処女だとバレたら国王に娶られる世界で、逆に性知識マスターになった私の話

ましゅまろ

文字の大きさ
7 / 8
本編

最終試験、そして“感情”がほどけた夜

──四日目。
いよいよ、“最終試験”。

私はまた王城の門をくぐった。
胸の鼓動はもう、昨日までとは違う意味で激しい。

(今日で終わる……)

(バレるかもしれない。……でも、それだけじゃない)

(この人と、向き合うことになる)

 

王の私室。
レオンは窓辺で背を向けていた。

いつもの黒衣ではなく、今日の彼は……ただの青年のような顔をしていた。

 

「来たか」

「はい……最終試験なんですよね?」

 

「そうだ。……だから俺も、覚悟を決めた」

 

(……覚悟?)

 

レオンは私に歩み寄ると、そっと手を伸ばした。

「今日は……“抱く”。本当に抱くつもりで試す。だから、お前も誤魔化しは通じない」

 

その言葉に、私は大きく息を飲んだ。

(……きた。ついに……!)

 

でも、逃げなかった。
震えていたけど、目を逸らさなかった。

 

私は言った。

「それで、あなたの心も……“試される”かもしれませんけど、いいんですか?」

 

一瞬、レオンの目が揺れた。

そして彼は、微笑んだ。

「構わない。──俺も、“知らなかった感情”に触れている気がする」

 

◆ ◆ ◆

 

ベッドの上。
私はレオンの手に導かれて横たわる。

いつもより、彼の動きは……優しかった。

 

「……痛かったら言え」

「えっ?」

 

「いや。……演技なら、無理だなと思ってな」

 

レオンは笑いながら、私のドレスの肩紐を下ろした。

指が肌に触れるたび、ビクリと震える。

だけど私は、目を閉じて、呼吸を整えた。

 

「リリィ。お前、本当に……処女か?」

 

その問いに、私は笑った。

「どうでしょうね。あなたにしか、わからないんじゃないですか?」

 

レオンの指が、私の胸元に触れる。
優しく、撫でるように。舌先が、鎖骨をなぞる。

そして、ドレスの裾が上がり、脚が開かされて──

 

「……っ!」

 

私は叫びそうになるのを、唇を噛んでこらえた。

 

(だめ……だめ……バレる……でも、でも……!)

 

レオンの指が下着越しに触れたとき。

私の身体は、小さく跳ねた。

だが、そこでレオンの手が止まる。

 

「……わかった。もう、充分だ」

 

「えっ……?」

 

レオンは、私を優しく見下ろして、こう言った。

 

「もう試さなくていい。……お前が処女かどうかなんて、どうでもよくなった」

 

私は、動けなかった。

 

「なに、言って……」

 

「俺は、お前の演技を見てるうちに……“お前そのもの”に惹かれていたんだ」

 

「…………っ!」

 

「だから、もう試験は終わりだ。お前を抱かない。──これは、“恋”として始めたい」

 

◆ ◆ ◆

 

王の腕に包まれながら、私は泣きそうになっていた。

勝ったとか、バレなかったとか、そんなことじゃない。

この人が、初めて“私という存在”を、法や制度を超えて見てくれたことが──
ただ、嬉しかった。

 

(……この恋、嘘から始まったけど)

(でも今は、少しずつ“本物”になってる……)

 

そして、私たちはまだ触れ合ったまま、朝を迎えた。

レオンの胸元で眠るその夜、私は確信していた。

 

“これは、もう逃げじゃない。私が選んだ恋だ”と。
感想 0

あなたにおすすめの小説

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

お兄様「ねえ、イケナイ事をしよっか♡」

小野
恋愛
父が再婚して新しく出来たお兄様と『イケナイ事』をする義妹の話。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!