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本編
最終試験、そして“感情”がほどけた夜
──四日目。
いよいよ、“最終試験”。
私はまた王城の門をくぐった。
胸の鼓動はもう、昨日までとは違う意味で激しい。
(今日で終わる……)
(バレるかもしれない。……でも、それだけじゃない)
(この人と、向き合うことになる)
王の私室。
レオンは窓辺で背を向けていた。
いつもの黒衣ではなく、今日の彼は……ただの青年のような顔をしていた。
「来たか」
「はい……最終試験なんですよね?」
「そうだ。……だから俺も、覚悟を決めた」
(……覚悟?)
レオンは私に歩み寄ると、そっと手を伸ばした。
「今日は……“抱く”。本当に抱くつもりで試す。だから、お前も誤魔化しは通じない」
その言葉に、私は大きく息を飲んだ。
(……きた。ついに……!)
でも、逃げなかった。
震えていたけど、目を逸らさなかった。
私は言った。
「それで、あなたの心も……“試される”かもしれませんけど、いいんですか?」
一瞬、レオンの目が揺れた。
そして彼は、微笑んだ。
「構わない。──俺も、“知らなかった感情”に触れている気がする」
◆ ◆ ◆
ベッドの上。
私はレオンの手に導かれて横たわる。
いつもより、彼の動きは……優しかった。
「……痛かったら言え」
「えっ?」
「いや。……演技なら、無理だなと思ってな」
レオンは笑いながら、私のドレスの肩紐を下ろした。
指が肌に触れるたび、ビクリと震える。
だけど私は、目を閉じて、呼吸を整えた。
「リリィ。お前、本当に……処女か?」
その問いに、私は笑った。
「どうでしょうね。あなたにしか、わからないんじゃないですか?」
レオンの指が、私の胸元に触れる。
優しく、撫でるように。舌先が、鎖骨をなぞる。
そして、ドレスの裾が上がり、脚が開かされて──
「……っ!」
私は叫びそうになるのを、唇を噛んでこらえた。
(だめ……だめ……バレる……でも、でも……!)
レオンの指が下着越しに触れたとき。
私の身体は、小さく跳ねた。
だが、そこでレオンの手が止まる。
「……わかった。もう、充分だ」
「えっ……?」
レオンは、私を優しく見下ろして、こう言った。
「もう試さなくていい。……お前が処女かどうかなんて、どうでもよくなった」
私は、動けなかった。
「なに、言って……」
「俺は、お前の演技を見てるうちに……“お前そのもの”に惹かれていたんだ」
「…………っ!」
「だから、もう試験は終わりだ。お前を抱かない。──これは、“恋”として始めたい」
◆ ◆ ◆
王の腕に包まれながら、私は泣きそうになっていた。
勝ったとか、バレなかったとか、そんなことじゃない。
この人が、初めて“私という存在”を、法や制度を超えて見てくれたことが──
ただ、嬉しかった。
(……この恋、嘘から始まったけど)
(でも今は、少しずつ“本物”になってる……)
そして、私たちはまだ触れ合ったまま、朝を迎えた。
レオンの胸元で眠るその夜、私は確信していた。
“これは、もう逃げじゃない。私が選んだ恋だ”と。
いよいよ、“最終試験”。
私はまた王城の門をくぐった。
胸の鼓動はもう、昨日までとは違う意味で激しい。
(今日で終わる……)
(バレるかもしれない。……でも、それだけじゃない)
(この人と、向き合うことになる)
王の私室。
レオンは窓辺で背を向けていた。
いつもの黒衣ではなく、今日の彼は……ただの青年のような顔をしていた。
「来たか」
「はい……最終試験なんですよね?」
「そうだ。……だから俺も、覚悟を決めた」
(……覚悟?)
レオンは私に歩み寄ると、そっと手を伸ばした。
「今日は……“抱く”。本当に抱くつもりで試す。だから、お前も誤魔化しは通じない」
その言葉に、私は大きく息を飲んだ。
(……きた。ついに……!)
でも、逃げなかった。
震えていたけど、目を逸らさなかった。
私は言った。
「それで、あなたの心も……“試される”かもしれませんけど、いいんですか?」
一瞬、レオンの目が揺れた。
そして彼は、微笑んだ。
「構わない。──俺も、“知らなかった感情”に触れている気がする」
◆ ◆ ◆
ベッドの上。
私はレオンの手に導かれて横たわる。
いつもより、彼の動きは……優しかった。
「……痛かったら言え」
「えっ?」
「いや。……演技なら、無理だなと思ってな」
レオンは笑いながら、私のドレスの肩紐を下ろした。
指が肌に触れるたび、ビクリと震える。
だけど私は、目を閉じて、呼吸を整えた。
「リリィ。お前、本当に……処女か?」
その問いに、私は笑った。
「どうでしょうね。あなたにしか、わからないんじゃないですか?」
レオンの指が、私の胸元に触れる。
優しく、撫でるように。舌先が、鎖骨をなぞる。
そして、ドレスの裾が上がり、脚が開かされて──
「……っ!」
私は叫びそうになるのを、唇を噛んでこらえた。
(だめ……だめ……バレる……でも、でも……!)
レオンの指が下着越しに触れたとき。
私の身体は、小さく跳ねた。
だが、そこでレオンの手が止まる。
「……わかった。もう、充分だ」
「えっ……?」
レオンは、私を優しく見下ろして、こう言った。
「もう試さなくていい。……お前が処女かどうかなんて、どうでもよくなった」
私は、動けなかった。
「なに、言って……」
「俺は、お前の演技を見てるうちに……“お前そのもの”に惹かれていたんだ」
「…………っ!」
「だから、もう試験は終わりだ。お前を抱かない。──これは、“恋”として始めたい」
◆ ◆ ◆
王の腕に包まれながら、私は泣きそうになっていた。
勝ったとか、バレなかったとか、そんなことじゃない。
この人が、初めて“私という存在”を、法や制度を超えて見てくれたことが──
ただ、嬉しかった。
(……この恋、嘘から始まったけど)
(でも今は、少しずつ“本物”になってる……)
そして、私たちはまだ触れ合ったまま、朝を迎えた。
レオンの胸元で眠るその夜、私は確信していた。
“これは、もう逃げじゃない。私が選んだ恋だ”と。
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