしすぎないでね。結構嫉妬深いんだ」

いつもの優しい笑顔で言われても信ぴょう性はない。しかし、昨晩、彼の執念深さや優しくないところをたくさん身をもって感じたので素直に言うことを聞くことにする。

「そんなに嫌?私と結婚することは」

ルシファーは眉を下げた。

「そんなことない!全く、そんなことはないんだ。
俺はただ…
ただ故郷に帰りたいんだ。家族に会いたいだけなんだ」

そこから俺は恭弥としての俺について話した。
ルシファーは静かに耳を傾け続けてくれていた。

「…そうか。やっぱりそうだったんだね。君の魔力量は異常なほどにある。初代王妃やレオポルト2世もそうだったとされている。
リリスなら読めるかもしれないな」

「何を?」

「ついてきて」


そういうとルシファーは俺を王宮の宝物庫に連れ出した。

その奥の奥、頑丈に閉じられた扉の前に来た。

「ここは…?」

「ここには、初代王妃の日記が守られている。
初代王妃の日記は王族しか見ることはできない。しかし読めたものはいない。」

「どういうこと?」

「王妃はこの日記に魔法をかけた。どんな魔法かは分からない。しかし、選ばれたものしか読めないそうだ。
実はレオポルト2世もこの日記を読むことができたそうだ。
レオポルト2世はこの国の王族ではなかったが、どうしても読みたいというレオポルト2世たっての願いにより、交換条件で読むことが許された。」

俺はごくりと生唾を飲み込む。

「君なら読めるんじゃないかな、リリス。
許可はとってある。さぁ、読んでみて」

俺は扉を開き、1人、部屋の中に入って行く。
ひんやりとした空気が体を包んだ。

目の前のガラスケースには、茶色の小さな本が入っていた。
手に取るとずっしりと重い。

一呼吸おき、日記を開く。




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