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罪を吐く
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私たちが罪を犯したことは、誰よりも母の私が理解をせねばならない。腑に落ちぬ罪もあったけれど、私たち人魚にとって、人魚が人間らしさを手に入れてしまうことがいちばんの罪であるのだから、それが天の定めだと受け入れるしかない。
それはそれとして、人間は哀れだと思った。とても、とても。私たち人魚に喰われたくせに、哀れだと思った。魅了されて、蕩けるように眠りに落ちて、深く溺れていったことが。哀れで、憐れで、惨めで。ああ、そんなおまえたちに愛さえ与えてあげられれば、どんなによいか。人魚は神ではない。与えられるのは罪を贖うためにばりばりばりと頭から足の爪先まで丁寧に喰うことだけ。
私たち人喰い人魚の一族は、海の奥底の、ずうっと遠くに、仲間を作らずひっそりと暮らしていた。住処も暗くて、私たちが贖罪という名目で食べた人間たちの骨がたくさん埋まっている。埋めきれずに流されていった骨だってある。それを見る魚たちは悪口を言ったし、私たちに攻撃したりもした。そういうのは、運命だ。運命なのだ。そう思って受け入れた。
人喰い人魚の一族は名を持たない。名を持たず、ただ役職として天から与えられた人間を食べる。天がお与えになったから、食べる。人間のほうからやって来ようと、天がお決めになったからと迷いも憂いもなく、ただひたすらに無心で食べるのだ。
そんな私たちは、もう繁殖することも忘れるほどに人間を食べ、罪を背負う側になってしまった。そうしているうちに末代になり、実子たちは、十年かそこらか前の大きな波に飲まれて、それきり離れ離れになってしまった。人間にとってあれは、大災害であったらしい。
──しかし恐らく、娘のひとりは陸に上がっている。娘の行方はどうしても突き止めたい。これは母として、そして一族の末裔として、やらねばならないことだ。
さて。
いつかの人間は、罪の有無に関わらず際限なくやって来た。際限がないということは理由もないということだ。つまり私たちが喰う理由も、喰ってやる理由もなくなった。何が罪で何が贖いなのか、私たちにも判別がつかなくなったのだ。
天がお決めになったと言ったが、あれはどうやら根本から違ったようである。裁定していたのはそもそもの話人間であり、人間が都合よく人魚に食わせていただけだったのだ。信じるべきは、天ではなかったのだ。
罰を与えるはずだった私たち一族は、次第に、人間が人魚に対して求めるものが贖いでも救済でもないことに気付いた。いちばんの罪人は人魚であることにもだんだんと気付かされてしまった。
その頃にはもう、一族が私たち三人だけになったときだったけれど。
子どもたちと離れ離れになったあと、私は陸に上がることを決めた。陸の上は息がしづらかった。まるで「これがおまえへの罰だ」と言わんばかりの痛みと苦しさだった。生えた両足の違和感や使い方だって慣れるまでに苦労した。
それなのに鱗が、消えたはずの鱗が、生えてきた。人間の生々しい肌の感触の上から、鱗が生え出てくるのが分かった。劈くような鋭い痛みも伴った。海に流れてきたアルミ缶のような。人間の持っていたナイフやフォークのような。きらきら光が反射するワイングラスのような。刺さったら痛いと、人間の体になるといちいち感じなければならない。自己再生ができないからだ。
さらに自分の体を見下ろして絶望を知った。ああこれが、人間の繁殖器。いや、生殖器と言うべきか。私は「人間の女」であることを、受け入れなければならないことを、絶望を、知った。
陸に上がった私は、「人間の女」の体をしている上に、力が中途半端に残った「人魚」の側面もまだ持ち合わせているという異質な体になってしまった。
さて、人間になったからには名前が必要になる。陸に上がったとき、最初に目にした花は椿だった。そうだ、椿と名乗ろう。分かりやすくていいじゃないか。花の名前ならばきっと愛される。まず問題なく生活ができるかどうかも分からないのだし、愛されるかなんてまだ微塵も分からないが。
ひとまず、名を「椿」、姓は最後に食べた人間の名を拝借して「芹沢」とした。皮肉にも私の最初で最後の贖いである。名乗ることで、あの人間がずっと私の中で生き続けるからだ。
人間になったと言うのに、姓以外の名前に大した思い入れがない。名乗る名があればよい、というだけ。
──この感覚も、いずれ捨て去らなければならないのだろうか。人魚だった頃の感覚は、人間になった今ではまったく不要なのだろうか。
椿の花は、枯れる際に首からぽっきり折れる。そのさまが醜いだの、縁起が悪いだのと人間は言う。人間は命も短い上に体も脆い。自己再生もできない。だから花や草木にさえ人間の都合でよい意味を持たせようと必死に縋る。ああ、こうなってしまうともうくだらないとさえ思ってしまう。どうだ、人間よ。おまえたちは、人魚しか救いはないと言葉にしておきながら、結局縋る存在は何でもいいという訳か。
ああ、しょうもない。
人間の感覚を掴もうにも、人間になったばかりの私にとってはまだ掴みにくく、感覚自体訝しむものだった。今更醜いだの縁起が悪いだのと言われてもどうとも思わない。
ああでも、それでも、私や息子や娘たちは人間の感覚で生きていかねばならないのだろうか。この感覚に対する意識も、娘に再会すれば、また変わるだろうか。もしかすれば世界のどこかで再会できて、意識も変わるかもしれないと、期待を抱いてもよいだろうか。
──隣で静かに寝息を立てて眠る息子の表情は、とても穏やかだ。けれど息子は、現にこうして不意に鱗が出てしまう病に悩まされている。薬は飲んでいるが、完治の見込みはなく、期待も抱けない。人間の感覚だって母の私と同じようにまだ掴みきれていない。涙だって、流せばうっかり真珠になってこぼれ落ちるときがある。診断と薬を処方してもらうために医者にかかると、はじめこそ疑われたものの、すぐに「ああ、人魚の方ですね」と受け入れられた。
どうやら驚くことに、他にも同じ症状の患者が昔居たらしい。どのくらい昔かと聞くと、医者はおおよそ半世紀前だと言った。
そういえば、と思い出す。半世紀前、同じように大きな地震と波が起きたことも、私の記憶に新しかった。
「……母さん、おはよう。薬の時間だね」
「ああ、悠明。起きたのね、おはよう。そうね。白湯持ってくるわね」
「ありがとう」
息子の悠明は、私が陸に上がるより少し前に陸に上がっていたと話してくれた。まだその頃は海も荒れていて、瓦礫だらけで、あんなに人魚に救いを求めて気楽そうに暮らしていた人間も、皆揃って生気を失っていた。
それに比べて、悠明は人魚だった頃よりずいぶんと顔色がいい。体つきも筋肉質になって、母親としても息子を立派に頼れると思うようになった。海の中は雑音が多くてなかなか寝付けなかった体質も、人間になってからはうそみたいに改善されたようだった。
今では私と同じ舞台俳優をしており、人気俳優として大活躍している。最近では、こうして薬を服用しながらではあるものの、目覚めてすぐ普段通りの声量で歌いこなし、舞台の上でもいつも主役級に輝いている。その力の元を辿るとやはり人魚の力に行き着くのだけれど、悠明本来の力は、人魚の姿で居るよりも人間の姿で居るほうが発揮されていると、母親ながらに思う。
今日は私が主演を務める舞台「オンディーヌ」の初演日だ。多くの学生が鑑賞しに訪れるというけれど、やるべきことは変わらない。なにか、大きな予感があるけれど、それにしたってやるべきことはずっと同じだ。
娘よ。
そこに居るのなら、返事をなさい。
それはそれとして、人間は哀れだと思った。とても、とても。私たち人魚に喰われたくせに、哀れだと思った。魅了されて、蕩けるように眠りに落ちて、深く溺れていったことが。哀れで、憐れで、惨めで。ああ、そんなおまえたちに愛さえ与えてあげられれば、どんなによいか。人魚は神ではない。与えられるのは罪を贖うためにばりばりばりと頭から足の爪先まで丁寧に喰うことだけ。
私たち人喰い人魚の一族は、海の奥底の、ずうっと遠くに、仲間を作らずひっそりと暮らしていた。住処も暗くて、私たちが贖罪という名目で食べた人間たちの骨がたくさん埋まっている。埋めきれずに流されていった骨だってある。それを見る魚たちは悪口を言ったし、私たちに攻撃したりもした。そういうのは、運命だ。運命なのだ。そう思って受け入れた。
人喰い人魚の一族は名を持たない。名を持たず、ただ役職として天から与えられた人間を食べる。天がお与えになったから、食べる。人間のほうからやって来ようと、天がお決めになったからと迷いも憂いもなく、ただひたすらに無心で食べるのだ。
そんな私たちは、もう繁殖することも忘れるほどに人間を食べ、罪を背負う側になってしまった。そうしているうちに末代になり、実子たちは、十年かそこらか前の大きな波に飲まれて、それきり離れ離れになってしまった。人間にとってあれは、大災害であったらしい。
──しかし恐らく、娘のひとりは陸に上がっている。娘の行方はどうしても突き止めたい。これは母として、そして一族の末裔として、やらねばならないことだ。
さて。
いつかの人間は、罪の有無に関わらず際限なくやって来た。際限がないということは理由もないということだ。つまり私たちが喰う理由も、喰ってやる理由もなくなった。何が罪で何が贖いなのか、私たちにも判別がつかなくなったのだ。
天がお決めになったと言ったが、あれはどうやら根本から違ったようである。裁定していたのはそもそもの話人間であり、人間が都合よく人魚に食わせていただけだったのだ。信じるべきは、天ではなかったのだ。
罰を与えるはずだった私たち一族は、次第に、人間が人魚に対して求めるものが贖いでも救済でもないことに気付いた。いちばんの罪人は人魚であることにもだんだんと気付かされてしまった。
その頃にはもう、一族が私たち三人だけになったときだったけれど。
子どもたちと離れ離れになったあと、私は陸に上がることを決めた。陸の上は息がしづらかった。まるで「これがおまえへの罰だ」と言わんばかりの痛みと苦しさだった。生えた両足の違和感や使い方だって慣れるまでに苦労した。
それなのに鱗が、消えたはずの鱗が、生えてきた。人間の生々しい肌の感触の上から、鱗が生え出てくるのが分かった。劈くような鋭い痛みも伴った。海に流れてきたアルミ缶のような。人間の持っていたナイフやフォークのような。きらきら光が反射するワイングラスのような。刺さったら痛いと、人間の体になるといちいち感じなければならない。自己再生ができないからだ。
さらに自分の体を見下ろして絶望を知った。ああこれが、人間の繁殖器。いや、生殖器と言うべきか。私は「人間の女」であることを、受け入れなければならないことを、絶望を、知った。
陸に上がった私は、「人間の女」の体をしている上に、力が中途半端に残った「人魚」の側面もまだ持ち合わせているという異質な体になってしまった。
さて、人間になったからには名前が必要になる。陸に上がったとき、最初に目にした花は椿だった。そうだ、椿と名乗ろう。分かりやすくていいじゃないか。花の名前ならばきっと愛される。まず問題なく生活ができるかどうかも分からないのだし、愛されるかなんてまだ微塵も分からないが。
ひとまず、名を「椿」、姓は最後に食べた人間の名を拝借して「芹沢」とした。皮肉にも私の最初で最後の贖いである。名乗ることで、あの人間がずっと私の中で生き続けるからだ。
人間になったと言うのに、姓以外の名前に大した思い入れがない。名乗る名があればよい、というだけ。
──この感覚も、いずれ捨て去らなければならないのだろうか。人魚だった頃の感覚は、人間になった今ではまったく不要なのだろうか。
椿の花は、枯れる際に首からぽっきり折れる。そのさまが醜いだの、縁起が悪いだのと人間は言う。人間は命も短い上に体も脆い。自己再生もできない。だから花や草木にさえ人間の都合でよい意味を持たせようと必死に縋る。ああ、こうなってしまうともうくだらないとさえ思ってしまう。どうだ、人間よ。おまえたちは、人魚しか救いはないと言葉にしておきながら、結局縋る存在は何でもいいという訳か。
ああ、しょうもない。
人間の感覚を掴もうにも、人間になったばかりの私にとってはまだ掴みにくく、感覚自体訝しむものだった。今更醜いだの縁起が悪いだのと言われてもどうとも思わない。
ああでも、それでも、私や息子や娘たちは人間の感覚で生きていかねばならないのだろうか。この感覚に対する意識も、娘に再会すれば、また変わるだろうか。もしかすれば世界のどこかで再会できて、意識も変わるかもしれないと、期待を抱いてもよいだろうか。
──隣で静かに寝息を立てて眠る息子の表情は、とても穏やかだ。けれど息子は、現にこうして不意に鱗が出てしまう病に悩まされている。薬は飲んでいるが、完治の見込みはなく、期待も抱けない。人間の感覚だって母の私と同じようにまだ掴みきれていない。涙だって、流せばうっかり真珠になってこぼれ落ちるときがある。診断と薬を処方してもらうために医者にかかると、はじめこそ疑われたものの、すぐに「ああ、人魚の方ですね」と受け入れられた。
どうやら驚くことに、他にも同じ症状の患者が昔居たらしい。どのくらい昔かと聞くと、医者はおおよそ半世紀前だと言った。
そういえば、と思い出す。半世紀前、同じように大きな地震と波が起きたことも、私の記憶に新しかった。
「……母さん、おはよう。薬の時間だね」
「ああ、悠明。起きたのね、おはよう。そうね。白湯持ってくるわね」
「ありがとう」
息子の悠明は、私が陸に上がるより少し前に陸に上がっていたと話してくれた。まだその頃は海も荒れていて、瓦礫だらけで、あんなに人魚に救いを求めて気楽そうに暮らしていた人間も、皆揃って生気を失っていた。
それに比べて、悠明は人魚だった頃よりずいぶんと顔色がいい。体つきも筋肉質になって、母親としても息子を立派に頼れると思うようになった。海の中は雑音が多くてなかなか寝付けなかった体質も、人間になってからはうそみたいに改善されたようだった。
今では私と同じ舞台俳優をしており、人気俳優として大活躍している。最近では、こうして薬を服用しながらではあるものの、目覚めてすぐ普段通りの声量で歌いこなし、舞台の上でもいつも主役級に輝いている。その力の元を辿るとやはり人魚の力に行き着くのだけれど、悠明本来の力は、人魚の姿で居るよりも人間の姿で居るほうが発揮されていると、母親ながらに思う。
今日は私が主演を務める舞台「オンディーヌ」の初演日だ。多くの学生が鑑賞しに訪れるというけれど、やるべきことは変わらない。なにか、大きな予感があるけれど、それにしたってやるべきことはずっと同じだ。
娘よ。
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