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奉仕実技
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「――今日の授業は『奉仕実技』だ。」
その一言が教室に響いた瞬間、僕は全身の血が一気に引くような感覚を覚えた。
授業の講堂には、いつもより多くの調教師候補生たちが見学に来ていた。
しかも今日は、数人の外部視察者――スポンサーとも呼ばれる資産家の男たちも最前列に座っている。
「奴隷候補としての最重要技能。口での奉仕は、その従順さと技巧が何より評価される。」
教官が冷たい声でそう言うと、後ろに並んでいた僕らM候補生たちは、一斉に怯えたように俯いた。
「玲。」
「……っ……はい。」
名前を呼ばれた僕は、もう逃げられないと悟って、ぎこちなく前に進み出た。
壇上には簡素な椅子が置かれ、そこに調教師候補の青年が座って待っていた。
僕より少し年上で、黒髪を無造作に流した鋭い目つきの少年だった。見たことがある。S候補の中でも腕が立つと噂の人だ。
「この壇上で、お前はその口を使って奉仕する。それを全員に見せろ。」
「……はい……」
膝が震えた。脚の間がぞくりと疼く。怖くて、恥ずかしくて、泣きそうだった。
◇ ◇ ◇
「膝をつけ。ご主人様に挨拶しろ。」
「……ご奉仕、させていただきます……」
覚えたばかりの礼法を思い出し、震える声で告げる。
すると座っていた少年――僕の奉仕相手――が薄く笑った。
「遠慮はいらない。お前の全てを見せてみろ。」
「……っ……」
僕はおずおずと彼の脚の間に手を伸ばし、服の布地をそっと引き下げた。
目の前に現れたそれは熱を持って脈動していて、見ているだけで胃がひっくり返りそうだった。
でも逃げられない。これが僕の役目だから。
「……失礼します……」
そう小さく囁いてから、そっと舌を出し先端に触れた。
「……んっ……」
わずかに感じた塩辛さ。息を詰め、もう一度舌を這わせる。
背後から、調教師や資産家たちの視線が突き刺さるように降り注いだ。
(やだ……こんなの、みんなの前で……)
羞恥で涙が滲んだ。けれど同時に、講堂の入口付近に立つ灰色の瞳と目が合った。
聖弥さんだ。冷たい瞳で、じっと僕だけを見ていた。
その瞬間、胸がぎゅっと熱くなる。
(見てて……ちゃんと、僕が従順にできるところ……)
◇ ◇ ◇
「もっと奥まで含め。口だけじゃなく、手も添えろ。」
教官の指示が飛び、僕は震える手で根元をそっと握った。
「は……ぅ……」
唾液を垂らしながらゆっくり口を動かすと、頭を軽く押さえられた。
「そうだ、いい子だ。」と低く笑う声が頭の上から落ちてきて、背筋がぞわぞわと粟立つ。
涙がぽろぽろ零れた。悔しくて、惨めで、それでも褒められたい一心で舌を絡める。
(僕……おかしくなっちゃったのかな……)
壇上の端、聖弥さんの視線が少しだけ細められる。その目が唯一の救いだった。
◇ ◇ ◇
「――もういい。」
やっと許しが出た。僕は口元をぬぐうこともできず、膝の上に両手を置いてうつむいた。
「玲、よくやったな。」
不意に講堂の空気が和らぎ、教官が僕の頭にそっと手を置いた。
「この子は奉仕姿勢が美しい。羞恥に耐えながらも必死に尽くそうとするのは、奴隷として何より大切な資質だ。」
「……ありがとうございます……」
声がくぐもり、涙が床にぽたりと落ちた。
◇ ◇ ◇
授業が終わった後、講堂の裏手の廊下で聖弥さんに腕を掴まれた。
「……聖弥、さん……」
「情けない顔をするな。」
そう言いながらも、聖弥さんの指先はそっと僕の頬を撫でた。
「泣きそうになってたな。」
「……だって、恥ずかしくて……でも……」
「でも?」
「……聖弥さんが見てくれてたから……耐えられました……」
そう告げると、聖弥さんは小さく息を吐いて僕の顎を持ち上げた。
「お前は本当に……愚かだな。だがその愚かさがいい。」
唇に軽く口づけられた瞬間、頭が真っ白になる。
(僕……この人にもっと認めてもらいたい……)
怖いはずなのに、胸が痛いほど嬉しかった。
◇ ◇ ◇
この学園は僕を変えてしまった。
勉強が出来なかった僕に、従順でいることしか出来なかった僕に、ここは「価値」を与えてくれた。
そして聖弥さんは、その中で唯一僕をちゃんと見てくれる人だった。
(だから……もっと頑張らなきゃ……)
胸の奥で小さくそう誓い、僕はまた薄暗い廊下を歩き出した。
その一言が教室に響いた瞬間、僕は全身の血が一気に引くような感覚を覚えた。
授業の講堂には、いつもより多くの調教師候補生たちが見学に来ていた。
しかも今日は、数人の外部視察者――スポンサーとも呼ばれる資産家の男たちも最前列に座っている。
「奴隷候補としての最重要技能。口での奉仕は、その従順さと技巧が何より評価される。」
教官が冷たい声でそう言うと、後ろに並んでいた僕らM候補生たちは、一斉に怯えたように俯いた。
「玲。」
「……っ……はい。」
名前を呼ばれた僕は、もう逃げられないと悟って、ぎこちなく前に進み出た。
壇上には簡素な椅子が置かれ、そこに調教師候補の青年が座って待っていた。
僕より少し年上で、黒髪を無造作に流した鋭い目つきの少年だった。見たことがある。S候補の中でも腕が立つと噂の人だ。
「この壇上で、お前はその口を使って奉仕する。それを全員に見せろ。」
「……はい……」
膝が震えた。脚の間がぞくりと疼く。怖くて、恥ずかしくて、泣きそうだった。
◇ ◇ ◇
「膝をつけ。ご主人様に挨拶しろ。」
「……ご奉仕、させていただきます……」
覚えたばかりの礼法を思い出し、震える声で告げる。
すると座っていた少年――僕の奉仕相手――が薄く笑った。
「遠慮はいらない。お前の全てを見せてみろ。」
「……っ……」
僕はおずおずと彼の脚の間に手を伸ばし、服の布地をそっと引き下げた。
目の前に現れたそれは熱を持って脈動していて、見ているだけで胃がひっくり返りそうだった。
でも逃げられない。これが僕の役目だから。
「……失礼します……」
そう小さく囁いてから、そっと舌を出し先端に触れた。
「……んっ……」
わずかに感じた塩辛さ。息を詰め、もう一度舌を這わせる。
背後から、調教師や資産家たちの視線が突き刺さるように降り注いだ。
(やだ……こんなの、みんなの前で……)
羞恥で涙が滲んだ。けれど同時に、講堂の入口付近に立つ灰色の瞳と目が合った。
聖弥さんだ。冷たい瞳で、じっと僕だけを見ていた。
その瞬間、胸がぎゅっと熱くなる。
(見てて……ちゃんと、僕が従順にできるところ……)
◇ ◇ ◇
「もっと奥まで含め。口だけじゃなく、手も添えろ。」
教官の指示が飛び、僕は震える手で根元をそっと握った。
「は……ぅ……」
唾液を垂らしながらゆっくり口を動かすと、頭を軽く押さえられた。
「そうだ、いい子だ。」と低く笑う声が頭の上から落ちてきて、背筋がぞわぞわと粟立つ。
涙がぽろぽろ零れた。悔しくて、惨めで、それでも褒められたい一心で舌を絡める。
(僕……おかしくなっちゃったのかな……)
壇上の端、聖弥さんの視線が少しだけ細められる。その目が唯一の救いだった。
◇ ◇ ◇
「――もういい。」
やっと許しが出た。僕は口元をぬぐうこともできず、膝の上に両手を置いてうつむいた。
「玲、よくやったな。」
不意に講堂の空気が和らぎ、教官が僕の頭にそっと手を置いた。
「この子は奉仕姿勢が美しい。羞恥に耐えながらも必死に尽くそうとするのは、奴隷として何より大切な資質だ。」
「……ありがとうございます……」
声がくぐもり、涙が床にぽたりと落ちた。
◇ ◇ ◇
授業が終わった後、講堂の裏手の廊下で聖弥さんに腕を掴まれた。
「……聖弥、さん……」
「情けない顔をするな。」
そう言いながらも、聖弥さんの指先はそっと僕の頬を撫でた。
「泣きそうになってたな。」
「……だって、恥ずかしくて……でも……」
「でも?」
「……聖弥さんが見てくれてたから……耐えられました……」
そう告げると、聖弥さんは小さく息を吐いて僕の顎を持ち上げた。
「お前は本当に……愚かだな。だがその愚かさがいい。」
唇に軽く口づけられた瞬間、頭が真っ白になる。
(僕……この人にもっと認めてもらいたい……)
怖いはずなのに、胸が痛いほど嬉しかった。
◇ ◇ ◇
この学園は僕を変えてしまった。
勉強が出来なかった僕に、従順でいることしか出来なかった僕に、ここは「価値」を与えてくれた。
そして聖弥さんは、その中で唯一僕をちゃんと見てくれる人だった。
(だから……もっと頑張らなきゃ……)
胸の奥で小さくそう誓い、僕はまた薄暗い廊下を歩き出した。
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