少年メイドは小悪魔ショタでした

ましゅまろ

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ようこそ、ご主人様?

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「ご主人様、お目覚めの時間です。ダメダメな顔してて可愛いですね」

枕元で聞こえる甘ったるい声にうっすらと目を開けると、そこには完璧な笑顔で微笑むメイド姿の少年がいた。

――メイド姿の、少年?

「……だれ?」

「ボク、今日からこの屋敷で働くことになった新人メイドのユウトです。年齢は10歳!趣味はお菓子作りと、主人をからかうことです!」

元気よく自己紹介してくる彼は、艶のある黒髪に大きな瞳、ほっそりとした体つきで、まるで人形のように整っていた。けれども、その見た目とは裏腹に口元にはいたずらっぽい笑みを浮かべている。

「ちょ、ちょっと待て。なんで少年がメイド服着てるんだ?」

「えっ、ご主人様の趣味じゃないんですか?」

「ちがう!!」

「じゃあ、そういう趣味にしちゃいましょう。ね?」

全然聞いてない。まさかと思うが、この子――かなりの曲者だ。

「ささ、朝食の準備ができておりますので、起きてくださいませ。起きないと……お布団の中に入っちゃいますよ?」

にこりと笑って、布団の隙間からするりと手を伸ばしてくるユウト。

「ちょ、おまっ、やめろ!!」

「お目覚めのスキンシップってことで、ボクのサービスです。ご主人様専用ですよ?」

ここは東京近郊にある、九条財閥の本邸。広さ数千坪、メイドや執事が常駐する超豪邸。その次期当主――つまり、僕・九条 晴人は、世界的大企業グループの御曹司という肩書きを持ちながら、朝はめっぽう弱い、ただの大学生である。

なのに、なぜか今、布団に潜り込もうとしている小悪魔ショタメイドに迫られている。

……まだ夢なら、どうか起きさせてください。

こうして、奇妙すぎる同居生活が始まった。
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