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チュートリアル 召喚獣の試練

喧嘩

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しばらくしてイフリートが喋り始めた
『試練合格だ
みごとであった
今日からお前が私の主だ』
「死ぬかと思った…もう少し手加減とかないの?」
『そう言うな
仕方が無いだろう
試練で手を抜いたら意味が無くなってしまうからな
しかし最後はどうやって切り抜けたのだ?』
「最後のやつ?」
『そうだ』
「あの時は思いっきし剣を握ったら剣が光って、何が何だか分かんなかったけどそのまんま振り下ろしたら切れた」
『ふむ…少し剣を見てもいいか?』
「あぁ、いいぞ」
僕はイフリートに剣を渡した
イフリートは剣を手に持ちじっと見てなにか分かったような顔をしたが不思議そうな顔をして、こちらをみている
『この剣…主はこの剣
誰からもらったんだ?』
「それか?
ここに来る途中、神様にもらったんだ」
『神だと?
もしかして主は使命者なのか?』
「使命者?」
『あぁ、少し話をしよう
何年か前の出来事だ
この世界に危機が訪れた時があったんだ』
「あ、それはこの世界に来る前に神様から聞いたよ」
『まぁ、待て最後まで聞くんだ
人間界にとある遺跡があったんだ
そこから大量の闇が生まれた
モンスターはその闇から生まれた
そのモンスター達は毎日、自分達で意味もなく殺しあって時が過ぎていった
そしてある日、モンスター達のなかの1体に変化が起きたのだ
人と同じく知性を持ったのだ
それだけではなく遺跡から溢れだす闇を吸収し、とてつもない強さを手に入れたんだ
そいつが今、封印されている者だ
封印されたものは新しく手に入れた知性でモンスター達を統制したんだ
そしてモンスター達は封印されている者の配下になり地上を攻め始めたんだ
その時に現れたのがお前と同じ使命者だ
神に選ばれ討伐という使命を背負い、戦った
彼は強かったが仲間がいなかった
なぜなら、強すぎる彼についていけずに去っていった
だが彼は諦めなかった
1人で万を超えるほどの数のモンスターを倒し、封印された者に挑んだ
しかし、最後は敵から致命傷を受けてしまったんだ
封印された者の部下が後ろから彼を刺したんだ
彼は最後の力で奴を封印して息をひきとっていった…
とてもいい奴だった
そして最後まで独りであった』
「そんな事があったのか…
でも1つ質問があるのだけど世界の危機が訪れてるんならお前ら幻獣たちはなにしてたんだ?
危機が来てるときに行かなかったのか?」
『我らはあくまでも幻獣…いかなる事があったとしても試験を合格し召喚されるまではここを出れない…見てる事しか出来なかった
もどかしかった、目の前で危機が迫っているのに行けないことが』
「そっか…
じゃあさ、契約しようよ」
『???』
「今度は一緒に世界を守るってさ」
『…ハッハッハ!
そうだな、ありがとう…
でもその前にレベルをあげ、魔力をあげて我らを召喚出来るようにしないとな??』
「うぐっ…分かってたのかよ」
『当たり前だ…なぜなら我らは契約をしたからな
さて話は戻すがこの剣だったな
この剣には風が宿っておる
簡単に言えば、魔剣だ
剣に宿っている力が解放されている
使えるかは主次第だ』
「なるほど…
わかった、ありがとう」
「あぁ、なにか用がある時は呼ぶがいい
さらばだ…また会おう」


目の前が真っ白になり、気付いたら元の体育館に戻ってきていた
僕の周りに人が集まっていて前を見たら守がいた
「おい、凜人!
無事だったか!?」
とても静かな中、守が声をかけてきた
「ああ、この通り、少し焦げたりはしてるけど無事だよ」
「おまえが戻ってきたってことはもしかして幻獣の試練に合格したのか…?」
「死ぬかと思ったけど何とか合格は出来た」
すると周りがいっせいに歓声をあげ騒がしくなり凜人はみんなにもみくちゃにされた
「お前すげーな」
「凜人君かっこいい!」
「全くのノーマークだったよ」
様々な声が飛び交う中僕はなんだか恥ずかしくなった
そんな時に彼は現れた
「騙されるな!
こいつの言っていることは嘘だ!」
現れたのは前にいちゃもんをつけてきた奴だった
「俺は騙されないぞ
だいたい、お前みたいなやつが召喚魔法を手に入れ、試練に打ち勝つなんてありえないんだよ!
みんなも考えてみろよ
こんな弱そーなやつが勝てると思うか?
どーせ負けて帰ってきたか、弱いやつ倒してきたんだよ
ほら、本当のこと言ってみろよ」
「いや、嘘なんか言ってないよ
僕は試練に打ち勝った」
「はっ、どーだか
口ではいくらでも言えるだろ」
「じゃあなんだよ、どうしてら信用してもらえるんだよ」
「証明しろ、俺と決闘をしてな!」
「はい?
何言ってんの?」
「決闘だよ
そんなこともわかんないのかな?
次の時間は対人訓練
そこで長期休業前の学年1位をきめるトーナメント戦があるの忘れたのか?
その時に僕と戦って証明してみろよ」
「ふーん…そんなんあったんだ
でも、証明したいけど無理だよ
悪いけど僕は魔力が足りなくて召喚魔法使えないんだよね
今回は石があったから使えたんだよ」
「そーかい…じゃあこれをやるよ」
彼は石を投げてきた
「これで使えるんだろ?
俺は君とは違って魔力がある
だからそんな石使わなかったんだよ
それをくれてやる
俺との戦いの時に使って証明してみろよ
…出来るもんならな」
彼は笑いながら去っていく
僕はそれを聞いてやる気に満ち溢れていた
「望むところだ」
このやり取りを見ていた守が話しかけてきた
「お前ホントにやんのかよ!?
腐ってもアイツは貴族だぞ!
パラメータもオール200以上
魔法に関してはランクがAランクなんだぞ!」
「…パラメータって?」
その瞬間、僕の言った言葉で場が凍った
「おっ…お前…そんなもんもしらんでやっていたのか!?」
驚いた表情で守は聞いてきた
「え…あー…うん」
守はため息を吐いて喋りだす
「はぁー…パラメータは数値的に見れる力のことを表すものだよ
『ステータスオープン』っていうと開くんだよ
お前授業きいてなかっただろ…」
「んー、多分寝てたかも…開いてみる」
(あのクソ神め…ちゃんと教えてよ…)
「ステータスオープン」
目の前に光で文字が現れた

_______________

高井凜人

力︰79
耐久︰82
早さ︰89
器用︰197
運︰13
魔力︰170

魔法

幻獣召喚 魔法ランクSS

イフリート 絆レベル 2

スキル

幻獣との絆

幻獣に認められ絆が深まると幻獣を召喚した時に幻獣の力がパラメータにプラスされる


_______________


「守、これは強いのか?」
「パラメータは器用さと魔力を除いて俺たちとほぼ一緒だ
スキルと魔法が普通じゃないな…やっぱりお前の家どっかの貴族か勇者だったんじゃねぇの?」
「だから、うちは一般的な家庭だよ」
「それにしても幻獣何手に入れたんだ?」
「え?書いてるだろ」
「そんなもんどこにもないぞ」
「え?」

どういう事だ?
もしかしてほかの人には見えていないの…



鐘がなり、対人訓練の時間になった


「よーし、みんな
この時間は対人授業だ!
今回はトーナメント戦を行う
そこで今回は特別に賞品を用意している
賞品はギルドが特別に用意してくれたものだ」
そして先生は大きな声で人をよんだ
すると4人のスーツを来た人が来た
「この人たちは審判もといギルドから来たお偉いさんだ!
その人達から話がある
ではどうぞ」
スーツを来た人たちから1人、前に出て話し始めた
「ご紹介にあたりまして
どうも審判を努めさせていただくギルド役員の田中と申します
え~本日は…」
長い話が始まり、みんながだるそうに話を聞いていた
僕もめんどくさいので聞き流しながらちらりと彼のところを見ると首を少し曲げ笑いながらこちらを見ていた
僕はギルドの人に視線を戻し、めんどくさいが話を聞いた
「このトーナメント戦は学年の1位を決める大会になっております
皆様も夏休みが明日に迫っているところで喜びもいっぱいなのではないでしょうか?
中には夏休みにダンジョンに潜る…なんて人もいるんじゃないでしょう
私達も今回の大会もただやるのはつまらないと思いまして、私達から少しえいこ光ある冒険者を目指すあなた方に優勝賞品を用意いたしました」
そういって田中は指を鳴らし後ろにいた同じくスーツを着た男が箱を持ってきてふたを開けた
中身は腕輪だった
「これは先日ギルドの方で見つけた遺跡の中にあった龍王の腕輪です」
俺は見た瞬間、心がざわめき血が沸騰したような感じがした
『主よ…聞こえるか?』
(もしかしてイフリート?)
『そうだ』
(どうしたの?)
『今、主から強い共鳴を感じた』
(どういう事だ?)
『つまりお前の持っている召喚魔法が共鳴したという事だ』
(もしかしてあの腕輪は…)
『ああ…今お前から通じて見たのだが…恐らくあの腕輪には龍の長…つまり龍王が封印されている』
(もしかしてあの腕輪を手に入れたら新しい召喚獣の試練が受けれるのか?)
『ああ、だが手に入れてもすぐには解放されないだろう』
(え、なんで?)
『恐らくあれはまだ眠っている
だが眠りについてる召喚獣は強い思いに反応をして力を貸してくれる
この先の事を考えたら手に入れるんだ』
(わかった、ありがとう)
「腕輪を持って帰り鑑定した結果
この腕輪には特殊な効果がついてることが分かったのです
この腕輪は魔力を貯蔵できるのです
貯蔵した魔力は自由に引き出せます
これを皆様の中の最も優れているものに投資しようと思ったのです
どうかこの腕輪をめざして頑張ってください」
スーツの男の長い話が終わりトーナメント戦の予選が始まった
予選はバトルロワイヤルで各八ブロックの最後まで生き残った人が決勝にいくルールのようだ
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