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プロローグ
4 少女と怪物
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とある男の視点
朝。
やっとこさの朝だ。恐ろしい夜を終えて俺は一安心した。
俺は目の前に龍が通りすぎるのをびくびくしながら見ていた。
気づくな…気づくなよ…!
…ふぅ。
俺は寝る必要がない…と思うのだ。
全く眠くもない。それにこの子を守るために常に警戒しないといけないのだ。
さてと…そろそろ起きるころかな?
「…ん…あ、あれ…私…生きてる。し、死んでない…。」
俺は伸縮形態を解除して、この子の足からこの子を見るような形態に変形する。
「おはようございます、といったところかな?」
「…。ひぃぃ!!」
少女はとても驚いた。なんだこの物体は、そんな混乱と恐怖の表情だ。
少女は体を後ろに引かせる。しかし、それと同時に物体もついてくるのだ、なお怖いだろう。
なんせその物体が自分とつながっているのだ。
「驚くのも無理はないが、まずは冷静になってほしいんだ。君は一度死んだ。確実に。」
少女は昨夜のことを思い出したのか顔が恐怖で染まっていく。
「だけど安心しろ!今お前は生きている!見ろ、あれ!」
少女は物体が示した方向へと向く。
そこには昨夜自分の心臓を刺した龍がぐしゃぐしゃの状態になっていたのだ。それどころか森に大きな道ができていた。
「だから…冷静に聞いてほしいんだ。俺はお前の心臓だ。よろしく。」
「なるほど…あなたは異世界転生して、私の一度は破壊された心臓を器として転生したと…。」
「そうそう。それで今こういう状況なわけさ。それでだ、俺はこの世界について何も知らないからお前のことを教えてほしいんだ。お前の名前は?」
「えっと…イミナです。ステータスは。」
「あぁ大丈夫だ。俺はお前の心臓、つまりは一心同体。イミナのステータスは自分で確認できるぜ。ただまぁ…許可なくしてみるのはあれかなぁって思って…まぁ見てもいい?」
「はい、大丈夫です。」
名前:イミナ
種族:人間(種族:亜種)
レベル:13
状態:衰弱
称号:運命の子
スキル
・吸収解析
・呪い:魔法不可
・魔法適正
ふむ…いたって普通の子なのか?俺と同じで称号がやけにかっこいいのが気になるが…。
亜種というのが気になるが、それよりもスキルの方だ。
「この吸収解析というのは?」
「私の固有能力(オリジナルスキル)です。どんなスキルでもその詳細な能力を知ることができるんです。でもそのためにはデメリットがあって…その解析するモノを吸収しないといけないんです。人間なんかにやると肌なんかがはがれてしまうんです。それで…」
「それで?」
「この白い髪もあいまって森に放り込まれたんです…。」
とある屋敷に女の子が生まれた。
本来、新しい命が生まれれば誰もが喜ぶ。最も喜ぶのはその子を産んだ親である。胸元に抱き寄せ頭をなでるのが普通なのだろう。しかしその子は違った。白い色の髪をしていたのだ。生まれながらに白髪の子は悪魔が宿ると言われていた。その子は忌避された。親からは顔も見たくないといわれ、同年代の子からは悪魔めと暴力を振るわれた。そしてついに彼女は森へと捨てられた。魔法が得意であった魔物のはびこる大森林。フォールン大森林へと…。
「それで…私は…うっ…うっ…。」
少女は泣き出してしまった。
「それは不幸だったな。でも大丈夫。その呪いとやらは俺の補助があれば問題ないだろう!俺がいればってあんまり自身満々には言えないけど…俺は全力でイミナをこの先守ってやる。なんてったって俺はイミナの心臓だからな!」
少女はさらに泣き出してしまった。
「あ、ありがとうございます!!」
「ところで、私はあなたをなんと呼べばいいですか?」
俺は悩む。二度目の人生、新しい名前がほしい。前の名前はどうせこの世界では不思議がられるに違いない。
心臓に名前…というのも少し不思議な話だがまぁいいだろう。
「そうだな、イミナが決めてくれ。かっこいいのを頼む!」
「じゃあ…種族名からとって、リミドさんってどうですか!」
「おぉかっこいいじゃん!安直だけど!」
ぐさっ。イミナが傷つくのがわかる。
「そ、そんな安直ですか…。」
「い、いやでもかっこいいよ!」
これからこの少女と言葉通り一心同体の、二度目の人生が始まるのだ。
朝。
やっとこさの朝だ。恐ろしい夜を終えて俺は一安心した。
俺は目の前に龍が通りすぎるのをびくびくしながら見ていた。
気づくな…気づくなよ…!
…ふぅ。
俺は寝る必要がない…と思うのだ。
全く眠くもない。それにこの子を守るために常に警戒しないといけないのだ。
さてと…そろそろ起きるころかな?
「…ん…あ、あれ…私…生きてる。し、死んでない…。」
俺は伸縮形態を解除して、この子の足からこの子を見るような形態に変形する。
「おはようございます、といったところかな?」
「…。ひぃぃ!!」
少女はとても驚いた。なんだこの物体は、そんな混乱と恐怖の表情だ。
少女は体を後ろに引かせる。しかし、それと同時に物体もついてくるのだ、なお怖いだろう。
なんせその物体が自分とつながっているのだ。
「驚くのも無理はないが、まずは冷静になってほしいんだ。君は一度死んだ。確実に。」
少女は昨夜のことを思い出したのか顔が恐怖で染まっていく。
「だけど安心しろ!今お前は生きている!見ろ、あれ!」
少女は物体が示した方向へと向く。
そこには昨夜自分の心臓を刺した龍がぐしゃぐしゃの状態になっていたのだ。それどころか森に大きな道ができていた。
「だから…冷静に聞いてほしいんだ。俺はお前の心臓だ。よろしく。」
「なるほど…あなたは異世界転生して、私の一度は破壊された心臓を器として転生したと…。」
「そうそう。それで今こういう状況なわけさ。それでだ、俺はこの世界について何も知らないからお前のことを教えてほしいんだ。お前の名前は?」
「えっと…イミナです。ステータスは。」
「あぁ大丈夫だ。俺はお前の心臓、つまりは一心同体。イミナのステータスは自分で確認できるぜ。ただまぁ…許可なくしてみるのはあれかなぁって思って…まぁ見てもいい?」
「はい、大丈夫です。」
名前:イミナ
種族:人間(種族:亜種)
レベル:13
状態:衰弱
称号:運命の子
スキル
・吸収解析
・呪い:魔法不可
・魔法適正
ふむ…いたって普通の子なのか?俺と同じで称号がやけにかっこいいのが気になるが…。
亜種というのが気になるが、それよりもスキルの方だ。
「この吸収解析というのは?」
「私の固有能力(オリジナルスキル)です。どんなスキルでもその詳細な能力を知ることができるんです。でもそのためにはデメリットがあって…その解析するモノを吸収しないといけないんです。人間なんかにやると肌なんかがはがれてしまうんです。それで…」
「それで?」
「この白い髪もあいまって森に放り込まれたんです…。」
とある屋敷に女の子が生まれた。
本来、新しい命が生まれれば誰もが喜ぶ。最も喜ぶのはその子を産んだ親である。胸元に抱き寄せ頭をなでるのが普通なのだろう。しかしその子は違った。白い色の髪をしていたのだ。生まれながらに白髪の子は悪魔が宿ると言われていた。その子は忌避された。親からは顔も見たくないといわれ、同年代の子からは悪魔めと暴力を振るわれた。そしてついに彼女は森へと捨てられた。魔法が得意であった魔物のはびこる大森林。フォールン大森林へと…。
「それで…私は…うっ…うっ…。」
少女は泣き出してしまった。
「それは不幸だったな。でも大丈夫。その呪いとやらは俺の補助があれば問題ないだろう!俺がいればってあんまり自身満々には言えないけど…俺は全力でイミナをこの先守ってやる。なんてったって俺はイミナの心臓だからな!」
少女はさらに泣き出してしまった。
「あ、ありがとうございます!!」
「ところで、私はあなたをなんと呼べばいいですか?」
俺は悩む。二度目の人生、新しい名前がほしい。前の名前はどうせこの世界では不思議がられるに違いない。
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「そうだな、イミナが決めてくれ。かっこいいのを頼む!」
「じゃあ…種族名からとって、リミドさんってどうですか!」
「おぉかっこいいじゃん!安直だけど!」
ぐさっ。イミナが傷つくのがわかる。
「そ、そんな安直ですか…。」
「い、いやでもかっこいいよ!」
これからこの少女と言葉通り一心同体の、二度目の人生が始まるのだ。
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