少女の心臓に転生しました~白髪少女の異世界転生冒険記~

邪ま

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第三章 魔法学園都市オクタグラム編

49 実験台

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ぼろぼろのロイ、フェイ、そしてリヴァイアサンとともに俺らは食堂へと向かう。リヴァイアサンの講義(もとい戦闘実習)のあと、ロイは講義を一つ休み、フェイはすぐに治療されたらしく次の講義は普通に参加していた。アイン級ともなれば受ける講義はほとんど一緒らしく、基本フェイとロイと一緒だった。4講義目からはロイも参加し、その後は昼飯の時間というわけだ。
「ここはプランチャッタがおいしいのよ。アイン級は食堂利用が無料だから貧乏人にとってはうれしいのよね。」
「うそつけNo1。お前あの小型杖、いくらしたんだ言ってみろ。」
「全部で1白金貨ぐらい?自作したから材料費だけだよ。」
日本円で約100万円。ざ、材料費どんだけすんの…あいやまだ安い方?
「見たことがない杖でした。そんな小型にするなんて、もはや杖ではないですよね。」
「まぁねー作るの大変だったよ。こんなちっちゃいのに魔術方式を書いて魔力回路構築しないといけなかったから…こんど作り方教えよっか?」
「い、いえ!大変そうなので遠慮しておきます…。さすがに私じゃ理解できそうにありません。」
「あ、そう。んで何にする?おばさん、プランチャッタ一つください。イミナちゃんはどうする?」
「俺はクルル焼きで。」
「じゃあ、私もそのプランチャッタというのを頂きます。」


「おい…主席と次席が一緒にいるぞ…。」
「しかも一緒にいるのは今日アイン級に編入してきた噂の…」
「悪魔帝を1人で倒した新人Bランクなんだって?」
「悪魔の姿が見えないけど…中にいるのかしら。」


「騒がしいやつらね。」
「俺とお前が一緒にいるのが珍しいんだろ。」
「えっと、ロイさんとフェイさんは仲がいいんですか?」
「「まったく。」」
見事にはもった。
「私は基本的に1人で閉じこもっちゃうタイプだからなーあんまり人に興味わかないんだよ。」
「…。No1は敵視してる。いつか必ずぶっ倒す。」
「ははは!まずはイミナちゃんに勝ってからだね。」
「あれはずるいだろ!魔法以外を使うなんて聞いてない。」
「えっと…ずるに近いことをしてすみません。」
イミナはフェイに向けて謝罪する。
「…。い、いや。俺が油断しただけだ。次は正々堂々やろう。いいな、わかったか。」
「はいはい、フェイ。フォークを人に向けない。」
「あぁんなんだとNo1、貴様俺の母か何かか!?」
「そうねフェイ、よちよち!」
「あぁ貴様煽ってんのか!!」

「お二人はとても仲が良いですね。」
これを仲が良いととらえるのかイミナは。喧嘩するほど…?
というかさっきからリヴァイアサンは無言で飯にありついている。
なんか、リヴァイアサンが静かだと不穏だ。


「じゃあロイさん、フェイさん、また今度。」
「「うん!(おう。)」」
俺たちは午後は講義を受けず、オクタグラムの図書館で魔法不可の呪いについて調べる。むしろこれが本来の目的である。
オクタグラムの図書館はとても広く、この世界で最も大きな図書館であり大量の魔導書や歴史書がある。その本の内容は学園側がすべてを把握していないほどである。基本的にこの学園に通う生徒、許可を出された魔術師などしか使用できず、この図書館目当てにこの都市に来る人は後を絶たない。
「こ…これは…。」
「探すの大変そうだな…。」
「なんなのだここは。魔力臭い。」
本から出る魔力に、魔力感知に優れたリヴァイアサンは少し気持ち悪そうだった。
「頑張って魔法不可の呪いについての文献、探し出しましょう!」




「す…すみません。魔術構成の論文があまりにおもしろくて…。」
魔法不可の呪いについては全く見つからず、途中からイミナは他の本に夢中になってしまい、リヴァイアサンは気持ち悪いと言って図書館を出たため、実質探していたのは俺一人だけだった。こういう時に複数の腕を作れるのは便利だ。
「ふん、まぁいい。じゃあ、そろそろ研究室いこうか。」

この学園には地下に魔術研究室がある。もちろん怪しいやつではなく、普通に存在は認知されているものである。オクタグラムを卒業した後、流れるようにこの研究室に就職する生徒も多いらしい。
「ようこそいらっしゃいましたイミナさん、それと海龍帝王様。」
「おい。いっとくが人間。我は貴様らの研究に手伝う気はないぞ。我がここに来たのはイミナを見守るためだ。変なことをしたら研究室ごとぶちこわすのだ。覚悟しておけ。」
「も、もちろんです。もとよりここは公共的な研究施設。そんな非人道的な研究はできません。ではこちらへどうぞ。まずは、魔力測定からさせていただきますので…。」


体感一時間ぐらいで俺らの研究は終わった。簡単な魔力測定、それと俺とイミナの接合部分の確認である。もちろん、女性研究者のみで行ったぞ。ちゃんとそこらへんは配慮してくれた。意外とこの世界は男女差別が薄そうである。前世の世界と大違いだ。こういう研究施設は男ばかりが勤めているイメージがあったが、ちゃんと女性研究者もいて安心した。
俺らはオクタグラムに滞在する間、午後は図書館にいくのと、研究施設にいくこと以外は生徒として過ごす。そのためオクタグラムの寮で生活することになるのだ。
イミナとリヴァイアサンで二人部屋である。
二つベッドがあるにもかかわらずリヴァイアサンはイミナと一緒に寝たのである。
いやまぁ、ずっと意識はあったがね。ずっとイミナに抱き着きながら頭をなでていた。飽きないね。ほんと。

とまぁ、そんなイミナの学園生活の一日目が幕を閉じたのである。
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