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『なるほど。そこへ繋がる原理はまだ解明の余地がありそうですが、とにかく魔法の使用にイメージが重要だという一つの証明ですね』
『そうなりそうだね』
『これは今後初心者に魔法を教える際にも、参考になりそうです。イメージの持ち方次第で、従来とは違った魔法発現の可能性もあるかもしれません。もちろんハル殿と我々で持っている常識の差がある、というのは大きいのでしょうが』
『そちらの役に立つのなら、喜ばしいな』
『他にもそのような、我々が思いつかないような発想はないものでしょうか』
『うーん、そもそもこちらの魔法の実際について、まだよく知らないしなあ』
もしかすると知らないからこそ今回のようなイメージを持てたのかもしれず、下手に詳細に知らない方がいいのかもしれないとも思う。
しかしまあこうして身につけた水鉄砲魔法については、知識が変わって使えなくなることもないだろう、と思っておく。
他の魔法についても曲がりなりにも使えているのだから、知識を増やすことで別な進展があるかもしれないよね。
『魔法というのはそもそも、体内に蓄えた魔素を使って自然界にあるものを操る、と考えられているんだね?』
『そうです。水魔法なら水を、風魔法なら空気を、という具合に適性によって特化したものを操れるわけです』
『疑問なんだが。風魔法が空気を操る、というのは分かる。しかし水魔法の場合、まず手元に水を出現させなければならない。これは何処から集めてきているんだろう。魔法によって何もないところから生み出しているんだろうか』
『ああ、それは実験によって解明されています。ごく近い周囲にある水分を、水蒸気に変えて集めているのです』
『そうなのか』
『ええ。密閉した室内で、水に濡らした布を周囲に置いて水魔法を使い続けたところ、その布が少しずつ乾燥していくのが確かめられたのです』
『なるほど』
『一方で少し不可解なのですが、容器に入れた水を置いて同じことを試してみてもその水はほとんど減りませんでした。どうもふつうに溜めた水でなく、何かに含まれたような状態の水や空気中の水蒸気が主に使われるようです』
『溜めた水と何かに含まれた水の違い――水蒸気になりやすいか、といったところなんだろうか』
『そうではないかと思われます』
容器に入れた水が蒸発しにくいということがあるのかどうかは分からないけど、濡らした布の方が空気に触れる表面積が大きいということは言えそうな気がする。
『これ、濡れた布の水を使うにしても、特定場所の布だけを指定して使う、ということはできないんだろうか』
『それは――確かめたことはありませんね』
『指定した場所だけということができれば、ものの乾燥を速める効果が期待できそうだね』
『そう、ですね。実験の価値がありそうです』
ぼんやり空間でよく見えないんだけど、どうも科学者は目を輝かせているみたいだ。
身を乗り出して、さらに尋ねかけてくる。
『やはりハル殿は我々と違った発想ができるようだ。他に、そうした思いつきはありませんか』
『うーん……』ひとしきり、首を捻ってみる。『言ったように、私のいた世界で魔法は空想の中にしかなかったんだが』
『はい』
『その空想物語の中で、よく火魔法で敵を吹っ飛ばすとか、風魔法でものを斬るとかいったものがあったな』
『吹っ飛ばす――斬る――ですか』
『火だけでものを吹っ飛ばすというのが可能なのか、何とも判断しようがない。純粋な火だけなら硬いわけでもなく、重さがあるわけでもないんだから。火と同時に硬いものか爆発物のようなものをぶつけなければ難しい気がしてしまうんだが、何にせよ空想の魔法なんだから考察も難しい』
『そう――ですね』
『そうなりそうだね』
『これは今後初心者に魔法を教える際にも、参考になりそうです。イメージの持ち方次第で、従来とは違った魔法発現の可能性もあるかもしれません。もちろんハル殿と我々で持っている常識の差がある、というのは大きいのでしょうが』
『そちらの役に立つのなら、喜ばしいな』
『他にもそのような、我々が思いつかないような発想はないものでしょうか』
『うーん、そもそもこちらの魔法の実際について、まだよく知らないしなあ』
もしかすると知らないからこそ今回のようなイメージを持てたのかもしれず、下手に詳細に知らない方がいいのかもしれないとも思う。
しかしまあこうして身につけた水鉄砲魔法については、知識が変わって使えなくなることもないだろう、と思っておく。
他の魔法についても曲がりなりにも使えているのだから、知識を増やすことで別な進展があるかもしれないよね。
『魔法というのはそもそも、体内に蓄えた魔素を使って自然界にあるものを操る、と考えられているんだね?』
『そうです。水魔法なら水を、風魔法なら空気を、という具合に適性によって特化したものを操れるわけです』
『疑問なんだが。風魔法が空気を操る、というのは分かる。しかし水魔法の場合、まず手元に水を出現させなければならない。これは何処から集めてきているんだろう。魔法によって何もないところから生み出しているんだろうか』
『ああ、それは実験によって解明されています。ごく近い周囲にある水分を、水蒸気に変えて集めているのです』
『そうなのか』
『ええ。密閉した室内で、水に濡らした布を周囲に置いて水魔法を使い続けたところ、その布が少しずつ乾燥していくのが確かめられたのです』
『なるほど』
『一方で少し不可解なのですが、容器に入れた水を置いて同じことを試してみてもその水はほとんど減りませんでした。どうもふつうに溜めた水でなく、何かに含まれたような状態の水や空気中の水蒸気が主に使われるようです』
『溜めた水と何かに含まれた水の違い――水蒸気になりやすいか、といったところなんだろうか』
『そうではないかと思われます』
容器に入れた水が蒸発しにくいということがあるのかどうかは分からないけど、濡らした布の方が空気に触れる表面積が大きいということは言えそうな気がする。
『これ、濡れた布の水を使うにしても、特定場所の布だけを指定して使う、ということはできないんだろうか』
『それは――確かめたことはありませんね』
『指定した場所だけということができれば、ものの乾燥を速める効果が期待できそうだね』
『そう、ですね。実験の価値がありそうです』
ぼんやり空間でよく見えないんだけど、どうも科学者は目を輝かせているみたいだ。
身を乗り出して、さらに尋ねかけてくる。
『やはりハル殿は我々と違った発想ができるようだ。他に、そうした思いつきはありませんか』
『うーん……』ひとしきり、首を捻ってみる。『言ったように、私のいた世界で魔法は空想の中にしかなかったんだが』
『はい』
『その空想物語の中で、よく火魔法で敵を吹っ飛ばすとか、風魔法でものを斬るとかいったものがあったな』
『吹っ飛ばす――斬る――ですか』
『火だけでものを吹っ飛ばすというのが可能なのか、何とも判断しようがない。純粋な火だけなら硬いわけでもなく、重さがあるわけでもないんだから。火と同時に硬いものか爆発物のようなものをぶつけなければ難しい気がしてしまうんだが、何にせよ空想の魔法なんだから考察も難しい』
『そう――ですね』
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