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バレンタイン前夜のすれ違い
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「ディダさん何を作っているのですか?」
「えへへ、チョコレートです。魔国ではバレンタインにチョコレートを送りあうんですよね?俺の一番大切な人へのプレゼントです。」
セバスチャンさん喜んでくれるかなー。
**
「・・・へー、いいですねー。」
わ、私にではないのですか!え?一番大切な人ってだ、だだだ誰ですか!?
いやいや、落ち着きましょう。これとは別に私の分もありますよね・・・?
「じゃ、じゃあ私はディダさんに作りますね。」
「!ありがとうございますっ。」
ディダはへへっと笑ってそう言った。
そ、そこは『俺もセバスチャンさんのために作ります!』じゃないのですか!?大切な人用で手いっぱいってことですか!
う、いや確かに随分真剣に計量しているし、大きな型も見えますけど・・・。別にちょっとぐらいついでに作ってくれても・・・。
「じゃ、じゃあこっちはお城のみんなの分にしようかなー。」
セバスチャンのその言葉を聞いた瞬間ディダは目に見えて動揺した。
「!!」
お?
もちろんわざとである!ディダはセバスチャンが他の人に料理を作ることを嫌がる。セバスチャンはそれをわかった上でいじわるをしているのである。
以前調べたところでは、鬼人にとって料理をふるまう=獲物を渡す=求愛行動であるらしい。
セバスチャンも男の子、好きな子にいじわるをしたくなるのだ。これでディダが『お、俺以外の人にチョコレートあげちゃダメです!』と必死になるのをみて溜飲を下げようという姑息な作戦であった。
普段はメイド長と共同で作っているところを、今年は彼の手前メイド長に任せようと思っていたのだが、予定変更!さあ、これで完璧なはず!
**
え、せばすちゃんさんがおしろのみんなにぷれぜんと・・・。
い、いやいやいや、別にセバスチャンさんには他意があるわけではないですよね。こっちではバレンタインに友達やみんなでチョコレートを交換する風習があるって言ってましたし。
そもそも、食べ物をあげることに特別な意味はないんですから俺だけ気にしてちゃあいけませんよね・・・。変なこと言ってセバスチャンさんを困らせたくないし・・・。
「へー、いいですねー。」
**
あれー!?ショックじゃないのですか!
ディダは演技派であった!
その後もディダは平静を装ってチョコレートづくりを進める。
「えー、ちょこれーと200g・・・」
「ディダさん!そこの袋を取っていただけませんか?」
「はい、いいですよ。何の袋ですか?」
「チョコレートチップです。」
ただしハート型のね!
「へ、へーかわいいですね。」
「ええ、みんなの分のチョコレートケーキの上にのせようと思って買ったのですよ。」
にっこりと笑ってそう言う。
本当はディダさんの分のつもりでしたがね!
「へ、へーいいですねー。」
あれー!?反応が薄いっ!?おかしいなあ、もっと慌てるかと思っていたのですが。
「あ、そうだ。この型を使いましょう。」
もちろんハート型。正直城の同僚に配るには向かないが背に腹は代えられない。さあどう出ますか?
「・・・へーいいですねー。」
本当にいいんですか!?作っちゃいますよ!?それともそんなに大切な人用のチョコレートに集中しているんですか!?うわっ、あんなにチョコレートいれてる・・・。結構な量ですよね。獲物の大きさが愛情を示す、でしたっけ・・・。
よしっ、
「と、思いましたけど、やっぱりこっちのもっと大きい型を使いましょう。」
「・・・・・へーいいですねー。」
な、なんと竜の谷では入手が難しく高級食材の砂糖をあんなに!?真っ白になるまでいれるのですか!?
よ、よしかくなるうえは仕方ありません、
「あー、大きい型にしたらチョコレートの材料が足りませんねー。ディダさん用の型を小さくしないといけないなー。」
「・・・・・・・・・・・・・・へーいいですねー。」
ええ!?本命の人からもらえれば私からのなんて小さいほうがいいってことですか!?て、ええ!?ディダさん型からチョコレートがあふれていますよ!?えっ!?こんな型には収まらないほどの愛ってことなのですか!?そ、そんなに!?ええい、もうこうなったら背に腹は代えられません。
「ぐ、ディダさん!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
***
「ふ、ふえっ、ぐすっ、んっ、ぐひっ、んぐ、ぐすん、ふ、ふあっ、あー、あーひっ、ひうっ」
「ご、ごごめんなさい、ディダさん。違うんです、こんなことするつもりではなくて、」
いや、わざとだったんですけどね!でも泣かせるつもりでは・・・
「あ、あぁぁんうゎあぁぁぁん、んっ、〝お、〝おれぇっ、ぜばすぢゃんざばのっ、ごどなんがぁ、ぁ、き、きらぁ、きらいっ、きらいらぁっ、あ、ぎらいっ、らっ、やらっ、ぼうぢょごなんがあげだいぃっ、ゎあぁぁん」
「ま、待ってください! ディダさん!ディダさん!?」
ガチャン、と音を立て、ディダは部屋の鍵を閉めてしまった。
「ディダさーん⁉」
***
「ディダさん!ディダさん!」
どんどん、と部屋のドアを叩く音が聞こえる。
「ぐすっ。ぐすん。」
ずずーっと鼻をすする。
「開けてくださいディダさんっ。こんな風に貴方を傷つけるつもりはなかったんです。くだらない嫉妬をした私が悪かったんです。ごめんなさい・・・。」
?嫉妬?なんの話だろうか。
「本当にごめんなさい。やきもちを焼いて貴方の気を引くために嫌がらせをするだなんて。私のことは好きなだけ罵って頂いて構いません。だから、どうか、泣き止んでくださりませんか?」
!!やっぱりやきもちって言った!しかも俺の気を引くためだって!? はっ、じゃないじゃない、
「だからそのっ、貴方がチョコレートをあげるというですね、そのっ、大切な人に、私がやきもちを焼いてですね、えー、そのぉ、く、くだらない嫉妬心だったんです。もう二度としませんから許して頂けませんか?」
!?
「・・・俺が用意していたのはセバスチャンさんの分ですよ。」
「えっ。」
ううむ、いかんなあ。にやにやしてきた。
「ええと、そ、それは、申し訳ございません・・・。」
ふへー、セバスチャンさんが俺にやきもちかあ。へへぇ。
「あ、あのー、それで、そのー、許してくださいますか?」
その瞬間俺の頭にピーンと稲妻がよぎった。
「あ、え、ええそうですね。えーとでもほら、俺傷ついたのでぇ、そ、そのっ、す、好きって言ってくれたら、か、考えてもいいかなぁーって。」
えへへ。
「・・・。」
あ、あれ?返事が返ってこないな。さすがにわざとらしかっただろうか。
「っ好きです。」
「・・・!」
「ど、どうでしょうか?」
え、えーどうしようかなあ。んー、そうだなあ。
「えっと、じゃあ、あ、愛してるって言ってください。」
「えっ。」
これはどうかなあ。へへー楽しみー。
「・・・愛してます。」
「・・・! もっと言ってください。」
「っ愛してます!」
「えへへへ、あと名前も呼んでください。」
「あ、愛してます、ディダさん!」
「――でぃ、ディダ愛してる!」
「!!! え、えっとお、じゃ、じゃあ、あとお、十回言ってくれたらあ、いいですよお?」
「――――――っ、あ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダっ!」
「――――――――!!!!!!!」
!!!!
「・・・も、もっと。」
「!愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、・・・
こうしてバレンタイン前日の夜は過ぎていった。
「えへへ、チョコレートです。魔国ではバレンタインにチョコレートを送りあうんですよね?俺の一番大切な人へのプレゼントです。」
セバスチャンさん喜んでくれるかなー。
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「・・・へー、いいですねー。」
わ、私にではないのですか!え?一番大切な人ってだ、だだだ誰ですか!?
いやいや、落ち着きましょう。これとは別に私の分もありますよね・・・?
「じゃ、じゃあ私はディダさんに作りますね。」
「!ありがとうございますっ。」
ディダはへへっと笑ってそう言った。
そ、そこは『俺もセバスチャンさんのために作ります!』じゃないのですか!?大切な人用で手いっぱいってことですか!
う、いや確かに随分真剣に計量しているし、大きな型も見えますけど・・・。別にちょっとぐらいついでに作ってくれても・・・。
「じゃ、じゃあこっちはお城のみんなの分にしようかなー。」
セバスチャンのその言葉を聞いた瞬間ディダは目に見えて動揺した。
「!!」
お?
もちろんわざとである!ディダはセバスチャンが他の人に料理を作ることを嫌がる。セバスチャンはそれをわかった上でいじわるをしているのである。
以前調べたところでは、鬼人にとって料理をふるまう=獲物を渡す=求愛行動であるらしい。
セバスチャンも男の子、好きな子にいじわるをしたくなるのだ。これでディダが『お、俺以外の人にチョコレートあげちゃダメです!』と必死になるのをみて溜飲を下げようという姑息な作戦であった。
普段はメイド長と共同で作っているところを、今年は彼の手前メイド長に任せようと思っていたのだが、予定変更!さあ、これで完璧なはず!
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え、せばすちゃんさんがおしろのみんなにぷれぜんと・・・。
い、いやいやいや、別にセバスチャンさんには他意があるわけではないですよね。こっちではバレンタインに友達やみんなでチョコレートを交換する風習があるって言ってましたし。
そもそも、食べ物をあげることに特別な意味はないんですから俺だけ気にしてちゃあいけませんよね・・・。変なこと言ってセバスチャンさんを困らせたくないし・・・。
「へー、いいですねー。」
**
あれー!?ショックじゃないのですか!
ディダは演技派であった!
その後もディダは平静を装ってチョコレートづくりを進める。
「えー、ちょこれーと200g・・・」
「ディダさん!そこの袋を取っていただけませんか?」
「はい、いいですよ。何の袋ですか?」
「チョコレートチップです。」
ただしハート型のね!
「へ、へーかわいいですね。」
「ええ、みんなの分のチョコレートケーキの上にのせようと思って買ったのですよ。」
にっこりと笑ってそう言う。
本当はディダさんの分のつもりでしたがね!
「へ、へーいいですねー。」
あれー!?反応が薄いっ!?おかしいなあ、もっと慌てるかと思っていたのですが。
「あ、そうだ。この型を使いましょう。」
もちろんハート型。正直城の同僚に配るには向かないが背に腹は代えられない。さあどう出ますか?
「・・・へーいいですねー。」
本当にいいんですか!?作っちゃいますよ!?それともそんなに大切な人用のチョコレートに集中しているんですか!?うわっ、あんなにチョコレートいれてる・・・。結構な量ですよね。獲物の大きさが愛情を示す、でしたっけ・・・。
よしっ、
「と、思いましたけど、やっぱりこっちのもっと大きい型を使いましょう。」
「・・・・・へーいいですねー。」
な、なんと竜の谷では入手が難しく高級食材の砂糖をあんなに!?真っ白になるまでいれるのですか!?
よ、よしかくなるうえは仕方ありません、
「あー、大きい型にしたらチョコレートの材料が足りませんねー。ディダさん用の型を小さくしないといけないなー。」
「・・・・・・・・・・・・・・へーいいですねー。」
ええ!?本命の人からもらえれば私からのなんて小さいほうがいいってことですか!?て、ええ!?ディダさん型からチョコレートがあふれていますよ!?えっ!?こんな型には収まらないほどの愛ってことなのですか!?そ、そんなに!?ええい、もうこうなったら背に腹は代えられません。
「ぐ、ディダさん!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
***
「ふ、ふえっ、ぐすっ、んっ、ぐひっ、んぐ、ぐすん、ふ、ふあっ、あー、あーひっ、ひうっ」
「ご、ごごめんなさい、ディダさん。違うんです、こんなことするつもりではなくて、」
いや、わざとだったんですけどね!でも泣かせるつもりでは・・・
「あ、あぁぁんうゎあぁぁぁん、んっ、〝お、〝おれぇっ、ぜばすぢゃんざばのっ、ごどなんがぁ、ぁ、き、きらぁ、きらいっ、きらいらぁっ、あ、ぎらいっ、らっ、やらっ、ぼうぢょごなんがあげだいぃっ、ゎあぁぁん」
「ま、待ってください! ディダさん!ディダさん!?」
ガチャン、と音を立て、ディダは部屋の鍵を閉めてしまった。
「ディダさーん⁉」
***
「ディダさん!ディダさん!」
どんどん、と部屋のドアを叩く音が聞こえる。
「ぐすっ。ぐすん。」
ずずーっと鼻をすする。
「開けてくださいディダさんっ。こんな風に貴方を傷つけるつもりはなかったんです。くだらない嫉妬をした私が悪かったんです。ごめんなさい・・・。」
?嫉妬?なんの話だろうか。
「本当にごめんなさい。やきもちを焼いて貴方の気を引くために嫌がらせをするだなんて。私のことは好きなだけ罵って頂いて構いません。だから、どうか、泣き止んでくださりませんか?」
!!やっぱりやきもちって言った!しかも俺の気を引くためだって!? はっ、じゃないじゃない、
「だからそのっ、貴方がチョコレートをあげるというですね、そのっ、大切な人に、私がやきもちを焼いてですね、えー、そのぉ、く、くだらない嫉妬心だったんです。もう二度としませんから許して頂けませんか?」
!?
「・・・俺が用意していたのはセバスチャンさんの分ですよ。」
「えっ。」
ううむ、いかんなあ。にやにやしてきた。
「ええと、そ、それは、申し訳ございません・・・。」
ふへー、セバスチャンさんが俺にやきもちかあ。へへぇ。
「あ、あのー、それで、そのー、許してくださいますか?」
その瞬間俺の頭にピーンと稲妻がよぎった。
「あ、え、ええそうですね。えーとでもほら、俺傷ついたのでぇ、そ、そのっ、す、好きって言ってくれたら、か、考えてもいいかなぁーって。」
えへへ。
「・・・。」
あ、あれ?返事が返ってこないな。さすがにわざとらしかっただろうか。
「っ好きです。」
「・・・!」
「ど、どうでしょうか?」
え、えーどうしようかなあ。んー、そうだなあ。
「えっと、じゃあ、あ、愛してるって言ってください。」
「えっ。」
これはどうかなあ。へへー楽しみー。
「・・・愛してます。」
「・・・! もっと言ってください。」
「っ愛してます!」
「えへへへ、あと名前も呼んでください。」
「あ、愛してます、ディダさん!」
「――でぃ、ディダ愛してる!」
「!!! え、えっとお、じゃ、じゃあ、あとお、十回言ってくれたらあ、いいですよお?」
「――――――っ、あ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダっ!」
「――――――――!!!!!!!」
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「・・・も、もっと。」
「!愛してるディダ、愛してるディダ、愛してるディダ、・・・
こうしてバレンタイン前日の夜は過ぎていった。
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