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桜、季節、既に満開
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しおりを挟む”我らが生徒会様たちがいらっしゃった”なんて、生徒会室開けて何当たり前なこと言ってんだって感じだが。
ちょっとカッコつけただけです。えぇ。
その生徒会の皆様は書類仕事をしていたようで席に座っていた。
紅茶の匂いだろうか。フルーティーな良い匂いがする。
「來君じゃないですか」
そう言い小野先輩に駆け寄ったのは副会長である佐野 椎名。
「お久しぶりですかね?」
「そーですかね?」
ふふふと微笑みあっている2人の周りにほわわんとした空気が流れる。
何だか2人の背景も幸せそうな淡い黄色に見えてきた。
「知ってた?この2人付き合ってるの」
「!…いえ、知らなかったです」
いつの間にか俺の背後に人がいた。びっくりした。
副会長と小野先輩が付き合っているのもびっくりしたが。
この背後にいる男は書記の村野 由良。
びっくりして敬語になってしまったが、俺と同じ2年生で同じクラスだ。
「は!今日は挨拶をしに来たんですよ」
副会長に聞かれたのだろう小野先輩が答えた。
久しぶりの恋人との再会に完全に目的を忘れてたな。
「ああ、隊長が変わったんですもんね。
では私たちも並ばないと」
「あ、いえ、そのままで大丈夫ですよ」
「そうですか?では挨拶を先に。
生徒会副会長を務めております佐野椎名です。
以後、お見知りおきを。
…ほら会長!」
副会長が振り向き、まだ自席に座っている会長を呼んだ。
「…あ、あぁ。俺は生徒会会長の桐生 勇人だ。よろしく」
「よろしくお願いします」
なんだろう。すごく素っ気ないのか人見知りなのか。
目を合わせないようにしているのが分かる。
「じゃあ次は俺~。生徒会会計の小澤 涼矢だよ~」
チャラ男だ。
ワイシャツの第3ボタンまで開けている人は少なくとも身近にいないので、それ良いんですか?という気持ちになる。セクシーですね…
「同じクラスだから知っていると思うが、俺は生徒会書記の村野由良だ。」
生徒会の紹介は終わり、俺たちも習って自己紹介をした。
「慣れないことばかりで大変だと思いますが、よろしくお願いします」
副会長はニコッと微笑み俺に言った。
生徒会室を後にした俺たちはそれぞれの寮の部屋に帰った。
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