元最強魔剣士に転生しちゃった。~仇を追って旅に出る~

飛燕 つばさ

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第二章 レーナス帝国編

第81話 リューディアへ

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「タキモト!ジュリア行け!」

みず捌式はちしき百氷ひゃくひょう!』

「魔力の大爆発を引き起こせ!『エクスプロージョン!』」

 シャシャシャッと氷柱つららが突き刺さり、ドッカァァァァン!と轟音が響いた。

 タキモトとジュリアは、それぞれキラーオーガとヘルグリズリーとの戦いに挑んでいた。

 タキモトは、魔剣士スキルの『百氷』という技を使った。百氷は、空中に約100本の氷柱を具現化ぐげんかし、相手に攻撃する技だった。

 キラーオーガは、四方八方しほうはっぽうから氷柱に串刺くしざしにされて息絶いきたえていた。

 タキモトは、レベル100を超えた所でこの技に目覚めたらしい。魔剣士隊にいた際にこの技を取得していたら、恐らくは序列が変わっていたことだろう。

 ジュリアは、上位魔法『エクスプロージョン』でヘルグリズリーと戦った。

 エクスプロージョンの威力は凄まじく、肉片が飛び散って、魔物は原型をとどめていなかった。

 ジュリアもレベルが100を超えて自然にこの魔法を使えるようになっていたそうだ。

「二人ともよくやったな!素晴らしかったぞ!」

 私は二人に労いの言葉を掛けて頭を撫でた。

「えへへ。褒められちゃった。」タキモトは満足そうに笑った。
 
「えへへ。お役にたてて良かったです。」ジュリアは恥ずかしそうに目をせた。

 大魔境五日目。

 我々は強敵との数々の対戦を経て確実に実力が上がっていた。

 幼女神さまの加護『成長加速』も我々のレベルアップに大いに貢献してくれたのである。

 私たちは沢山歩き回わった。レベル8となった『インフォ』は更に能力を向上させ、周囲の地形を正確に把握はあくできるようになっていた。

 お陰で無駄に歩き回ることなく最短距離での移動となったのである。

 目的地はもうすぐだ。私たちは、一歩一歩確実に奥地へと足を運んで行った。

◇ ◇ ◇

「先輩!あれは?」

「ん?どのことだ?」

「あっ、ジンさん。あそこです。大樹の下の方…。」

「あぁ。本当だ。凄いな…。」

 私たちは大魔境の森を抜け、木々が無くなり、開けた場所に出てきた。ここは、大魔境の中心部である。

 そこは、これまでと違い、草原が広がる場所だった。

 その更に先に見える大樹の下の方に、キラキラ光る泉のような場所が見えたのだ。

「綺麗な場所…。」

 ジュリアやタキモトもこの場所の美しい景色に目を奪われていた。

「行ってみよう。」

 緑ではなく、黄金に輝く草原を歩く。

 穏やかな風がほほかすめて行った。

 不思議と魔物の姿はなく、ここには神秘的な力が作用していると感覚で感じた。

 異世界版の桃源郷といった所だろうか。

 大魔境の恐ろしく激しい生存競争の現実から離れ、穏やかで美しい場所に来たようだった。

 さらさらと流れる小川からは、透き通った綺麗な水が流れており、所々にポツンと立っている木には美しく見たことのない果実が実っていた。

「わぁ、美味しそな果物ね?先輩取ってもいいかな?」

「いや、今は止めておこう。この不思議な場所は、インフォによると大精霊が管理する場所で、『リューディア』と呼ばれているようだ。この先何が起きるか分からないから念の為な。」

「本当だ!リューディア…。凄い所に来ちゃったみたいね。」

「あっ!ジンさん見てください。」

 ジュリアの指さす方には、ふわふわと小石が浮かんで宙をさまよっていた。

「一体どういう仕組みなんだ?どうやら私たちの常識ではわからない不思議な場所みたいだな。」

 更に道を進み大きな泉のある場所へと辿り着いた。

「わぁ…。」「凄い。」「ああ。これは素晴らしいな。」

 私たち三人は一斉いっせいに声を上げた。

 それは、一本の美しい大樹がそびえ立ち、大樹からは滝のように水が流れ落ち、それが泉を形成していたのだ。

 泉は淡い桃色をしており、水は所々でキラキラと小さな輝きを放っていた。

 これまで見たなかで圧倒的に美しい景色だった。

「先輩、ここがネフィスの泉で間違いないみたいですよ。」

「ああ、ありがとう。それでタキモト、女神さまはここに行って何をしろと?」

「ええと、それはですね。」

「わたくしが目的なのでしょう?」

「あなたは!?」

 突然、女性が声を掛けてきた。その方は、透きとおるような白い肌をしており、植物のような緑の髪が特徴的であった。

「わたくしはヴェルデ。緑の大精霊です。」

「わぁ!綺麗な精霊さんだぁ!」

 タキモトは、初めてみる大精霊に興奮して声を上げた。

「タキモト!そんな風に騒いだら失礼だろう?相手は大精霊だぞ!」

「ごめんなさい。」

 タキモトは慌てて頭を下げた。

「あらあら、気にしなくていいのよ。あなたたちは、エルルさまに言われてここまで来たのでしょう?」

「はい、詳しいことは分かりませんが…。」

「エルルさまは、お忙しい方です。肝心なことをいい忘れて他の仕事に向かったのでしょう。」

「ヴェルデさまはご存知なのですか?」

 ジュリアが訪ねた。

「えぇ。エルルさまから頼まれていますからね。それを話す前にまずはお茶でもいかが?それっ!」

 突然、オシャレなテーブルや椅子が現れたのであった…。
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