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目指すべき場所へ
3-9 再び船で
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ピョロロロ、ピョロ、ピョロピョロロロロ。
獣人の里に二つに音色が響き渡る。
二重奏となったそれはダクザが以前に吹いた旋律と
全く同じ物で、しっかりと吹き手の意思が宿っていた。
「もう大丈夫だナ」
リリシとアミルアの奏でる笛の音に、ダクザは安堵し
目を柔らかく細める。
「父さン、海岸にマグナ船長の船が来ましタ」
ケルノスの報せで、ダクザはリリシ達を伴って
ジャングルを抜け海岸へと向かう。
リリシ達は、獣人の里の赤と水色の色合いが
綺麗な民族衣装を着せて貰っていた。
ダクザは、まず船から降りて来たマグナに挨拶をして
こちらの事情を知らせる。
「よう、お嬢ちゃん達。また会ったな!」
マグナは、にやっと口の端をほころばせて告げた。
「うん! マグナさん、元気そうで何より!」
「またお世話になりますわ」
「ダクザから大体の話は今聞いた!
だが、ツジヤ王国は海賊の俺達が簡単に入り込めるような土地では
無いんだ。だから、ツジヤ王国とハルヴェリア教国の
境目にある街まで送り届けるぞ。
丁度、以前にお嬢ちゃん達を乗せたあの街だ」
奴隷オークションが開かれていた街に戻ると聞いて
リリシが少し眉を顰める。
あの時、もしもダクザ以外の人に落札されていたら──。
今頃は、こんな平穏な状況では無かっただろうし
ツジヤ王国へカグヅチを助けに行く事も出来なかっただろう。
改めて、リリシは正面に居るダクザにお礼を言う。
「ダクザさん。本当にありがとう。
私、絶対自分の目的を果たすから。カグヅチを助けてみせるから」
「三年以内に私は、必ず戻りますわ。
だから心配しないでくださいまし。ダクザさん、ケルノスさん。
サリーさんにもよろしくお伝えくださいな」
ダクザの隣にはケルノスが並んでいる。
ケルノスは、リリシとアミルアに順番に握手を求め
しっかりと約束が交わされた。
「じゃあ、物資の積み込みが終わり次第出航するからな!
二人は、船室で居てくれ。それと、いざと言う時には魔浄笛の
援護を頼んだぞ」
「任せてください!」
ダクザから託された笛の入った袋を持ち、日用品等を
詰めた袋を背負ってリリシとアミルアは船室へと移動する。
久々の磯の香り、たぷんたぷんと船に打ち付ける細かな波の揺れが
心地良い。
その日、オレンジや酒、水、ジャガイモ等の入った樽が海賊船へと
積み込まれやがて船は、南の海域へと出発した。
待ち受けるは、海の魔物。
魔浄笛の二重奏が、響き渡る。その笛でも逃げない強い魔物は
マグナと船員達が片付けて行く。
戦いは朝まで続いた。
陽の光が差すと、甲板には一面魔物の死骸が転がっていた。
獣人の里に二つに音色が響き渡る。
二重奏となったそれはダクザが以前に吹いた旋律と
全く同じ物で、しっかりと吹き手の意思が宿っていた。
「もう大丈夫だナ」
リリシとアミルアの奏でる笛の音に、ダクザは安堵し
目を柔らかく細める。
「父さン、海岸にマグナ船長の船が来ましタ」
ケルノスの報せで、ダクザはリリシ達を伴って
ジャングルを抜け海岸へと向かう。
リリシ達は、獣人の里の赤と水色の色合いが
綺麗な民族衣装を着せて貰っていた。
ダクザは、まず船から降りて来たマグナに挨拶をして
こちらの事情を知らせる。
「よう、お嬢ちゃん達。また会ったな!」
マグナは、にやっと口の端をほころばせて告げた。
「うん! マグナさん、元気そうで何より!」
「またお世話になりますわ」
「ダクザから大体の話は今聞いた!
だが、ツジヤ王国は海賊の俺達が簡単に入り込めるような土地では
無いんだ。だから、ツジヤ王国とハルヴェリア教国の
境目にある街まで送り届けるぞ。
丁度、以前にお嬢ちゃん達を乗せたあの街だ」
奴隷オークションが開かれていた街に戻ると聞いて
リリシが少し眉を顰める。
あの時、もしもダクザ以外の人に落札されていたら──。
今頃は、こんな平穏な状況では無かっただろうし
ツジヤ王国へカグヅチを助けに行く事も出来なかっただろう。
改めて、リリシは正面に居るダクザにお礼を言う。
「ダクザさん。本当にありがとう。
私、絶対自分の目的を果たすから。カグヅチを助けてみせるから」
「三年以内に私は、必ず戻りますわ。
だから心配しないでくださいまし。ダクザさん、ケルノスさん。
サリーさんにもよろしくお伝えくださいな」
ダクザの隣にはケルノスが並んでいる。
ケルノスは、リリシとアミルアに順番に握手を求め
しっかりと約束が交わされた。
「じゃあ、物資の積み込みが終わり次第出航するからな!
二人は、船室で居てくれ。それと、いざと言う時には魔浄笛の
援護を頼んだぞ」
「任せてください!」
ダクザから託された笛の入った袋を持ち、日用品等を
詰めた袋を背負ってリリシとアミルアは船室へと移動する。
久々の磯の香り、たぷんたぷんと船に打ち付ける細かな波の揺れが
心地良い。
その日、オレンジや酒、水、ジャガイモ等の入った樽が海賊船へと
積み込まれやがて船は、南の海域へと出発した。
待ち受けるは、海の魔物。
魔浄笛の二重奏が、響き渡る。その笛でも逃げない強い魔物は
マグナと船員達が片付けて行く。
戦いは朝まで続いた。
陽の光が差すと、甲板には一面魔物の死骸が転がっていた。
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