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火のないところに煙は立たない
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「お嬢様方、失礼。シモーネを迎えにきた。」
ここでガブリエルが登場した。
皆んなから一気に冷たい視線を浴びたが、ガブリエルは飄々としている。
シモンは早く真相を聞きたくてウズウズしている。
「ガブリエル!ちょうど貴方に会いたいと思っていたの!」
ガブリエルはいつもより甘いシモンのセリフに胸を躍らせた。
「なんて可愛いんだ、シモーネ。早く馬車に戻ろう」
いつもなら鳥肌の立つガブリエルのセリフも今日はルンルンと聞き流せる。
「シモーネ様を悲しませるような真似は許しませんからね。」
シャルロットがピシャリと言い放った。
「僕がシモーネを?あり得ない。いつもシモーネのことだけを考えているのに。」
ガブリエルは冷ややかな視線をシャルロットに送った。
シャルロットも負けじと睨み返す。
「早く帰りましょう」
シモンがガブリエルの腕に自分の腕を絡ませる。
ガブリエルの視線が途端に甘くなる。
「待たせてごめん、シモーネ」
ガブリエルはシモンのほおにキスをした。
「それでは皆さま、ごきげんよう。進展があったらまた教えてくださいね。」
「ええ、必ず。」
シモンとガブリエルの去った後も、お茶会は2人の話で持ちきりだった。
「あんなにシモーネ様のことを好いているように見えて浮気をしようだなんて、男というのは本当に分かりませんわね。」
「まだ浮気と限った話ではありませんわ。ただ仲がいいと言うだけで。」
「仲がいいと言うか、アメリーさんが付き纏っているだけと言う噂もありますわ。」
「ガブリエル様はあんなにシモーネ様のことを大切になさってきたのに…」
「どちらかと言うと、シモーネ様の方が淡白な感じでしたわよね。」
「私はそれが気に入らなくて…。」
シャルロットは顔を曇らせた。
「とにかく、噂が立つだけでも罪なのです。男性方は乙女心を理解しておられませんわ!」
「そうですわね。噂が立つだけでも十分浮気ですもの!」
「おいたわしい、シモーネ様。あんなにもお優しいシモーネ様に漬け込んで浮気だなんて。」
「私たちが守らなくては。」
「ええ、そうね。」
シモーネの知らぬところで応援隊が結束されたのであった。
カタカタと馬車が小さく揺れる。
シモンはガブリエルの膝に乗せられていた。
シモンは細いとはいえ身長175センチの男だ。
いつもこうしてくるが重くないのだろうか?
「俺に伝えたいことない?」
「シモンに?あぁ、ごめん。」
シモンは期待の眼差しをガブリエルに向ける。
「愛してるよ、シモン」
シモンは思わずうげぇと表情に出してしまう。
「それじゃなくて!例えば、仲のいい子ができた…とか!」
「シモン、心配してくれてるんだね。
大丈夫だよ。僕はいつもシモンのことだけを愛しているから」
まだ白状する気はないのか、それともまだそこまで好意がないのか。
ガブリエルとメアリーをもっと仲良くさせなくてはならない!
「メアリーさんって知ってる?」
「メアリー?聞いたことないな」
「とっても明るくて、優しくて、素敵な人なんだって!」
ガブリエルの眉がピクリと動く。
どうしよう、イラつかせてるみたい。
ガブリエルは他の人を褒めると不機嫌になることがよくあった。
慌てて話の方向を変える。
「だから、ガブリエルに近づかないように牽制しないとって思って!」
ここからは作戦を嫉妬深い男に方向転換である。
「ふふふ。可愛い可愛いシモンに牽制なんてできるの?君は優しすぎてできないと思うよ」
「俺だってできる!俺は嫉妬深くて束縛が激しくて、面倒くさいやつなんだ!」
「なら、もっと面倒な恋人になってくれていいよ」
ガブリエルに口で勝つことは出来ない。
ああ言えばこう言う。
いつも余裕そうでなんだかムカつく。
「じゃあ明日から面倒な恋人になってやるからな!」
シモンは意気込んだ。
ガブリエルはその姿をにこにこと眺めているだけだった。
ここでガブリエルが登場した。
皆んなから一気に冷たい視線を浴びたが、ガブリエルは飄々としている。
シモンは早く真相を聞きたくてウズウズしている。
「ガブリエル!ちょうど貴方に会いたいと思っていたの!」
ガブリエルはいつもより甘いシモンのセリフに胸を躍らせた。
「なんて可愛いんだ、シモーネ。早く馬車に戻ろう」
いつもなら鳥肌の立つガブリエルのセリフも今日はルンルンと聞き流せる。
「シモーネ様を悲しませるような真似は許しませんからね。」
シャルロットがピシャリと言い放った。
「僕がシモーネを?あり得ない。いつもシモーネのことだけを考えているのに。」
ガブリエルは冷ややかな視線をシャルロットに送った。
シャルロットも負けじと睨み返す。
「早く帰りましょう」
シモンがガブリエルの腕に自分の腕を絡ませる。
ガブリエルの視線が途端に甘くなる。
「待たせてごめん、シモーネ」
ガブリエルはシモンのほおにキスをした。
「それでは皆さま、ごきげんよう。進展があったらまた教えてくださいね。」
「ええ、必ず。」
シモンとガブリエルの去った後も、お茶会は2人の話で持ちきりだった。
「あんなにシモーネ様のことを好いているように見えて浮気をしようだなんて、男というのは本当に分かりませんわね。」
「まだ浮気と限った話ではありませんわ。ただ仲がいいと言うだけで。」
「仲がいいと言うか、アメリーさんが付き纏っているだけと言う噂もありますわ。」
「ガブリエル様はあんなにシモーネ様のことを大切になさってきたのに…」
「どちらかと言うと、シモーネ様の方が淡白な感じでしたわよね。」
「私はそれが気に入らなくて…。」
シャルロットは顔を曇らせた。
「とにかく、噂が立つだけでも罪なのです。男性方は乙女心を理解しておられませんわ!」
「そうですわね。噂が立つだけでも十分浮気ですもの!」
「おいたわしい、シモーネ様。あんなにもお優しいシモーネ様に漬け込んで浮気だなんて。」
「私たちが守らなくては。」
「ええ、そうね。」
シモーネの知らぬところで応援隊が結束されたのであった。
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シモンは細いとはいえ身長175センチの男だ。
いつもこうしてくるが重くないのだろうか?
「俺に伝えたいことない?」
「シモンに?あぁ、ごめん。」
シモンは期待の眼差しをガブリエルに向ける。
「愛してるよ、シモン」
シモンは思わずうげぇと表情に出してしまう。
「それじゃなくて!例えば、仲のいい子ができた…とか!」
「シモン、心配してくれてるんだね。
大丈夫だよ。僕はいつもシモンのことだけを愛しているから」
まだ白状する気はないのか、それともまだそこまで好意がないのか。
ガブリエルとメアリーをもっと仲良くさせなくてはならない!
「メアリーさんって知ってる?」
「メアリー?聞いたことないな」
「とっても明るくて、優しくて、素敵な人なんだって!」
ガブリエルの眉がピクリと動く。
どうしよう、イラつかせてるみたい。
ガブリエルは他の人を褒めると不機嫌になることがよくあった。
慌てて話の方向を変える。
「だから、ガブリエルに近づかないように牽制しないとって思って!」
ここからは作戦を嫉妬深い男に方向転換である。
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「俺だってできる!俺は嫉妬深くて束縛が激しくて、面倒くさいやつなんだ!」
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